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一杯のかけそば+α

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一杯のかけそば+α ◆.pKwLKR4oQ


音無可憐は草原にいた。

彼女の目の前にはいくつかのテーブルと椅子が並べられ、
その先には、後ろがキッチンになっている車(ケータリングカー)があった。
テーブルにはトランプ柄のテーブルクロスがかけられ、
椅子の背もたれにはそれぞれハート・ダイヤ・クラブ・スペードというトランプのスートの彫刻がされている。
ケータリングカーの、音無可憐からは見えない方の側面には、大きくダイヤのジャックが描かれていた。

と、ここまでなら移動レストラン へくとるのただのコピーでしかないが、若干違う部分もある。

それは店員がメイドロボットではなく双子の執事ロボットという点だ。
世の男子がメイドロボットにときめくように、世の女性は執事ロボットにときめくもの。
だがそれは正常な女子に限った話であって、脳みそが正常でない音無可憐にとって執事ロボットはただの機械でしかない。
ただ機械故にグンジィー以外の男とも同性とも認識されなかった時点で双子の執事ロボットは運が良かったのかもしれない。

「「移動れすとらん、へくとる二号店ヘ、ヨウコソ」」
「あ! さっき言っていたレストランなのだ☆」

最初の6時間あちこちで所構わず狂気を振りまいた音無可憐だったが、次の6時間はミンウを殺して以降は大人しかった。
いやただ単に誰にも遭遇しなかったために狂気を振りまく状況にならなかっただけでもある。
なぜなら朝日が昇ったとはいえ区画整理された街の中とは違って、獣道もない森の中で他の参加者に出会う確率はそう高くない。
寧ろ最初の6時間よりも人数が減った分、出会う確率はそれだけ低くなるのは当然だ。
それでも地図に示された場所――例えば放送で触れられた怪しい洞窟に向かえば誰かに出会えたかもしれないが、そうはならなかった。

「はぁー、ずっと歩き回っていたから疲れたー」
「「移動れすとらん、へくとる二号店ヘ、ヨウコソ。ワタシハ、うえいたーノ、きゅうDEATH☆ イラッシャイマセ」」
「えっと、注文は……ん、ARってなに?」
「「クワシイ、説明ハ、アチラDEATH☆」」
「なんかややこしそうだからこの一番安いかけそばにするのだ☆
 やっぱり食べ過ぎて太ったらグンジィー悲しむからダイエットしてスタイルを維持しないといけないのだ☆」
「「カシコマリマシタ。かけそば、ショウショウ、オ待t」」
「でも今日はいっぱい歩いたから問題ないか。さっき放送で言っていたハンバーグ定食も一緒によろしくー」
「「――カシコマリマシタ。かけそばトはんばーぐていしょく、ショウショウ、オ待チクダサイ」」

そう言い残して執事ロボットの片方は料理を作るべくキッチンへ引っ込んでいった。
もう片方はそのまま待機したままだ。
店員が二人以上だと調理担当と接客担当で分担する事が出来るので、この点は二号店の方が優れていると言える。
もっとも現在唯一の客である音無可憐はそんな事は気にも留めずに今後の事を考えていた。

(んー、グンジィーどこにいるのだ? とりあえず怪しい洞窟なんて一目で怪しい場所に近づいていない事は確かだけど……)

これが怪しい洞窟に向かわなかった理由だ。
つまり愛しのグンジィーはそんなところ行かないという酷くシンプルな考え。
実際グンジィーがどう行動するは全くの未知数だが、少なくとも音無可憐の頭の中ではそうなっている。
とは言うものの、グンジィーが今どこにいるのかまではさすがに分からない。
そもそもこの島にグンジィーはいないから分かるはずないのだが、頑なにこの島にいると確信しているので本人は至って真剣だ。
若干ネジが飛びつつもグンジィー色一色に染まった音無可憐の頭脳は思い人のためにフル回転していた。

「「オ待チドーサマDEATH☆」」

そんな思考を中断させたのはキュウだった。
キュウはテーブルに掛けそばでもなくハンバーグ定食でもなく、なぜかカレーライスを置いていた。

「かけそばとハンバーグ定食って言ったのにどうしてカレーが出てくるの?」
「「コノ、七色かれーハ初メテノ、オ客様ヘノさーびすDEATH☆ ホカノ料理ハ、モウショウショウ、オ待チクダサイ」」
「えー、こんなに食べたら太りそう……でもその分いっぱい動いたら問題ないの☆」

