オールジャンルバトルロワイアル @ ウィキ
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オールジャンルバトルロワイアル @ ウィキ
ja
2017-12-31T16:13:30+09:00
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標 ~スター~
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/447.html
*標 ~スター~ ◆.pKwLKR4oQ
標という少年がいた。
本名も年齢も定かではない。
まだ10歳に達していないように見えるが、その風貌は大きな丸い鼻・厚い唇・右目を銀髪で隠すなど特徴的だ。
だがその風貌もさることながら標の最も特筆すべき点はその並外れた頭脳だ。
その卓越した頭脳と、それにより生み出されるカリスマ性。
それは世界的なギャンブルの代打ちすなわち王を選抜する「ドリームキングダム」にて主催者の在全無量をして『王を目指すに値する有資格者』と言わしめたほどであった。
ちなみに在全曰く、ドリームキングダムの参加者は大きく3つに評されていた。
一つ目は『王を目指すに値する有資格者』と。
二つ目は『明らかに力不足なのに大金に目の眩んだ身の程知らずな金の亡者』と。
三つ目は『王ではなく王のサポートに回る二番手狙い』と。
実はアカギ(零)も在全から『王を目指すに値する有資格者』と評されていた。
そのせいで標とギャンブルで直接対決した過去もあった。
その時は標に軍配が上がる結果になったが、アカギ(零)にしてみれば決着は付いていないと思っている。
(だがっ…本当にそうなのかっ…!)
ドリームキングダム内で行われたギャンブルでいくつか標と同じものに挑戦したが、その全てにおいて標の方が勝っていた。
唯一例外もあったが、それとて実際に本腰を入れて標が取り組んでいたらどうなっていたか分からない。
しかも標はアカギ(零)が思い付かなかったような方法で非道な在全を倒す秘策を見出していた。
さらにその心中には「世界を変えたい」という熱い想いを抱いていて、そのために自分の死を厭わない精神も持ち合わせている。
まさにその名の通り人々を導く標。
言い換えれば夜空に輝いて皆の希望となるスターというべき存在に相応しい。
(そうだっ…! 標、お前はすごいよっ…! だからこそ俺はっ…!)
アカギ(零)は今のままでは標と肩を並べるには至らないと思っていた。
在全を倒す秘策を教えてくれた時にも告げたが、まずは自分の力で標と対等にならないと意味がない。
それなのに自分は今この島で訳の分からない殺し合いに巻き込まれている。
これでどうやって標に追い付けるというのだろうか。
ここはドリームキングダムではない。
ここでは自分
2017-12-31T16:13:30+09:00
1514704410
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ゼロをたずねて幾千里
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/446.html
*ゼロをたずねて幾千里 ◆.pKwLKR4oQ
「なんで普通の民家に修道服なんてあったのかしら? 別に助かったから良いけど……」
修道服を着た高良みゆきin柊かがみ(自称ゼロ)――以下かがみ。
まず外見は修道女姿の高良みゆき。
一方で中身は変態外道の柊かがみ。
さらに加えて名乗りはゼロ(予定)という傍目から見る分には甚だややこしい状態。
そんな変態シスターは現在D-4都市部にいた。
そもそもの発端は第2回放送直後。
当面の方針を決めたかがみはまず身なりを整えるために北上して、しばらくすると民家が点在する都市外縁部に到達した。
元々着ていたSM女王様っぽい服は個人的には気に入っていたが、何かと誤解を生んで面倒な事になりそうだったからだ。
そこで適当な服装を調達するために何軒か民家を無断捜索した結果、実家の神の御加護によるものか黒の修道服を発見した。
正直なぜ普通の民家に修道服があったのか疑問ではあったが、今は考えるだけ無駄だと断じてさっさと着替えた。
ちなみにSMの女王様っぽい服は捨てるのがもったいなかったので、大切に畳んでデイパックの中に突っ込んでおいた。
そして特にハプニングもなく無事に着替え終わると、そこには一見すると豊満な身体を修道服で包んだ一人のシスターがいた。
桃色の髪と黒の修道服はミスマッチかもしれないが、みゆきの柔和な顔立ちと相まってお淑やかな雰囲気を醸し出していた。
だが中身はあの変態仮面なので腹の中は修道服の色と一緒で真黒である。
ただ不満だったのは修道服がサイズ的にぴったりだった事。
普段なら服のサイズがぴったりぐらいでは特に何も思わないが、今はかがみの身体ではなくみゆきの身体。
つまりみゆきの豊満な身体にぴったりという事は自動的に本来の持ち主もみゆきのようにナイスバディという事になる。
どこか女性としてやるせない気持ちにならざるを得ないが、今は考えても虚しいだけだと悟ってその事は忘れるようにした。
こうして服装の問題が解決したところで次なる目的地を定めるべく、民家から通りに出て今に至る。
(さて割とまともな服装も手に入ったけど、これからどこに向かうべきかしら?
