キャシー | スカル4、単機で突出し過ぎよ。無茶しないで。 |
アルト | まだまだぁーーー! |
ビルラー | アルト君。君、夢はあるかい? |
アルト | 夢…ですか? |
ビルラー | 僕にはあるんだ。僕はね、断層で隔てられた銀河を一つにしたいんだよ。 |
ビルラー | 10万光年の星々を結び、よりはやく、より近く、遍く銀河を我らの世界に。それが僕の夢さ。 |
ビルラー | フフフ。ビックリしてる?ビックリしてるねぇ。デカルチャーって顔してるよ。 |
ビルラー | でもね、可能なんだよ。僕らプロトカルチャーの子供たちにもたらされた福音、バジュラのおかげでね。 |
ミーナ | 一二三、4機か。凄いじゃない、昇進したての少尉さんてば。 |
ボビー | 若いって素敵よね~。 |
モニカ | でも何だってバジュラの死骸を回収しなきゃならないのかしら。 |
ミーナ | 研究用じゃんないの? |
モニカ | 今さら? |
ラム | 食用にするとか。 |
ミーナ | うえぇ~~。勘弁してよぉ。 |
モニカ&ラム | アッハハハハハ。 |
トライアングラー(オープニング)
アナウンス | 現在、第二次統制モードが発令されています。最近、[?]。 |
ミハエル | お前さんってば、最近妙にやる気になってなーい? |
アルト | 別に。やらなきゃならない事をやってるだけだ。 |
ミハエル | ほぉ~。クールに決めるねぇ、上り調子の少尉殿は。 |
ミハエル | おっ、シンデレラの久々のお目見えだ。 |
ミハエル | ランカちゃーん、おはよう! |
ランカ | おはようみんなー! |
ブレラ | 待て。 |
学園生 | うそー。 |
学園生 | あの人。 |
学園生 | うん、あのお方。 |
学園生 | やだぁ、ホントに? |
アルト | あいつ…。 |
教師 | という訳で、現在14の惑星で文明の痕跡が発見されているが…そのほとんどがプロトカルチャーに由来するものと推定……。 |
教師 | ランカ君、何とかならんのかね彼。 |
ランカ | えっと、出来れば外でってお願いしたんですけど。 |
アルト | 目障りなんだよ!政府の依頼だか何だか知らないが、部外者は出てけ! |
アルト | くっ…。 |
ランカ | 待ってアルト君!ブレラさんも…。 |
アルト | お前には聞きたいことが山ほど…うぉうわぁ! |
ランカ | やめてブレラさん! |
ブレラ | 自分は任務遂行を邪魔する者を、実力で排除する権限を与えられている。 |
学園生 | きゃーー、かっこいい~。 |
学園生 | アルトでも形無しかよ。 |
学園生 | 強いねー。 |
学園生 | ブレラ様~。 |
学園生 | けっ、強い、かっこいいってよ。 |
教師 | こら、授業中だぞ。静かにしろ。 |
ミハエル | サイボーグ相手に喧嘩を売るのは絶好調の少尉さんでもさすがにやり過ぎでしたか。 |
アルト | うるさい。 |
ミハエル | お前さぁ、ここんとこずっとピリピリしてるよな。オーナーに呼び出されたって聞いたけど、何か言われたのか? |
アルト | 何でもないって言ってんだろ! |
ナナセ | どうしたんでしょうね、早乙女君。 |
ルカ | ブルーデーじゃないですか。 |
ナナセ | ええっ!? |
ランカ | あの、グレイスさん。私やっぱりボディーガードなんて…。 |
グレイス | 邪魔でしょうけど我慢して。クライアントの意向なの。 |
グレイス | 「ランカ・リーを人々の希望の光に」比喩的な意味でも実際的な意味でもね。 |
ランカ | そんな大それた事…私やっぱり今までみたいにエルモさんたちと…。 |
グレイス | ごめんなさい。書類は見せたでしょ。あなたのマネージメントは私が引き継ぐことになったのよ。政府の依頼でね。 |
ランカ | で、でもグレイスさんもシェリルさんのお仕事とかあるし。 |
グレイス | シェリルはまだ入院してるわ。戻ってきたところで二人まとめて面倒見るくらいへっちゃらよ。 |
グレイス | それから、これ聴いておいてね。セカンドシングルはこれで行きましょう。 |
ランカ | これ…。 |
グレイス | あなたのあの曲。映画のテーマ曲になったやつね。アレンジと歌詞をちょっとだけ弄ってみたの。 |
グレイス | あら、気に入らないかしら? |
ランカ | (私の曲を…) |
グレイス | 唯一覚えていたものなのよね。小さい時の記憶が無いのに。 |
ランカ | はい。 |
グレイス | だから映画のテーマなのにシングルカットされなかった。でもね、だからこそ世に出したい、出すべきよぉ。 |
グレイス | それが唯一の思い出なら、なおさら。 |
シェリル | ふ~ん。物だけ送ってくれば見舞いってワケ。 |
テレビ | 先日のバジュラによる大規模抗戦で甚大な被害を受けたアイランド14を、超時空シンデレラことランカ・リーさんが訪問し、 |
