【気 候とこよみ】


オディールの真冬の深夜は零下を大幅に割る気温になり、特に12月から2月にかけては積雪も多く、一般道路は除雪してありますが、郊外では今でも馬の引く橇が見られます。

街中のレストランは店独自のカラーを出したオリジナルシチューでメニューを競いますので、食べ歩くと身体も温まって良いかもしれません。

至高神の降誕祭(至高神いぜんにおいては冬至祭りだった)が12月にありますが、これについては、初代アカデミー学長が信仰を奪うことなかれと主張したことと、魔族である城主が城下のみでと許したことにより、神の降誕を寿ぐと言うよりも今では殆ど恒例と化した行事の一つになっています。

城部分は常と変わらずひっそりとしていますので、その領内にある寮に暮らす学生たちは、降誕祭に付随する楽しみを得るために街中へと繰り出さねばなりません。

魔と時を共に過ごすことを自分の一生の中に認めた者が集うこの場所で、果たしてどれぐらいが神の降誕を心より祝っているかどうかは疑問ですが、街中は普通の世界と変わらずイルミネーションに彩られ華やいだ雰囲気が漂っています。

降誕祭の時期には一ヶ月間、聖堂を取り巻くように噴水広場まで広がる賑やかなマーケットがオープンします。
家にに飾るオーナメントやご馳走を買い求めたり、ただその雰囲気を楽しむために歩くのも良いでしょう。

アカデミーは12月の20日より1一ヶ月の冬期休暇に入ります。講義は全てお休みですが、寮は変わらず機能していますので里帰りされない方もご安心を。




1月期(東方のこよみで氷月)
城の黒鳥は越冬のためガーデンパークの温室の中の池へ引っ越します。
また、2月一杯まで冬の娯楽として犬ゾリレースが盛んに行われます。大穴狙ってみませんか?
アカデミーの講義は1月21日より開始です。



2-3月期(霜月、光月)
相変わらず雪は降りますが、日差しは確実に春を含んでいます。
晴天の日の空はどこまでも青く澄んでおり、葉の落ちた木々の先には花や新芽の膨らみが見えます。
2月末あたりから3月にかけて、湖のほとりには水仙が一斉に咲き始め、植物園では春の花の植え替えが行われます。
色彩豊かなジュリアンが彩る花壇は、色の無かった季節に華を添えます。
3月になると降雪の日も減り、気温の上がる日が増えてきますのでぬかるむ場所もあるでしょう。
3月頭からアカデミーでは半月かけての実力テストがあります。



3-4月(光月、風月)
アカデミーの試験結果は3月の28日に出ます。追試を受ける学生は4月中旬ぐらいまで頭を悩ませるでしょう。
花の案内としては、下旬からマグノリアが、4月に入りエニシダが、そして4月中旬過ぎから一斉に花が咲き始め、城の中庭は桜で満開になります。
また、植物園は一足早く春の装いを整えており、4月から遊園地も再開、城の黒鳥たちも池に帰ってきます。
雪解けの関係で川の水量が増え、流れも速くなっています。街中の雪がすっかりなくなった後、山には5月ぐらいまで道端に雪が残っている場所もあります。


また、春分のあとの最初の満月の週に、グウェンドリンの祭があります。
創生の三神と卵は縁の深いものですが、卵の最後から出てきたグウェンドリンを祝い、それに加え新しい命と豊穣のシンボル、命と信仰のシンボルとして、卵に細工をして飾ったり、硬く茹でた卵をぶつけあったりする行事があります。

街ではカラフルな細工や色彩を施されたムーンエッグが売りに出されますが、この地においては特に卵には力が宿ると信仰されて絵付けや着彩をした名残の意味が強いようです。
可愛くカラフルなものから、宝石をちりばめた精巧なものまで様々。お一つ如何でしょう?
そして。

