【やっと気付いた!】ロミオメール【もう遅い】@まとめウィキ

新聞10-03-21

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匿名ユーザー

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(2010年3月21日  読売新聞の人生相談欄)

浮気 亡妻は知っていた

 70代の無職男性。妻に先立たれて2年。先日、妻が残した遺言状を見つけました。そこには、私の浮気のことが書いてありました。妻はすべて知っていました。
生前、何度口論になっても、私は浮気を否定し続けていました。妻を裏切った自分ですが、文面を読んでいるうち、妻を思う気持ちがこみあげてきました。
妻の苦しみに今頃気づいても遅いのです。妻がどれだけ耐えてきたかと思うと申し訳なく、毎日がざんげの気持ちです。自分勝手で情けない男だった、もっと妻を大切にしてあげればよかった。後悔の気持ちだけが残り涙が止まりません。
子どもたちはすでに独立し、今は一人。いっそう寂しさが募ります。自分はあと何年生きられるかわかりませんが、妻にはどう償えばよいのでしょうか。(神奈川・D男)


私は社会主義者の荒畑寒村のエピソードを思い出します。「寒村自伝」(岩波文庫)によると、寒村の妻は裕福な旅館の娘でしたが、火災により没落し、10歳で奉公に出されました。その後、11歳下の寒村と知り合い、結婚しました。ひどい貧乏にもグチ一つこぼさず、家庭を支えました。
本を買うため寒村が家計費をくすねた時、何という卑劣なまねをなさる、と泣いていさめました。理由を言えば自分は全額出したのに、と。夫人はうそや悪事を嫌う、涙もろい人でした。一生を苦労の末に亡くなりましたが、寒村は通夜の席で、慈母のような妻だったのに、自分はわがままを通し、不親切だった、と泣いてざんげをいたしました。失って初めて妻の偉大さを知ったのです。非凡の人にしてかくのごとし、です。
亡き奥さまに尽くすつもりで、たとえばボランティア活動などをなさったらいかがでしょう。こうすればよかった、と思うことを人のために献身するのです。人が喜ぶことをする。功徳を施すことで、あなたの心の負担も軽くなるでしょうし、奥さまも望まれていると思います。
亡き人への償いは、生きている人に感謝されることでしか、果たされないと、私は考えます。

(出久根 達郎・作 家)

 


 

 

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