今までのメッセのログをコピペ@銀双


冒頭(06/6/24日時点)


雨。
長い梅雨は明ける気配もなく、降り続ける細い絹のような水滴の乱舞が、
わたしの部屋の窓ガラスを叩いている。
ふと視線を移し、放りだしたバックの上にある最新型の携帯電話を見る。
本体は新しいのだけど、そのストラップについているのは、
薄汚れた小さな、
とても小さな鈴だ。

わたしにとって希望であったり、
絶望であったりしたけれど、
それは何者にも代え難い“命の絆”だ。
これは、どこか遠く、そして近い記憶の中の、わたしと猫の物語。
;フェードアウト?
;タイトル

;日付←
“ねぇ、だれかいないの?”


その声に目を覚ましたのは、梅雨の中休みを過ぎたとある6月の朝ことだ。降り注ぐ雨が家の古い壁を容赦なく打ち付ける音が聞こえていた。きっと、目覚まし時計はまだ鳴る時間ではない。そんな気がする。

「・・・声?」

誰かが、自分の肩をゆすりながら、ゆっくりと眠りの淵から引き戻したような感覚だった。
ゆっくり眠れたわけでも、まったく眠れなかったわけでもない。ただ、目覚めた。それだけのことだったが、それこそがいつもの朝とは違うような気がした理由かもしれない。パジャマ代わりのシャツ姿のままで、だらだらと寝返りを繰り返しているのに飽きて、ゆっくりとベッドの端に腰掛けた。

少しささくれた古い畳の感触が、足の裏に伝わる。物心ついた頃から、踏みしめてきた、自分の部屋の畳だ。足下には携帯電話が転がっている。誰かにメールを打っていて、そのまま放り出したらしい。メール作成画面が書きかけのまま開いていた。

「面倒くさい・・・。」

そう一人つぶやいて、携帯電話を蹴り、部屋の隅に追いやった。カツンという音を立てて折りたたみ式ボディが閉じる。すでに傷だらけで耐用年数も過ぎているが、なぜか買い換えようという気にならない。昔から流行り物に興味がない性格だ。

残った眠気を払うために、少し勢いをつけて立ち上がってみる。みしりと音を立てるベッドの足に一瞥をくれてから、まわりを見渡してみる。汚れが染みこんだ壁には、先月のカレンダーがかかったままだ。予定は何も書き込まれてはいない。部屋の家具は、ベッドを除けば、木製タンスと勉強用の小さなリビングテーブルあるのみで、あとは趣味で置いてあるコンポとヘッドフォンだけだ。それも畳に直接置いてある。音が響くのでスピーカーは押し入れに仕舞われて久しい。


友人を招くことは滅多にないが、招いたことのある連中は揃って“殺風景だね”とか“あんまり女の子らしくないね”などと言い捨てていくものだが、余計なお世話である。技術進歩で、あらゆるメディアやツールが携帯電話一つに収まった今となっては、パソコンやテレビなどを置く必要性を感じない。そもそも、そんなことはその部屋の主の勝手である。

ゆっくりと目覚まし時計に手を伸ばして、時刻を確認する。絶対に狂うことのない電波時計の液晶は「5:14」を表示していた。普段起きる時間まで、まだ2時間以上あることになる。

「・・・」

予定外の朝の空白。そういう時間にすることは決まっていて、いつものように放り出されたままの大型ヘッドフォンを拾い上げる。有名音響メーカーのヘッドフォンでとても高価だったが、音に惹かれて買ったものだ。プリメインアンプに手をかざすと、自動的に電源が入り、昨夜まで聴いていたクラシックがレジューム再生され始めた。どんなに時を経ても劣化しない情報がデジタルだとしたら、過去の大作曲家が産み出し、時の試練を耐えぬいた名曲の数々は、まさに至高のアナログ情報だと言えるかもしれない。聴く者の心の中に動かしようのない験を残すように、耳を通して音が身体に染みこんでいくような気がするのだ。

「・・・バカみたい。」

柄にもなく難しいことを考えるのは、想定外の空白を埋める手段が自分には乏しいからだと思っている。


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主人公の部屋(やっさん発案)


部屋の広さは だいたい6畳~8畳
部屋の中央に 三本か 四本の金属製の足のついたガラステーブル
足の中央部分に 布張りの雑誌置きがある
ベッドは 画面手前 さっきのシュウトンの絵だと(後で画像追加刷るわ・・)右手前の奥の 部屋の端
ガラステーブルを挟んだ反対側に 小さな足のついた三段ボックス(安っぽいのは×)
その上に シンプルなデザインのコンポ()
ボックスの中には 乱雑にCDのケースが詰め込まれてる
カーペットはなくて フローリングむき出し。色は白っぽめ
壁紙も白

ドアから見た配置

ドアは 窓のちょうど反対側
ドアの位置に立って すぐ左の足下あたりにベッドが
正面には ガラスのテーブル 右手の壁に三段ボックス
んで 一番向こうに 窓 その手前に女の子と椅子(CG時の指定)

その足下には バックが転がってて 中身が散乱してる
ポスターの類はいっさい無し
三段ボックスの ドアから見て手前側には ハイヒールの箱
蓋がちょっと開いていて なかの包み紙が少しはみ出してる

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シーンCGの指定

「朝」
主人公、謎の声で目覚めるシーンから。
●必要なシーン
自室内、自宅内の描写(廊下・台所・庭)、自宅外観、携帯など小物etcのアップ。
梅雨特有のジメジメ感は、主人公だけに。ユーザーには伝わらないように配慮して。
主人公の家は、重厚な造りの木造住宅。色褪せ感と共に、年季の入った暖かさも。
写真を検索する時に参考してもらいたいのは、大正~昭和初期の木造建造物。
■天候:薄曇り・雨

「学校」
主人公が、雨の中を遅刻ギリギリで校門に走り込むシーンから。
●必要なシーン
学校正面外観、廊下(教室内視点)、教室(背面・黒板)、机・椅子のクローズアップ。
学校は主人公の家と対比させて、モダンイメージで。教室は近未来風でも可能。校内の廊下は雨で濡れているし、泥もはねているので、そのへんの表現も気をつけてください。 
主人公自身はひたすら退屈そうにさせてください。友達の輪の中にいても、授業中に一人で外を眺めている時も全部です。表情はどこか“作っている”感じでお願いします。
■天候:雨

「雨の放課後~出会い」
学校が終わり、雨の中を帰る主人公とその取り巻き達。その取り巻きを撒いて、一人になった主人公が、何かの弱々しい鳴き声を聞きつけるシーンから。
●必要なシーン
上から見た主人公の傘、雨の路地裏・生け垣のある家、電柱、雨水が打ち付けるアスファルトの道路、雨に濡れ泥だらけで倒れている瀕死の黒猫、帰宅の途中にある長い坂。
非常に重要な箇所なので、絵作りも気合いを入れてください。瀕死の猫を見つけるまでの主人公は前段パートのように退屈そうな様子ですが、雨に濡れる猫の姿を目の当たりにして、心をえぐられ、感情のままに猫を抱き上げて自宅まで走ります。豪雨なので、背景の雨も一段激しくお願いします。それが主人公の心とリンクしています。あと、猫を抱き上げるために傘を放り出すので、逆さまになって道路上に放置される傘の描写も。
■天候:土砂降りの雨

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最終更新:2006年11月03日 20:48