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触れ得ざる声也 ◆.pKwLKR4oQ



大きな胡桃の樹の下で~ 男と神様~ 静かに休みましょう~ 大きな胡桃の樹の下で~♪

どこかの童謡の歌詞のような状況になっているなと、デイパックを漁る手を少し休めて◆6/WWxs9O1sはふと思い至っていた。
だが実際は童謡のような穏やか雰囲気は欠片もなく、目の前に広がる光景は逆に殺伐とした異常なものとしか言いようがなかった。
大きな胡桃の樹の下で男性なのにウエディングドレスを着ているという奇妙な状況は、傍目から見ると奇異な光景だ。
そしてそれも然る事ながら、ドレスと胡桃の樹が真っ赤に血で塗れている状況がこの場の異常さに拍車を掛けていた。

それもこれも◆6/WWxs9O1sが行った狭霧嘉麻屋殺害が原因であった。

ほんの数分前、小規模イデの影響でこの地に飛ばされた◆6/WWxs9O1sと狭霧嘉麻屋は殺し合いを繰り広げていた。
その結果、不本意ながら神の力を行使した◆6/WWxs9O1sは狭霧を肉片と化して瞬殺。
それによって胡桃の樹とドレスを真っ赤に染めたのだった。
そして暫しの休息を兼ねつつ、◆6/WWxs9O1sは狭霧の支給品を回収した後、改めて荷物の確認をしていた。
先程の戦いではハズレだと思っていた支給品が実は強力な支給品である事が判明した。
もしかしたら何か見落としがあるのかもしれないと思い、こうして再度確認しているのだ。

(まず俺の残りの支給品と下人から奪ったライフル、それから殺した犬の支給品は使えるとして、問題はハズレと判断した二つか)

だがその二つがまたどう見てもハズレとしか思えない代物だった。
一つは両端が紐で縛られた小豆の入った袋。
もう一つは画鋲。
正直手に持って相手にぶつければそれなりの効果はあるが、直接攻撃なら手持ちの刀の方が遥かに役立つ。
飛び道具にしたとしても、下人から奪ったデイパックの中にライフル銃、ウィンチェスターM1894があったのでそちらの方がいい。
つまり現状どちらも正真正銘ハズレ支給品でしかなかった。

(もしかして先程のように何か特別な力が備わっている可能性が――)

だが◆6/WWxs9O1sが抱いた一縷の希望は――。

『残念ながら、そのような力は欠片も感じられぬな』

――他ならぬ神のお告げによって一蹴された。

「ちっ、国常立神か。俺は貴様には頼らないと決めているんだ」
『神託は素直に受けた方がいいぞ。神に誓って嘘は言っていない』
「……何故教えてくれるんだ?」
『いずれは拙に身を捧げる予定の者に協力するのは当然だろう』
「それならば一つ聞きたい事がある。この右腕も貴様の仕業か?」

そう言うと◆6/WWxs9O1sは自分の右腕に目を遣った。
先程からピクリとも動かなくなった右腕を。
確かに◆6/WWxs9O1sの右の二の腕は狭霧のナイフに深々と刺された。
だがいくら何でもここまで動かなくなるのは少々おかしい。

そして先程まであった痛みすら感じないのは明らかに異常だ。

『神の力を何の代価も無しに扱えるはずがないだろう』
「なっ、貴様」
『安心しろ、汝は拙の依り代となるべき者。寧ろ右腕一本で命を拾えたのなら安いものだろう』
「依り代である俺の身はどうだっていいと言うのか!?」
『依り代だからこそ、だ。
 これなら後6回ほど先程の力を使えば、その時は汝の意思とは関係なく汝の身は拙の依り代として捧げられたも同然に……』

確かに『拙は汝の糧となる』やら『代償としてその後は拙の「依り代」として生きてもらうことになる』と言われた。
あの時は命の瀬戸際で聞き流していたが、今にして思えばある意味騙されたようなものだ。
まるで契約詐欺のような国常立神の言葉は、◆6/WWxs9O1sにとって不快を通り越して度し難いものだった。
だからこそここでもう一度はっきりと断ろうと思った瞬間――。


「殺してくれエエエェェェェェ!!!!!」


――この世を呪うような悲鳴が聞こえてきた。

 ◆ ◆

なぜ俺はこんな目に遭っているんだ?
俺はただ自分の心に従って行動しただけだ。

そう全ては『恋』ゆえに。

この胸の内を駆け巡る抑えきれない衝動。
その衝動に突き動かされるままに行動する事がそんなにいけない事だったのか?

