t01-255 名前:名無しさん@ピンキー :08/08/14 17:20:50 ID:PelV5IcO
1

「・・・なんか飲む?」
いつも以上に無口になっている彼女に飲み物を勧めるが、予想通り返事はない。
緊張してるのかな?困ったものだ。

苦節18年。我が人生初めての彼女が出来て3ヶ月が経過した。
ウチに両親はいない。
自分(社賢治:やしろけんじ)が15歳の時、航空機事故で資産家だった両親が他界した。
親戚もいないので手元には莫大な財産と身体的、精神的な大きな傷だけが残された。

しかし、独り身になった自分にとって両親と過ごした館はあまりにも広く、そして寂しかった。
生前の両親が指名した担当弁護士さんと相談した結果、
館を引き払いワンルームのアパートを借りて生活することになった。
高校進学当初は寂しさに耐えきれず、
何度かホームシックになったこともあったがそれも克服した。
自分でいうのもなんだが、よく屈折せずにここまでやって来たと思う。

そんな自分にもついに春が来た。
同じクラスの高瀬七海(ななみ)さんに一目惚れしたのだ。
告白しようか迷っていたとき、大人しい性格である彼女の方から想いを伝えてくれた。

「き・・・・・・・・・君の事が・・・す、すす・・・・・・好きになっちゃった・・・」
途切れながらもまっすぐな告白だった。
勿論断る理由はない。自分も七海さんが好きだったから。
七海さんに続いて自分も想いを伝え、晴れて二人は付き合うことになった。

t01-256 名前:名無しさん@ピンキー :08/08/14 17:24:12 ID:PelV5IcO
2

付き合い始めて3ヶ月になろうとした頃
「今週の日曜、俺のウチに来ない?」
と自分から誘ってみた。

案の定、七海さんは顔を真っ赤にして「あ・・・う・・・」と口をパクパクさせていたが
「予定があるなら無理しなくて良いよ?」と追加で言うと首を横に振って
「い・・・・・・行かせていただきます・・・」
とだけ答えた。
嬉しくて飛び上がりたい気持ちだったが我慢して、来る時間だけ約束してその日は帰宅した。
当日の日曜の朝、七海さんのために散らかった部屋を掃除中にチャイムが鳴った。

ピンポーン

まさかもう来たのか?まだ準備できてないよ?!
「ハーイ!今出まーす!!」
通常の三倍の速度で山積したエロ本を片付ける。
某赤い人も真っ青だろう。
大部分をクローゼットに放り込み、残った数札はマット代わりにベッドの下に敷いておいた。

ピンポーン

証拠隠滅は完璧だ。
フッ・・・独り暮らし3年目の名は伊達ではないのだよ!

ピンポーン

いかん、ついつい自画自賛する癖がついてきたな。
準備もできたし、そろそろ出ますか。
万を辞してドアを開ける。

t01-257 名前:名無しさん@ピンキー :08/08/14 17:29:07 ID:PelV5IcO
3

ガチャ

「お待たせしま(ry」
「宅急便でーす。判子お願いしまーす」
目の前にいたのは、山猫トマトの作業着をだらしなく着た兄ちゃんだった。
「慌てて片付けて損をした。謝罪と賠償を請求するニダ!!」
心の中でそう叫び、恨みと憎しみを込めて判子を押す。

「ぁざーしたー」
荷物を渡し終えた山猫の兄ちゃんがドスドス立ち去る。
ダルそうにトラックに乗り込みエンジンをかけると、黒煙を上げながら走り去っていった。
その様子を不満げに見つめる自分。
ふと走り去ったトラックのところに目を向けると、本来の訪問者が立っていた。
腕時計をしきりに見ている。
約束の時間まで待っているつもりだろうか?
とりあえず手を振ってみたが全く気付いてくれなかった。

