無題(070) ◆sU5FVGx4s6
「地球にいる強者はすべて把握しているつもりだったが……世界は私が思っていたよりもずっと広いのだな」
そう呟く怪人……セルの口には笑みが浮かんでいた。
自身が考案したセルゲームの準備を始めようとした矢先にこんなゲームに参加させられて不愉快に思っていたのはほんの数分、
各地で強大な戦闘力の持ち主たちがぶつかり合うのを感じた彼の心には喜悦が湧き上がっていった。
感じた気はどれも彼の知るZ戦士たちとは異質だったが、中にはベジータやトランクスをも上回る力の持ち主も確かにいた。
完全体になって究極の力を得た故に本気で戦える相手がいなくなった事を嘆いていた彼にとって、これは正しく福音であった。
自身が考案したセルゲームの準備を始めようとした矢先にこんなゲームに参加させられて不愉快に思っていたのはほんの数分、
各地で強大な戦闘力の持ち主たちがぶつかり合うのを感じた彼の心には喜悦が湧き上がっていった。
感じた気はどれも彼の知るZ戦士たちとは異質だったが、中にはベジータやトランクスをも上回る力の持ち主も確かにいた。
完全体になって究極の力を得た故に本気で戦える相手がいなくなった事を嘆いていた彼にとって、これは正しく福音であった。
「あんな男の言いなりになるのは少々不快ではあるが、これだけの舞台を整えてくれた事に免じてゲームに乗ってやろう」
(無論、他の参加者を皆殺しにしたらあの男も完全体の力を試す稽古台にしてやるがな)
(無論、他の参加者を皆殺しにしたらあの男も完全体の力を試す稽古台にしてやるがな)
そう考えて彼が飛び立とうとした時、
「だー、いかんなあ、その短絡的な考え」
「なっ!?貴様いつの間に!」
「なっ!?貴様いつの間に!」
いつの間にかセルの真後ろに立っていた男が呆れたように呟いていた。
(一瞬前まで確かに気は感じなかった。瞬間移動か?)
警戒するセルを気にした様子もなく男は続ける。
「そうやって何でも暴力で解決しようとする奴には生きる価値がない」
「ほう、ではどうする。貴様が私を殺すとでも言うつもりか?」
「安心しろ。神さまはそんなに残酷じゃない。今日はお前に命題を持って来た。これをクリアできれば……」
「神?貴様は神と合体したピッコロの部下か。だが、残念だったな。私の力はとうに奴を越えている!」
「ほう、ではどうする。貴様が私を殺すとでも言うつもりか?」
「安心しろ。神さまはそんなに残酷じゃない。今日はお前に命題を持って来た。これをクリアできれば……」
「神?貴様は神と合体したピッコロの部下か。だが、残念だったな。私の力はとうに奴を越えている!」
男は懐から封筒を取り出して渡そうとするが、セルは笑い飛ばし、手の平を男に向ける。
「待て!」
男に向けて気弾を飛ばそうとした瞬間、間近に大きな気が現れた。
「セル、おめえまた懲りずに悪いことしようとしてるみてえだな」
「孫悟空、やはり貴様もこのゲームに招かれていたか」
「孫悟空、やはり貴様もこのゲームに招かれていたか」
悟空がセルを睨み付けるが、セルは余裕で受け流す。
「孫悟空、言っておくが私の力は既に貴様を遙かに凌駕している。私と戦うのなら死を覚悟するのだな」
セルの言葉を聞いた悟空の顔が引き締まる。
(こいつはオラの力が昔とは比べ物にならねえくれえ上がってるのを知ってる筈。
なのにこんな事をいうってことは、セルも相当パワーアップしたみてえだな……おもしれえ)
「ようし、ならいきなり全力で行かしてもらうぜ!」
なのにこんな事をいうってことは、セルも相当パワーアップしたみてえだな……おもしれえ)
「ようし、ならいきなり全力で行かしてもらうぜ!」
「お前は孫悟空だな。お前にも神さまからこれを届けるよう言われている」
セルに襲われようとしていた男が声を掛け、封筒を差し出してくる。
(神様……?)