普通に考えるとかけそば+ハンバーグ定食だけでも結構な量のはずなのに、さらにカレーまで加わると確実に一食としては多すぎる。
だがそんな事お構いなしに初回サービスの七色カレーに口に運びつつ音無可憐は改めて今後の事を考えていた。
まず先程の放送で抹殺対象の一人だったアルフレッドの死亡が確認された。
もしかしたらもう一人の紐みたいな生物も死んだのかもしれないが、まだ生きているかもしれないので引き続き第一抹殺対象だ。
また放送では最後の一人になれば「元の世界に戻る権利」と「報酬を得る権利」を与えると言っていた。
二つの権利が具体的にどんな権利か今の時点では分からないが、それはグンジィーと再会してから考えたらいいので今は置いておく。
問題はどこに行けばグンジィーと出会えるかという事だが――。

(グンジィー早く会いたいよう……ん、電話?)

――二度目の思考の中断は電話の着信音だった。
よく見るとテーブルの一つにどこにでもあるような電話が一つ無造作に置かれていた。
普通ならこのような場所での電話には躊躇うものだが、音無可憐は違った。

(ん、今グンジィーに会いたいと思った。そして電話が掛かってきた。つまり電話の相手は――)

まるで木ぐるみを着ているのが嘘かのように驚くべき早さで受話器を取っていた。

「もしもしグンジィー☆ もう今どこにいるのだ☆」
『あー、ごめんなさい。私はグンジィーじゃなくて――』

ガチャ

相手がグンジィーでないと分かった瞬間、音無可憐は受話器を置いていた。
そして再び七色カレーを食べるために元々の席に戻ろうとした時、また電話の着信音が鳴った。

「もしもしグンジィー☆ もう今どこにいるのだ☆」
『だから私はグンジィーじゃなくて高――』

ガチャ

そして三度電話が鳴った。

「もしもしグンジィー☆ もう今どこにいるのだ☆」
『実はグンジィーの居場所知っているかもしれないわ!』
「え、本当?」

この時、音無可憐の胸はようやくグンジィーに再会できると安心感でいっぱいだった。


【1日目 日中/C-6 草原 移動レストラン・ヘクトル二号店前】
【音無可憐@おそるべしっっ!!!音無可憐さん】
【服装】自前の木の着ぐるみ(略して木ぐるみ)
【状態】健康、脳みそ以外は至って正常、若干疲労(食事中に付き解消中)
【装備】デザートイーグル(9/9)
【持ち物】支給品一式×4、はさみ、コンドーム、デザートイーグルの予備マガジン×2、XM177E2(29/30)@覇王愛人、S&W M10(5/6)と予備弾24発@現実、デスノート(偽物)@多ロワ
【思考】
 0:グンジィーに会える!?
 1:大好きなグンジィー(武田軍司)を探す……のだ☆
 2:グンジィー以外の男や同性は邪魔なので問答無用で消す……のだ☆(特に紐みたいな生物(ビブリ)は許さない)
【備考】
※平均以上の顔をした男は子供だろうとなんだろうとグンジィーだと勘違いしている。
※参戦時期はどこかでグンジィーと二人きりになった時点です。

     ▼     ▼     ▼

(咄嗟に嘘付いたけど、早まったかしら。でも、これでも初めて電話に出た相手だったから……)

同時刻、高嶺響の胸はようやく電話で会話できるというのに不安感でいっぱいだった。


【1日目 日中/B-2 レンタルビデオ店 スタッフルーム】
【高嶺響@テラカオスバトルロワイアル】
【服装】七色スーツ
【状態】健康
【装備】古青江@School days、ピアノ線@金田一少年の事件簿、電話帳@オリジナル
【持ち物】基本支給品一式×4(アリオト、恋、響、ルーファス)、H&K XM8(29/30)+予備弾薬90発(箱型弾倉×3)@現実、手榴弾×2、七天七刀@とある魔術の禁書目録、テトリス携帯機@テトリス、ライオットシールド@踊る大捜査線、毒針の束@バジリスク、1080@シャーマンキング、ランダム支給品0~1(確認済み)
【思考】
基本:主催を殺して主催になる。
1:レナ、カムパネルラ、kskロワ住人を探し出して殺す。
2:3人の行方を探るためにいくつかの施設に留守電でメッセージを残す。
3:この相手、大丈夫かしら……?
【備考】
※テトリスは100面までクリアするといいことがあるかもしれません。


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もう何も恐くないのだ☆ 音無可憐 [[]]
12:31 高嶺響 [[]]


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