オズマ | ここが今日から俺たちの家だ。素敵なお家だろう。家具とか買い揃えなきゃなぁ。 |
ランカはどんなのがいい?兄ちゃんになんでも言えよ。 |
オズマ | あれからもう10年か…。 |
オズマ | さあ、食ってみな。パインケーキさ。この前食わせてもらったら、これがえらくうまくてなぁ。 |
作り方を聞いてきたんだ。どうだ。 | |
ランカ | おいしくない。おいしくないよ、お兄ちゃん。 |
オズマ | ランカ、お前、今…。 |
ランカ | おいしくない…全然おいしくないよ、お兄ちゃん! |
オズマ | ランカ、良かった……。 |
ランカ | 痛いよ、お兄ちゃん。 |
トライアングラー(オープニング)
アルト | 何だって…こんな新前みたいなことを…。 |
ミハエル | お前が…シェリルを連れ込んだりするからだろうが!オマケに俺が教えた女連れ込む裏技までゲロしやがって。 |
キャシー | 喋る余裕があるの?ならあと5周追加! |
ミハエル | 鬼。 |
アルト | だから男が寄り付かねぇんだよ。 |
キャシー | ふ~ん。坊や達、いい度胸ねぇ。プラス5周! |
アルト | なっ!くっ…。 |
キャシー | 己の不明を悔いるがいいわ! |
オズマ | 迷惑かけるな。後でちょっといいか? |
キャシー | え?うん。 |
ミハエル | ひでぇ目に遭ったぜ。で、やっぱまだあれな感じなのか?シェリルの体調は。 |
アルト | あいつの辞書に安静って文字は載ってないらしいからな。 |
ミハエル | なるほどね。 |
クラン | んー…。 |
ミハエル | 悪い。待たしたか? |
クラン | いっ、誰が貴様など待つか!今来たばかりに決まっておろぉが。それで何の用だ?私は忙しいんだ。 |
ミハエル | えぇ?今日は非番だろ?大学の方か? |
クラン | う、うむ。だが、お前がどうしてもと言うなら今日一日くらい…。 |
ミハエル | 人を紹介して欲しくてさ。いたろ、後輩で薬学だか病理学だかやってる子。スラっとした金髪の…テレサちゃんだっけ? |
クラン | 一度町ですれ違ったとき紹介しただけなのに、よく覚えてるな。 |
ミハエル | まあね。な、頼むよクラン。 |
クラン | 珍しく呼び出してきたかと思えば、やはりあーいうのがいいのかぁっ!! |
ミハエル | …。 |
クラン | ミシェル、いきなり何をする。私は…。 |
ミハエル | いいから動くな! |
…。 |
キャシー | 少なくともインプラントを持つ人物が絡んでる、それは確かね。 |
オズマ | それでハッキング対策か。となれば、やっぱり怪しいのはギャラクシー御一行と。 |
キャシー | それにレオンね。彼も絶対に何か噛んでる。 |
オズマ | いいのか?仮にも婚約者だろ、お前の。 |
キャシー | 野心家だもの。そこがいいかもと思ったんだけど。 |
オズマ | 誰かと違って? |
キャシー | …。 |
オズマ | すまん。失言だ。 |
キャシー | …そうよ。飛行機飛ばすしか能のない妹命の誰かさんと違ってね。 |
オズマ | ま、何にせよ、連中の目的が謎だな。ランカの歌がバジュラに効く。 |
それが仮に事実だとして、なぜわざわざ使う必要がある。 | |
現状のアンチESA仕様の弾頭とミサイルのコンボで、バジュラとは互角に戦える。いざとなれば反応弾もある。 | |
なのに、なぜランカにあんなマネをさせようとしている。 | |
キャシー | 鍵になるのはバジュラと。 |
オズマ | 第117調査船団か。 |
なぁキャシー。 | |
キャシー | え? |
オズマ | お前に教えてもらったあのパインケーキ、まだ作り方覚えてるか? |
キャシー | えっ?どうしたの?いきなり。 |
オズマ | 何だか無性に懐かしくなってな。 |
キャシー | バカ…。 |
ランカ | みなさーん。いろいろあって出来なかったファーストライブのリベンジです。 |
今度は絶対やりますから、是非見にきてくださいね。 | |
オズマ | お前も、お前の夢も俺が守る! |
アルト | なんで俺がこんな間男みたいなマネを…。 |
ランカ | ごめんね。ボディーガードさん達がずっと陣取ってるから。 |