はあ、早く6/の代わりの犬が欲しいけど、そんな上手いこと見つかるはずな――ん、これはエンジン音?)
突如静寂な都市
2017-12-31T16:08:59+09:00
1514704139
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一杯のかけそば+α
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/445.html
*一杯のかけそば+α ◆.pKwLKR4oQ
音無可憐は草原にいた。
彼女の目の前にはいくつかのテーブルと椅子が並べられ、
その先には、後ろがキッチンになっている車(ケータリングカー)があった。
テーブルにはトランプ柄のテーブルクロスがかけられ、
椅子の背もたれにはそれぞれハート・ダイヤ・クラブ・スペードというトランプのスートの彫刻がされている。
ケータリングカーの、音無可憐からは見えない方の側面には、大きくダイヤのジャックが描かれていた。
と、ここまでなら移動レストラン へくとるのただのコピーでしかないが、若干違う部分もある。
それは店員がメイドロボットではなく双子の執事ロボットという点だ。
世の男子がメイドロボットにときめくように、世の女性は執事ロボットにときめくもの。
だがそれは正常な女子に限った話であって、脳みそが正常でない音無可憐にとって執事ロボットはただの機械でしかない。
ただ機械故にグンジィー以外の男とも同性とも認識されなかった時点で双子の執事ロボットは運が良かったのかもしれない。
「「移動れすとらん、へくとる二号店ヘ、ヨウコソ」」
「あ! さっき言っていたレストランなのだ☆」
最初の6時間あちこちで所構わず狂気を振りまいた音無可憐だったが、次の6時間はミンウを殺して以降は大人しかった。
いやただ単に誰にも遭遇しなかったために狂気を振りまく状況にならなかっただけでもある。
なぜなら朝日が昇ったとはいえ区画整理された街の中とは違って、獣道もない森の中で他の参加者に出会う確率はそう高くない。
寧ろ最初の6時間よりも人数が減った分、出会う確率はそれだけ低くなるのは当然だ。
それでも地図に示された場所――例えば放送で触れられた怪しい洞窟に向かえば誰かに出会えたかもしれないが、そうはならなかった。
「はぁー、ずっと歩き回っていたから疲れたー」
「「移動れすとらん、へくとる二号店ヘ、ヨウコソ。ワタシハ、うえいたーノ、きゅうDEATH☆ イラッシャイマセ」」
「えっと、注文は……ん、ARってなに?」
「「クワシイ、説明ハ、アチラDEATH☆」」
「なんかややこしそうだからこの一番安いかけそばにするのだ☆
やっぱり食べ過ぎて太ったらグンジィー悲しむからダイエットしてスタイルを維持しないといけ
2017-12-31T16:00:31+09:00
1514703631
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ナイトメアを探せ!
