走れイモス

これは、今となっては昔のおはなし



161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 23:58:55.12 ID:36tyZBbk0
芋は激怒した。必ず、かの邪智暴虐のチェリーを除かなければならぬと決意した。芋には規約がわからぬ。芋は、村のカマエルである。魂を集め、皆に遊ばれて暮して来た。けれども血剣に対しては、人一倍に敏感であった。

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:00:47.04 ID:bzgmq7uC0
きょう未明芋は村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のグルーディンの村にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、脳内の内気な妹と二人暮しだ。

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:05:40.03 ID:bzgmq7uC0
中略
先ず、そのポーションを買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。芋には愛剣があった。血剣アカマナフである。今は此のグルーディンの村で、誰か取られている。その剣を、これから奪ってみるつもりなのだ。
久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちに芋は、まちの様子を怪しく思った。どこかのアジトで音がする。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、アジト全体が、やけに騒がしい。

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:07:21.79 ID:bzgmq7uC0
のんきな芋も、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の村に来たときは、夜でも血剣を奪い合って賑やかであった筈だが、と質問した。
若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺(ろうや)に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。芋は両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。


165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:09:36.38 ID:bzgmq7uC0
「チェリーは、血剣を育てます。」
「どこで育てるのだ。」
「アジトで育てている、というのですが、規約違反です。」
「たくさん育てたのか。」
「はい。」
「おどろいた。チェリーは乱心か。」


166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:12:11.27 ID:bzgmq7uC0
「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、血盟員の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。
御命令を拒めばアジトに連れ込まれ、殺されます。きょうは、六人殺されました。」
聞いて、芋は激怒した。「呆れた奴だ。生かして置けぬ。」


167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:13:45.31 ID:bzgmq7uC0
芋は、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそアジトにはいって行った。たちまち彼は、巡邏(じゅんら)の警吏に捕縛された。
調べられて、芋の懐中からは古代剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。芋は、チェリーの前に引き出された。


168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:14:52.77 ID:bzgmq7uC0
「この古代剣で何をするつもりであったか。言え!」暴君チェリーは静かに、けれども威厳を以て問いつめた。
その王の顔は蒼白(そうはく)で、眉間(みけん)の皺(しわ)は、刻み込まれたように深かった。
「血剣をアジトの手から救うのだ。」と芋は悪びれずに答えた。


169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:18:43.95 ID:bzgmq7uC0
「おまえがか?」チェリーは、憫笑した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」
「言うな!」と芋は、いきり立って反駁した。「鯖の規約を破るのは、最も恥ずべき悪徳だ。チェリーは、鯖管の有難さをさえ疑って居られる。」
「規約を破るのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。鯖管の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」
暴君は落着いて呟き、ほっと溜息をついた。「わしだって、平和を望んでいるのだが。」

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:20:16.34 ID:bzgmq7uC0
「なんの為の平和だ。自分の血剣を守る為か。」こんどは芋が嘲笑した。「規約を破って育成して、何が平和だ。」
「だまれ、下賤の者。」チェリーは、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、養分になってから、泣いて詫(わ)びたって聞かぬぞ。」

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:21:33.96 ID:bzgmq7uC0
「ああ、チェリーは悧巧だ。自惚れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」と言いかけて、芋は足もとに視線を落し瞬時ためらい、
「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」


172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:23:11.58 ID:bzgmq7uC0
「ばかな。」とチェリーは、嗄れた声で低く笑った。「とんでもない嘘を言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」
「そうです。帰って来るのです。」芋は必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この村にえぴたふというイケメンがいます。私の無二の穴兄弟だ。
あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」


174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:24:54.92 ID:bzgmq7uC0
それを聞いてチェリーは、残虐な気持で、そっと北叟笑んだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。
この嘘つきに騙された振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目に美味しくいただくのも気味がいい。
人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を磔刑に処してやるのだ。世の中の、正直者とかいう奴輩にうんと見せつけてやりたいものさ。


