- 「作り方」を書いていて思いだしたのですが…

わたし、どうしても解からないことがあるのですよ。

「十本」の読み方は「じゅっぽん」「じっぽん」?
 規範的には「十本」は「じっぽん」と読みます。他にも「十」がついて促音化する「十分」や「十回」、「十杯」などはそれぞれ「じっぷん」、「じっかい」、「じっぱい」などと読むのが規範的です。
 しかし、実際にこれらが用いられているのを聞くと「じゅっぽん」、「じゅっかい」、「じゅっぱい」と発音されていることが多いと思います。中にはあらためて「十本」は「じっぽん」だと言われると、自分の普段の発音と比べて違和感を感じる人もいるかもしれません。
 これは「十」の発音の仕方が歴史を経て変わってきていることに起因していると考えられます。「十」はもともと「じふ」と読まれていました。「じふ」は歴史的仮名遣いですが、これは「じふ」と書いて「じゅう」と読んでいたのではなく、当時は「じふ」と書いて実際に「じふ」(あるいは「じう」)と発音していました。「十」の発音が「じふ」であった当初は「本」のようなものが後続して「っ」が現れると、「じふっぽん」ではなく「じっぽん」と「ふ」を落としていました。しかし、「十」が「じゅう」と発音されるようになると、「ゅ」を落とすことなく「じゅっぽん」と読むこともできるようになったと思われます。
 このようにして、「十本」には古来の読み方が慣習として残った「じっぽん」と現代の音に合わせた「じゅっぽん」の2通りが見られると考えられます。

問題は二つあります。
 口語では多いと認めながらなぜ規範ではないとするのか?発音に従うのが現代仮名遣いというものではないのか?
 もう一つは、解説に誤魔化しがあるということです。
「十」はもともと「じふ」と読まれていました。「じふ」は歴史的仮名遣いですが、これは「じふ」と書いて「じゅう」と読んでいたのではなく、当時は「じふ」と書いて実際に「じふ」(あるいは「じう」)と発音していました。
と最初に説明されています。それならば以降も、
「じふほん」と書いて「じっぽん」と読んだ。
その後「じふ」と書いて「じゅう」と読む様になった。
「じふほん」と書いて「じゅっぽん」と読める様になった。
とちゃんと書くのが整合性というものです。
あと、大事なことが抜けています。「ほん」は「ぽん」と読んでいました。
後に「っん」の次以外は「ほん」と読む様になりました。

どう読むかに関係なく60年前まで「じふほん」と書いていたのです。
そして近代では「じふ」は「じゅう」と読み、また「ふほ」は「っぽ」と読んでいたわけです。
「じふほん」という書き方は、「じゅっぽん」「じっぽん」どちらの読みをも許容していたわけですが、慣習的とされる「じっぽん」より「じゅっぽん」の方がむしろ発音規則に遵っているといえます。
 現代仮名遣いは親切ではありますが、発音を押し付けるともいえます。
 正しい読みが二つあっても良いではないですか。

  • こう言った例はほかにもあります。
標準語「買ってきて」は、大阪では「買(こ)うてきて」です。
これ、実は方言と言いかねるのです。
旧仮名で書くと「かふてきて」でどちらも同じなんです。
だから発音の差異の許容範囲内、アクセントの違い程度の差でしか無いのかも知れません。

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最終更新:2006年11月06日 20:18