オヘンラー駿によるお遍路入門


 2011年夏、四国八十八ヶ所、1200キロの距離を35日間で歩ききった駿によるお遍路入門講座である。

お遍路とは

 四国八十八箇所(しこくはちじゅうはっかしょ)は、四国にある88か所の空海(弘法大師)ゆかりの札所の総称。単に八十八箇所、あるいは四国霊場と言う場合も多い。四国八十八箇所を巡拝することを四国遍路、四国巡拝などとも言う。

四国遍路と野宿

四国は野宿の非常にしやすい場所だと思います。
四国のお遍路文化は根強い。今でも「おせったい」という文化があり簡単に言うとお遍路さん、特に徒歩で野宿をしているお遍路さんに地元の人が優しくしてくれます。ありがたい文化です。
言い換えれば、野宿に寛容なのです。


 善根宿というありがたい無償(or格安)で泊めてくれる宿もありますが、地元の方や団体などがつくってくれている遍路小屋のようなものがたくさんあります。大きさや環境は様々ですが、東屋のような場所もあれば大人がひとりギリギリ横になれるようなところも。公衆トイレがあったり近くの施設が貸してくれるよという看板がついてたり、水が湧いていて柄杓が用意されていたり、ありがたいことに電源がついてる小屋もありましたね。ありがたい。

 野宿初級者から上級者までぜひともオススメしたい、それが遍路。究極の野宿旅ができると思います。

持ち物

 「お遍路を歩く」際の特別な服装や道具について

  • 白衣(白装束のノースリーブ版みたいなやつを買った)
  • 菅笠(同行二人とか文字がいくつか書いてあるやつ)
  • 輪袈裟(見た目がかっこいい)
  • 金剛杖(鈴がついていてこれがあるとリズムがとりやすい)

 仏教を信仰しているわけでもないのだから、実際これは無くてもいいのだが、こういった装備があると気持ちが引き締まるし雰囲気が出るだろう。
また、「おせったい」という文化がある四国では、このような恰好をしている人には地元の人たちが優しくしてくれることが多い。
ズボンの白装束もあったりするのだが、僕のような毎日洗濯することのできない野宿遍路の人や、真夏には厳しいだろう。
菅笠は日差し避けによい。風通しもよい。しかし、バックパックに高さのある場合に非常に邪魔になる。
金剛杖は山道なんかで結構助けられたことがあった。鈴の音が心地よい。足元を助けるということから、杖をお大師様と例えて同行二人などと言われることが多いので、お遍路には必須アイテムであるといえる。アスファルトの平坦な長い道では少々邪魔になることもあるが、そこはスタンドマイクにでも見立ててロッケンロール!!!

 そして「納経をする」際に必要な特別な道具について

  • 線香、ロウソク、ライター(これもめんどくさいがちゃんとやったほうがいいだろう。これをやらないおへんろさんのことをスピード遍路などと言ってdisる人もいる)
  • 納め札(名前とか住所とかを書いてお寺の納め札入れというものに入れる)
  • 納経帳(お寺でご朱印をおしてもらう)

『納経とは』
 札所などにお参りし、納経した証に収める札。般若心経を写経したものを納めるのが正式とされているが、読経したのちに自分の名前を書いた納札を納めても良い。衛門三郎が自分が空海を探しているということを空海に知らせるために(空海が立ち寄ると思われる)寺にお札を打ちつけたのが始まりとされる。かつては木製や金属製の納札を山門や本堂の柱などに釘で打ちつけていた。このことから、遍路自体や、札所に参拝したことを「打つ」とも言う。現在では、お寺の建築物の損傷を避け、持ち運びの利便性を考え、紙製の納札を納札箱に入れることになっている。また、接待をしてもらったら、その人にお礼の気持ちも込めて納札を渡すのが決まりである。結願した回数によってお札の色を変えてもよい。1~4回が白、5~7回が緑、8~24回が赤、25回以上で銀、50回以上で金、そして100回以上で錦の札となる。ただし、白より錦の札がより良いとされるわけではない。100回以上回っても白の納札を使う人もいる。

 納経には一ヶ寺300円かかる。つまり、300円×88ヶ寺=26400円。なかなか痛い出費である。
納経時間は7時~17時のために時間に縛られてしまうということも起きる。
そのために、これをやらない人もいる。しかし、僕としてはやったほうが記録として残るし、納経帳はとっても思い出深い宝物になる。(途中で出会ったベテランおへんろさんには「心が躍る」といって納経をしない人もいた)


 この他にも地図(歩き遍路用の公式地図。絶対にあったほうがいい。)を買ったりしたために1万円以上かかってしまった。
僕は1番札所の霊山寺で買ったのだが、ここは全体的に値段設定は高めなのであとで少し後悔することになる。


その他の持ち物

 僕がもっていったものを紹介しましょう(途中で買ったものも含む)

  • バックパック
 45L インドで買った謎ブランド。中が一応2気室になってる
  • iPhone、エネループ
 お遍路だってできる。そう、iPhoneならね
  • トレッキングシューズ
 コロンビアのオムニテックのやつ。完全防水といいつつ結局浸水
  • デジカメ
 単三電池でもできるやつ
  • 石鹸、シャンプー、ゴシゴシタオル
 ゴシゴシの体洗った感は異常
  • 寝袋
 モンベル U.L.スーパー スパイラルダウンハガー#5
  • エアマット
 coleman製
  • バックパックレインカバー
 ないと雨の日歩けないよ!!
  • 服(短パン×2、タンクトップ×2、シルキードライシャツ×2、パンツ×3、靴下×6)
 靴下は手洗いだとなかなか乾かないから多め。マメができそうなときは二重に履いた
  • レインウェア上下
 上はモンベルのゴアテックス、下はON・YO・NEっていうメーカーの限りなくゴアテックスに近いと言われてだまされたやつ
  • タオル
 僕は細長いスポーツタオルみたいなサイズが2枚
  • ヘッドライト
 ある程度ちゃんとしたもののがいいかも、暗闇は怖い
  • 裁縫セット
 バックや服の修理、足のマメをつぶすときに使える
  • 蚊取り線香
 あなどるなかれ、あるとないじゃ大違い
  • 観光っぽい遍路ガイドブック
 温泉情報とか具体的な所要時間とか意外と便利だった
  • ビーサン
 絶対あったほうがいいと思う。足を乾かさないとあとでひどいことになる
  • 蛍光テープ
 夜にも歩くならあったほうが安心

忘れちゃっているのもあると思うから思い出し次第追加していく。
装備はあるに越したことはないけど、1200キロ歩く者にとって、荷物が増えれば増えるだけ辛くなるぞ!
バックパックはちゃんとしたもののがいいだろう、僕は途中で壊れかけてひやひやしたよ!
レインウェアの下は意外といらないかも、バックパックカバーもなしにして、バックごと入れるポンチョが便利そうだった。
ガスバーナーやコッフェルなどの自炊道具があれば節約にもなるし、店がない場所や山小屋なんかも安心だろう。しかし重さやかさばりを考えると持ってかない選択が賢明な気がする。食料は前もって地図を見て買い込んでおけば、大丈夫だろう。無理なら店があるまで歩けばいいのだ。
この荷物に飲み物、常に1キロ以上くらいが重なるのでだいたい12キロくらいあった気がする。僕はヒッチハイク後だったからスケッチブックが本当に邪魔だった。





少し飽きたのでここまで。
(こんな感じで放置された記事があまりにも多いので気を付ける)


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最終更新:2013年11月19日 13:01