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/444.html
*ナイトメアを探せ! ◆.pKwLKR4oQ
(……これで残りは55人。そのうち日本人と思われる者は34人。まだまだ多いわね)
G-7の橋でギアスによる凶行に及んで数時間。
血染めの皇女ユーフェミアは他の参加者(特に日本人)を求めて森の中を徘徊していた。
だが結局誰にも出会う事なく2回目の放送の時間を迎えていた。
そして放送により日本人の残り人数を確認すると同時に一つの事実を知った。
(あの前原圭一という者の名前は呼ばれなかった。つまりあの時殺し損ねていたんだわ)
ここに至ってユーフェミアはある危惧を抱いた。
それはつまりこれから自分は他の日本人を殺せるかどうかという事だ。
もうこれ以上日本人を殺したくないというわけではない。
寧ろ日本人は絶対に殺さなければいけない存在だ。
その理由は上手く説明できないが、とにかく日本人は皆殺しにしないといけない存在に変わりない。
(改めて考えると、私は弱いですね)
ユーフェミアが危惧しているのは自身の力についてである。
本来ならユーフェミアは神聖ブリタニア帝国皇族であり、このような荒事に進んで参加する事は皆無である。
一応皇族の教育の一環として様々な事を学んできた。
一見皇女に相応しくない銃器の扱いも万が一に備えて最低限の知識だけは身に付けていた。
だが銃器を扱えたところで所詮は皇女。
本郷やフランツのような化け物の前では何も出来なかった。
その上今の放送で圭一のような一見すると普通の少年ですら殺せない事態も発生した。
これでは今後日本人を殺す時に確実に殺せるのか不安になる。
(やはり素人が銃器を扱っても大きな成果は望めない。もっと確実に日本人を皆殺しにするには!?)
そこでユーフェミアは思い出した。
この島に来るまで自分が何をしていたのかを。
行政特区日本に集まった日本人を皆殺しにしていたあの時銃器では不十分と考えた自分はどうしたか。
(そうだわ! ナイトメアがここにあれば――)
ナイトメア、正式名称ナイトメアフレーム、略称KMF。
神聖ブリタニア帝国が誇る人型兵器である。
これさえあれば本来は非力なユーフェミアでも何十人何百人もの日本人を殺す事が出来る。
本来は軍事兵器なので操縦には相応の訓練が必要だが、ユーフェミアはある程度操縦
2016-01-09T23:54:55+09:00
1452351295
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俺の、最高の――
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/443.html
*俺の、最高の―― ◆.pKwLKR4oQ
ある魔法少女は友達になるには名前を呼べばいいと言った。
そんな至極簡単な事で、はじめはそれだけでいいと。
君とかあなたとかではなく、ちゃんと相手の目を見て、はっきりと名前を呼ぶのだと。
今まで全力でぶつかり合い、これから友達になる相手に向かって。
ある魔法少女はもうこの世界には存在しない名前を紡ぐ。
その名は彼女にとって最高の友達の名前。
もう誰も知りはしないその名を唯一人紡ぐのはその存在を証明するため。
その果てが歪んだ願いだとしても、彼女はその名を世界に刻み続ける。
名前。
それはこの世界において自己の存在を証明する言霊。
それは自己と他者を別個の存在として認識させるもの。
だから仮に名前のないものがいたとしたら、それはもはや真っ当な存在ではなく怪物の領域に足を踏み込んだ者なのかもしれない。
◆ ◆ ◆
この殺し合いに参加する全ての者を喰らい尽くすために放たれた名もなき怪物。
『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』ことクレア・スタンフィールド。
クレア曰くクレアは戸籍上死亡しているという事だが、他の参加者も主催者側もさして気にしていない。
ただこれからシャーネと結婚を考えているクレアにとっては新しい身分は早急に必要なものである。
そのため今回の殺しの仕事の報酬の一つとして『過去の消したがっている奴』の情報を考えている。
そんなクレアは現在メイドカフェ内のある物の前に立っている。
――では皆様が無事にこの殺し合いを生き延びる事が出来る事を祈っております。
――メッセージは以上です。
ピーという発信音を最後にクレアの目の前にある電話は留守番機能に録音されたメッセージの再生を終了させた。
