649 :名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 04:03:26 ID:W6mak8S7
好きな男の子と一緒に通学してる最中に
後ろからスカートをまくられてぷりぷりのお尻(大きめなのを気にしてる)を弄られまくっちゃうんだろ
650 :名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:24:58 ID:PSR5ZLxB
>>649
 即席ですがよければ

 日常、だった。
 連綿と続き、何事もなく繰り返す、平和な日々。
 いつも通りの朝陽を浴び、いつも通りのホームで、冬奈は整然
とした列の最後尾に並ぶ。
「あっ……ごめんなさ……」
 見知らぬ誰かにぶつかられ冬奈は小さく謝ったが、小鳥のさえずりよりも
矮小なその呟きは、通勤ラッシュ時の喧噪にかき消された。
 よれたスーツ、だらしなく着た学生服、見るのも憚られるような派手な服、
地味なジャージ。
 様々な服を身につけた人間が、今か今かと電車を待ち続けていた。
 変わらぬ光景。記憶の片隅にも残らないであろう、単なる通過日。
 冬奈にとってもまた、同様であった。
 一人で登校し、誰にも気取られず授業を受け、何の起伏もないまま日常を終える。


 ――はずだった。

651 :名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:25:21 ID:PSR5ZLxB
(えっ……な、なに……?)
 違和感が冬奈を襲った。
 乗車率200%超の車内状況は見るも無残な混雑加減。他人と触れ合うどころか
身体を圧迫し続けられるのも別段不思議なことではない。
 何かの拍子で鞄やスーツケースの類がぶつかる……あり得る話だ。
 だがそれでも、冬奈はその短躯を震わせていた。
(や、やだ、おしり、撫でられてる……?)
 思春期になり、気になりはじめたやや大きめな冬奈の臀部を、誰かが蹂躙している。
 勘違いではないかと必死に思いこんでいた冬奈だったが、決定的な事実が冬奈を
確信へと至らしめた。
 (いやらしく、動いて……それにこれ、人の温もり――)
 尻を這う指先と人間の体温が冬奈から声を奪い去っているようで、救援どころか
悲鳴さえあげられないほど少女は恐怖を感じていた。
(い……いやぁ……誰か、助けてぇ……)
 痴漢しているのは誰なのだろうか?
 脂ぎった中年男性? 筋肉質な男? 体臭のきつい小太りな人?
 目的の駅までは4駅分で、時間にしておよそ10分程度。
 たかが10分。されど10分。長い長い人生の、ほんの10分。
 絶望と恐怖の、10分――
(助けてぇ……誰かぁ……!)

652 :名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:26:09 ID:PSR5ZLxB
 乗車口の脇にある無機質な手摺りを、冬奈は力強く握りしめた。
 それが、弱気な冬奈が咄嗟に思いついた唯一恥辱に耐えうる方法。
 乗車口付近は、痴漢者にとって行為をしやすい場所のひとつである。
 とりわけ冬奈と痴漢者が乗り合わせてしまった1両目は、痴漢スポットとして
一部の犯罪者に熱狂的な人気を誇っていた。
(早く、駅に着いて……早く……!)
 懇願する冬奈の思い虚しく、手は純白のショーツをやんわりと撫で続ける。
 頬肉からゆっくりと中央に接近し、尻の割れ目を執拗に擦る。
(だ、だめっ! そこ、汚いとこ……)
 冬奈は、生まれて初めて恥辱による涙を流した。
 けれど見知らぬ痴漢者はお構いなし。むしろ、その涙さえも美味な食糧となり得るのだ。
 悲鳴をあげないと理解したのか、電車の揺れに合わせ、強弱をつけながら指は
徐々に下へと降りていく。
(やだっ、やだやだっ……いやだよぉ……)
 純粋無垢な冬奈は貞操観念が人一倍強い。本当に好きな人が現れるまで、自分の
純潔を守り通している幻想主義的な少女だった。
(浩介くん、浩介くん……わたし、汚れちゃう……)
 そう、冬奈が脳内で連呼している人物こそ、冬奈が本当に好きな男。
 一途な片思い。勇気がなくて会話すらしたことのないクラスメート。
 名前を呼ぶ度に冬奈をときめかせている少年の姿が何度も浮かび、そして、何度も
消えていく。
(きゃっ!)
 その時、電車が大きく揺れた。

