ナレーション | プロトカルチャー。今より50万年前に銀河をかけた一大星間文明。 |
フォールド航法や、重力制御、そして巨人族ゼントラーディ。全てが彼らの遺産である。 | |
だが、そのプロトカルチャーとて永遠ではなく、自らが招いた争いで、滅びの危機に瀕していく。 | |
人類はその最中に、失われ行く平和と文化の担い手として生み出されたものだと言われている。 | |
果たして、彼らの願いは届いたと言えるのだろうか。 |
ランカ | はーい! |
子供 | 行こう。 |
子供 | 不気味。 |
子供 | ニンジンきらーい! |
ランカ | えー?もう退院しちゃったの?ルカ君も? |
アルト | 俺は検査入院みたいなもんだし、ま、ルカも別の病院に行ってるけど、明後日には出られるらしい。 |
ランカ | そうなんだ。ごめんね、お見舞い行けなくて。 |
アルト | 誰も来てくれなんて言ってないぜ。駆け出しのくせに仕事で忙しいってのは、生意気だけどな。 |
ランカ | …忙しいって言っても、毎日こんなじゃアルト君に言えないよ。 |
徳川喜一郎 | そうですか?私はなかなか楽しいですよ。ランカさん。 |
ランカ | 徳川さん。 |
徳川喜一郎 | 何事も下積みが大事ですよ。テレビのお仕事も決まったんでしょ。 |
ランカ | はい!小っちゃなバラエティのゲストですけど。でもお仕事頂けるだけ幸せですもんね。がんばります。 |
社長 | ランカちゃーん。ニュース、ニュース。大ニュースです。例の件、合格ですよ。 |
ランカ | ホントですかーー!? |
社長 | はい。 |
ランカ | 芸能コース1年に転入してきたランカ・リーです。 |
アルト | ……。 |
ランカ | よろしくお願いします。 |
トライアングラー(オープニング)
グレイス | 美星学園。伝統文化や技術の習得、継承を主眼においたフロンティアきってのスペシャリスト養成校。 |
設置されているのは、芸能科、総合技術科、情報科、航宙科など、8コース全てが完全単位制をとっており、 | |
所属している学科、学年とは別に、任意の教養科目クラスに所属することになる。 | |
っと、こんなところね。 | |
シェリル | ふ~ん。面白そうじゃない。 |
ランカ | お仕事始めたせいで、前の学校にいられなくなっちゃったし、だから転入試験受けてみたの。 |
でもドキドキだったよぉ。実技試験とかあって厳しいので有名だし。 | |
ナナセ | ランカさんの実力なら当然です。これから毎日会えるなんて、私うれしくってもぉ…。 |
ランカ | ナナちゃん。 |
ルカ | あー。楽しくなりそうですね。ね、アルト先輩。 |
ランカ | よろしくね。アルト君。 |
アルト | あぁ。まぁ。 |
ミハエル | じゃあ一つ。我々の新たな学友に、校内を案内して進ぜようかねぇ。 |
ランカ | えぇ?い、いいよそんなぁ。 |
ミハエル | 遠慮はなしなし。今日はランカちゃんが主役なんだから。 |
ランカ | 主役?ちょっとうれしいかも。 |
アルト | なっ、なんでお前が。 |
ランカ | シェリルさん。 |
シェリル | フフ。 |
レオン | 救出したダルフィム乗員への聞き取り調査は終了したよ。 |
だが、あの船はギャラクシー船団がバジュラに襲われてすぐ離脱したらしくてね。結局…。 | |
キャシー | ギャラクシーの行方は未だ不明。 |
レオン | あぁ。残念ながら。 |
キャシー | 乗員の隔離はいつ解かれるの? |
レオン | 検疫が確実に済むまでは当分無理だね。例のV型感染症の心配もあるし。 |
キャシー | こっちの隊員から一つ、気掛かりな報告があって。未確認の機体がいたんじゃないかって言う。 |
レオン | fooファイターって奴かい?ある意味、ロマンチックだけどね。 |
オズマ | 入るぞ。 |
レオン | ところでキャッシー。良かったら今夜辺りどうだい?食事でも。 |
キャシー | え、あ、あのう…。今夜はちょっと…また電話するわ。 |
オズマ | ほらよ。催促されたレポート。ったく、面倒な事させやがって。 |
キャシー | 提出期限はとっくに過ぎています。それに何?相変わらず汚い字で。 |
オズマ | フ。お前も相変わらず小言が多いな。小じわ、増えたんじゃないのか? |
キャシー | まっ!何よ。もぉ。 |
アルト | 地元学生との交流だと? |
シェリル | そ。ちゃんと学校側の許可はもらってるわ。 |
でも奇遇よね。あなたもこの学校に転入したばっかりだったなんて。 | |
