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どうせ悪夢の中を生きている ◆k1rFIYyeRA


「やあやあご婦人、今日はよい月が出ていますねえ!」

その男は狂人である。
少なくとも、男と同郷の常識的な人間から見れば、その行為は常軌を逸していた。

「……」
「ご出身はどちらで? 北の方でしょう? わかりますとも、キメの細かい肌をしていらっしゃる!」

男は、

「……」
「それにしてもご立派な角ですねえ! 僕ぁ常々偶蹄目の方は一味違うと思ってたんですよ!」 

直立するヘラジカに向かって、熱弁を振るっていた。

「……」

ヘラジカは濃紺の制服に制帽姿で、おぞましいことにその顔面には厚化粧を施している。
そしてまた無言のまま片手に持つのは、黒光りする鋼鉄の塊―――拳銃であった。

「奇蹄目の連中はどうにも信用できない! ビジネスパートナーとしちゃ最低ですね、そう思いませんか?」

直立する厚化粧のヘラジカに銃口を突きつけられたまま熱弁を振るう男を、狂人という。
或いはその光景を、悪夢といった。

「あ、申し遅れました、僕はこういうもので……」

おもむろに背広の懐へと手を差し入れる男。
その唐突な動作に、それまで無言だったヘラジカが瞳の色を変える。

「Step on the brakes!」

何事かを叫ぶのと、手の引き金を引こうとするのがほぼ同時。
躊躇のない射撃動作。
銃口から飛び出した弾丸が男を貫くかと思われた刹那―――、

「―――Now turn to the left!」

声が、響いた。
その声に俊敏に反応した、否、反応してしまったのはヘラジカである。
反射的にくるりと身を翻し―――直後に銃声が響いた。


「……あれ?」

間の抜けた声を上げたのは男である。
懐から取り出した手には、どうやって背広の内に仕舞っていたものかという長さの巨大な銃。

「そのキレイな顔を吹っ飛ばしてやるぜ……って、」

銃口からは陽炎を立ち上らせている。
ずるり、と倒れたヘラジカの遺体を眺め、そのこめかみに空いた穴に指を突っ込み、首をかしげて、
そうしてゆっくりと振り向くと、口を開いた。

「人の見せ場を邪魔したの、お宅?」

暗い森の中、声は木々の間に吸い込まれ、消える。
しばらくの沈黙の後。

「……俺は、死すべき運命の者を死なせただけだ」

低い声だけが、闇の中から返ってきた。
それきり、気配は遠ざかっていく。

「……そりゃ、どうも」

月明かりの下、一人立ち尽くす男はそれだけを呟くと、倒れ伏すヘラジカの手から拳銃をもぎ取り、
どこへともなく歩き出す。
後には、厚化粧を施して濃紺の制服を着込んだヘラジカの雌、その躯だけが残されていた。

或いはそれを、悪夢という。



【C-8/一日目 深夜】

【竜崎ゴウ@ラブコンプレックス】
【服装】高そうなスーツ
【状態】健康
【装備】XM177E2@覇王愛人、S&W M10@現実
【所持品】支給品一式
【思考】タップしなきゃ骨、折れちゃうぜ?

【ジャック・ハーパー@トゥルー・コーリング】
【服装】カジュアルなジャケットとパンツ
【状態】健康
【装備】不明
【所持品】支給品一式
【思考】運命は変えさせない。

【ムースリーニ先生@パラッパラッパー 死亡】


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GAME START 竜崎ゴウ 情けは他人のためならず、なのだ☆
GAME START ジャック・ハーパー 情けは他人のためならず、なのだ☆
GAME START ムースリーニ先生 GAME OVER
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