なあ、誰か教えてくれよ。

「俺が書き手だからこんな目に遭うのか……」

俺はこんな目に遭わないといけないほど間違っていたのか?

「誰でもいい……」

そうだ、もう何もかも嫌だ。
目を潰され、両腕を壊され、毒針を刺され、当てもなく歩かされる。
こんな苦行はもうたくさんだ。

「……殺してくれ」

そうだ、もう死んでしまいたい。
これはロワだ。
死ねば全ての苦痛から解放される。
死ねば死者スレで思う存分「とある魔術の禁書目録」を鑑賞したり、恋に励む事ができる。

「誰か……」

そうだ、誰でもいい。

「殺してくれエエエェェェェェ!!!!!」

1秒でも早くこんな地獄のような状態から解放してく――。


「それじゃあ、俺が殺してやる」


――それが、恋の聞いた最期の言葉だった。

 ◆ ◆

無機質なビルの谷間に一発の銃声が木霊した。
それによって命を絶たれた者は一人。
だが◆6/WWxs9O1sは見た気がした。
名も知らぬ書き手が最期の瞬間、安らいだ笑みを浮かべたかのように。

「おい、貴様なぜこいつを殺した!?」
「どうでもいいだろう」

実際◆6/WWxs9O1s自身もなぜ殺したのかよく分かっていない。
もしかすると同じ書き手同士通じる部分があったのかもしれないが、はっきりとは分からない。
ただ一つだけはっきりしている事はあった。

目の前の男が許せないという事だ。

「答えろ、なぜそいつをここまで傷つけた? 何か恨みでもあったのか?」
「ひっ」

自分でも驚くほどドスの利いた声だった。
それほど目の前の男に対して怒りを感じていた証拠だろうか。
どんな返答であろうと殺す気ではいたが、なぜここまでしたのか答えは聞いておきたかった。
そのために巻き添えを避けるためにガトリング砲を使わずにウィンチェスターM1894を使ったのだ。
もっともガトリング砲が重すぎて持てなかったという理由もあったが。
元の持ち主である巨乳少女は軽々と扱っていたが、やはり何か特別な力でもあったのだろうか。

「さあ、早く答えろ。さもなければ――」

だが今はそんな事よりも目の前の男だ。
当然その返答次第で以降の対応も自ずと変わってくる。

「お、俺じゃない。俺はこいつを連れ回せって脅されたんだ。タカネっていう女の仕業だ。俺じゃない」
「そうか、お前じゃないのか」

結局男から帰ってきた答えは◆6/WWxs9O1sからすれば責任転嫁としか思えないものだった。
無論一書き手の立場からすると目の前の男に同情の余地がないと言えば嘘になるが――。

「そうだ、だから見逃して――」

――この時ばかりは◆6/WWxs9O1sに同情という情けを掛ける気は更々なかった。

「死ね」

だから◆6/WWxs9O1sが用済みのカン=ユーに銃口を向けた。
そして周囲に乾いた銃声が轟いた。

「ガ――ッ!?」

ただし今度の銃声は◆6/WWxs9O1sのものではなかった。
今回撃たれたのは◆6/WWxs9O1s本人だった。
そして撃ったのは最初の銃声を聞きつけてやってきた第3者だった。
如何せん目の前のカン=ユーに気を取られていたせいで気付けなかった。

(俺は、ここで終わるのか……?)

薄れゆく意識の中で◆6/WWxs9O1sは自身に降りかかる理不尽を呪った。
何度も何度もロワに巻き込まれて、その度に誤解されて、ここでは変な神に取り憑かれて、挙句に誰とも知らない奴に射殺される。

(そんなこと、認めるか……!)

だから願った。
そんな理不尽を破壊するほどの力を。

そして声が聞こえた。


『力が欲しいか?』


――それは神ではなく悪魔の囁きだった。

 ◆ ◆

キリコ=キュービィがその場に到着した時、まさにカン=ユーが殺されかけるところだった。
もしカン=ユーが以前のままならキリコは見逃していただろう。
だが理由は分からないが、このカン=ユーは心を入れ替えて共にこの殺し合いに抗うと言った。
最初は信じられなかったが、一度別れて改めて考えてみるとその言葉に嘘が混じっていたとは思えなかった。
それにカン=ユーには聞かなければいけない事があった。
キリコの知るカン=ユーは既に死んでいる。
もしも何らかの手段で生き返ったのなら、その方法を知りたい。
だからキリコはカン=ユーを助けるという選択をした。

