水底の歌姫-2
馬鹿な、とても美しかったが…
手に入れることはできなかった。
彼女は海が観たいと言っていた。
その気持ちに応えたくて、ヴェネート≪水都≫に連れて行ったよ。
ふん、相乗りをしているところを荒くれ男どもが見て、
何か冷やかしていたように思うが覚えてない。
港に佇む姫の姿はとても印象的だった。
放っておいたら身を投げてしまうんじゃないかと、
心配にさえなった。
結局、朝一番の船に乗って彼女は東へと旅立った。
今は何してるんだろうな。
もう一度会ったら、今度こそくどいてやるんだが。
最終更新:2009年01月01日 20:08