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完成編第1章『旅立ちの日』
それはアナンが18歳になるある朝のことであった。
レナ「起きなさい、アナンや」
母親レナの優しい声で目覚めたアナンは不思議な感覚に陥っていた。
アナン「夢……?あれは全部夢だったのか……?」
17歳最後の夜、アナンは不思議な夢を見ていた。それはまるでアナンが長い間既に旅をしていたかのような…長い夢だった。
さらに、夢ではアナンは25歳からの旅立ちだった。
アナン「ふっ、我ながら片腹痛い…未来の予知をしたとでも?」
アナンは考えないことにした。
レナ「どうかしたのかい、アナンや?」
アナン「い、いや、何でもないよ、母さん」
アナンはベッドから起き上がった。
アナン「さ、そろそろお城に行く準備をしなくちゃね。今日は王様に旅立ちの挨拶をする大事な日だ」
レナ「そうよ、アナン。じゃあ支度ができたら下に降りておいで」
アナン「うん、わかったよ。ありがとう、母さん」
アナン(普通ならここで下に降りる…)
アナンは心の中で前置きをした上でもごもごと呟き始めた。
アナン「ルーラ!!」
アナンはルーラヨット城にあっという間に辿り着いていた。…パジャマのままで。
城の前には男が数人。いずれも腕の立ちそうな男達だ。
アナン「貴様…できるな」
アナンは男の一人に話しかけた。
男「お前もな。」
お互いにその奥に隠していた力を感じ取っていた。
男「…名前は?」
アナン「アナン…完成(かんなり)アナンだ。」
男「!!」
アナン「…?」
男「偶然だな…。俺は完成がんの介だ。」
するとそれを聞いていた他の男も反応した。
男B「…俺も完成肉麿(かんなり にくまろ)という。偶然だな。」
男C「…俺は…完成ごんす大将(かんなり ごんすたいしょう)…」
アナン「何と言う偶然だ…」
がんの介「まあ、仲良くやろうや」
4人は手を取り合い、ルーラヨット城…の隣にあったオテルルーラークへ消えて行った…。
完成編
完