アルト | ブレラの野郎か。 |
ランカ | ブレラさんは何かお仕事だって。お兄ちゃんもね留守にしてるから今誰もいないの。 |
だから…あっ、べ、別に変な、あの、意味じゃないよ。私は信じてるからね、アルト君。 | |
アルト | !?当たり前だろ! |
ランカ | そ、そうだよね。やだ、何私ってば…。そうだ、お茶。アルト君コーヒーだよね?待ってて。 |
アルト | ったく。忙しいやつ。 |
ランカ | あんまりジロジロ見ちゃだめだよ。 |
アルト | あぁ? |
隊長わかっ。ん?愛KUN?うぉわあっ! | |
ランカ | あっ。 |
アルト | 何なんだよそいつ。 |
ランカ | アイモ、あい君っていうの。どこかの星から連れて来られた子だと思うんだけど。 |
アルト | 知らねーぞ、バレて怒られても。で、相談ってのは? |
ランカ | どう思う? |
アルト | 例の実験の事か? |
ランカ | うん。 |
アルト | 隊のみんなは喜んでるよ。これで戦いが楽になるって。 |
ランカ | アルト君は? |
アルト | 拡大や上昇志向は生物の基本的な欲求で、そう願う者が2種類以上いたとき、そこには競争や争いが生まれる。 |
今も同じだ。生き残るのが連中か俺達か。たぶん俺達はそういう瀬戸際にいる。だとすれば…。 | |
ランカ | いいんだよね? |
アルト | 少なくとも俺はそう思う。 |
ランカ | おーーっし!私の歌でちょっとでもみんなが助かるなら、それが一番だもんね。 |
私、歌うね、精一杯。明日のライブもがんばる! | |
アルト | あぁ。今度こそちゃんと見に行ってやるよ。 |
ランカ | うん。絶対だよ。 |
レオン | フォールドクォーツ。バジュラの体内にのみ生成される不可能を可能にする魔法の石。 |
その力は、いや、君には今さら説明する間でもないね。ルカ・アンジェローニ君。 | |
ルカ | ビルラー氏の意向ですか?あなたのスポンサーでもある。 |
レオン | なぜそう思うんだい? |
ルカ | ビルラー氏はそもそも運輸業で名を成した人物です。S.M.S はその護衛組織が原点ですからね。 |
そんな氏がこれを手に入れれば、考えることは一つでしょう。 | |
レオン | 続けて。 |
ルカ | 全銀河レベルで物流と通信を独占する。それは実質、銀河を支配することに等しくなる。 |
レオン | ッフフ。さすがは L.A.I の御曹司。いい線をついている。だが残念ながらハズレだ。僕は今、氏とは別の意思で動いている。 |
グレイス | 我々はされにその先を見つめているのだよ、ルカ・アンジェローニ。 |
ルカ | 我々? |
キャシー | (バジュラの死骸の行き先は、アイランド3の異星生物研究所よ。最近立ち入りがかなり厳重にチェックされているわ) |
オズマ | ここか。 |
ブレラ | オズマ・リー。 |
オズマ | !? |
ブレラ | そこから一歩でも動けば、自分は貴様を実力で排除する。 |
オズマ | ッフ。やってみろよ! |
オズマ | 貴様らは何を企んでる。なぜランカの歌を、あいつの夢を道具にする。 |
ブレラ | 必要だからだ。 |
オズマ | 何のために。 |
ブレラ | 彼女を守るために。 |
オズマ | 11年前とは違う!今の俺達の力でも十分ランカを守れる! |
ブレラ | 今はな。 |
オズマ | 今は、だと!?お前…。 |
ブレラ | うん。バジュラが来たぞ。貴様にも出撃命令だ。 |
ナナセ | え!?ホントですか? |
グレイス | えぇ。まだ本採用って訳にはいかないけど。うん、見込みはあるわ。 |
プロジェクトの一員として、一緒にランカさんを守って行きましょ。 | |
ナナセ | はい! |
ランカ | 嘘みたい。私、ホントにここまで来たんだ。がんばるね。だから見てて、お兄ちゃん。 |
キャシー | デルタ1より各機。敵は12-2よりフロンティア船団を目指して直進中。現宙域で阻止せよ。 |
なお、船団との接触些少を最優先とし、反応弾の使用を許可する。 | |
ミーナ | 今回はランカさん来ないんだ。 |
モニカ | 政府のプロパガンダが優先ってことじゃない? |
ラム | とっても政治です。 |
ミーナ | ちぇ。 |
