恩師安達俊子先生からのメッセージ

青少年自立支援センター ビバハウス 安達俊子(ビバハウス便り 臨時号 2007.7.3 義家弘介さんの参院選・自民党よりの出馬について から)

義家弘介さん、今回のあなたの自民党からの参院選候補としての出馬に対して、これまであなたを心から支援し、これからのあなたの活動に大きな期待を掛けていただいた多くの方々から、私の見解を求められましたので、私の率直な気持ちをお伝えいたします。 先ずあなたの自民党からの出馬が本当に若者たちの期待に応えるものになるのかについて私は重大な疑問を持ちます。現代の若者たちの苦しみの根源は、まさにあなたが立候補しようとしている、自民党そしてこれと手を組む公明党の政治にあると私は思わざるを得ないからです。大企業の利益ばかりを優先し、若者たちに無権利の、低賃金、長時間の過酷な労働条件を押し付けている現代の日本社会の責任は政権政党である自民党が負うべきものです。この全体的な過酷な若者たちの就労条件が、ビバハウスの若者のように、大きなハンデを負った若者たちの自立に向けた就労を妨げる一番大きな壁であることを、毎日私たちは実感しているからです。

 あなたが「教育再生会議」の委員に就任するとの報道を聞いたときには、私は夫とともにあなたにお電話をし、「あなたの大切な息子さんのためにも、これからの日本の教育のあり方を曇らすようなことだけはしないでほしい」とお願いしました。残念ながら、この会議から出てきた答申は、どれひとつとして私たちが諸手をあげて歓迎できることではありませんでした。教育にとって私が一番大切なものだと信じている、北星余市ではこれが完全に保障されたからこそあなた方に私が全力で取り組めた、教師一人ひとりの主体性、創造性を発揮させる方向とは全く逆行する提言ばかりで、本当にがっかりしました。

 あなたは『自分を救ってくれた北星余市の教育の火を消したくない』との純真な願いだけで、かって母校の廃校の危機に立ち向かい、バイク事故の後遺症を抱えた体で、全国で講演をし、眠る間を惜しんで自らの生い立ちを記した『不良少年の夢』を出版し、母校を救ってくれた、私たちにとってかけがえのない、大切な卒業生です。あなたを信じ、あなたによって、生きる喜びを与えられた全国の若者たちに、本当に応える道は何なのかを、賢明なあなたは必ず見出してくれることを、私は今でも信じています。いつか必ず、あなたの願いが、私たちの願いと一致する日が必ずくることを信じて、私はあなたたち若者たちとの生涯忘れられない日々を思い起こしながら、この北の地で、かってあなたがわたしに語ってくれた、あなたの『夢』が実現する日が来ることを祈りながら、今日もあなたを待っています。あなたにとってばかりでなく、夫と私にとっても誰よりも大切な奥様と息子さんのために、お体だけは大切にしてくださるようお願いいたしまして、「うる婆婆」からのお便りにさせていただきます。(「うる婆婆」:「うるさいお婆さん」在職時代の私に生徒たちがつけてくれた懐かしいあだ名)

  

最終更新:2008年04月06日 20:55