十六話


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「キラー、あなたは何を考えているの」
『…かつて私にも仲間がいた』

かつて、同じ問い掛けをした時、
死神は狂気の色を浮かべ、死神を目指す少女にこう答えた
長引けば、その分死者が出る。魂が手に入る、と

「仲間…?」
『そうだ。友、兄弟…家族。そう呼んでも差し支えのない存在だった
 だがある日、彼らは殺された。貴様より遥かに先代の十六聖天の手によって』
「…!」
『私は誓ったのだ。彼らの仇を討つ、と。それ故に死神と呼ばれようと』
『味方を傷つけることになろうと、力を得て仇を討つ、と』

少女の足もとに横たわる死神が語った言葉、とった行動
それらは全て、死神を目指す少女と同じ理由、同じ行動だった
「…タル!…デス…ル…!」

何だろう。自分を呼ぶ声が聞こえる
もう少し寝させてほしい。私は疲れている…

「デスメタル!デスメタル!」

しつこい。わかったよ、起きるよ。だから耳元で怒鳴らないで

「デスメタル!よかった…」
「アリス…何で…?」

アリスの涙と同時に、自分の顔に落ちてくるコレは何だろう?
血…?なんで…

「…!?」

全て思い出した。自分はワンダーワールドと戦って
そして…そして…

「無事で良かった」
「アリス!」

倒れたアリスを抱き起こし、全てを悟る
アリスは自分を守るために、最後の力で鏡を使って…

「大丈夫だよ。アリスは少し疲れただけだから…心配しないで」
「…アリス」

守るつもりなのに、守られちゃったんだね。ありがとう
すぐに終わらせるから、少し休んでてね

「ずっとそうやって、人の後ろに立ってるつもり?」
「気付いてたの。けどしぶといわ…本当にゴキブリなのね、貴女
 まぁいいわ。もう一度アースグリムで消し飛ばしてあげる」
「貴女に…見せてあげる。メタルシリーズが何のために生まれたのかを」

キングオブハートの手が赤く
そしてデスメタルの両眼が金色に輝いた


――晴海埠頭

アルスラーはディジェネレーション
シルヴィアはロンギヌスカトウ
ヴェノムタイガーとワヌンガは雑兵、およびアリスシリーズの一斉排除
メカシバイの相性をついた完璧な策は
勝利の女神の頬笑みを十六聖天に引き寄せつつあった
だが、ある時を境に敵の動きが格段に良くなっていた

「何であるか…!もしやこの用兵術…」

軍師、ストーリーテラー
またの名を諸葛亮孔明。その男が十大聖天サイドに現れたのだ
ストーリーテラーの巨大な立体映像が晴海埠頭に現れる
それを見たメカシバイは、叫んでいた

「孔明貴様ァーッ!」
「だまらっしゃい!十六聖天の副軍師ともあろう方が見苦しい!
 軍師として策で挑まれよ!」
「ぐぬぬ…」

「軍師!煙が!煙が出ていますよ!」
「シルヴィア、戦いに集中しろ!」

メカシバイは興奮しやすい。さらに作りが単純明快なので
熱がこもりやすい。怒りのあまり、メカシバイは煙を吹いていた
このままではシャーシが溶ける。あんな馬鹿みたいに肉抜きするから…!
それを見かねたシルヴィアは、メカシバイの身を案じた

「四輪駆動になってまで生きながらえる、その醜い執着、この孔明が断ち切って差し上げよう!」
「ぐぬぬ…」

「アツクナラナイデ、マケルワ」
「ワヌンガ、軍師はアンディじゃない」

そしてメカシバイは挑発に非常に弱い。怒りのボルテージはマックス寸前だった
それを見かねたワヌンガは、当時唯一覚えていた日本語で相手の熱を冷ます言葉を
口にしていた。

「アルスラー!他人にかまっている余裕があるとでも思っているのか!」
「無駄だ、このイージスの楯の前には魔法など!」
「えぇい!」

先ほどから、メカシバイに変わり仲間に檄を飛ばしていたのだ
アルスラーである。ディジェネレーションは恐るべき使い手ではあるが
イージスの楯の力の前では無力に等しかった

そしてアルスラー自身も恐るべき使い手であるが故に、ディジェネレーションは
防戦を強いられていた
だが、この戦いを契機にアルスラーはイージスの楯の力に慢心していく…
これが後に、彼の身に不幸を呼ぶ事となるのである

「2年前、十六聖天二人の命を奪った時と同じように!」
「ぐぬぬ…」
「そこの立体映像…今貴様何ト言ったネ…?」

ストーリーテラーの作戦は完璧であった
完璧な指揮を執り、敵の軍師の心を乱し敵に混乱を招く
誤算があったとするならば、その一言であろう
その言葉こそ、全ての帳尻を狂わせる言葉だったのだ

「今度こそ、アリスごと消し飛ばしてあげるわ」
「…その技は二度と使わせない…」

デスメタルの魔眼の輝きに呼応するが如く、動かなくなったメタルシリーズから
光の柱が伸びる

「メタルシリーズは、貴女を倒すためだけに生み出された」

動かなくなったメタルシリーズを繋ぐように、金色の鎖、ゴシックメタルが伸びる
メタルシリーズとゴシックメタルの作り出す円は、まるで魔方陣のようだった

「…何、コレ」
「見せてあげる。私の必殺技」
「…ケーニヒスティーゲル解除、ケーニッヒ・デア・アイゼルンウォンド!
 私を守れェーッ!」
「モービットエンジェル…」

十六聖天外伝 ~失楽園の章~  19話
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