「おい、大丈夫か」

まさに間一髪。
銃声とカン=ユーの叫び声を頼りに辿り着くや否や、サブマシンガンを放った。
首尾は上々で、カン=ユーを殺そうとしたウエディングドレスの男は倒れた。
だがまだ死んだとは確認できなかったので、もちろんカン=ユーとの間に身を置いて警戒は続けた。

「おい、いったい何があった――ッ!?」

そこでキリコは後ろに視線を送って愕然とした。
そこには誰もいなかった。
正確にはトランシーバーが落ちていたが、キリコが助けて後ろで庇っていたはずのカン=ユーの姿はどこにもなかった。
だがすぐに理解した。
カン=ユーはキリコを置いて一人で逃げていたのだ。
やはり数時間前の変貌は嘘だったのかと失望した瞬間――。


「I am the bone of my walnut.(体はクルミで出来ている)」


――それがキリコを死へと導く呪文だった。

 ◆ ◆

「はっ……はっ……」

カン=ユーは閑散とした市街地をただ無我夢中で走っていた。
高嶺響と連絡を取り合っていたトランシーバーはキリコの近くに置いてきた。
これで響がトランシーバーの電波の具合を探れば上手く鉢合わせして潰し合いになるはずだ。
◆6/WWxs9O1sに脅された時は保身のために素直に返答したカン=ユーだったが、よくよく考えてみるとその会話は全て響にも筒抜けのはずだ。
もしも響と再会すれば裏切り者として殺されるのは火を見るよりも明らかだ。
だからこそこうして一刻も早く危険地帯から離れているのだ。

「痛ッ」

だがカン=ユーの逃走は思わぬ物によって終わった。
必死に走っていたカン=ユーの頭に何かがぶつかったのだ。
それはカン=ユーの足を止めると、アスファルトの道路の上に転がった。

「なっ、馬鹿な……」

そしてそれを見たカン=ユーは絶句した。
なぜならそれはつい先程キリコの元へ置いてきたトランシーバーと瓜二つだったからだ。
一瞬キリコが作戦を見破って追いかけてきたのかと思ったが、すぐに違うと分かった。
トランシーバーはキリコがいた場所である後方からではなく、前方から投げられていた。

そうなると当てはまる人物は一人しかいない。

「カン=ユー、逃げられると思ったの?」

その声に釣られてカン=ユーは視線を地面から前方へと向けた。
カン=ユーの前方5mの黒いアスファルトの上に七色スーツに身を包んだ一人の女性が立っている。
それは紛れもなく数時間前に別れた高嶺響その人だった。

「うおおおおおおおおお!!!!!」

その姿を確認した瞬間、カン=ユーはモシン・ナガンM1891/30を連射していた。
ここに至れば今更弁解などしても助かる可能性は皆無。
それなら先手必勝で響を殺すしかない。

「無駄よ」

だが4連射も居合いの達人である響の前では無意味だった。
刀を抜かず鞘に入れたままで4つの銃弾は呆気なく弾かれてしまった。

だがそれで良かった。

次の瞬間、二つの破裂音が響の足元で轟いて、盛大な爆炎を作り上げていた。

「……やったか?」

最初から4連射は囮で、本命はその直後に投げた手榴弾。
これで仕留められずともさすがに居合いの達人も手榴弾の爆破から逃れる術はない。
何らかの負傷を負って弱っているところならカン=ユーでも勝ち目はある。
だから空になったモシン・ナガンM1891/30に弾を補充しようとしたカン=ユーは――。


「遠間にて斬る也」


――モシン・ナガンM1891/30ごと自身の命を断つ声を聞いた。

 ◆ ◆

勝負という名の虐殺は一瞬で終わった。
再び発動したクルミの固有結界によってキリコは狭霧と同じように肉片と化して死んだ。
そして再び血まみれの胡桃の樹の下で◆6/WWxs9O1sは立ち尽くしていた。

「今度は右目か。だがどういう事だ?」

◆6/WWxs9O1sは疑問に思っていた。
先程国常立神は後6回ほどだと言った。
当然その都度支払う代償も1回目と同じぐらいのものだと思ったのだが、今回は右目一つ。
正直割に合わない気がする。
最初は国常立神が嘘を言ったかと思ったが、当の神も現状を把握し切れていないようだ。

だから自ずと新しい右手に目が行った。
以前と同じように動く、いや以前とは違って何か力を秘めた右腕に。
◆6/WWxs9O1sは知らないが、その腕でこそ代償が変化した理由だった。

