手洗い

手指は病原体が容易に付着し、医療従事者の手指を介して感染が拡大する可能性があります。院内感染の主な防止対策のうち「感染経路の遮断」において手洗いはもっとも重要な手段であり、手洗い厳守が院内感染の発生や拡大を未然に防ぐことにつながります。

  • 目に見える汚れがある場合は、石鹸と流水による手洗いが必要である。(この手洗いの有効性の根拠とされたエビデンスの多くが、30秒から60秒間をかけた手洗いである。)
  • 目に見える汚れがない場合は、擦式消毒用アルコール製剤の使用(15秒以内に乾燥しない程度の量を使用する)




手洗いの方法(流水による場合)


1.手のひらを合わせ、よく洗う。

2.手の甲を伸ばすように洗う。

3.指先、爪の間をよく洗う。

4.指の間を十分に洗う。

5.親指と手掌をねじり洗いをする。

6.手首も洗う。

7.水道の栓を止めるときは、手首か肘で止める。できないときは、ペーパータオルを使用して止める。


手洗いの方法(擦式消毒用アルコールによる場合)

1.擦式消毒用アルコールの1回噴霧量は1mlである為、2~3プッシュを手のひらにのせる。
2.擦式消毒用アルコールが完全に揮発するまで両手を擦り合わせる



以下の医療行為を行う前には、必ず手洗いを行う。

1.浸襲的医療行為を行う前
2.免役不全患者や新生児など易感染性患者のケアをする前
3.創傷に触れる前後
4.手に微生物感染が起こることが予想される医療行為の後
5.毒力の強い細菌で汚染される可能性のある器物に触れた後
6.多剤耐性菌などの臨床的および疫学的に重要な微生物が定着または感染している患者をケアした後
7.易感染患者を収容している病棟で別の患者に接触する場合


擦式消毒用アルコールの使用が必要な場合

1.患者に直接、接する前
2.CVC挿入時に滅菌手袋を着用する前
3.バルーン、末梢カテーテルなど手術的手技を要しない浸襲的器具を挿入する前
4.患者の健常皮膚に接触した後
5.体液、排泄物、粘膜、非健常皮膚、創傷皮膚に触れた後で、目に見える汚染がない場合
6.同一患者の汚染部位から清潔部位に移る場合
7.手袋をはずした後

最終更新:2006年11月11日 21:04