実はこのメッセージほんの数分前に届いたものだったりする。
本当なら電話がかかってきた時点で受話器を取る余裕はあったはずだった。
しかし1930年代を生きるクレアからしてみればダイヤル式ではなくプッシュ式の電話は同じ電話とはいえ未知の部類に入る物だった。
そのため着信している間に受話器を取りそびれて、なんとか光るボタンで留守電機能に気付いて今に至る。
メッセージの内容を要約すると高嶺響が竜宮レナとカムパネルラとkskロワ住人
2016-01-09T23:48:25+09:00
1452350905
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12:31
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/442.html
*12:31 ◆.pKwLKR4oQ
四方を青々と広がる海と空に囲まれた絶海の孤島。
世が世なら推理小説の舞台になりそうな島では現在推理小説も真っ青な殺し合いが行われている。
そしてこの島には人口密度の割に多種多様な建物が存在していて、中にはこの島には似つかわしくないものもある。
その一つが島の北西部のB-2にあるレンタルビデオ店。
絶海の孤島という最悪な立地条件にもかかわらず、有名洋画からB級ホラーまで幅広いジャンルの品揃えを誇っている。
ただし残念ながら所々レンタル中なのか空っぽのケースも見受けられる。
特にアニメコーナーでそれが顕著に見て取れて、いくつもの作品がシリーズ丸ごと空っぽという状態だ。
さらに残念な事にそんな意外と穴場なレンタルビデオ店のカウンターは現在無人なのでレンタルする事が出来ない。
とは言うものの、カウンターにはいないだけで奥のスタッフルームには一人の女性がいる。
しかも悠々とパイプ椅子に座りながらテレビで店の商品を流していた。
だが決して店番をサボっているわけではない。
レンタルビデオ店員にあるまじき派手な七色スーツを羽織った黒髪の少女――高嶺響は殺し合いに参加している一人なのだから。
響がこの場所に辿り着いたのは今から約1時間前の事。
裏切り者のカン=ユーを始末した後、響はどこかで休もうと思い立って一番近場だったレンタルビデオ店に来たのだった。
12時の定時放送が流れたのは店内の捜索が粗方終了した頃だった。
そこで昼食にしようとスタッフルームで見つけたカップ焼きそばを準備しながらDVDを再生していたのだ。
最初からデイパックにあったコッペパンだけでは少々味気ないと思っていたので僥倖だった。
ちなみに今再生しているのは『バトルロワイヤル』というタイトルの映画で、ちょっと気になったので流している。
あと元々誰かが見ていたのかDVDがセットしたままだったのも理由の一つではある。
「あ、もうそろそろかしらね」
ちょうど画面は説明ビデオを見せられている最中に生徒が一人殺されるシーンだった。
そこで無造作にリモコンの一時停止ボタンを押して、カップ焼きそばの湯切りのために席を立った。
人によってはこれから食事と言う時に見たくない映像だが、響には関係なかった。
響の最終目的はこのロワ
2016-01-10T00:19:48+09:00
1452352788
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あいつも、俺だ
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/441.html
*あいつも、俺だ ◆.pKwLKR4oQ
ロワではお決まりの定期放送。
主な内容は禁止エリアと6時間での死者の発表。
そしてロワによっては放送者から追加で様々な情報がもたらされる。
何度もロワに参加させられてきた◆6/WWxs9O1sにとってそれは最早お馴染みのイベントであった。
その放送を聞き終わった参加者の様子は千差万別だ。
知り合いの名前が死者として呼ばれた事で嘆き悲しむ者。
凶悪なマーダーの名前が死者として呼ばれた事で安堵する者。
己がいるエリアが禁止エリアに指定された事で焦り出す者。
放送者が漏らした僅かな情報からロワ打倒のための策を巡らせる者。
何度もロワに参加させられてきた◆6/WWxs9O1sは実に様々な参加者を目にして、さらに自身も経験してきた。
「あいつ、死んだのか……」
だが自分が死者として名前を呼ばれる経験というものは何度ロワに呼ばれても慣れる事はないだろう。
この島にはもう一人の自分がいる。