175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:25:50.93 ID:bzgmq7uC0
「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」


176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:27:56.15 ID:bzgmq7uC0
芋は口惜しく、地団駄踏んだ。ものも言いたくなくなった。
穴兄弟、えぴたふは、深夜、アジトに召された。チェリーの面前で、佳き友と佳き友は、一日ぶりで相逢うた。
芋は、友に一切の事情を語った。えぴたふは無言で首肯き、芋をひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。えぴたふは、縄打たれた。芋は、すぐに出発した。
初夏、満天の星である。

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:28:33.78 ID:bzgmq7uC0
もうやだつまらんねるし

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:39:46.99 ID:dbp93gMS0

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/24(水) 00:49:07.87 ID:Rxy6bnnZ0
続けろwww

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:53:16.03 ID:RpnGx+Ip0
つまりチェリーがアジトで血剣育ててんのを芋が発見してBAN、緑色のMobは気持ち悪かったってことでFA?

238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 19:52:44.44 ID:bzgmq7uC0
芋はその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、ギラン城の村へ到着したのは、翌る日の午前、陽は既に高く昇って、自宅警備員たちは部屋に篭って仕事をはじめていた。
メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに自分の部屋の番をしていた。よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。


239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 19:54:17.15 ID:bzgmq7uC0
「なんでも無い。」芋は無理に笑おうと努めた。「グルーディンの村に用事を残して来た。またすぐそこに行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」
 妹は頬をあからめた。
「うれしいか。綺麗な衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」
芋は、また、よろよろと歩き出し、家へ帰ってガチ無知神の祭壇を飾り、祝宴の席を調え、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。


240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 19:56:48.74 ID:bzgmq7uC0
眼が覚めたのは夜だった。芋は起きてすぐ、花婿、堕罪の家を訪れた。そうして、少し事情があるから、結婚式を明日にしてくれ、と頼んだ。
婿の堕罪は驚き、それはいけない、こちらには未だ何の仕度も出来ていない、葡萄の季節まで待ってくれ、と答えた。芋は、待つことは出来ぬ、どうか明日にしてくれ給え、と更に押してたのんだ。堕罪も頑強であった。なかなか承諾してくれない。
芋「おい」
「あの」
「あの」
「ごめんけどさ」
罪「うるさいks」
芋「はい」

241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 19:58:47.15 ID:bzgmq7uC0
夜明けまで議論をつづけて、やっと、どうにか堕罪をなだめ、すかして、説き伏せた。結婚式は、真昼に行われた。
新郎新婦の、神々への宣誓が済んだころ、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。
祝宴に列席していた自宅警備員たちは、何か不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持を引きたて、狭いアジトの中で、むんむん蒸し暑いのも怺え、陽気に歌をうたい、手を拍った。

242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 20:00:35.73 ID:bzgmq7uC0
芋も、満面に喜色を湛え、しばらくは、チェリーとのあの約束をさえ忘れていた。
祝宴は、夜に入っていよいよ乱れ華やかになり、人々は、外の豪雨を全く気にしなくなった。芋は、一生このままここにいたい、と思った。
この佳い人たちに生涯寄生して行きたいと願ったが、いまは、自分のからだで、自分のものでは無い。ままならぬ事である。

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 20:01:26.04 ID:bzgmq7uC0
芋は、わが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。あすの日没までには、まだ十分の時が在る。
ちょっと一眠りして、それからすぐに出発しよう、と考えた。その頃には、雨も小降りになっていよう。少しでも永くこの家に愚図愚図とどまっていたかった。

244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 20:03:35.89 ID:bzgmq7uC0
芋ほどの男にも、やはり未練の情というものは在る。今宵呆然、歓喜に酔っているらしい花嫁に近寄り、
「おめでとう。私は疲れてしまったから、ちょっとご免こうむって眠りたい。眼が覚めたら、すぐにグルーディンの村に出かける。大切な用事があるのだ。
私がいなくても、もうおまえには優しい亭主があるのだから、決して寂しい事は無い。おまえの兄の、一ばんきらいなものは、人を疑う事と、それから、嘘をつく事だ。
おまえも、それは、知っているね。亭主との間に、どんな秘密でも作ってはならぬ。おまえに言いたいのは、それだけだ。おまえの兄は、たぶん偉い男なのだから、おまえもその誇りを持っていろ。」


