多くのフードジプシー同様、私の結論は、
最良のペットフードは手作り食です。

ただ、栄養学的に、必要量のミネラル、エネルギーを算出し
献立に起こすのに、たいそうな時間とエネルギーが必要なため
おそらく普通に勤務している人間にはペットフードの手作りは
たいへん難しい選択枝なのだと思います。




結論としては、材料がしっかりしているメーカーのフードの中から合うフードを
何種類か選んでおくというのが一番だと思います。

どの会社も他の会社のとは混ぜるなとは言いますが。

これは、メーカーさんの言い分で言うと
栄養価の計算などが狂ってくるから自社製品に
しぼってほしいなどと言われるのですが
人間だってその日の体調、そのときの生理状態に
あわせて色々食べ物を選んでるわけで
これとこれだけ食べてればいいなんてことは
無いと、思うんですよ

あとはうちの毒性の先生が言ってた
リスクの分散って発想ですね。
一つの食べ物だけ食べてると
それがもし汚染されている場合に
それによる被害を受ける確率は非常に高くなります。
人間の食べ物ですら安全なもの選ぶのに
困難を伴うこの時代、なんだって疑ってかかるのが
基本です。
だからファンになったメーカーであっても常に
目を光らせて監視する必要があるし
柔軟な目でフードを選ぶことが、大事だと思います。
かつては非常に優良なフードを世に
送り出していたあの会社の製品が悪くなったのは
消費者の妄信的な信奉と勉強不足のせいでもあるのです。

長くなりましたが、原材料がしっかりしているフードならば
どれを選ぶかは個体差にあわせてだと思います。

毛ヅヤ
便の状態
皮膚の状態
手足を異常になめていないか
しっぽを追うしぐさはないか

見ていてあげられるのは
獣医師ではなくオーナさんです。

選択枝でお悩みの方はお気軽にご相談ください。


(以前、旧サイトの日記に書いたものです。参考までに)



最近は、ネット上でさまざまなうわさも飛び交うようになり
オーナさん方の中には
なかなかにフード事情に詳しい方も増えてきた。

が、いかんせんそのような方は
前にも少し言ったかもしれませんが
極端に走りすぎることが、ある。

いわゆる「ドクターショッピング」の
フードバージョン
「フードジプシー」
と呼ばれる面々だ。

あのメーカには防腐剤にこれが入ってるから、
こんなうわさをネットで聞いたから、
と疑心暗鬼になり
手作りフードを作ってみるも
栄養素が足りず毛艶はどうもいまいち、目やにも出る。

そんなオーナさんがたの心理にたくみに付け入り
このフードを食べれば病気知らず!どんな奇病も治ってしまう!と
うさんくさい民間療法まがいのフード販売をしている会社があります。

もともとは奇病で愛犬をなくしたあるオーナが
あまりにペットフードが危険な材料で作られていることを知り
自らの手で本当に安全なフードを作ろうと一念発起した
国産のメーカさんで
モノとしてはそこそこの品質のものを作っていると思う。
ナチュラルフード派にはなかなかに有名なメーカで
温泉水を使っていたり玄米を入れていたりと
原料へのこだわりは強い。
下手すれば一人暮らしの男性なんかより
よっぽどいい食材を使っている。

ひところはメディアなどにも取り上げられ
しばらくチェックしていないうちに
種類もずいぶん増え、ハーブやサプリの販売にも熱心だ。
ハーバルメディスンやアロマ、東洋医学などは
私は毛頭否定する気はないし
うまく取り入れて実際に病気が治るのなら
選択枝の一つとして考えるのはかまわないと思う。
獣医療は診療報酬点数制ではないので
選択枝に関しての自由度は高い。

が、自社のフードさえ食べていれば
免疫力が上がって病気が治る!
フードで治らないならこのサプリを飲めば大丈夫!!
と、病院でもないのに
そこに病気のことを相談するオーナも悪いとは思うのだが
やりたい放題の会社にわたくし少し立腹気味です。
つーか、久方ぶりに色々調べたら、暴走気味と言って
差し支えないほどの新興宗教ぶりは
先日のニュースキンばりだ。

もともと、自社製品以外のフードを食べたら
必ず病気になる、といわんばかりの
脅迫まがいの宣伝がいやな売り方だなあと思っていたのだが

先日アレルギーが一向に良くならないオーナさんに
アレルゲンの特定検査(血液検査)を院長が
薦めてみたところ
その会社の話をされ、血液検査を拒否された。
後日私が診療に入ったので詳しく聞くと
その会社のドライフードをずっと食べていたのだが
アレルギーの症状が一向に良くならないので
相談したら
「ドライだと水分が足りないのでそういうことがある。
免疫力が上がればどんな食べ物を食べても
アレルギー反応は出ないのでアレルギーの検査は無駄
サプリと自社のウェットフード(一食400円以上)
を食べていれば大丈夫」
との回答ををもらったとのこと。
(除去食リストに入らないと自社製品を売る
説得力に欠けるからだろうが
実に巧みなごまかしかただと思う)
この話はどこがどうおかしいのか、書き出したら日記じゃない
分量になるのではしょりますが。


本当に良心的なフードの会社とは
「うちの会社の商品の品質は間違いありません。
でも病気を治すようなものではないので
かかりつけの獣医師の指示には従ってください。
また、万能なフードはないので体質に合わないなら
他社のフードもご検討ください」
と言ってくれる会社だろう。


必死なオーナの心理につけこんで
病気の回復を遅らせるなんてとんでもない。
本当にとんでもない。

そういえば以前尿結晶で膀胱炎が出てその会社のフードを
一時的にやめてもらい病院食に変えてもらおうとしたが
やはりその会社から「うちのフードは結石も大丈夫」
といわれ、なかなか処方食を食べさせなかった方が居たが
どうにか説得して処方食に切り替えたとたん
すっかり良くなったことがあった。

確かに、悪質なフードからの離脱で良くなる病気、
予防できる病気は
おそらく統計上よりはるかにあると思う。
それは日々実感している。
が、実際に起きた病気に大して
「全身の免疫力をアップして、」なんて
客観的に図れない、ましては口も聞けない動物の状態に関して
ヌケヌケと言い、あたかも病気すべてが治ってしまうような
ものいいは、いかがなものか。
そもそも獣医師法違反だろう、明らかに。病院としての
登録はしてないのだから。

重篤な内臓疾患があった場合の初期治療の開始時期は
重要だ。
たかがフード会社を信じたために
治療の開始が遅れても、決断は自身でしたこと、
あとで悔やんでも悔やみきれないだろう。

「うちのフードで病気も良くなる」
なんていうまやかしを言う会社の言うことは信用せず
きちんと信頼できる病院で検査、治療を受けましょう。

また、そんな高価なフードでなくても
使用感の良いフードはいくらでもあるので
経済的にゆとりがあるのならいいのだが
無理をせず、そんなことよりも突然の入院
(事故や急性中毒などで突然数十万円の出費になることだって
ある)
に備えて保険に入るなりペット貯蓄に回すなりしたほうが
いいと、思う。





1.危険なフードを食べさせるとどうなるの?

2.要注意な原材料

3.じゃぁベストなフードはどれ???

4.処方食を作っているメーカのフードは絶対に安全なのか

5.主要プレミアムフードの原料は

6.実際の使用感が全て!投票にご協力ください

最終更新:2007年01月02日 14:41