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儂なんかで、良かったら

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匿名ユーザー

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儂なんかで、良かったら ◆.pKwLKR4oQ



おお、ようやく儂を見つけてくれる参加者が現れたか。
ん、儂が誰かじゃと?
ワッハッハッ、皆からは対局時計と呼ばれておるぞ。

何? 対局時計を知らんじゃと!?

ああ、最近の若いもんには馴染みのない物かもしれんなぁ。
お前さん、将棋や囲碁の公式試合を見た事あるかい?
今まで一度もない?
はあ、それなら仕方ないのう。

では説明するぞ。
対局時計とは、競技者の持ち時間や制限時間などを表示したり、ゲームの時間管理を行うために使用される特別な時計の事じゃ。
アナログ式とデジタル式の2種類があり、主に囲碁や将棋やチェスなどのボードゲームで使われておる。
儂はその中でも将棋で使われている昔ながらのぜんまい型のアナログ式対局時計じゃ。

え、そんな儂がなぜこんな場所に捨てられておるかじゃと?

……それは色々と不幸が重なったせいじゃ。
あれは今から10時間17分27秒前の事になるが……なんじゃ? えらく正確な時間じゃと?
当たり前じゃ。
儂は時計であるが故に正確な時間を計るぐらいお茶の子さいさいじゃ。
で、話を戻すぞ。
儂が最初に支給された者の名は確かシン・アスk……いやリュウタロスじゃったかのう。
ともかくそいつに支給されたが、しばらくはその袋の中に入ったままじゃった。
どうやら当初は一緒にいたぜr……カイj……アカギから三八式歩兵銃をもらっていたらしい。
そのせいで儂には目もくれんかった……。
で、結局アカギとは別行動をする事になって、行き着いた先がここじゃ。
そこで初めて荷物の確認をして、ようやく儂も日の目を見る事が出来たというわけじゃ。
だが、聞いてくれ!
ここからじゃ! ここからが肝心なところで……ん? なんじゃ?

儂は“不老不死”か、じゃと?

まあ、そう言えん事もないのう。
見ての通り、儂の動力はぜんまい。
つまりぜんまいを巻き続ければ半永久的に動く事ができる。
そういう意味では不老不死は不老不死でも“出来損ないの不老不死”という事になるかのう。

ワッハッハッ。

と、そんな事、今はどうでもいい。
それよりもここからが聞くも涙語るも涙の……ん? 今度はなんじゃ!?

なに、儂に協力してほしい事があるじゃと?

ほほう、儂の力が必要なのか。
よろしい。
儂なんかで、良かったら。
お前さんに力を貸そう。

で、さっきの話の続きじゃが――。

     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆

「あー、話が長い時計だったアル」

やっと静かになった川辺でL字ブロックはここに至るまでの経緯を思い出していた。
きっかけは些細な事だった。
女性を褒めるにはまず外見から。
そこでL字ブロックは六条御息所(ではなく実際はカヨ)が乗っているゴーレムの外見に注目した。
幽玄なほど美しいフォルムに秘められた精錬さ。
ビームやロケットパンチを繰り出しそうな重厚さ。
その二つの要素が噛み合わさった外見をL字ブロックは拙いながらも褒め称えた。

実のところ聞き手であったカヨにとってはウザいだけであったが。

だがそんなカヨの思いなど露知らず、L字ブロックはふと一つの言葉を投げかけた。

――でも本当綺麗アル。まるで天使みたいアル。もしかして飛べるんじゃないかアル?

結果、飛べた。
心中ウザいと思いつつも若干気を良くしていたカヨがなんとなく操作系を弄ると、ゴーレムは見事飛行形態へと変形を果たし、空高く舞い上がったのだ。
ちなみに上を目指したのは「いつも上から出てくるから入口から脱出できるかもしれないアル」というL字ブロック独特の根拠から。
だが結果から言うと、脱出は無理だった。
なぜならいくらか上昇すると『これより先は進入禁止エリアだ。28秒以内に引き返さなければ首輪を爆破させる』という音声と共にカウントダウンが始まったからだ。
おそらく放送で触れられていた進入禁止エリアなのだろう。
まさか地上だけでなく上空にまで設定されていたとは予想外だった。
そのためカヨは慌ててゴーレムを操縦して急降下をする羽目になってしまった。
そして着地した場所は慌てていた事もあって元いた場所から南西にずれたこの川辺だった。
だが一概に川辺と言っても、そこは向かい岸が絶壁になっているのに対して川に近付けるようになっていた。