245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 20:07:12.03 ID:bzgmq7uC0
堕罪は、夢見心地で首肯いた。芋は、それから罪の肩をたたいて、
「仕度の無いのはお互さまさ。私の家にも、宝といっては、妹と誰かに借りたドラゴニックポウ+21だけだ。他には、何も無い。全部あげよう。もう一つ、芋の弟になったことを誇ってくれ。」
 花婿は揉(も)み手して、てれていた。芋は笑って自宅警備員たちにも会釈して、宴席から立ち去り、羊小屋にもぐり込んで、死んだように深く眠った。
芋「おい」
「おまえおれの弟」
「あの」
「誇れ従え仕れ」
罪「うるさいしねks」
芋「すみません」


246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 20:07:49.58 ID:bzgmq7uC0
ふろだしきゅうけいだし

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 20:42:15.95 ID:bzgmq7uC0
眼が覚めたのは翌る日の薄明の頃である。芋は跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。
きょうは是非とも、あの糞血盟に、人の信実の存するところを見せてやろう。そうして笑って磔の台に上ってやる。芋は、悠々と身仕度をはじめた。
そうして笑って磔の台に上ってやる。芋は、悠々と身仕度をはじめた。雨も、いくぶん小降りになっている様子である。身仕度は出来た。さて、芋は、ぶるんと両腕を大きく振って、雨中、矢の如く走り出た。

250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 20:46:15.96 ID:bzgmq7uC0
私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ。身代りのイケメンを救う為に走るのだ。チェリーの奸佞邪智を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。そうして、私は殺される。若い時から血剣を守れ。さらば、ふるさと。
若い芋は、つらかった。幾度か、立ちどまりそうになった。えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら走った。

251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 20:47:34.15 ID:bzgmq7uC0
村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、隣村に着いた頃には、雨も止み、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。芋は額の油汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや故郷への未練は無い。妹たちは、きっと佳い夫婦になるだろう。
私には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐにチェリーのアジトに行き着けば、それでよいのだ。

252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 20:49:06.24 ID:bzgmq7uC0
そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気(アホ)さを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。
ぶらぶら歩いて二里行き三里行き、そろそろ全里程の半ばに到達した頃、降って湧いた災難、芋の足は、はたと、とまった。

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 20:52:29.05 ID:bzgmq7uC0
見よ、前方の川を。きのうの豪雨で山の水源地は氾濫し、濁流滔々と下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、木葉微塵に橋桁を跳ね飛ばしていた。
彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼びたててみたが、繋舟は残らず浪に浚われて影なく、渡守りの姿も見えない。
芋「おい」
「おい」
「誰かねえ」
「紀伊店」
流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。芋は川岸にうずくまり、男泣きに泣きながらガチ無知神に手を挙げて哀願した。
「ああ、鎮めたまえ、荒れ狂う流れを! 時は刻々に過ぎて行きます。
太陽も既に真昼時です。あれが沈んでしまわぬうちに、チェリーのアジトに行き着くことが出来なかったら、あの佳い穴兄弟が、私のために死ぬのです。」