ミニライブを行いました。このライブの収益はチャリティとして寄付されることとなっており…。 | |
シェリル | あっ、グレイス…。 |
徳川喜一郎 | 社長。気持ちは分かりますけど、それくらいにしてくださいよ。 |
社長 | ランカちゃ~ん。ようやくここまで来たのに…。うあああ~~~~! |
グレイス | 上出来よ。今夜のニュースでも大きく取り上げられることになってるわ。 |
ランカ | でも。 |
グレイス | 「でも」が多いわね。やっぱり信じられない?なら試してみましょ。あなたが本当に人々の希望の光になれるかどうか。 |
ランカ | え? |
グレイス | その歌を使ってね。 |
ランカ | ふぅ。 |
ランカ | あ、ありがとう、ブレラさん。うっ! |
ブレラ | なぜ躊躇う。 |
ランカ | え?だってこれお砂糖。 |
ブレラ | 違う。歌だ。 |
ランカ | え? |
ブレラ | いつものお前の歌、もっと。 |
ランカ | いつもの?いつも聴いてくれてるの? |
ブレラ | あぁ。お前の歌は宇宙を感じさせる。それも突き放す宇宙じゃない。包むような、銀河の渦がそのまま形になった…その…。 |
ブレラ | すまない、あまりうまい例えが見つからないんだ。 |
ランカ | ううん。ありがとう。うれしい。 |
ブレラ | …。 |
ランカ | ブレラさんですよね、あの時グリフィスパークで会ったの。ずっと聞きたかったんです。どうしてあの歌を? |
ブレラ | それは極秘事項だ。 |
ランカ | あっ。ダメだよあい君。みつかったら怒られちゃうんだから。ねぇ本当に私にできると思う? |
ランカ | 私の歌、そんな力あるのかな。ありがとう、あい君。 |
ミハエル | (お前さぁ、オーナーに呼び出されたって聞いたけど、何か言われたのか?) |
アルト | 無駄に勘だけはいいんだよな、ミシェルの奴。 |
アルト | フォールドクォーツか…。 |
シェリル | うぅ……。 |
アルト | シェリル。お前こんな所で何やってんだ。 |
シェリル | 自惚れないでよ。別にあんたに会いに来た訳じゃ…。 |
アルト | やっぱり、まだ治ってないじゃないか。くそぉ、病院に…。 |
シェリル | 病院はイヤ。 |
アルト | じゃぁ…。 |
シェリル | ホテルもイヤ。閉じ込められるのはイヤなの。 |
アルト | くそぉ…。 |
シェリル | キャアアアーーーーッ! |
シェリル | あんた、いったい何したの? |
アルト | だから…あのそれは…。 |
シェリル | キャアーッ! |
アルト | おわっ! |
シェリル | 何するの。来ないで! |
アルト | アルト 何もしてないから…。 |
シェリル | もう信じらんないっ! |
アルト | 落ち着け! |
シェリル | えぇ? |
アルト | まったく、倒れてるお前をS.M.Sに運び込むのにどれだけ苦労したと思ってるんだ。 |
シェリル | あ、そうだったの? あらやだ。 |
アルト | ったく、こっちがどれだけ心配したと思ってんだ! |
シェリル | へぇ~、心配してくれたんだ。 |
アルト | 当然だろ。 |
シェリル | 当然なんだ。どうして? |
アルト | どうしてって……。あっ、この石。 |
シェリル | ちょっとやだアルト! |
ミハエル | はっはーん。女を連れ込む時はドアにハンカチ挟んどく約束だろ? |
アルト | 違う!誰がこんな女! |
シェリル | はぁ~?こんな女って何よ! |
アルト | お前だお前。 |
シェリル | アルトの分際でよく言うわね。 |
ミハエル | ごゆっくり~。 |
アルト | 大概にしろ、放せ! |
アルト | っぎゃ、痛~! |
シェリル | バーカ。 |
ミハエル | どうした!緊急召集か! |
キャシー | 何やってるの?あなた達。 |
ミハエル | あぁいえ別に…。それより何です? |
キャシー | スカル小隊に極秘任務のオーダーよ。そのつもりで聞いて。 |
アルト | 極秘って。 |
キャシー | えぇ。詳細はブリーフィングで伝えるけど、ランカさん、ランカ・リーの歌を使った実験の護衛だって。 |
アルト | ランカの!? |
オズマ | どういうつもりだ!あいつの歌がバジュラに通じるなんて寝言、本気で言っているのか! |
レオン | どう思います? |
オズマ | 貴様。 |
レオン | ま、だから実験するんですよ。それにこれは妹さんの了解を得てのことです。今さらあなたが喚いても何も変わりません。 |
オズマ | ……。 |
ミハエル | ランカちゃんの歌でバジュラの行動が変化するねぇ。 |
ミハエル | 軍のお偉方にはミンメイアタック信者が多いって言うけど、バジュラ相手に歌を聴かせるってのはどうよ。 |
クラン | 我々の祖先やプロトデビルンならいざ知らず、相手は知性体ですらないしな。 |