いや出典次第では自分であって自分でないのかもしれないが、突き詰めれば自分は自分だ。
本当は自分というものはこの世に唯一人今この場にいる自分だけだ。
だから先程名前を呼ばれた自分は実は自分ではなく他人だ。
――と、哲学的だとか、ドッペルゲンガーだとか、色々と考えだすとややこしくなる。
だからそれについて深く考えないようにした。
それゆえに◆6/WWxs9O1sが今この瞬間考えた事はシンプルに唯一つ。
「何時何処の◆6/WWxs9O1sかは知らないが、あいつも、俺だ」
だから自分を殺した奴には報いを与えなければならない。
最終的に全員殺して元の世界に帰る予定だったとしても、それとこれとは話が別だ。
どういう形にしろ、きっちりと落とし前は付けさせてもらう。
「さて、俺を殺した奴は誰だろうな」
きっと四六時中誤解フラグを自他共に撒き散らせている自分の事だ。
おそらく自分を殺した奴にも何かしらの誤解フラグを立てているのだろう。
常に誤解フラグに悩まされている身としてはその点だけは軽く同情せざるを得なかった。
【1日目 日中/B-4 都市部の一角の某ビル5階の一室】
【◆6/WWxs9O1s@カオスロワ】
【服装】血染めのウエディングドレス
【状態】疲労(
2015-03-27T21:43:01+09:00
1427460181
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もうどこにも行けない
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/440.html
*もうどこにも行けない ◆.pKwLKR4oQ
最近あの日の夢ばかり見る。
ベルリンでの最期となった、あの日。
偉大な総統だった男の命を断ち、荒野へと走り出した、あの日。
この生涯で唯一度自分が信じるもののためにただ走った、あの日。
そしてその日を最期に自分の人生は終わった。
戦場を求めると口にしながら<ショッカー>に身を置くようになってからこうなる事は分かっていた。
自分は知らず知らずの内に走る事を止めていた。
それも当然だ。
自分の魂はこの地底の王国に閉じ込められていたのだから。
<ショッカー>に飼われる事を選んだ時、自分で自分を殺したようなものだ。
そして悟った。
――もうどこにも行けない。
◆
森の中を一人のオオカミが走っていた。
狼は群れを形成する生き物だ。
だがこのオオカミは群れを作る事なく唯一人で森の中を駆けていた。
稀に、仲間と上手くコミュニケーションが取れなかったり、群れのリーダーを決める争いに敗れたり。
そのような理由で群れから孤立し単独で活動している狼もいる。
これが一匹狼という言葉の語源だ。
だとしたら、このオオカミも一匹狼だ。
オオカミには少し前まで行動を共にする者がいた。
だが知り合いの思わぬ情報から不覚を取り、一人になってしまった。
オオカミは迷った。
これからどうするべきか。
そしてしばらく悩んだ結果、怪しい洞窟へ向かう事にした。
そこに何かあるという情報を得ていたので、それに賭けてみたくなったのだ。
行動を共にした少年、前原圭一の安否。
ユーフェミアを襲ったという知り合い、本郷猛の真相。
オオカミはその答えを得られる手助けになればと願って、ついに洞窟の前まで辿り着いた。
幸いにもここに来る途中に聞いた2度目の放送で圭一の安否は確認できた。
だがそれでもオオカミは洞窟に向かう事を止めなかった。
圭一の安否が分かったところで合流する術がない以上、現状に特に変わりはない。
だから当初の予定通り洞窟を目指そうと考えたのだ。
もしかしたらオオカミ自身も分かっていないのかもしれない。
再び空虚になった心を何かで埋めたい。
それがオオカミの今一番願っている事ではな
2014-12-27T18:44:50+09:00
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だって、それが、サイゴニノコッタミチシルベダカラ
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/439.html
*だって、それが、サイゴニノコッタミチシルベダカラ ◆.pKwLKR4oQ
『吊り橋効果』という言葉がある。
異性と二人で危険な状況に陥ると恋が芽生える可能性が高くなるというものだ。
不安定な吊り橋の上のような危険な場でのドキドキと恋のドキドキの勘違いによる現象と言われている。
その効果は人によって様々だが、あながち出鱈目というわけでもない。