ランカ | …はい。 |
シェリル | 見学中なんでしょ?一緒にこの奴隷君に案内してもらいましょ。 |
ランカ | え、奴隷!? |
シェリル | そうよ。アルトは私のド・レ・イ、なんだから。 |
アルト | おーっ! |
ルカ | あーーー。 |
学園生 | あ、シェリルだーー。 |
学園生 | 萌える~。 |
学園生 | シェリル女王様~。 |
学園生 | なんでこんな所に? |
学園生 | 俺も奴隷に~。 |
学園生 | 初めて見たよ。 |
サトミ | いや~ん私のアルト姫がー。 |
シェリル | 姫? |
ルカ&ミハエル&ナナセ | たら~ん。 |
アルト | え?え?? |
シェリル | 姫。 |
アルト | 来いッ! |
ミハエル | おっほー。 |
ランカ | アルト君…。 |
アルト | いい加減にしろ!誰が奴隷だ! |
シェリル | あぁら、ご不満? |
アルト | 当たり前だ! |
シェリル | …酷いわ。私の大事なイヤリング、宇宙で失くしておいて。 |
アルト | あ、いや…あのぉ…それが。 |
シェリル | バカバカぁ。酷ーいひどーい。 |
アルト | あぁ違うんだよ。あん時は本当にルカのやつがねぇ。 |
シェリル | いやぁん、いやぁん。 |
アルト | いやルカのせいだけじゃないんだけど、そうバジュラが。 |
シェリル | アルトのばかぁ |
アルト | いや、違うんだってばぁ。ルカのやつをバジュラが食っちまって、 |
それで俺がバジュラのやつに突っ込んでいったのドーンって! |
ナナセ | あの二人、どういう関係なんですか? |
ルカ | すみません。僕もあんまり、よくは…。 |
ミハエル | ランカちゃんも気になる? |
ランカ | そ…それは気になるけど。あ、でも気になるって言っても、そんな意味じゃなく、でも…あの……。 |
ランカ | ? |
ミハエル | どうかしたの? |
ランカ | ううん。今何か。 |
アルト | イヤリングの件は悪かった。だが、それとこれとは別だろう? |
だいたいいいのか?こんな所でのほほんとしてて。ギャラクシーはまだ行方不明なんだろ? | |
シェリル | 私は信じてるもの。ギャラクシーがそう簡単にやられるわけ無いわ。 |
そうよ。いいこと?奴隷君。ギャラクシーにはあの程度でやられてもらっちゃ困るの。 | |
分かった?分かったなら、とっとと私を案内しなさい。 | |
アルト | せめて、その奴隷ってのはやめろ。 |
シェリル | じゃぁ姫?さてと、まずはどこを案内…。 |
あれ。 |
シェリル | ジャジャ~ン。 |
アルト | 物好きめ。素人がどうこう出来ると思ってるのか? |
シェリル | お黙り、姫。 |
で何?この卵をつまべばいいのね? | |
ミハエル | ま、お約束ってことで。出来たら漏れなく僕と遊覧飛行をプレゼント。 |
シェリル | 軽い男は趣味じゃないの。 |
ミハエル | それは残念。 |
シェリル | まぁいいわ。この程度簡単。 |
ミハエル | あ~あ。貴重な天然ものなのに。 |
シェリル | 今のはちょっと力加減を失敗しただけよ! |
一同 | ……。 |
ルカ | あぁ、はい。玉追加ですね。 |
アルト | 馬鹿めが。 |
シェリル | そう言えば仕事の方はどう? |
ランカ | えっと、…ぼちぼちです。 |
シェリル | グレイスに任せてあるから、局も枠も分からないんだけど、今度ね、私の特番があるのよ。 |
あなた一人くらいならすぐねじ込めるわ。 | |
ナナセ | 馬鹿にしないでください。 |
ランカ | ナナちゃん? |
ナナセ | ランカさんはあなたの力なんか借りなくても大丈夫です。だいたいなんですかあなたは。 |
いきなり学校に乗り込んできて、女王様気取りで早乙女君を小突き回して。 | |
シェリル | はは~ん。さてはあなた、アルトのこと好きなの? |
ナナセ | え? |
ランカ | そうなの?ナナちゃん。 |
ナナセ | …違います。私は。 |
シェリル | そう言えば、あなたもなかなか美人よね。プロポーションもいいし。 |
ナナセ | いやらしい目で見ないでください。 |
ルカ | ごめんよ、サムソン…。 |
ミハエル | いいのか?女王様放っておいて。 |
アルト | これ以上面倒見きれるか。 |
ミハエル | どうもお前、シェリルの人気、見くびってる気がするけどねぇ。 |
そもそもなんでお前にばっか絡んでくるのか、考えたことはあるのか? | |
アルト | 俺が手近で脅しやすかったからだろう。 |
