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劉備編 序章6


劉備編 序章6

関羽「……ふんっ!」

関羽が、上段にかまえた大薙刀を、勢いよく振り下ろそうとする。
しかし、長髭の男は、その一撃を劉備の身体を両断するよりもはやく、不意にとめた。
関羽の表情には、不審の色が浮かんでいた。
その視線の先には、劉備ではなく、その配下である簡雍の姿があった。
関羽の手を止めさせたもの。それは、正確には簡雍の顔であった。
笑っていた。うっすらと。
自分たちの大将が今まさに息の根を止められようとしているはずなのに、
簡雍はその光景を薄ら笑いを浮かべて見つめていたのだ。

関羽「……なにを、笑っている?」
関羽「貴公らの主が、絶命しようとしているのだぞ。
……それとも、口先だけで頼りにならぬ主が消えるのが、嬉しいのか?」
簡雍「口先だけの、主ねえ。くっくっく。髭さん、悪いが、
あんたはなんにもわかってないねえ」
関羽「……なに?」
簡雍「遠慮しねえで、その得物を劉備の頭めがけて思いっきり叩きつけてみな。
たぶん、あんたが思ってるような結末には、ならんと思うがのう」
関羽「……それは、いったいどういう――」
張飛「――関羽!!」

さらに問い質そうとする関羽の台詞を、緊迫感を帯びた張飛の鋭い叫びがさえぎった。

張飛「おい! 気をつけろ! そいつ、なんか様子がおかしいぞ!! 表情が尋常じゃねえ!!」
関羽「……?!」

『そいつ』というのが尻餅をつき、悲鳴をあげていた劉備のことを指している、
と気づくまでに、関羽は若干時間がかかったようだった。
張飛の台詞に視線を転じた関羽の目に映ったもの――