しかし、約束の時間まで放置するのもあれなんで、下まで降りて連れてくることにする。

階段をカンカン音をたてて降りたのに七海さんは未だに気付かなかった。
仕方ないので脅かしてみる。

「わっ!」
「ひゃっ・・・!」
彼女は思いがけない襲撃に体をビクッと震わせるが、
その襲撃者が賢治だと分かるとプウッと頬を膨らませて無言の反抗をした。

「ごめんごめん。玄関から待ってる姿が見えたからさぁ。
・・・もしかして約束の時間まで待ってるつもりだった?」
図星を突かれたのか、顔を真っ赤にした七海さんは下俯きモジモジしている。
いや、あまり喋らないのはいつものことなんだけどね・・・

「まだ約束の時間まで大分あるし、ここで話すのもなんだからまずは上がってよ」
返事が返ってくる前に彼女の手をとり、自宅まで引っ張っていく。
最初は手を触れたことに驚いたのか少し抵抗する様子だったが、
やがて手を引かれて後を追う形になった。

t01-258 名前:名無しさん@ピンキー :08/08/14 17:32:47 ID:PelV5IcO
4
それで自宅にたどり着き今に至るんだけど・・・

七海さんを部屋へ招き入れ、ソファーへ座らせる。
ガチガチに緊張している彼女は何をするわけでもなく、
ただ手を膝の上に乗せたままチョコンと座っているだけだった。

何か飲むか尋ねてみたけどさっきから返事がない。
どうしようか決めかねていると不意に七海さんが声を出した。

「あ・・・あのっ!」
「どうしたの?」
「コーヒーと紅茶どちらにしようか迷ったけど・・・こ、紅茶が飲みたいな・・・!」
ウチへ上がってすぐに飲み物を尋ねたが、まさか30分も悩んでいたとは・・・
七海さんの注文を苦笑しながら確認する。

「アイスティーでいい?」
「うん」
「じゃあ少し待っててね」
そう言い残すとキッチンに置いてあるポットから、お湯を出し紅茶パックを投下する。
手抜きだと批判されるかもしれないが、独り暮らしを始めてから
ずっとこれを愛飲してきたので今更このスタイルを変える気はない。
お金が有り余っているからといって贅沢するわけにもいかないしね。

そうこうしているうちに紅茶がいい具合に煮出て来たので、ティーカップに移して持っていく。

「はい。お待ちどうさま」
「あ・・・ありがと」
食卓を挟んで向かい合うように座り一口啜る
うん、美味い。
七海さんの方を見ると小動物のようにチビチビと紅茶を飲んでいた。
視線を感じたのか、カップを食卓に置くと彼女が申し訳なさそうに口を開く。

t01-259 名前:名無しさん@ピンキー :08/08/14 17:35:07 ID:PelV5IcO
5

「あの~」
「何?」
「そんなに見つめられると飲みづらいよ・・・」
「ご、ごめん!あまりにも可愛くてつい見とれちゃって」
「か・・・!か、か、か、かわぃって・・・・・・」
臭い事を言って死ぬほど恥ずかしい。
七海さんも恥ずかしがってまた無言になっちゃったし。
あ、でも嬉しそうな顔してる・・・良かった、引かれないで。

再度室内が沈黙に覆われる。
今度は何話そうか悩んでいると
俯いていた七海さんが顔をあげ、頬を赤く染めながらこう言った。


「・・・社君もとっても格好いいよ」 と。

その瞬間、自分の顔がカァと熱くなるのがわかった。
気恥ずかしさに耐えきれず、お茶のおかわりを持ってくると言ってキッチンに逃げ込んだ。
一度落ち着かないと高揚で体がどうにかなってしまいそうだった。
ヤカンに溜めた紅茶をガブガブ飲んで気持ちを落ち着かせると、
再び七海さんの元へ戻ろうと振り返った。
するとそこには目を丸くして固まっている七海さんがいた。
手にはベッドの敷物代わりにしたエロ本が握られている。

「あ、いや、それは・・・あの・・・」
必死に言い訳を探すが、まともなものが見つからない。
七海さんは手にしていたエロ本元の場所にしまうと口を閉ざしてしまった。

「ごめん!」
何に対して謝っているのか自分でも分からないが、とにかくひたすら謝る。何度も繰り返して。
永遠とも思える沈黙の後、七海さんが口を開いた。

t01-260 名前:名無しさん@ピンキー :08/08/14 17:42:07 ID:PelV5IcO
6

「しょ・・・正直に答えてね・・・・・・やっぱり・・・こうゆうのに興味あるの?」
「ま、まあ人並みにはあるかな・・・」
「そうだよね・・・男の子だもんね・・・」
そう言うと七海さんは自身の体をギュッと抱き締めて身を固くした。
言い訳がましいが彼女には誤解してほしくなかった。
ただ、自分の正直な気持ちを知ってほしくて優しく話しかける。