254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:04:21.13 ID:UOozd4Yi0

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:15:03.34 ID:FUxukI3T0
                   ._
                    \ヽ, ,、
                     `''|/ノ
                      .|
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                  \`ヽ、|
                    \, V
                      `L,,_
                      |ヽ、)  ,、
                     /  ヽYノ  
                    / r''ヽ、.|
                   |  . `ー-ヽ|ヮ      
                   |.     .`| 
                   ヽ     .|
                 __ヽ__ノ__
                /´   .      `ヽ 、
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              ./ ‐-_ヽ!:...__>;::;;;;;;;::::::::...._   \
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             `‐rt-'....,,,___」     \::!    .ソ_,ノ         
               !:.\::::..  ヽ      >、:.、../_,、!、           
     , --v‐- 、 _   ヽ::.ヽ::::..  `、    /  ニ,:',.':::::::(´  
   , - ';;/::ノ::::// l ̄`―`-:;;\::..  ヽ   /   /jヽ:::::::::::)-‐'チ、   ┼ヽ  -|r‐、. レ |     
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256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:37:02.36 ID:bzgmq7uC0
濁流は、芋の叫びをせせら笑う如く、ますます激しく躍り狂う。浪は浪を呑み、捲き、煽り立て、そうして時は、刻一刻と消えて行く。
ガチ無知「芋ざまあwwwwwwwwwwwwwwww」
今は芋も覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も照覧あれ! 濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。
芋は、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪を相手に、必死の闘争を開始した。

257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:39:13.60 ID:bzgmq7uC0
満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきと掻きわけ掻きわけ、
芋「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
無知「うるさいカス芋しね」
芋「ごめんなさい」
めくらめっぽう獅子奮迅の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに憐愍を垂れてくれた。押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来たのである。
ありがたい。芋は馬のように大きな胴震いを一つして、すぐにまた先きを急いだ。一刻といえども、むだには出来ない。陽は既に西に傾きかけている。
ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼり、のぼり切って、ほっとした時、突然、目の前に一隊の山賊が躍り出た。

258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:40:24.59 ID:bzgmq7uC0
kuraudo「待て。」
芋「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」
KURAUDO「どっこい放さぬ。持ちもの全部を置いて行け。」
芋「私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」
クラウド「その、いのちが欲しいのだ。」
芋「さては、王の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」


259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:41:35.36 ID:bzgmq7uC0
山賊たちは、ものも言わず一斉に棍棒を振り挙げた。芋はひょいと、からだを折り曲げ、飛鳥の如く身近かの一人に襲いかかり、
その棍棒を奪い取って、
「気の毒だが血剣のためだ!」
と猛然一撃、たちまち、三人を殴り倒し、残る者のひるむ隙に、さっさと走って峠を下った。

260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:42:58.59 ID:bzgmq7uC0
一気に峠を駈け降りたが、流石に疲労し、折から午後の灼熱の太陽がまともに、かっと照って来て、芋は幾度となく眩暈を感じ、これではならぬ、と気を取り直しては、よろよろ二、三歩あるいて、ついに、がくりと膝を折った。立ち上る事が出来ぬのだ。
天を仰いで、くやし泣きに泣き出した。
芋「くやしいのうwwwwwwwwwwwwwwwwくやしいのうwwwwwwwwwwwwわりゃwwwwwwwwwwwwww」

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:45:05.42 ID:bzgmq7uC0
ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、山賊を三人も撃ち倒し韋駄天、ここまで突破して来た芋よ。真の勇者、芋よ。
今、ここで、疲れ切って動けなくなるとは情無い。愛する穴兄弟は、おまえを信じたばかりに、やがて殺されなければならぬ。
おまえは、稀代の不信の人間、まさしくチェリーの思う壺だぞ、と自分を叱ってみるのだが、全身萎えて、もはや芋虫ほどにも前進かなわぬ。
路傍の草原にごろりと寝ころがった。

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:47:07.25 ID:bzgmq7uC0
身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、池沼に不似合いな不貞腐れた根性が、心の隅に巣喰った。
私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、みじんも無かった。ガチ無知神も照覧、私は精一ぱいに努めて来たのだ。動けなくなるまで走って来たのだ。私は不信の徒では無い。
ああ、できる事なら私の胸を截ち割って、真紅の心臓をお目に掛けたい。愛と信実と血剣の血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。けれども私は、この大事な時に、精も根も尽きたのだ。