となると、殺し合いという究極の危険な状況を異性と二人で共に行動し続けると恋が芽生えるのかもしれない。
ここに殺し合いの場において誕生した一組のカップルがいる。
修羅の国の羅将であるゼロ(ハン)と有閑倶楽部の一員である黄桜可憐。
伝説の木の下で生まれたこのカップルは普通のカップルではない。
二人はお互いに約束を交わしていた。
ゼロは可憐が妻である限り可憐を殺さないと、可憐は夫たるゼロの意思に背いたら即座に殺されると、お互いに約束した。
しかも可憐は隙を見てゼロを殺そうと虎視眈々と機会を窺い、ゼロもまたその野心を知った上で行動を共にしている。
さらにカップル成立の瞬間は生きるか死ぬかの瀬戸際という曰く付きだ。
一般的なカップルと比べると、あまりに歪すぎる関係と言わざるを得ない。
だが命の瀬戸際の判断とは言え、可憐はそれで納得したつもりだった。
自分の心の中に渦巻く様々な感情に蓋をして。
そんな可憐が二回目の放送を耳にしたのは他の参加者を探して西に向かっていた途中だった。
「うぅ……ぁ、くっ……」
秋山深一。
その名前が呼ばれる事は知っていた。
なにしろ自らの手で殺した嘘付きの名前だ。
自分が初めて殺した者の名を可憐は一生忘れないと思った。
アルフレッド。
その名前も呼ばれる事は知っていた。
一緒にいた時間は短くとも、目の前で突然死んだ光景は今も目に焼き付いている。
この二人の名前が呼ばれる事は予想していた。
だが可憐の知る名前はそれだけではなかった。
「ミンウさん……」
最初勘違いで襲い掛かったにもかかわらず親身になって接してくれた魔導師ミンウ。
その名前もまた同じように告げられた。
ジェレミアに襲撃されたせいで離れ離れになってしまっていたが、運が良ければ再会できると思っていた。
だが結局森の中を見回ってくると言った後ろ姿がミンウを見
2014-10-13T00:38:48+09:00
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私、最低ね
https://w.atwiki.jp/allrowa/pages/438.html
*私、最低ね ◆.pKwLKR4oQ
「はぁ、これからどうしよう……」
太陽が天上で燦々と輝く正午を少し過ぎた時分。
そんな明るい天気とは裏腹に凄惨な殺し合いが繰り広げられる孤島。
さらにその中央付近に空いたクレーターから程近い森の中にある一本の大木。
その根元に桃色の髪に眼鏡を掛けた知的な一人の少女が背を預けて腰を下ろしていた。
一見殺し合いには似つかわしくない少女は今しがた流れた放送を聞き終えると、ふっと溜息をつきながらおもむろに頭を抱えていた。
常ならば淡い桃色の髪と豊満な身体からどこかふんわりした雰囲気をまとう少女であるが、今はいつもと幾分様子が違う。
それもそのはずで、この少女は身体こそ歩く萌え要素と称された『高良みゆき』であるが、現在その内に宿る精神は変態仮面と称された『柊かがみ』になっている。
さて一部の例外を除いて大半の参加者が聞き及んだ死者と禁止エリア+αを発表した先程の放送。
それを聞いたほとんどの参加者は大なり小なり考えるところがあったが、殊にかがみにとっては今後の方針を揺るがしかねないほど深刻な内容だった。
その原因は今のかがみにとって絶対に無視できない名前が死者として名前を呼ばれたからだ。
その死者とは先程まで行動を共にしていた『竜』――ではない。
あの別れ際の様子から謎の白夜叉に殺された事は放送を聞くまでもなく分かり切っていた事だ。
他にもサザエさんやハクオロなどその筋では有名なキャラも死んだが、これもかがみにとっては特に気にかける情報ではなかった。
今のかがみにとって絶対に無視できなかった名前とは自分と最も縁が深いであろう『◆6/WWxs9O1s』に他ならなかった。
しかし無視できなかった理由は単にこの会場内で一番関わりがあったという事ではない。
今はこうして高良みゆきの身体に収まっているが、少し前までかがみは◆6/WWxs9O1sの身体に収まっていた。
そして代わりに元々の柊かがみの身体には◆6/WWxs9O1sが収まっていたはずだ。
もし仮に放送で呼ばれた◆6/WWxs9O1sがかがみの身体に収まっていた◆6/WWxs9O1sだったならば――。
「全く、冗談じゃないわよッ!!!」
自身の帰るべき器の消失という最悪の事態を想像するとつい愚痴が零れてしまう
2017-12-31T16:10:27+09:00
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