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トコロジストとは

身近な森などの動植物だけでなく、歴史や文化にも精通した「その場所の専門家」のこと。「所(トコロ)」と、英語で専門家を意味する接尾語「イスト」を組み合わせた造語。

神奈川県平塚市の市博物館元館長で神奈川大教授(地域自然史)だった故・浜口哲一さんが、二〇〇四年に提言した。かかわった行政の緑地保全計画や河川改修などで、それぞれの分野の専門家が意見を主張し、議論がかみ合わない場面に何度も遭遇したからだ。よりよい自然保護や環境保全を実現していくには、「その場所」を多面的に知り、愛着があるコーディネーター役の必要性を痛感した。

トコロジストとは、「所(トコロ)」と、英語で専門家を意味する接尾語「イスト」を組み合わせた造語。浜口さんの知人で、同県大磯町でアオバトを仲間と研究していた田端裕さん(72)が考えた。「場所」に視点を置いたトコロジストは、近くに暮らしている市民だからこそできる活動だ。

東京新聞(2010-06-02)


トコロジストはどんなことをするのか

  1. 森などの動植物や市民の利用状況など「場所」について、まず情報収集が役目。
  2. その情報を市民に伝え自然と市民のつなぎ役となる。
  3. さらに蓄積した情報を活用し、保全に取り組む。
  4. 植物や鳥の専門家を縦糸とすると、横糸として連携することでコーディネーターとしての活動も広がる

浜口さんらと養成講座を企画した日本野鳥の会職員箱田敦只さん: 東京新聞(2010-06-02)


トコロジストになるにはどうすればいいのか

  • 生き物地図を作る
    まず地図を持って、身近な環境を歩いてみる。地図記号や等高線などの入った白地図に、見つけた生き物の名前を記入していく。
  • 生き物の名前を覚える
    見つけた生き物の名前を詳しい人に聞いて覚える。草の名前を科・属も含めて50種覚えたら、新しい草を見つけても、何の仲間か分類できるそうです。
  • 地元の人に聞く
    生き物の利用のされ方を地元の人に聞いてまわり、自然と人間との関わり方を調べる。
  • 身近な自然を長く見つめ続ける
    「一つの場所の自然を継続して見る」ことで、四季の移り変わりや年月の経過とともに、植物層や動物層の変化がわかります。


参考

東京新聞(2010-06-02)

大和市のトコロジストについて http://www.city.yamato.lg.jp/web/midori/tokorojisuto.html

 

最終更新:2012年06月06日 06:47