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零 ~ロワに降り立った天災~ ◆.pKwLKR4oQ



目の前に死体があったら、どうするべきだろう?
もし平和な日常なら警察に連絡するべきだ。
もっともその前に見つけた者の思考は驚愕で埋め尽くされるだろう。
だが今カイジ(零)がいるのは殺すか殺されるかという殺し合いの場。
そんな法も秩序もない血の匂いが漂う場では警察に連絡するなど愚の骨頂だ。
それでは何もしないままでいるのか。
いや、少なくともカイジ(零)はそこまで簡単に割り切れるような神経は持ち合わせていなかった。
見ず知らずであろうとも死体が野晒しにされていたら埋めてやりたい。
そう思ってしまうような優しさと正義感を併せ持つ人物だった。

「…すまないな、今はこれで我慢してくれ」

現在そのカイジ(零)は冷たい地面に腰を下ろしていた。
傍らには二つの盛り土。
先程見つけた二人の死者を埋めて作ったものだった。
本当なら花でも添えてあげたかったが、近くに適当な供物も見当たらないので二人分の穴を掘って土を被せるだけしかできなかった。
マシロと満月は今なお一生懸命戦っていると思われるのに、自分は簡単な墓を二つ作っただけ。
年端もいかない少女二人を戦わせて男子が休息しているというのは正直少し情けなく思える。
自分にもっと力があればと、そんなありきたりな考えがふと頭をよぎる。

「まあ、無い物ねだりしても仕方ないか」

一応収穫と言える物は死体のそばにあったデイパックが二つ。
ちなみに中身は共通の支給品一式にスタンガンと『タイムふろしき』という紙が貼られた風呂敷だった。

(でもこの風呂敷…そんなことあるのか…!)

説明書きによると、この『タイムふろしき』を被せたものは新品になったり古くなったりなるらしい。
つまり被せたものの時間を巻き戻したり進めたりできるという事だ。
普通に考えればそんな事ありえないが、この数時間で非常識な体験を数多く体験してきた身としては疑う余地はない。
とは言うものの、今すぐ使う気はないのでスタンガン共々とりあえず横に置く。

(ひとまずやる事は済ませた。二人が戻ってくるまで名簿でも眺めているか)

カイジ(零)がそう考えたのには理由があった。
この殺し合いに参加している者は名簿を見る限り152人。
だがその名簿に記された参加者はあまりに多種に渡っていた。
人種はもちろんのこと、中には生物かどうか疑わしい名前すらある。
しかも一見すると名前の並びに規則性はなく、傍目から見れば完全にランダムに選ばれたとしか思えない。

(だが違うっ…! これは無作為なランダムじゃないっ…!)

その根拠は名簿に記されたある名前。
そもそも名簿は20行×4列で構成されていて、右下が少し余る構図になっている。
さらにこの名簿は左上から順に番号が振られていて、ルガール・バーンシュタイン、橘右京といった具合に名前が記されている。

その中でカイジ(零)が注目したのは「No.19:鈴木万吉とNo.20:鈴木一郎」「No.29:アンディ・ボガードとNo.30:テリー・ボガード」「No.48:ユーフェミア・リ・ブリタニアとNo.49:ナナリー・ヴィ・ブリタニア」「No.54:スペードの2とNo.55:ハートのクイーンとNo.56:スペードのクイーン」「No.94:命名神マリナンとNo.95:命名神マリナンの仕える神官」の部分だ。

鈴木、ボガード、ブリタニアといった名字(ファミリーネーム)は152人中この二人ずつしかいない。
さらにトランプの名称と命名神マリナン関係もまたその組み合わせしかない。
名簿が完全にランダムになっているならそれらがこのように集まるには偶然すぎる。
つまり名簿の名前はある程度の人数――リュウタロスの別世界の話からすると同じ世界の者同士――で固まっている可能性が高い。
それなら「柊かがみ」や「◆6/WWxs9O1s氏」の名前が離れているのか説明が付く。

(だがそれなら別の問題がある。
 俺の名前「カイジ」の前後にある名前は「ジャック・ハーパー」と「ああああ」だが、全く聞き覚えがない。
 そもそも「ああああ」なんて偽名にしても適当すぎるっ…!)

