- 640 :名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 14:56:43 ID:uTLH0f8w
- 駅のホーム。
大好きな男の子を見つけたまではいい。
だがいざ対面すると、身体がにわかに硬直し始めた。
「あっ……あの……」
「ん? なんだ?」
「あのっ、ですね……その……一緒、に」
ちゃんと伝えなきゃ。
鏡相手に、ペットの犬相手に、何度も練習したセリフを。
手を胸に添え、声を張り上げる。
人生で一番、大きな声を!
「今日から一緒に、つうがきゅしてくれまひぇんひゃっ!」
ガタンゴトン、ガタン、ゴトン―――……
(さ、さいあくだー!)
「…………ん? 今日から一緒に、なんだって?」
「あ、あうあ……」(し、しっぱいちゃったぁ……はずかしいよぉ……)
「お、おい、顔真っ赤だぞ!? 大丈夫か!?」
―――電車が閉まります、ご注意ください。
「あっ、閉まっちまう! ほら、早く乗らねぇと遅刻するぞ!」
「えっ? えっ? ちょっ、待って……!」
ぐい、と制服の袖を引っ張られ、二人は電車内へと滑り込んだ。
(願いはかなったの、かな?)
最低の告白だったけれど、最高の結果が得られたのかもしれない。
触れられた腕が、別の生き物のように燃え上がっていくのを感じた。
あれ? 青春モノっぽくなってしまった (;´Д`)
最終更新:2009年10月25日 18:53