殺丸の見る世界 聖都市に巣くう悪魔


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 一戸建ての小さな飾り気のない家。それがアリテの家だった。聖都市のはずれに誰にも触れられないようにひっそりとその家は建てられていた。
「空き家を譲ってもらったんだ。だからこんな外れなんだけどね」
 アリテはそういい、古ぼけた木のドアをあけ「どうぞ」と早津を招きいれた。
 中はよく掃除されているのか、埃の臭いもなく無駄なものもない。一人ものの女性の家にしては殺風景で、可愛らしいぬいぐるみなんかもなさそうだ。
「見事になんにもないな」
「ま、聖騎士なんてやってるとこんなもんだよ」
 聖騎士、確か娯楽なんてご法度とされるようなかたぐるしい聖堂を守る騎士だと聞いたことがある。
「いいのか? そんな聖騎士様が男を連れ込んだりして」
「駄目だけどいいの。聖騎士の誓いなんて守ってる人いないもの」
 聖なる騎士様の言うセリフじゃないなと早津は笑みを殺しつつ思った。彼女がこうして旅人なんかを家に招くのは本当にはじめてなのだろう。何せ、この聖都市にくるような物好きは今となっては中々いないはずだ。
「それにね、最近は魔物なんかがでてきて安全じゃないんだよ。この現代に信じられないような怪物なんだけどね」
「おとぎ話じゃあるまいし」
 魔物なんて遥か遠い昔の伝記にでてくるようなものだ。日本でいう鬼や妖怪のようなものか。
「呪われた聖都市。神の罰でも受けてるのかもね」
 あまり神を信じなくなった現代の人間、そして神を信じなくなった聖都市の人間の言うセリフではなかった。だけど、真剣にアリテはそう口を開いていた。
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