だがカイジ(零)には思い当たる節がないわけでもなかった。
それはここに来るまでカイジ(零)が参加させられていた“王の試練”。
在全無量が主催するギャンブルの代打ちを選ぶための命懸けのギャンブル試験。
そこにはカイジ(零)が名前を知らない参加者が何人もいたはず。
名前を知っている中にも「小太郎・ヒルマウンテンウィリアムス・ハリソンジャガーサタケ・ジェームス城山」が本名だと言いつつも実際は「城山小太郎」が本名だった奴もいた。
だから“王の試練”に「ジャック・ハーパー」と「ああああ」が参加していたかもしれないが、何か腑に落ちない。

(それにそもそも俺達はリムジンに乗って移動している最中…いや、違う! トイレに行きたいとか言い出して在全達がリムジンから降りて、それで――ッ)

そこでカイジ(零)は凄まじい音が背後の森から響いてくるのに気付いた。
そして次の瞬間その音の正体が姿を現した。

車だ!――もっともその車はリムジンとは似ても似つかない無骨なトレーラーだったが。

そこまで理解した時点でトレーラーはカイジ(零)の目の前まで迫っていて――。

 ◆ ◆

ルガール・バーンシュタインは自身が運転するトレーラーに満足していた。
張り紙によると元の持ち主はミスター・ノーブレーキと呼ばれる馬車號造という者らしいが、どうでもよかった。
何よりどんな悪路もものともせずに走り抜ける頑丈な鉄の車はルガールを如何なる場所にも運んでくれそうだった。

つまり島に散らばっている参加者の元へ行って改名する機会が増える事になる。

ただ先程は少々浮かれ過ぎてブレーキのタイミングを逃してしまって参加者一人轢き殺しかけるところだった。
別に殺してしまっても問題はないが、それで改名の機会が減るのはいただけない。
幸いな事に本人が避けてくれたようで気絶だけで済んで特に外傷はなかった。
しかも驚いた事にその参加者は殺し合いが始まってすぐにルガールが改名した人物だった。
そこでルガールは改名の力を改めて試す事にした。

それはさらなる改名。

そして結果は見事成功。
当人は意識が混濁したままだったが、名簿の「No.92:カイジ」の部分が改名後の名前に変化した事から確認できた。
そこで気を良くしたルガールは餞別代わりに剣を与えて、一路参加者が集まっていそうな都市に向かっているのだ。

「改名こそ、この世界の原動力なのだ!」


【1日目 午前/C-5平原】
【ルガール・バーンシュタイン@アーケードキャラバトルロワイアル】
【服装】赤いタキシード
【状態】健康、命名の能力を吸収、トレーラー運転中
【装備】馬車號造のトレーラー@GetBackers-奪還屋-、時計型麻酔銃@名探偵コナン
【持ち物】基本支給品一式×3、『家族輪舞曲』@現実、チェス@コードギアス
【思考・行動】
 1:人の名前を変えるのが楽しくなってきた。

 ◆ ◆

そいつは生きていた。
トレーラーに轢かれそうになった瞬間、間一髪で道具を抱えて避ける事に成功していた。
ただし避けた拍子にこけてしまって気絶したが。
しかもそのせいでタイムふろしきが頭部に被さって、スタンガンの誤作動でタキオンエネルギーが暴走して、白髪になってしまった。
さらに過度な電撃のせいでタイムふろしきはあと1回しかもたないという事態になってしまった。
だがそんな事はどうでもよかった。
うっすらと見えた赤いタキシードの男に改名されてから、何か得体の知れない高揚感が自身の中から溢れてくる気がした。

「俺の名前は…零? 違うっ…! …カイジ? 違うっ…! そうだ、俺の名前は――」

それは果たして改名された影響か、または手にした妖刀の影響か。

「――アカギだっ…!」

そして宇海零改めカイジ改めアカギは歩き出す。
マシロと満月を探しに。
そして、もし戦っている最中なら自分も…この刀でっ…!


【1日目 午前/C-5 平原】
【アカギ(宇海零)@賭博覇王伝零@マガジン】
【服装】普通の服
【状態】健康、白髪化、アカギに改名される、得体の知れない高揚感
【装備】フムカミの指輪@うたわれるもの、紅桜@カオスロワ、
【持ち物】基本支給品一式×3、スコップ@現実、タイムふろしき@パロロワクロスネタ投下スレ、詩音のスタンガン@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0~2(確認済み、武器あるかも)
【思考】
1:満月とマシロが探す。そして戦っている最中なら俺もっ…!
※アムンゼンの不明支給品はタイムふろしき、ジェシーの不明支給品はスタンガンでした。
※タイムふろしきはあと1回使えば壊れます。



【馬車號造のトレーラー@GetBackers-奪還屋-】
ミスター・ノーブレーキと呼ばれる馬車號造が所有する大型トレーラー。
森の中だろうと街の中だろうと関係無しに爆走可能(他の人が運転してもそれが可能かは不明)。

【タイムふろしき@パロロワクロスネタ投下スレ】
ドラえもんのひみつ道具の一つ。
風呂敷を被せたものを新品のように新しくしたり、ぼろぼろの状態にしたりする事ができる。

【詩音のスタンガン@ひぐらしのなく頃に】
園崎詩音が護身用に携帯している改造スタンガン。一般のものよりも高出力。



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【誤解連鎖】 アカギ(宇海零) 後悔なんて、あるわけないだろっ…!
オムニバス ルガール・バーンシュタイン  


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