この男はデンデの使いなのか。
そう言えば、男の気の感じは人間に取り憑いて天下一武道会に参加した時の神様に似ている気がしないでもない。
だが、何にしろ戦いの途中で手紙なんて読んでるわけにはいかない。
そう言えば、男の気の感じは人間に取り憑いて天下一武道会に参加した時の神様に似ている気がしないでもない。
だが、何にしろ戦いの途中で手紙なんて読んでるわけにはいかない。
「わりいな、後にしてくれ。すぐ片を付けるから」
男に言うと、悟空は更に一気に気を高める。
「よせ!俺の話を聞け!」
男が封筒から中身を取り出しつつ言ってくるが、悟空はそれを無視して変身を……スーパーサイヤ人10への変身を完了させる。
「待たせたな」
「なっ……馬鹿な、有り得ん」
「どうした、オラの力を遙かに超えたんじゃなかったのか?」
「どうした、オラの力を遙かに超えたんじゃなかったのか?」
セルは彼の知るスーパーサイヤ人とは全く違う化け物じみた姿に変身した悟空に完全に圧倒されていた。
(バ、バカな。こいつの力はベジータにすら及ばなかったはず。
それが短期間でこれほどのパワーアップを……か、完全に私の力を超えている!)
それが短期間でこれほどのパワーアップを……か、完全に私の力を超えている!)
セルの感じたとおり、悟空の力はセルを遙かに超え……それどころかセルが想像すらできない領域にまで達していた。
その力は、僅かに漏れ出る気だけでセルの自信を完全に粉砕し、
戦闘に巻き込まれても壊れないように作られたはずの首輪を破壊して爆発させるのに充分なほどであった。
「え?」
その力は、僅かに漏れ出る気だけでセルの自信を完全に粉砕し、
戦闘に巻き込まれても壊れないように作られたはずの首輪を破壊して爆発させるのに充分なほどであった。
「え?」
「まあったく、だから話を聞けと言ったバイよ」
そう言うと男……天童世死見は首を吹き飛ばされて死んだ悟空の命題が書かれた紙を投げ捨てる。
そこには「2008年10月6日1時までに一回でもスーパーサイヤ人5以上になったら即死亡」と書かれていた。
そして、天童は未だに茫然としているセルに声をかける。
「どうだい。ちったあ俺の話を聞く気になったか?」
そう言って右手で封筒を差し出しつつ、天童は左手でそっと服のポケットに触れる。
ポケットには一枚の紙が折りたたまれて入っており、そこにはこう書いてあった。
「2008年10月6日2時までに誰か一人でも命題をクリアしないと天童が即死亡」
そう言うと男……天童世死見は首を吹き飛ばされて死んだ悟空の命題が書かれた紙を投げ捨てる。
そこには「2008年10月6日1時までに一回でもスーパーサイヤ人5以上になったら即死亡」と書かれていた。
そして、天童は未だに茫然としているセルに声をかける。
「どうだい。ちったあ俺の話を聞く気になったか?」
そう言って右手で封筒を差し出しつつ、天童は左手でそっと服のポケットに触れる。
ポケットには一枚の紙が折りたたまれて入っており、そこにはこう書いてあった。
「2008年10月6日2時までに誰か一人でも命題をクリアしないと天童が即死亡」
【エリア/時間】C-09/1日目0:59
【天童世死見@天国に一番近い男(ドラマ)】
【状態】健康
【装備】
【持ち物】支給品一式、確認済み支給品2つ
【思考】
1:誰でもいいから命題をクリアさせる
【状態】健康
【装備】
【持ち物】支給品一式、確認済み支給品2つ
【思考】
1:誰でもいいから命題をクリアさせる
【セル@ドラゴンボール(漫画)】
【状態】茫然自失
【装備】
【持ち物】支給品一式
【思考】
1:自信を取り戻したい
【状態】茫然自失
【装備】
【持ち物】支給品一式
【思考】
1:自信を取り戻したい
【孫悟空@ドラゴンボールAF 死亡確認】
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第2話目に一番遠い男 | 天童世死見 | 命題に翻弄される者たち |
GAME START | セル | 命題に翻弄される者たち |
GAME START | 孫悟空 | GAME OVER |