『力が欲しいならば、くれてやる』

意識が薄れた時に聞いた言葉と新しい右腕の意味を◆6/WWxs9O1sが知る時は、すぐそこだった。


【恋@マルロワ 死亡確認】
【キリコ=キュービィ@装甲騎兵ボトムズ 死亡確認】


【1日目 昼/B-4 都市部】
【◆6/WWxs9O1s@カオスロワ】
【服装】血染めのウエディングドレス
【状態】疲労(小)、右腕をARMS『ジャバウォック』で代替、右目失明
【装備】格さんの刀@水戸黄門、ARMSコア『魔獣(ジャバウォック)』@マルロワ、ウィンチェスターM1894@カオスロワ、ポテト@葉鍵ロワイアル3、国常立神@日本書紀
【持ち物】基本支給品一式×6(6/・下人・翔子・サザエ・トーマス・田村)、不明支給品1(トーマス)、悟史のバッド@ひぐらしのなく頃に、ガトリング砲(残弾数3000)@現実、小豆袋@功名が辻、、トーマスの首輪、クローバーの4、画鋲@現実、キングハートの日記、ハートのクイーン(人間形態)の写真
【思考】
基本:全員殺して元の世界に帰る。
1:今の状況を整理したい。
2:絶対に国常立神には頼らない……はずだったのに……?
3:今のところポテトは殺さない。用が済んだら殺す。
4:余裕があったら首輪を解析する。
【備考】
※ポテトを保護したのは非常食にするためです。
※神の力の代償が変化したのはジャバウォックの干渉のようです。

 ◆ ◆

種を明かせば簡単な事だ。
居合いの達人である響は4連射を放った直後に投げられた2発の手榴弾をしっかりと確認していた。
だから4連射を捌いた瞬間、デイパックからライオットシールドを取り出して爆発から身を守ったのだ。
恋の支給品の中に「武器ではないがロワで役に立ちそうなアイテム」が2つあったが、それが今懐に忍ばせているピアノ線とこの盾だ。
最初から盾を使わなかったのはカン=ユーを油断させるため。
こうすれば手榴弾で弱った自分を仕留めようとその場に止まると思っていたが、案の定響の予想通りにカン=ユーは動いてくれた。
元より生かすつもりはなかった。
自分が生き残るためなら自分を助けようとした者さえ平気で裏切る輩だ。

だからまだ使える支給品を回収し終わると、自然と次の言葉が口から零れていた。

「あんたは人間のクズだな」


【カン=ユー@装甲騎兵ボトムズ 死亡確認】


【1日目 昼/B-3 都市部】
【高嶺響@テラカオスバトルロワイアル】
【服装】七色スーツ
【状態】疲労(小)
【装備】古青江@School days、ピアノ線@金田一少年の事件簿
【持ち物】基本支給品一式×4(アリオト、恋、響、ルーファス)、H&K XM8(29/30)+予備弾薬90発(箱型弾倉×3)@現実、手榴弾×2、七天七刀@とある魔術の禁書目録、テトリス携帯機@テトリス、ライオットシールド@踊る大捜査線、毒針の束@バジリスク、1080@シャーマンキング、ランダム支給品0~2(確認済み)
【思考】
基本:主催を殺して主催になる。
1:レナ、カンパネルラ、kskロワ住人を探し出して殺す。
2:ちょっとどこかで休もうかしら?
【備考】
※テトリスは100面までクリアするといいことがあるかもしれません。

【全体備考】
※キリコのデイパック(基本支給品一式、登山ナイフ)、S&W M60(5/5)+予備弾薬19発@現実、UZIサブマシンガン(30/50)+マガジン3つ@現実は付近に放置されています。
※トランシーバーはキリコの死体とカン=ユーの死体のそれぞれ傍に放置されています。
※不明支給品の内訳→6/:ARMSコア『魔獣(ジャバウォック)』@マルチジャンルバトルロワイアル、下人:ウィンチェスターM1894@カオスロワ、ハズレ支給品(田村):小豆袋@功名が辻、武器ではないがロワで役に立ちそうなアイテム×2:ピアノ線@金田一少年の事件簿、ライオットシールド@踊る大捜査線


時系列順で読む

Back:ユメノアト Next:無謀な洞窟探検者

投下順で読む

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信じるものほど報われず ◆6/WWxs9O1s@カオスロワ 夢の中であった、ような……
ひれ伏せ、愚民ども GAME OVER
ひれ伏せ、愚民ども カン=ユー GAME OVER
信じるものほど報われず キリコ=キュービィ GAME OVER
ひれ伏せ、愚民ども 高嶺響 12:31


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