「確かに七海さんの言う通り、そうゆう事に興味が全く無いって言ったら嘘になる。
でも、七海さんが嫌ならもうそんな本は見ないよ。約束する!」
「違うよ・・・そうゆう訳じゃない・・・」
七海さんは体を抱き締めたままモジモジしていたが、
やがて意を決したように自分の顔を見据えてこう言った。

「もし・・・もし社君が良いのなら、私にこ、こここうゆう事しても良いんだよ!?」
「でも俺は身体目当てで付き合ってるわけじゃないし・・・」

自分のいつまでも煮え切らない態度に遂に七海さんが叫んだ。

「違うよ!付き合ってまた短いけど、君がそうゆう人じゃないこと位私だって分かってる!
私ね、社君に告白した時から決めたの。いつまでも臆病じゃダメだって!
もっと積極的になってあなたに相応しい彼女になろうって!
・・・私にここまで勇気をくれたのは社君なんだよ?
でも、まだ一度も帰りに手を繋いでくれた事も無いし、キ、キスだってしてないし・・・
本当に私の事好きなのか不安でしょうがないの!
それに・・・わ、私だって・・・好きな人の身体にずっと触れていたいんだから!」

告白した時のように顔を真っ赤にしながらそこまで言うと、
七海さんはすすり泣き何も喋らなくなってしまった。

t01-261 名前:名無しさん@ピンキー :08/08/14 17:46:10 ID:PelV5IcO
7

自分はどうしようもないバカだ。
自分も七海さんの事が好きなのに。
彼女の事だからこうだろうと勝手に決めつけて、本当の気持ちに気付いてやれなかった。
今もこうして七海さんを泣かしてしまった。

もう同じ過ちは繰り返さない。
泣いている彼女の顔に両手を沿えて優しくキスをする。
「ゴメンね。七海さんの気持ちを分かってあげれなくて」
「社君・・・」
「俺、本当は七海さんにも本に書いてあるようなことをしたくて堪らなかった。
でもそれを拒まれて嫌われるのが怖くてずっと言い出せなかった」
「・・・うん」
「七海さんが正直な事を言ってくれてとても嬉しかった。
だから俺も正直に言うよ・・・・・・七海、お前を抱きたい」

それ以上の言葉はいらなかった・・・二人とも求めているのは同じだから。
再び優しくキスをする。
今度は七海が俺の顔に両手を沿えて。
三度目は激しく舌を互いの口に入れあい歯や歯茎を刺激する。

「はぁはぁ・・・」
口内を愛撫され目がトロンとした七海の胸を続けて揉みし抱く。
彼女の息遣いと服が擦れる音だけが室内に響いた。
「あん・・・胸触られるの結構好きかも・・・」
「じゃあこれからは毎日マッサージしてあげるよ」
そう囁くと照れたような表情をして「もう・・・・・・バカ・・・」と言う七海。
そんな七海を見ながら秘所へと手を伸ばして驚いた。
「もう濡れてる・・・」
「い、言わないで・・・・・・社君の手があまりにも気持ち良かったから・・・」
愛撫するのは始めてで自信が無かったから、そう言ってくれると嬉しい。
「社君のココも苦しそうだよ」
そう言うと彼女は自分のズボンのチャックを下ろし、
隙間から準備万全となった肉棒を取り出した。
ソファーに座り互いの性器をいじりあいながらキスをする。
「七海・・・そろそろ挿れてもいいよね?」
我慢できなくなってそう尋ねる。
コクンと頷いたので七海を膝の上に乗せ、後ろから抱き締めながら肉棒を秘所にあてがう。

t01-262 名前:名無しさん@ピンキー :08/08/14 17:50:15 ID:PelV5IcO
8

「あの、は・・・初めてだから優しくしてね?」
「辛くなったらすぐに言えよ」
「分かった・・・」
そのまま七海の体をゆっくり降ろしていき、少しずつ貫いていく。
「はぁん・・・痛ぅ!」
七海の体を降ろすにつれプチプチという音が聞こえたような気がした。
肩で息をしながら、必死に痛みに耐えている七海が苦しそうな声を洩らす。
少し貫くのを止め、辛いなら止めよう聞こうとする前に七海が口を開いた。