653 :名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:27:00 ID:PSR5ZLxB
 車内に犇き合う人間が、遠心力によりドミノのように倒れこむ。
 瞬間、冬奈の周囲に身体を動かせるスペースが生まれた。
 冬奈は揺れの混乱に乗じ、ちらりと後ろを振り返る。
「え、あ、あ……浩介、くん…………?」
 見上げた先には、冬奈の憧れの少年。普段なら恥ずかしくて見つめることのできない
凛々しい顔立ちが、今は冷酷な笑みを張り付けていた。
「続けるぞ……高島冬奈」
 倒れた人たちが元の位置に戻り、再び冬奈は身動きが取れなくなる。
 しかも今度は、逆向き……つまり、正面に浩介がいる状態になり……。
「こ、浩介くん……どう、して……?」
「……さあな」
 浩介は感情のない声をあげ、冬奈の下着の中に手を突っ込んだ。
「ひぁっ!」
 細くて長い浩介の指が、冬奈の陰部に触れた。絹のような滑らかな肌を伝わり、
薄っすらと生え揃う茂みへと辿る。
「あ、あ、あ……」
 下腹部を這う、浩介の指と爪。陰毛をかきわけ、柔肌を堪能しながら緩慢な
動きでクリトリスへ――
「……えっ?」
 は、いかなかった。
 自分ですらきちんと触れたことのない女の子の大事な部分を穢される、と覚悟
していた冬奈にとって、それは予想外の出来事で。
 冬奈は、恐る恐る様子を窺った。

654 :名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:27:47 ID:PSR5ZLxB
「ふふ……」
 冬奈が見つめた浩介の表情に、獲物を食らいつくす獣はいなかった。
 むしろ、いじめっ子のような悪戯めいた態度だったのだ。
(もしかして……意味もなく、愛撫、されてる……?)
 戸惑いが、冬奈の胸に広がってゆく。
 痴漢という強引な行為をした浩介は冬奈の秘部に直接触れることなく、ただ
優しく、飴玉を転がすように、延々とじらしていた。
「はぁ、はぁ……もっと……もっと……」
 冬奈は蕩けた目で浩介に訴え続ける。
 大好きな彼に優しく責められていると自覚した瞬間、心に占めていた恐怖は去り、
羞恥と昂奮が冬奈の中に渦巻いていった。
「冬奈……冬奈……」
「こうすけ、くぅん……」
 ”電車”という、二人以外にも他者の存在する特殊な環境が、幼い男女の性癖を
刺激し、築きあげていく。
 だがそれも、終焉を迎えてしまう。
『間もなく~○○駅~。お降りの際には、忘れ物のないよう~』
 無慈悲なアナウンスが、昂奮冷めやらぬ耳に届いた。
 電車は速度を落とし、見慣れた駅のホームへと流れ込んでいく。
「あの……」
「…………」
 無言のまま浩介は冬奈の秘部から手を抜きとり、開かれた扉から駆け出して行った。

655 :名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:28:48 ID:PSR5ZLxB
 駅のトイレで、浩介は手を洗い流していた。
 手にこびりついた少女の汗と温もりが、排水溝へと吸い込まれていく。
「はぁ……やっちまった」
 後悔と、安堵と、微量の幸福感が入り混じった、溜息。
 同じクラスの高島冬奈は、松野浩介にとって気になる存在だった。友達がいないのか
いつも一人で行動し、物静かで、薄幸そうな少女。浩介から何度か声をかけてはみたも
のの、毎回何故かすぐに逃げられてしまっていた。
 恋に恋い焦がれる年ごろでもないのだが、冬奈とどうしてもいい関係になりたかった。
たまたま今日同じ電車に乗り合わせたのだが、幾度もはぐらかされていたので、浩介の
腹底にわだかまっていらもやもやとしたもの(性欲)が暴発したのだ。
「だって、すげえいい匂い……」
 疲弊した表情でトイレを出て、学校へと向かう。もう遅刻決定だ。
(嫌われたよな)
 項垂れる浩介だったが、不意に振動したポケットに驚き、顔をあげた。
「え……これは、誰の携帯?」
 中には、浩介のものではない、可愛らしい携帯電話があった。電話がかかってきている
のか、激しく震動している。
「何だろう……もしもし」
『でっでたっ……!』
「あの、どちら様で?」
『あの、あのあの……松野浩介くん、ですか?」
「は、はい。そうですが」
『私です、高島冬奈、です』
「え、あの、高島さん!?」
『驚きました? それ、私の携帯です。今、公衆電話からかけていて……』
「ということは、さ、さっきの拍子で……ポケットに……」
『違うんです! ……それ、わたしがわざと入れたんです。あなたとすぐに連絡
がとれるように』
「……連絡」
『はい……あの、落ち着いて聞いてください……松野浩介くん』
「うん……」
『明日も、お願いします』
                         (終)

最終更新:2009年10月25日 18:55