キャシー | オズマ…。 |
オズマ | スカル1より各機へ。絶対にここで阻止するぞ。いいな! |
アルト | &ミハエル | 了解! |
オズマ | ん?スカル3、聞いてるか! |
ルカ | は、はい!了解です。 |
ミハエル | …。 |
レオン | 実験はもういいのかい? |
グレイス | 調教には飴とムチが必要だ。今回は飴が優先でしょ。 |
レオン | ッフ。怖い人だ。 |
モニカ | 敵バジュラ群、来ます! |
ジェフリー | 砲撃開始! |
モニカ | 命中まであと、3、2、1。 |
効いてないっ! | |
キャシー | 反応弾が!? |
新統合軍パイロット | 脱皮だと!?くそおっ! |
新統合軍パイロット | なんでだ。 |
アルト | どうなってやがる! |
ミハエル | 全然効いてないぜ。 |
ルカ | やっぱり。 |
モニカ | バジュラが一機、本艦に急速接近中! |
ジェフリー | 対空迎撃! |
モニカ | 直撃来ますっ!! |
みんな | キャアアーーーー! |
キャシー | オズマ! |
オズマ | ッフ。この糞野郎がぁ! |
ミハエル | 通じた! |
ルカ | あっ、そうか、重量子ビーム。 |
ブレラ | 今は過去になった。もうお前達の攻撃は通用しない。 |
オズマ | 何!? |
ブレラ | バジュラは常に進化し続ける生物だ。 |
一固体の受けた損傷情報は瞬く間に群れ全体に蓄積され、新たな固体にフィードバックされる。 | |
アルト | なっ…。 |
キャシー | そんなぁ…。 |
ルカ | つまり、ある程度繰り返して攻撃を受けると、やがてその攻撃手段は通じなくなる。 |
ミハエル | なんて生き物だ。 |
ブレラ | いずれこのビーム砲も通用しなくなるだろう。だからこそ歌が必要なんだ、彼女の声が。 |
アルト | アルト くっ、それが…。 |
オズマ | それが何だってんだぁ!反応弾が無理ならミサイル。ミサイルが無理なら銃。 |
それが無理なら、最後は拳になろうが歯だろうが爪だろうが、戦う意思がカケラでも残る限り、俺は戦う!戦ってみせる!! | |
邪魔だぁー! | |
キャシー | 無茶よオズマ!あなた被弾してるのよ! |
オズマ | うおおおーーー! |
ッフ、こんなのかすり傷さ。妹も、惚れた女も守れないでなにが漢だ! | |
ミハエル | ロックだねぇ。 |
アルト | 演歌だろ。 |
ミハエル | 行くぞ! |
ブレラ | ッち。無駄なことを。 |
オズマ | うぉぉおおおああああ!! |
キャシー | ヒヤヒヤしたわよ、ほんと。どさくさに紛れてあんなこと言うし。 |
オズマ | いい歌だな。 |
キャシー | …。そうね。 |
アルト | 希望の歌姫、か。 |
整備員 | 今回も派手にやられたなぁ。 |
整備員 | おいしょっと。あっ!? |
オズマ | (ランカ、あの泣き虫だったお前が、こんなに…) |
キャシー | ねぇ、オズマ。帰りに寄って行かない?パインケーキ作ってみたの。久々だからあんまり自身ないけど。 |
オズマ | (もういいんだな、俺は…) |
キャシー | オズマ? |
うそ…。オズマ、オズマーーっ! |
ミハエル | って、死んでたら最高に感動的だったんだけどねぇ。 |
キャシー | ほんとよ。あのバカ。 |
ランカ | バカバカバカァ。ほんとに心配したんだからね、お兄ちゃん。 |
オズマ | 言ったろ、俺は死なないって。食うか。 |
ランカ | お兄ちゃんのがいい。 |
オズマ | フッハハ。やっぱりまだまだ子供だな、お前は。 |
ランカ | 退院したら作ってね。約束だよ。 |
オズマ | あぁ。約束だ。 |
ランカ | 絶対だよ。 |
オズマ | うん。 |
アルト | ッフ。 |
グレイス | また懲りずにベットを抜け出してきたのねぇ。 |
シェリル | 私たち、いろいろ話をする必要があるわよね、グレイス。 |
グレイス | ウフ。 |
シェリル | …。 |
ノーザンクロス(エンディング)
予告 | 発動する超長距離フォールド計画。希望を歌うランカ。シェリルに突きつけられる残酷な事実。 |
次回「フォールド・フェーム」涙の歌、銀河に響け。 |