263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:48:01.82 ID:bzgmq7uC0
私は、よくよく不幸な男だ。私は、きっと笑われる。私の一家も笑われる。私はイケメンを欺いた。中途で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じ事だ。
ああ、もう、どうでもいい。これが、私の定った運命なのかも知れない。えぴたふよ、ゆるしてくれ。

264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:49:30.76 ID:bzgmq7uC0
君は、いつでも私を信じた。私も君を、欺かなかった。私たちは、本当に佳い穴兄弟であったのだ。いちどだって、暗い淫猥醜悪の雲を、お互い胸に宿したことは無かった。
いまだって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。ありがとう、えぴたふ。よくも私を信じてくれた。それを思えば、たまらない。穴兄弟の間の信実は、この世で一ばん誇るべき宝なのだからな。

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 21:50:32.73 ID:bzgmq7uC0
イケメンえぴたふ、私は走ったのだ。君を欺くつもりは、みじんも無かった。信じてくれ! 私は急ぎに急いでここまで来たのだ。濁流を突破した。「どろぼう」の囲みからも、するりと抜けて一気に峠を駈け降りて来たのだ。
私だから、出来たのだよ。ああ、この上、私に望み給うな。放って置いてくれ。どうでも、いいのだ。私は負けたのだ。だらしが無い。笑ってくれ。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 16:32:51.00 ID:5sT2hmhN0
チェリーは私に、ちょっとおくれて来い、と耳打ちした。おくれたら、身代りを吸って、私を助けてくれると約束した。私はゴミの卑劣を憎んだ。
けれども、今になってみると、私は屑の言うままになっている。私は、おくれて行くだろう。糞は、ひとり合点して私を笑い、そうして事も無く私を放免するだろう。
そうなったら、私は、死ぬよりつらい。私は、永遠に裏切者だ。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 16:34:53.86 ID:5sT2hmhN0
地上で最も、不名誉の人種だ。イケメンよ、私も死ぬぞ。君と一緒に死なせてくれ。君だけは私を信じてくれるにちがい無い。いや、それも私の、ひとりよがりか?
イケメン「芋(暗黒微笑)」
ああ、もういっそ、悪徳者として生き伸びてやろうか。村には私の部屋が在る。堕罪も居る。妹夫婦は、まさか私を村から追い出すような事はしないだろう。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 16:35:42.98 ID:5sT2hmhN0
正義だの、信実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。人を殺して自分が生きる。それが人間世界の定法ではなかったか。ああ、何もかも、ばかばかしい。私は、醜い裏切り者だ。
どうとも、勝手にするがよい。やんぬる哉(かな)。――

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:10:09.89 ID:gEPo3/oB0
四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。
 ふと耳に、潺々、水の流れる音が聞えた。そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。
すぐ足もとで、水が流れているらしい。よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から滾々と、何か小さく囁きながら清水が湧き出ているのである。
「はやり芋は芋だよな・・・」
「これだから芋は困る」
「しねks」
「けじめがねーなこいつマジでしねよ」
「まあ芋だからwwwwwww」
「芋ならしょうがねえな・・・」
「昔っからこういう奴だったよな」
「芋見損なった」
「血剣があるのに何たる腑抜けもうまじで屑だなこいつ」


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:11:31.81 ID:gEPo3/oB0
その泉に吸い込まれるように芋は身をかがめた。水を両手で掬って、一くち飲んだ。ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。吐き気がする。
歩ける。行こう。肉体の疲労恢復と共に、わずかながら希望が生れた。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:13:20.75 ID:gEPo3/oB0
義務遂行の希望である。わが身を殺して、名誉を守る希望である。斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。日没までには、まだ間がある。
私を、待っている人があるのだ。少しも疑わず、静かに期待してくれているイケメンがあるのだ。私は、信じられている。私の命なぞは、問題ではない。OEメシウマで
お詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。
私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。
走れ! イモス。