不夜城の中の小さな公園から旧市外へと抜ける『花水木の小径』(別名:春の小径)が開通。
本来なら桜と前後して咲く雪柳と花水木が、魔力によってできた特殊な空間により同時に楽しめる並木です。ぶらぶらと散歩に出かけるのは如何でしょうか。
港にも異国の船が多数入港し、街は一気に春の装いになります。

4月30日はルーフェロの夜です。魔界へと下る決心をした彼に着き従い、大勢の魔族たちが、冥界へとくだり魔界を作り上げた夜と言われ、あらゆる魔力が増幅されます。
もちろん魔道を志す者や魔族にとっても特別な日。あちらこちらでは宴が開かれ、街では老若男女問わず魔女や魔族の仮装をして楽しみます。



4-5月期(風月、花月)

旧市街にある『旧市街の薔薇園』がOPEN。入り口は白で始まり、奥へ行くほど花の色が濃く深くなり、薔薇園の中央にある白い大理石で作られた小さな四阿(あずまや)付近は深紅の薔薇が咲き競います。
また大輪の花ばかりでなく、グラウンドカバーに植えられた匍匐性のミニチュアローズや柱に絡まる蔓性の薔薇もお楽しみください。入り口付近には庭園の管理人が開く小さな店があり、香水やローズティ、ジャムなどを始め瑞々しい切花も売られています。

5月は春爛漫の季節となり、どの家の庭先も花に溢れます。時々寒い夜もありますが概ね爽やかで過ごし易い時期。暑くても25度を超えることはありません。
また、郊外の異教の神殿の遺跡や闘技場跡は一面の芝桜に覆われて、普段の寂しい雰囲気は払拭され、野ウサギなどの小動物も見られます。ただし、やはりそれを餌に集まる獣もおりますので、ご注意ください。



6月(樹月)

湿気が少なくからりと晴れるのですが、そのぶん朝晩の気温差が感じられて肌寒く思うこともあります。
日差しは強いのですが日中は暑くても27-8度までしか上がりません。

二度目に咲く薔薇が相変わらず家の庭先を美しく飾ります。

にわか雨が多くなりますが、雨が続くことは少ないでしょう。
また、大陸でもほとんど共通の夏至祭があります。

月末頃からは果樹園でさまざまな果実が取り放題、食べ放題になるので、出かけてみては如何でしょうか。
6/18はアカデミーの創立記念日で、前後あわせて三日間の休みになります。春-夏の講義は6月末で終了、卒業シーズンでもあり、科目別の修了試験が行われるのもこの時期です。
落第率は5-10%。しっかり学んで次の講義の受講資格を取ってください。


お城ではガーデニア(梔子)が美しく咲き、濃厚に香ります。この時期だけその花を愉しむために、水車小屋を開放。
水のせせらぎと花の香りを楽しみつつ、屋根裏の小部屋から星を眺めるのも良いのでは?



7月(雷月)


時に30度を越える日もありますが、湿気は少なく日陰に入ると涼しく感じられます。
また、湖のあるあたりは避暑地でもあるので街中とは違い爽やかです。ボートなどもありますので、湖畔でバーベキューをしたり散策をして水遊びをするのも良いでしょう。

郊外の果樹園の近くにはラヴェンダーが咲き乱れる丘があります。
小さな牧場が隣接しており羊や牛が飼われています。アイスクリームやチーズなどの乳製品はもちろん、ソーセージなどの加工品も売っていますので、一服しながら軽食を取ることも可能です。
丘へは街の噴水広場から馬車が随時出ていますので、お気軽にご利用ください。



8月(炎月)

日没はやや遅く8時ぐらいで、からりとした気候が続きます。
遊園地では8月の間、毎夜花火が打ち上げられ遺跡や広場などでは野外演劇がさかんに行われ、小さなお祭りがあります。

また、海のゾラと大地のゾラが多く集まり、港は一大バザールとなります。
雑貨や食料品などにとどまらず、怪しげな占いや見世物小屋なども出ますので、話の種に覗いてみてはいかがでしょう?