ルカ | 分かりませんよ。生物である以上、何らかのコミュニケーション手段は持っている筈ですし、 |
ルカ | この実験が成功すれば僕らの戦いはずっと楽になります。試す価値はあると思いますよ。 |
オズマ | 頼むぞ、カナリア。 |
カナリア | 穏やかに飛ぶ。可能な限りな。でも気分が悪くなったらすぐに言うこと。 |
ランカ | はい。お願いします、カナリアさん。 |
ランカ | ……。 |
オズマ | これがお前の望みなのか。 |
ランカ | …うん。 |
オズマ | 分かった。 |
アルト | (いいか、絶対出てくるんじゃないぞ。もしバレたら…) |
シェリル | …。 |
キャシー | スカル1。まもなく新統合軍のギャラクシー特別派遣部隊、VF-27の小隊が合流します。 |
キャシー | 小隊長のコールサインはアンタレス1、ブレラ・スターン少佐です。 |
アルト | (ブレラ…) |
キャシー | こんな形であの機体と肩を並べることになるなんて。 |
ボビー | 誰よもぉ。コンディション1のブリッジに上がるのは御法度…。 |
モニカ | シェリル!? |
キャシー | あなたなぜ!セキュリティーは何してるの? |
ジェフリー | 君の乗船を許可した覚えは無いんだが、説明して頂けるかなミス・シェリル。 |
シェリル | 私、聞いてしまいました。この極秘任務のこと。内容も目的も。 |
キャシー | 脅迫するつもりなの? |
シェリル | いいえ。お願いです、ミスター・ワイルダー。私に全てをこの目で見届けさせてください。 |
ジェフリー | 興味かね? |
シェリル | 意地です。 |
ジェフリー | ッフ。彼女に席を。 |
キャシー | 艦長!? |
大統領 | 本当にうまくいくのかね?マイクもスピーカーも無いではないか。どうやって連中に歌を聴かせるんだ。 |
レオン | 彼女の歌からは微弱なフォールド波が検出されています。理由は不明ですが。 |
大統 | 不明?そんないい加減な理由でこれだけの人員と機材を動かしたのか。 |
レオン | 現象さえ確かなら実用に足ります。そうやって我々はここまで来たのではありませんか? |
オペレータ | クォーター、実験予定宙域に到着。 |
オペレータ | ネスト番号α1215を捉えました。 |
レオン | ランカ・アタック始動! |
オズマ | こちらから先制してバジュラどもを炙り出す。行くぞ! |
ランカ | (これが戦い…。お兄ちゃんや) |
シェリル | (アルトたちの) |
キャシー | アンタレス1、なぜ動かないの? |
ブレラ | 自分達が出たら実験にならない。 |
アルト | くっ…。 |
グレイス | ランカさん、始めてちょうだい。 |
ランカ | はい。 |
グレイス | 感情指数+4.33。フォールドウェーブ、レベル3.2。その調子よ。 |
アルト | この歌。ランカ、お前…。 |
モニカ | バジュラの活動が不規則に、攻撃が止まりました。 |
ミハエル | マジかよ。 |
シェリル | …。 |
ルカ | 凄い。 |
クラン | ヤック・デカルチャー。 |
オズマ | (まさか本当に…) |
グレイス | ウッフフフフ。 |
ブレラ | アンタレス1。効果を確認した。掃討を開始する。 |
オズマ | 各機、遅れるな! |
クラン | 喰らえッ! |
ミハエル | 逃がさん! |
アルト | うおおあああああ! |
アルト | 生き残るのがお前達か俺達かなら、俺は! |
グレイス | 感情指数が…。やはりまだまだ調教が必要ね。 |
カナリア | 息を吹き返した。歯を食い縛れ! |
ランカ | キャアーーーー! |
オズマ | うっ。 |
アルト | ランカ。ランカーーーー! |
ブレラ | どけ、スカル4! |
ランカ | あっ、ブレラさん! |
アルト | ブレラ、貴様! |
ブレラ | 前にも言ったはずだ。お前はあの娘に相応しくない。ランカは俺が守る。 |
大統領 | よーし勝てる。これで勝てるぞ、我々は! |
ボビー | 凄かったわランカちゃん。 |
ミーナ | 伝説のミンメイみたいでしたよ。 |
ボビー | 古すぎよ。それを言うならバサラ様でしょうが。 |
ラム | にしたって古いです。 |
ミーナ | はぁ。 |
ボビー | ランカちゃん、胸を張って。今やあなたは私たちの希望の歌姫。 |
ランカ | そ、そんな。 |
ボビー | 超時空シンデレラ、魅惑のディーバ、ランカちゃんなのよ。 |
ランカ | だから、言いすぎですってば。 |
ランカ | (アルト君、お兄ちゃん。これで…これでいいんだよね) |
ノーザンクロス(エンディング)
予告 | ランカを守る、それは若き日のオズマが己に課した、ただ一つの誓いだった。 |
次回「グッバイ・シスター」宿命の歌、銀河に響け。 |