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**劉備編 序章7 それは、ほとんど白目を剥き、顔を赤黒く変色させ、 そして表情に凄惨な笑みを浮かべた劉備の姿だった。 そこには、さっきまでの死の恐怖に怯える情けない男は、 もうどこにもいなかった。 関羽の横で、簡雍が笑い声をあげた。 簡雍「髭さんよ、ちょっと考えてみておくれよ? あんた、口先だけの男に、ついていこうなんて思うかい? わしは思わんね」 簡雍「ほとんどの奴だってそうじゃろう。 だが、《犠・雄・軍》にはこれだけの男が集まった。 こいつが、何を意味してるか、あんたわからんのかい?」 簡雍「まあもっとも、たしかに、普段のうちの大将はなさけない男さ。 肝は座ってねえ、戦いは仲間任せ。おまけにすぐにちびりやがる」 簡雍「……だがな、ちびってからが、本当の大将なのよ。 追いつめに追いつめられ、死の恐怖を目前に感じたとき、……ま、ああいう風になるわけさね」 劉備「……ゥォォォォォォオオオオオオ」 簡雍が劉備を指差した。 劉備は、不気味な唸り声を上げながら、ゆらり、ゆらりと地面から立ち上がる。 その全身から、不気味な瘴気のようなものが立ち昇っている。 関羽は、そう錯覚していた。 張飛「びびるこたぁねえ、関羽。その野郎をぶっ殺しちまえ!!」 張飛もまた、劉備の周りに関羽と同じものを見ていたのかもしれない。 若干の焦りを帯びた声で、張飛が叫ぶ。関羽は、自身でも正体のわからない 恐怖にも似た感情に突き動かされて、力一杯手にした薙刀を振るった。 関羽「ふんっっ!!」 だが、関羽は得意の得物を振るったその時には、 すでにその場から劉備の姿は消えていた――

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