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ふたりはウソツキ Wounded Heart

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ふたりはウソツキ Wounded Heart ◆.pKwLKR4oQ



俺はハムスターである。
名前はある、チビすけだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
だから複雑極まりない人間の言葉など到底理解できない。

だがそんな俺でも分かる事がある。

(この二人、どちらも嘘を付いているな)

猫の背に身を預けつつ済し崩し的に二人に付いて行く事にしたチビすけの動物的な勘はそう告げていた。

 ◆ ◆

(さっきはああ言いましたけど、心苦しいですわね。リゼルグ君、ごめんなさい)

雪広あやかは先程の会話を思い出していた。
そしてつい忸怩たる思いに沈んでしまう。

そもそも朝方にギャルゲ高校を出発したあやかとスペードの2は本来なら既にもっと先に進んでいるはずだった。
それが未だにF-3付近をうろついていたのは端的に言えば運がなかったとしか言いようがない。
まず高校を出発した二人はF-3の橋を目指して北東に進んでいた。
F-3の橋を渡って、E-3の下着売り場で進路を東に変更して、そして怪しい洞窟に行くつもりだった。
そのルートを選択したのは、それが最短ルートだと考えたからだ。
だがその計画は初っ端から覆されてしまった。
原因はF-3の橋の焼失。
二人が橋に到着した時には橋は綺麗に焼け落ちていて、川を渡るのは不可能だった。
しかも川の両岸は切り立った崖状になっており、手持ちの道具ではどうしようもなかった。

ちなみに橋を焼け落とした張本人であるスペランカー先生はその頃ギャルゲ高校に向かっていたが、当然二人は知る由もなかった。

F-3の橋が渡れない場合、怪しい洞窟に行くルートは大きく分けて二つ。
一つは西に進んでE-1の橋を渡って東に進路を変更して行くルート。
もう一つは川沿いに上流を迂回してG-5付近で北東に進むルート。
ここに付け加えると上流迂回ルートはG-5がこの時点で禁止エリアになっているのでさらに迂回する必要があった。
だがそれでも二人はそのルートを選択した。
禁止エリアに到達するまでに橋がなくとも渡河できる地点がある可能性に賭けたのだ。

結果、そんな都合の良い地点など存在しなかった。

しかも10時を過ぎたのでH-4まで禁止エリア化したために不本意ながら引き返すしかなかった。
リゼルグと別れてから数時間、二人の決意とは裏腹に時間だけが無為に過ぎていった。
そんな時にリゼルグからの手紙を携えたチビすけを発見したのだ。

――リゼルグ君……わたくしたちの手紙はきちんと届いたんですのね……。
――でも、『ありがとう』って、どういう事なんだろう?
――もちろん『手紙をくれてありがとう』ですわ。さあ、怪しい洞窟に急ぎましょう。
――え、でももしかしてリゼルグ君この近くにいるかもしれないよ。
――それはありませんわ。リゼルグ君はわたくしたちよりもずっと早くギャルゲ高校を発っているんですのよ。
――そっか、もうとっくに洞窟に着いているはずだよね。
――それにわたくしたちは大幅に時間を掛け過ぎてしまいました。だから急いで洞窟に向かいましょう、これを使ってね。
――あ、それは!

そうしてチビすけのデイパックに入っていた『金』と同じく将棋の駒である『銀』に乗ってF-3からE-4へ移動しているのだ。

(まだ確証があるわけじゃないから嘘にはならな……いえ、それは都合の良い思い込みですわね……)

あやかは分かっていた。
おそらくリゼルグがもう生きていないという事を。
確かに死んだという証拠はない。
だが手紙を渡すのなら直接渡せばいいのに動物に任せているところに、その時の余裕のなさが伺える。
何より手紙に書かれた『ありがとう』の文字を見ると、そう思えて仕方がない。
あの優しくも切ない、まるで最期に送る言葉のように書かれた『ありがとう』の文字を見ると。

(でも、もしも仮にリゼルグ君が生きているなら……いや都合の良い思い込みだとしても、この目で確かめるまでは……!)

実のところ、あやかは背後で何かが起きている事に気付いていた。
だが背後から伝わってくる様子はただ事ではなさそうだ。
そんな状況にスペードの2を巻き込むわけにはいかない。
いや、もしかしたらそれはただの口実なのかもしれない。
今あやかの心はリゼルグの事で麻の如く千々に乱れていたのだから。

 ◆ ◆

(たぶんリゼルグ君は死んじゃったのか。
 それを僕に悟らせないようにしているみたいだけど、本当にあやかお姉ちゃんは分かりやすいなあ。
 なんだか向こうの方で誰か戦っていたみたいだけど、藪蛇が怖いから放っておこう。
 参加者同士で勝手に殺し合ってくれるなら、僕も楽だからね。
 それにしても、みんな次から次に死んでいってホント馬鹿みたい。
 あはははは、ははははは、ははは……ホント、勝手に死んでリゼルグ君も、馬鹿だよ……!
 せめてあやかお姉ちゃんに会ってから……って、僕は一体何を考えているんだ!?
 リゼルグ君なんて関係ない! 僕は僕の役割を果たすだけだ……)


【1日目 昼/F-3→E-4】

【雪広あやか@魔法先生ネギま!(漫画)】
【服装】麻帆良女子中等部制服
【状態】健康、少し迷走
【装備】ハマノツルギ@魔法先生ネギま!、銀@将棋
【持ち物】基本支給品一式、マスターボール@ポケモン、拡声器@現実、リゼルグからの手紙
【思考】
 基本:殺し合いには乗らない。
 1:当初の予定通り怪しい洞窟へ向かう(もしも生きていればリゼルグ君を止めたい)。
 2:年下の男の子には優しくする。
【備考】
※リゼルグは死んだと思っています(でももしかしたら生きているとも思っています)。

【スペードの2@七並べ】
【服装】陵桜学園の制服(冬服/小早川ゆたかのもの)@らきすた、青無地のパンツ
【状態】健康、無意識の内にあやかに対して少し罪悪感&リゼルグに対して少し苛立ち
【装備】鉈@現実
【持ち物】基本支給品一式、式紙@シャーマンキング
【思考】
 基本:無力な少年の振りをしつつ、自分の出来る範囲で殺し合いを促進させる。
 1:あやかお姉ちゃんと一緒にいる。
 2:そろそろ本来の役割(殺し合いの促進)に真剣に取り込もう?
【備考】
※リゼルグは死んだと思っています。

【チビすけ@ハムスターの研究レポート】
【状態】健康、アーサーっぽい猫の背に乗っている
【装備】水戸黄門の印篭@水戸黄門、アーサーっぽい猫
【道具】基本支給品一式
【思考】
 基本方針:家族の所に帰る。
 1:とりあえずこの嘘付きな二人に付いて行く。
 2:◆6/WWxs9O1s@カオスロワに再会したい。
 3:この猫もっと愛想良くても……。
【備考】
※◆6/WWxs9O1s@カオスロワを対主催だと誤解しています。
※サザエを呪術師だと誤解しています。
※所詮ハムスターなので思考回路がアレです。
※かえるの事をどう思っているかはまだ不明です。

【全体備考】
※あやか・スペードの2・チビすけ・アーサーっぽい猫は全員『銀』に乗ってF-3からE-4へ移動中。


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ユメノアト 雪広あやか [[]]
ユメノアト スペードの2 [[]]
ユメノアト チビすけ [[]]


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