「私には気を使わなくていいから・・・ちゃんと最後まで続けて・・・」
「・・・そんなこと言ったらもう加減なんて出来ないぞ?」
「良いよ・・・や、社君になら激しくされても平気だから・・・!」
その言葉で最後の抵抗を続けてた理性を打ち砕かれ、
途中で止まっていた剛直を七海の秘所に一気に挿しこんだ。
最後の膜がプツンと音をたて破れる。
七海がまた苦しそうな声を出したが、構わず腰を動かし続けた。

「ふっ・・・は、つ!・・・・・・あ・・・ん!や、社君・・・!」
「俺だけ名前で呼ぶのは名前で言ってくれないか・・・七海?」
「あん・・・あ、あ・・・賢治、賢治ぃ!」
がむしゃらに腰を突き動かし、肉棒の先端を七海の子宮口に叩きつける。
「七海・・・俺、もう無理・・・」
「賢治なら良いよ・・・!私の・・・私の中で気持ち良くなって!」
「な、七海っ!」
最愛の人の名を叫び、その胎内に己の愛情と欲望が入り交じった熱い物を流し込む。
七海の身体は流し込まれた熱い物を全て受け止めていた。

t01-263 名前:名無しさん@ピンキー :08/08/14 17:54:13 ID:PelV5IcO
9

行為を終えた後も彼はそのままの体勢で
「七海」と「好きだ」という言葉を交互に囁きながら優しく抱き締め続けた。
剛直していた分身が萎み、秘所から抜けると七海の胎内から赤と白の混合物が垂れてくる。
七海はそれをウットリと見つめながら呟いた。

「あ・・・こんなに沢山出したんだ・・・」
「ごめんな。避妊具も着けないで中に出しちゃって」
「もう・・・気にしなくて良いって言ってるでしょ?
・・・私は賢治がいっぱい感じてくれただけでとても嬉しいんだから」
「七海・・・」
「そ、それはそうと・・・そろそろ降ろしてくれないかな?
抱き締めてくれるのは嬉しいけど・・・私だって賢治に抱きつきたいんだからね!」
そう言われて初めて自分が1時間近く七海を膝の上に乗せっぱなしな事に気が付いた。
ごめんと謝り慌てて七海をソファーに降ろす。

「クスッ・・・さっきから賢治君、あ・・・賢治謝ってばっかだよ?」
「ご、ごめん」
「ほら、また謝ってる。フフフ・・・」
これほど笑ってる七海を今まで見たことがなかった。
いや、これが彼女の本当の姿なんだな。
そんな事を考えていると七海が体を刷り寄せて、俺をソファーに押し倒した。

「ねぇ・・・賢治?」
「何?」
何か言いたそうな彼女の頭を撫でながら、次に彼女から紡ぎ出される言葉を待つ。

「・・・・・・賢治にどんなに辛い過去があっても、私はちゃんと受け止めてみせるからね」
「え・・・?」
「こ、こ、これからは色んな事を2人で共有していきたいから・・・
悲しい事は半分こ、嬉しい事は2倍にしていけたら良いな」
そう言って七海は顔を赤くしながら唇を重ねると、
ホッとしたのか俺の胸でスヤスヤ眠ってしまった。
俺も七海の背中に手を回すと目を瞑る。
・・・あの事故で負った体の傷は一生消えることは無いだろう。
でも心の傷は癒えるかもしれない・・・近いうちに必ず。
七海は勇気を出して気持ちをぶつけてくれた。俺も勇気を出して過去を乗り越えなくては。

睡魔に意識を奪われる瞬間、
「二人でならきっと乗り越えていけるよ」という七海の声が聞こえた気がした。

最終更新:2010年01月19日 09:59