真北の大冒険 > 第49話 魔の手再び

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平盛22年12月、大津、山科、京都の3駅で通り魔が発生した。琵琶湖線は一時運転を見合わせるものの、20分後に運転が再開された。 そんなある列車でのことだった。米原行きの普通電車だった。まさに京都駅を発とうとしていたころだった。 車掌が後方の乗務員室の中で放送を流している途中、 すると突然、ビラが乗務員室の中に投げられた。車掌はそれを拾い、読む。  愚かな日本人諸君、我々の存在はもう忘れたか、だが今一度思い起こすが良い。  我々は、先日、組織名を『世界政府』改め『フェニックス』にした。  3年前、太平洋沿岸で少年が相次いで行方不明になるという事件があったが、あれは我々がそれらの少年を拉致したのである。  さて、次の標的はどこになることやら  日本人民軍の司令官と最高の戦闘力を持つ男が最有力だと思われ  フェニックス総統 アシュナード2世 「ア、アシュナード2世やぁーっ!!」と、その車掌は発狂 「どしたんや、おい」とその同僚 それからまたしてもしばらく運転見合わせになる事態となった。 そのビラは、全国各地にまかれていた。フェニックスという謎の組織が再び日本を侵略しにくるのか、国民はたちまち不安に陥った。 その日の夕方、日本政府はフェニックスに対し暴力活動をやめるよう声明を発したが、フェニックスはそれを無視した。その3日後、海上自衛隊改め海上自衛軍は護衛艦で太平洋沖の調査を開始した。すると4日後、フェニックスの本部のある島が偶然にも発見された。ジャミング装置が故障していたかと思われ、幸運なことだった。フェニックスの本部の位置はまもなく知らされた。だがしかし バコォーーン! その護衛艦はフェニックスの手先かと思われる何者かによって撃沈された。しかし、そのフェニックスの本部は日本の領海のぎりぎりにあった。絶海の孤島に軍事基地のようなものがあった。そこから世界政府時代は東京へH-55Φを飛ばしたのである。 これを受け、本部近海での通商破壊の危険性も考え、デイン戦争以来、米中と同盟関係にあった日本政府はアメリカ軍や中国軍にも協力を要請。両国の軍艦が太平洋へと次々と派遣された。しかし、そのフェニックスの本部近海は鬼門のようなものだった。まるでバミューダ・トライアングルのように、次から次へと艦船か行方不明になってしまったのである。フェニックスによる徹底したジャミングと情報封鎖により、謎はさらに深まった。 更に、フェニックスは平盛19年の連続少年失踪事件に関与したと発表した。一体どういう目的なのだろうか。 日本人民軍の司令官と最高の戦闘力を持つ男とは、おそらく天知駿一と島田真北のことではないかと世間では広く騒がれ始めた。 それから1週間後、年末も近く仕事に追われている真北、その仕事の合間に天知のもとへ相談にやってきた。フェニックス問題をどう対処するかを話しに来たのである。 「どう対処するべきでしょうね」 「うーん、やはり結成するしかないのか、アレを」 真北と天知は天知邸の縁側のある広間で話している。 「そうですか」 「そういや、いいものを見つけたぜ」 「なんですかそれ」 と、天知は棚から写真と何かの資料や図面を取り出す。 「ああ、米軍がブラックアイヌ団からろ獲した貨客戦艦・ドレッドノートだよ」 「ドレッドノート?あのイギリスの戦艦の名前では」 「いいえ、ブラックアイヌ団のアンダーソン司令長はイギリス人だからな」 「それで、フェニックスを攻めるんですね」 「そういうことだ、まずここに1000人乗せる。そして半分ぐらいを突撃隊として揚陸させ、一気にたたきつぶし、残りの兵を艦載砲などを使わせて後ろから支援する」 「なるほど、そのドレッドノートが母艦になるんですね」 「それに前回の反省から、装備も新たなものにする。」 と、天知はメモを取り出した。突撃隊、後方支援隊、電信隊と自衛軍から衛生科を借りて軍を構成するという。突撃隊は敵の本部に揚陸し、制圧し、後方支援隊はドレッドノートの操作を行い、電信隊は突撃隊と後方支援隊との連絡を取り合う役目をするのである。 「問題は、敵の潜水艦隊の存在ですが」 そう、敵は潜水艦を多数所有しているものと見られている。フェニックスの本部の所在を筒抜けにさせたあの海上自衛軍の護衛艦も沈められた。 「うーん、今のところ横須賀で対潜装備を取り付けてもらってるんだが」 「そうですか、それなら頼もしいものです」 「ところで、何か有望な新兵候補は見つけ出したかな」 「はい、実は、女性ながら高い戦闘力を持つ者を見ました」 真北が取り出したのは、相本の写真だった。 「何?女やと?」 「私としては電信隊への配属を薦めておりますが」 「ほう、で彼女は今どこにおるのかね」 「京阪津電気鉄道です」 そう、相本はもう19歳、高校を卒業して京阪津電気鉄道のステーションスタッフとして活躍しつつあったのである。 「おおっ、そういやあんたもそこの運転士だったわな」 「はい」 しかし、2人はフェニックスに狙われていることを知らないまま、話は終わった。 そして年が明け、平盛23年の1月、第3期日本人民軍の設立が発表された。 その頃、フェニックスの本部では 「総統、失礼します」 「何のようだ」と、アシュナード2世が総統室で座っている。 「総統、只今情報が入りました。第3期日本人民軍の設立であります」 「ついに来たな、天知に島田め」アシュナード2世は笑いを浮かべる。 「敵は1000人程度の兵力を集めるつもりです」 「心配は無用だ、こっちにも1200人はいる。しかもだ、拉致した少年を徹底的に鍛えさせ、最強の戦士にしてやったのだ」 そう、連続少年失踪事件は、旧世界政府が少年を拉致して、あたかも奴隷として扱うようにしごいて、戦闘員にしたのである。 「そうでありますね」 第3期日本人民軍とフェニックスの戦いは、幕を開けるのか。 続く

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