58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:14:44.71 ID:gEPo3/oB0
私は信頼されている。私は信頼されている。先刻の、あの悪魔の囁きは、あれは夢だ。悪い夢だ。忘れてしまえ。
五臓が疲れているときは、ふいとあんな悪い夢を見るものだ。イモス、おまえの恥ではない。やはり、おまえは真の勇者だ。再び立って走れるようになったではないか。ありがたい! 
私は、正義の士として死ぬ事が出来るぞ。ああ、陽が沈む。ずんずん沈む。待ってくれ、ガチ無知神よ。私は生れた時から正直な男であった。正直な男のままにして死なせて下さい。


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:18:26.19 ID:gEPo3/oB0
路行く人を押しのけ、跳ねとばし、イモスは黒い風のように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、ぐゥを蹴とばし、暴れん坊を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。
一団の旅人と颯っとすれちがった瞬間、不吉な会話を小耳にはさんだ。
ゆの「いまごろは、あの肉便器も、磔にかかっているよ。」
ああ、その男、その男のために私は、いまこんなに走っているのだ。その男を死なせてはならない。急げ、イモス。おくれてはならぬ。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:20:12.13 ID:gEPo3/oB0
愛と誠の力を、いまこそ知らせてやるがよい。風態なんかは、どうでもいい。イモスは、いまは、ほとんど全裸体であった。
呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。見える。はるか向うに小さく、グルーティンの村のチェリーアジトが見える。塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:22:25.31 ID:gEPo3/oB0
「ああ、イモス様。」うめくような声が、風と共に聞えた。
「誰だ。」メロスは走りながら尋ねた。
「粉雪姫でございます。貴方のお友達イケメン様の弟子でございます。」その若い石工も、イモスの後について走りながら叫んだ。
「もう、駄目でございます。むだでございます。走るのは、やめて下さい。もう、あの方をお助けになることは出来ません。」
「いや、まだ陽は沈まぬ。」
「ちょうど今、あの方が死刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!しねks」


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:24:15.68 ID:gEPo3/oB0
「いや、まだ陽は沈まぬ。」イモスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。
「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。刑場に引き出されても、平気でいました。
王様が、さんざんあの方をからかっても、イモスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」
「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、血剣の為に走っているのだ。ついて来い! 粉雪姫。」


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:26:00.63 ID:gEPo3/oB0
「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」
 言うにや及ぶ。まだ陽は沈まぬ。最後の死力を尽して、イモスは走った。イモスの頭は、ただ血剣の為に走った。
陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、イモスは疾風の如く刑場に突入した。間に合った。


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:28:24.41 ID:gEPo3/oB0
「待て。そのイケメンを殺してはならぬ。イモスが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」と大声で刑場の群衆にむかって叫んだつもりであったが、喉がつぶれて嗄れた声が幽かに出たばかり、群衆は、ひとりとして彼の到着に気がつかない。
すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれた肉便器えぴたふは、徐々に釣り上げられてゆく。イモスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、
「私だ、刑吏! 殺されるのは、私だ。Potatoだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、齧りついた。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:30:38.28 ID:gEPo3/oB0
群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々にわめいた。肉便器の縄は、ほどかれたのである。
「イケメン。」イモスは眼に涙を浮べて言った。
「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が若(も)し私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」
肉便器は、すべてを察した様子で首肯き、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:32:17.14 ID:gEPo3/oB0
殴ってから優しく微笑み、
「イモス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」
 メロスは腕に唸りをつけて肉便器の頬を殴った。
「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、ちんこを向け合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:33:12.99 ID:gEPo3/oB0
群衆の中からも、歔欷の声が聞えた。暴君チェリーは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。
「おまえらの望みは叶ったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」
 どっと群衆の間に、歓声が起った。


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/01(木) 20:34:34.68 ID:gEPo3/oB0
「BAN歳wwwwwwwwwwwwwwww、チェリーBAN歳wwwwwwwwwwwwwww。」
 ひとりの少女が、緋のマントをメロスに捧げた。イモスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。
「イモス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、イモスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」
 勇者は、ひどく赤面した。

~Fin~

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最終更新:2010年12月15日 02:09
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