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**或る貴公子の悲劇-11  この子桓といい、子文といい、兄というものは真に自分を苛み苦しませるものであるらしい。 そうはいっても、非があるのは自らの方であることぐらいは心得ている。 だからこそ、誰に責をなすりつけることもできないのが辛い。 ただ、自身の領分を守って生きればそれでよかった。 今となっては、後悔の念だけが渦巻いている。薪をくべた鍋で煮られているように痛い。  そろ、と一歩目を踏み出す。 続けて二歩目、三歩目…… 一歩進めるごとに、これまでの半生が蘇る。 もしここで命を取り留めることがあれば、改心して政に打ち込み、魏国を輔けよう。 そのためにも、今胸中にある怨みはここで全て吐き出さなければならない。  七歩目を踏み、曹植は高らかに吟じた。 煮 豆 燃 豆 箕   豆を煮るに豆がらを燃やす 豆 在 釜 中 泣   豆は釜中に在りて泣く 本 是 同 根 生   本より是 同根より生ずるに 相 煎 何 太 急   相煎ること 何ぞ太だ急なる [完]

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