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伝説の「キ○○○」の下で

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伝説の「キ○○○」の下で ◆29thbc/0F6



「勇之助くん、私、殺しあいなんて出来ないよ……」
「大丈夫だよ。俺が……俺が守るから」
「で、でも私なんて支給品がはさみだし、勇之助君だって……変な風船でしょ?」
「支給品なんて関係ないよ。俺、あずき色のためなら必死に戦えるから」
D-9。木の下で、不安げな少女の手を強く握る少年。
まだ幼い少年だがその声には、愛する者を守ろうという決意が確かにこめられていた。

「勇之助くん……」
少女の表情は、本来の明るさを取り戻し……そして……


バキューン☆


そして、粉々にはじけ飛んだ。


「あずき色!! ……う、うわああっ!!」
銃撃によりぐちゃぐちゃになった愛しい彼女に駆け寄ろうとする少年。

だが、彼は泣く間も与えられずに謎の木に身を拘束されたのであった。


「グンジィー、捕まえた……なのだ(はぁと)」
「は、離して下さい!!」
必死にじたばたするも、木の力強さの前では無駄な抵抗である。
しかしこの木、意外と可愛らしい声を出すではないか。

「いや~ん。グンジィーったら敬語使ってても紳士的でかっこいいのだ~☆」
「ぐ、グンゼだかガンジーだかなんだか知りませんけど、俺はそんな名前じゃないです!!」
「……え? あなた、グンジィーじゃないの?」
「おがっ、小笠原勇之助です!! だから離して下さい!!」
「……え~?」


コキッ☆


「あひぃっ!」 


涙目になりながら身をよじらせて抵抗する少年の顔を後ろへと曲げ、
じーっとその顔を見る木。
少年は気付かなかったが、よく見るとこの木には不自然な半笑いを浮かべた女の顔が付いている。

「いだ……いだだだだ……」
首を不自然な方向に曲げられた少年は苦しそうに涙を流す。
しかし、木はそんなこと気に留める様子もなかった。




「なんだ。つまらないの」




あれ? 一瞬声色が変わったような――それが、少年の……勇之助の最期の思考だった。









「てへ」 バキューン☆

頭に直接銃弾を打ち込まれ、勇之助は最愛の彼女の所へと旅立っていった。




「まったくもう、グンジィーになりすますなんて紛らわしいのだ! お仕置きに、所持品ぼっしゅーの刑、なのだ!」
いやいやいやいや、命まで没収してますがな。

「チッ。こいつら支給品がコンドームとはさみかよ。あまり使えそうにねえけどとりあえず持ってくか」
そんな……声まで変わって……!?

「でも、でも、可憐もグンジィーもまだまだがくせーさんだし、あかるぅ~い家族計画は大切かも、なのだ☆」
あ、声が元に戻った。

「それに、ありえないとは思うけど、もしグンジィーが浮気してたらグンジィーのピンクのミドリガメさんをこのはさみで……チョキン☆ きゃっ☆」
きゃっ☆ じゃない。

「ねえ、グンジィー、どこぉ~? 可憐、とぉぉぉぉぉってもか弱いから殺しあいなんて出来ないよぉ……なのだ」
たった今、義務教育中のカップルの命を奪っておいて何を言うか。

「グンジィー……お願い、可憐を守って……可憐、寂しくて泣いちゃう……のだ」
泣きたいのはこの木に関わった連中とグンジィーだと思うのだが。

「グンジィー、早く可憐を助けに来てね。可憐、グンジィーがいないと不安でおかしくなっちゃう……のだ」
こうして自らを可憐と名乗る奇怪な木は、ゆらりゆらりと不自然に揺れながら、愛しのグンズィ~を探す旅に出たのだった。
着ぐるみに罪なき少年少女の血や脳髄を付着させたまま……。


【エリア/D-9の伝説の木から少し離れたところ/一日目深夜】

【名前】音無可憐@おそるべしっっ!!!音無可憐さん
【服装】自前の木の着ぐるみ(略して木ぐるみ)
【状態】脳みそ以外は至って正常・健康そのもの
【装備】デザートイーグル(支給品)
【持ち物】支給品一覧、はさみ、コンドーム(どちらも犠牲者から略奪)
【思考】1:大好きなグンジィー(武田軍司)を探す……のだ☆
    (※平均以上の顔をした男は子供だろうとなんだろうとグンジィーだと勘違いしている)
    2:グンジィー以外の男や同性は邪魔なので問答無用で消す……のだ☆

【野山あずさ@あずきちゃん 死亡】
【小笠原勇之助@あずきちゃん 死亡】





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