みなさんご存知の通り狂犬病の予防接種は
犬を飼うヒトの法的義務です。

狂犬病の予防接種はするべきなのか
というまああまりにも繰り返しなされる議論について
今日は獣医師としての私見を述べたいと思います。



まず、結論から言えば狂犬病の予防接種すら出来ないヒトに
犬を飼う資格はない。

なぜならば、犬というのは社会の中で自立した存在に
なることは絶対になく
常に人間の、表現に語弊はあるが所有物という位置づけにある
ので、犬を飼うための最低限のルールは
守れる人にしか飼う資格がないからだ。

以前から言っているように社会には
なにも動物が好きなヒトばかりが住んでいるわけではない。

動物を飼っている人もそうでないヒトも
この社会で快適に暮らす権利は平等にあり
そのために個々飼い主の責任で
社会に適応できるようペットの習性を矯正する必要が
あるわけだ。
だから咬む子は咬まないようにしつけが必要だし
シーズン中に気が立つのなら去勢だってするのが
責任だろう。

狂犬病は、人畜共通感染症だ。

狂犬病のワクチンを嫌がる人たちは
副反応の方がこわいだ
原価が安いだ
日本にはもうないだ

一見正論に見えるとんちんかんな意見を
ネット上で堂々と書いていたりするが

そもそも狂犬病が日本からなくなったのは
ワクチンの普及のおかげだ。
し、
なぜ狂犬病のワクチンは法的義務なのかと言えば
感染したら治療法がなくきわめて致死率の高い疾病ではあるが
ワクチンという予防手段があるのだから
当然しておいてくれよ、
という簡単な話なのだ。
副反応もないわけではないが
死亡にいたるような例なんてまず聞かないし
万が一のショック時の適切な処置が必要だからこそ
ワクチンみたいな単純作業に見えるもんでも
ブリーダではなく獣医師が行っているわけだ。

ちなみに全世界ではまだまだ何万人と
狂犬病で「人間が」亡くなっている。
国際化の現在、またペットの密輸も一向に減る気配もない。
狂牛病の例を見てもわかるように
水際防疫はいつ破られてもおかしくない。


毎年3550円の負担で
狂犬病ワクチンをうつ、
たったそれだけのルールを
ああだこうだと言い訳をつけて
守れない人間が
この社会で適正にペットを擁する存在として
あれようわけがない。


ちなみにワクチンの原価がうんたら言うヒトには
動物病院の施設を構えるのにいったいいくらかかっていて
日々の維持費がいくらかかっているのか教えてさしあげます.
アナタはレストランでサラダが野菜代だけで食べられるとおもっているのですか??




と、いうわけで登録および接種のおすみでないかたは
お近くの動物病院へお早めにどうぞ。


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最終更新:2007年01月02日 14:52