L字ブロックが川辺に対局時計が落ちている事に気付いたのはその時だった。

最初は真面目に話を聞こうと思っていたが、あまりにも話が長いのでいい加減うんざりした。
だがその時ピキーンとL字ブロックの青色の脳細胞に電流が走った。
つまりぜんまいを巻いて動くという事は広義の不老不死に相当するのではないかと。
結果は大成功。
L字ブロックの推理通り、チェスの時と同じように対局時計の身体と知識は吸収できた。
早速勿体ぶっていた部分の記憶をひも解いてみると、どうやらデイパック確認の際に取り零されて放置されたらしい。

(どうでもいいアルね。それよりもこっちの方が重要アル)

それは少し離れた場所に横たわっている少年の死体。
彼は刹那・F・セイエイと言うガンダムのパイロットで、仇討ちという名目でリュウタロスが殺したようだ。
だが運悪く殺害現場を白いローブの男と女子高生に見られてしまったために、焦ったリュウタロスは発砲した後に逃走。
幸い残された二人の怪我は大した事はなくて去ったが、そのせいで対局時計は長らくこの場に放置される羽目になった。
以上が一連の顛末らしい。

(リュウタロス、危険な奴アル! 絶対に六条御息所には近づけさせないアル!)

余談だが、今回対局時計を喰った事でL字ブロックは新たな力を得ていた。
一つは将棋。
公式時計デビューを果たしてから今まで数々の将棋の試合を常に間近で見てきた対局時計。
それゆえに将棋の知識は並みの名人を凌ぐものがある(と対局時計は自負していた)。
もう一つは体内時計。
対局時計自身も豪語していたが、時計であるが故に正確に時を計る事は初歩中の初歩。
それゆえに体内時計は正確無比だ。

(おお、将棋が指せて時間に正確なL字ブロック。これでもっともっと六条御息所の好感度を上げてみせるアル)

こうしてL字ブロックが恋の炎を燃え上がらせている一方で、それをゴーレムの中から見下ろすカヨはふとある事を考えていた。

(もうL字ブロック

 最悪

 こいつのせいで

 すっごい疲れた

 幽霊なのに

 それはそうと

 首輪邪魔

 というか

 鬱陶しい

 幽霊なのに

 死んで自由なのに

 もう早く外し――あれ?

 あたし

 幽霊

 だから

 もしかして

 あたし……)


【1日目 昼/F-4 北側の川辺】
【L字ブロック@テトリス(ゲーム)】
【服装】全裸
【状態】健康、人間への怒り、ホの字ブロック
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
 1:主催者を含めて人間は許さない、アル!
 2.秋山を見つけて喰うアル!
 3:六条御息所に認めてもらうアル!
 4:絶対にリュウタロスを六条御息所には近づけさせないアル!
【備考】
※テトリスのゲームがクリアor破壊されない限り死にません。
※対局時計の知識(将棋の知識、正確な体内時計)と、チェスワフ・メイエルの知識を人差指の分以外全て手に入れました。
※秋山深一は不死者だと思っています。
※ゴーレムの中のカヨを、正体を偽った六条御息所だと思っています。
※サザエが拡声器で喋った内容を記憶しています、多分。
※この舞い上がり具合なら第二回放送を聞き逃します。

【カヨ@あたし彼女】
【服装】白装束
【状態】幽霊、ゴーレムに搭乗中
【装備】ゴーレム@シャーマンキング、火の玉
【持ち物】基本支給品一式、拡声器
【思考】
 0:あれ、もしかして、あたし……。
 1:アキを祟る――寧ろ祟るだけじゃ飽き足らない、トモと付き合った事を後悔するぐらい殺してやる。
 2:トモ殺したヤツは絶対に許さない。
 3:シン・アスカに会ったら、ウザ子(マユ・アスカ)のこと、教えてあげよっかな。
 4:幽霊が死んだらどうなるんだろ?
【備考】
※幽霊ですが夜が明けても消えたりしないっぽいです。
※アキと容姿がすごい似ています。霊つながりで六条御息所にも少し似ています。
※何に気付いたかは後続の書き手にお任せします。でももしかして勘違いで何も気づいていないかもしれません。

【全体備考】
※かなり空高く舞い上がったので飛行中のゴーレムは島中どこからでも目撃できます(ただ結構速いので見逃す可能性も高いです)。


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Lの名推理/幽玄なる巨人 L字ブロック [[]]
Lの名推理/幽玄なる巨人 カヨ [[]]


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