郊外の丘陵地は向日葵畑が広がっているので遠出をすれば目を楽しませてくれるでしょう。


9月(土月)

日中の気温が30度を越える日はなくなり、日に日に秋の気配が深まります。
半ばを過ぎると朝晩と日中の気温差がかなり大きくなりますので、お出かけには一枚上着をお持ちください。

アカデミーは新学期が始まりますので、学生さんは気持ちも新たに学問に励んでください。下旬からは山手から紅葉が見られ始め、そぞろ歩くことが楽しい季節の最後を迎えつつあることを教えてくれるでしょう。

食欲の秋ということで、広場は『食のバザール』がOPEN。各地の珍味、美味なものが食べられます。アヤシイ物を買うなり、食べ歩くなり楽しんでいただければ幸いです。



10月(闇月)

9月にあった食のバザールは10月の収穫祭で最大の盛り上がりとなります。この時期、色彩はオレンジの洪水でしょう。

気候は下旬になるにつれ小雨が降ることと霧が出やすくなるので、お出かけのときは傘を忘れずにお持ち下さい。日中の最高気温は20度ぐらいから16度ぐらいの間、朝方は10度前後まで下がります。

アカデミーや家の軒先にもカボチャが並べられ、夜になると学生たちはくりぬいて作られたランタンを手にして、ふざけながら出かけた挙句、それをどこかに放置して返ってくることもしばしばの様子。

またなぜかこの時期、世界各地から魔道を志す物が、あるいは魔道を求める者が訪れ、常には手に入らない高価な魔法書や薬草、骨董などが手に入るためそれを仕入れようとする商人たちも多く訪れます。

ただし、それだけ多くの偽物も出回りますので購入にはご注意を。


さながら人間版の、秋の「ルーフェロの夜」ですが、魔貴族たちが集うことはありませんが、人に知識を与えても良い(場合によっては代償つきで)と思っている魔族はいるようです。
城に多くの来客(魔族)が滞在し、また彼らを訪ねてくる者も後を絶ちません。「ルーフェロの夜」よりもずっと人と魔族の交流がさかんになる時期です。故郷の誰かと偶然再会することがあるかも……?

この時期にやってくる大勢の商人と観光客たちのおかげで、港には毎日異国情緒の溢れた市が立ちます。安いガラクタから掘り出し物まで様々。騙されて元々という気楽な気持ちでお出かけください。



11月(霜月)

紅葉の葉も殆ど落ち、いよいよ冬の到来です。
雨はみぞれ混じりとなり中旬以降は雪になりますが、そうでない日はからりと晴れ上がります。
冬の到来にともない、郊外の移動遊園地は今月まで。来年の春まで別の土地へ行くのでお別れです。

またアカデミーは16日から24日まで学園祭が開かれ、学生が日頃の勉強や研究の成果を生かした出し物をしたり、もちろんのこと模擬店も沢山出ます。あやしい食べ物を売っていたりもするので、お気をつけて。

平常と同じように誰でも出入りできます。


郊外の果樹園の一角に建つ古い煉瓦造りのワイナリーが1ヶ月間、一般公開されます。
期間中はワインの試飲に制限ナシ。飲めない方も絵葉書のような田園風景を楽しみつつ、極上のワインにされるものと同じ葡萄で作ったジュースをどうぞ。
園内にはレストランもあり、食事も楽しめます。ワインが気に入れば是非お土産に。



(12月はページ先頭の記述を参考にしてください)




  • 花の咲く季節について

特殊な土地柄(魔族の保護下)のせいもあり、大陸の時期よりも多少のずれがある(大陸ならば3月に咲くのがオディールでは5月だったり)ものがあります。
たとえば、4月からバラが咲き誇るのはルーフェロの夜を彩るために園芸レベルではない操作がされています。

ただ、冬のものが夏に咲く、というようなケースはよほど特殊な理由がない限りありません。基本、同じ季節内の多少のずれです。
最終更新:2009年05月29日 14:59