ミハエル | ガキめ。 |
シェリル | えっと。 |
ランカ | あの、シェリルさん。 |
シェリル | ん? |
ランカ | ありがとうございます。お仕事の話。でも私、やっぱり自分でがんばってみたいんです。 |
今日もこれから収録ありますし。だから。 | |
シェリル | そう言うんじゃないかって思ってた。自分の信じる通りがんばってみるといいわ。 |
ランカ | はい。 |
ん?わぁ! | |
なッ。 | |
シェリル | イヤァァ!私の下着!! |
学園生 | えぇ!? |
学園生 | シェリルさんの? |
学園生 | 脱ぎたて…生。 |
学園生 | な、ナマ。 |
シェリル | こらッ。待ちなさい、私の!! |
もう時間なんでしょ?あなたは早く行きなさい。 | |
ランカ | で、でも、パンツ…。 |
シェリル | 私を誰だと思ってんの。駆け出しは自分のことだけ心配してなさい。 |
ランカ | え?はい! |
アルト | なんだぁ、この騒ぎ。 |
ミハエル | 溜まってるのか、俺。 |
シェリル | 借りるわよぉ!! |
ルカ | 待って!シェリルさんダメですよ。 |
シェリル | どきなさいッ! |
アルト | ミハエル。あいつに何を教えた? |
ミハエル | 基本動作と走り方。 |
アルト | 止まり方は? |
ルカ | それより気掛かりな事が。 |
アルト | 何だ。 |
ルカ | ロックしないで走ってっちゃったみたいで。 |
アルト | &ミハエル | エェーーー!? |
ランカ | 人生は、ワンッツーッ!デカルチャー!がんばれ私。 |
はぁ~はぁ~はぁ~はぁ~。 | |
すみません社長。あと少しで。 | |
社長 | いやいやいやいやいや、もう参っちゃったよぉ。 |
いやそれがさぁ、シェリルの特番が入るってんでね、番組自体が飛んじゃってぇ。 | |
いやいやいやいや、プロデューサーはね、ランカちゃんのこと高く買ってくれてんのよぉ。 | |
だから次、次こそ、もう絶対。ね、それでもう間違いないからぁ。大丈夫だよぉ。 |
レオン | 他には漏れていないな。 |
レオンの部下 | データは全て接収済みです。それからランカ・リーの件ですが、少々手を回しておきました。 |
レオン | あぁ。そんなこともお願いしてたね。 |
レオンの部下 | 継続して監視しますか? |
レオン | 少し、気になる娘なんでね。 |
シェリル | あぁ~~。 |
どいてどいてぇ~。 |
アルト | くっそぉ。あのジャジャウマ! |
学園生 | 屋上で見た奴がいるってぇ。 |
シェリル | 屋上、ね? |
学園生 | はいはいはい~。 |
グレイス | しょうがないわね、あの子。 |
シェリル | よくもこのシェリルにここまでさせたわね。 |
うりゃぁぁぁぁぁぁーーーっ!! | |
あぁ!あぁ~~! | |
アルト | 無茶しやがって。 |
シェリル | アルト。 |
ミハエル | ヒヤヒヤさせるぜ。女王様もお姫様も。 |
ルカ | …ぼくのサムソ~ン。 |
アルト | ったく、たかが布切れ一枚のために大騒ぎしやがって。 |
シェリル | だって下着なのよ。しかもついさっきまで履いて、キャアァ~。 |
アルト | 生々しいんだよ、お前は! |
シェリル | 何よ!アルトのくせにッ。 |
うわぁー。 | |
ねぇアルト。もう少し飛んでてくれない? | |
アルト | あぁ? |
シェリル | そしたら、イヤリングのこと許してあげる。 |
アルト | 本当だな? |
シェリル | もちろんよ。私はシェリルだもの。 |
アルト | フ。何だそりゃぁ。 |
ランカ | ん?あなた、もしかしてさっきの…そんなわけないか。おいで、私も今一人だから。 |
あんまり見かけない子だね。あなたどこの星から連れて来られたの?かわいい。 | |
あなたは聞いてくれる?私の歌。 | |
?あなた…。 |
シェリル | 初めての時も、こんな感じだったわね。 |
アルト | そろそろ帰るぞ。満足したろ? |
シェリル | ううん。全然。まだ全然足りないわ。 |
アルト | はぁ? |
シェリル | パイロットコースに転入しましたシェリル・ノームです。 |
アルト | パ、パイロットって…。 |
学園生 | エェーーー!? |
シェリル | よろしくね。 |
ダイアモンド クレバス(エンディング)
予告 | S.M.S随一のスナイパー、ミハエル・ブラン。その浮気な態度の裏に潜む傷みの記憶とは。 |
次回「フレンドリー・ファイア」愛憎の歌、銀河に響け。 |