とある駄目人間の初詣


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「よ、摩璃華。あけておめっとさん」
「遅いよ、翠くん! まったく、レディを待たせるなんて失礼よ、こんな寒いのに!」
「わりーわりー。出てくる前にオヤジ黙らせるのに手間取ってさ」
「ま、翠くんが遅れてくるのは今に始まったことじゃないもんね。そこは諦めることにしたから」
「さっすがぁ! できる女は違うねぇ!」
「まーねー! そのくらいじゃないと翠くんみたいなダメな人のカノジョは務まらないもの!

                              なんの自慢にもなりゃしないんだけどね」
「おう? 何か言ったか?」
「ううん、何でもない! ささ、早くいこ!」
翠と摩璃華は腕を組み、初詣へ向う。

神社で晴れ着で深夜で初詣といったら裏手か茂みで青姦だよなとほざいてどつかれている翠・レングラントと
アンタ馬鹿でしょ!と言いどつく初峰崎 摩璃華(はつみねざき まりか)は付き合い始めてまだ数ヶ月。
同じ学校のクラスメイトである二人だが、出会いにはいろいろと紆余曲折があったりしたのである。

ことの起こりは少し前、翠が杷羽を拾うよりも前に遡る・・・。

まだ夏の残滓がそこかしこに見受けられる頃のこと。
都内某所にあるY高校、放課後誰も居ない教室。摩璃華は携帯とにらめっこしていた。
(連絡遅いなぁ~、今日は出迎えるから連絡あるまで学校に居てくれ、ってことだったのに・・・)
そろそろ堪忍袋の緒が切れそうだ。電話をこちらから入れるべきか思案しはじめたその時、
急に教室のドアが開け放たれる。
「いやー、何も入れてこないとはいえ鞄忘れっちまうとは不覚だったぜ・・・って、おろ? 初峰崎じゃん」
「あ、え、久鬼くん!? あ、ど、どうかしましたか・・・?」


「いや、鞄忘れたから持って帰ろうと思ってな。そういう初峰崎こそ、とっくに帰ったと思ったぜ」
「あ、私は、その、ちょっと・・・」
「待ち合わせか何かか? ケータイとにらめっこしてたしな」
「あ、うん、そんなところ、です」
「そかー・・・そういや、裏門のところに黒塗りの車が止まってっから、拉致られないように気をつけな。
 オマエみたいなおっとりさんは捕まえやすいしな。そうでなくても、出るとこ出りゃ顔売れてるんだし」
「あ、うん、そうだね。ありがと、久鬼くん」
「んじゃ先行くな。じゃな」
「はい、さようなら・・・」
裏門の黒塗りの車、恐らくは事務所が回してくれた車だろう。ならなんで連絡寄越さないのよ・・・!
そこでふと気付く。
(・・・あれ? 私、学校の誰にも仕事のこと話してないのに、なんで「顔が売れてる」なんて言ったんだろ?)

疑問を抱えながらも、黒塗りの車が止まっているという裏口に急ぐ。
「ちょっとぉ! なんでここまで来ておきながら連絡寄越さないのよ! 説明してよ!」
「ああごめん、リカちゃん。携帯の電源が切れちゃって、どうやって連絡したものかと思って・・・」
「ハァ? バッカじゃないの? まったく、たまたまアンタを見かけた人が教えてくれたから良かったものの、
 そうでなければ帰ってるところだったわよ」
「ごめんよぉ・・・急ぐから、とりあえず乗って」
「はいはい。とっとと出してね」

摩璃華はいわゆるひとつのアイドルというやつを副業でやっており、中高生から特に高い支持を受ける
ユニットの一員である。どのくらい支持を受けているかといえば、かの十六聖天でも三次元を許容できる
派閥からは一定以上の高い支持を受けており、またちびっこ勢は出演番組を欠かさずチェックするほどである。

今日はわざわざ社長自ら出張っての、次回の巡業(コンサートツアー)に関しての一大会議ということで、
実際に舞台に立つ自分達の意見も取り入れたいとのことで召集をかけられている。
会議の時間の大半は社長の暑苦しい一人語りだったのだが、そこは売れ筋のアイドルを幾組も抱える
事務所のエース営業部隊を総動員しての会議なだけに、社長一人に無駄に語らせている間に
着実にスケジュールや資材などについてのとりまとめがなされ、今後のスケジュールの調整を
残すのみ、という状況になった。

「遅くなっちゃったなぁ・・・まったく、社長は話がながいんだからぁ・・・」
時はもう夜。ごく普通の女子高生が出歩くには少々危険な時間帯。
送迎の車を降りた摩璃華は、一路自宅へ。
一応学校では「運動が苦手で本とか読むのが好きそうな、図書室か文芸部が似合いそうな娘」ということで
通しているので、何処に知り合いがいるか分からない近所に乗り付けないようにしている。

早道しようと一層人気のない道を選んで道を急ぐと、案の定、下心丸出しの優男どもに絡まれる。
「おやおやぁ~? こんなところで、迷子かな?」
「キミ、アイドルの咲間璃花に似てるって言われない? どう? これからオレらと付き合わない?」
「あ、いえ、その、急いでるんで・・・」
「まぁまぁ、そう言わずにさぁ~。勿論オゴるからさ、どう?」
「ですから、その、通してください・・・!」
「ちょっと、ちょぉ~っとだけでいいからさ、ね、ね?」
「お願いですから、通してください! 急いでるんです!」
「こんなにお願いしてるんだからさぁ~、ちょっとくらい付き合ってくれたっていいじゃんか!」
「そうだよぉ~、オレらがんばっちゃうからさ!」
「そう言われても、これ以上遅くなるとお母さんに怒られちゃうし・・・」
「イマドキの女子高生がこんな時間に帰るなんて方がよっぽど変だって!」

あ、やばい。限界かも。

「なな、だからさ。ダイジョーブ!帰りはちゃんと送ってあげるかr」
「五月蝿い、邪魔だと言っている。人間の言葉を理解できない分際で人間の言葉を発するな、肉の塊」

摩璃華の手には、目の前で道を塞いでいた男の心臓が握られている。
「まったく、抜き取ったのにビチビチと動いちゃって・・・肉塊に、この臓器は、不似合よ?
 といっても、持ってても仕方ないし、血って服に付くと落ちないのよね・・・燃やして捨てましょう」
ぽっと青白い炎が一時燃え上がり、目の前の肉塊と、肉塊から抜き取った心臓は生肉が焼ける独特の
嫌な臭いを発しつつ、炭化する。

「ひ、ひぃぃ・・・な、なんなんだよぉ、オマエはぁぁぁぁ・・・!」
「私? この肉の塊も理解力の乏しいのね。その脳も豆腐と入れ替えたほうがいいのではないかしら。
 でも、良かったわね、そっくりさんじゃなくて、本物に、地獄の底に送ってもらえるんだから」

とりあえず炭化した元肉塊2個を目の前に、ようやく平静を取り戻した摩璃華。
「あうう、またやっちゃった・・・とりあえず、どうやっても素性なんて分からないように
 骨まで焼き尽くしてあるから問題ないと思うけど・・・」

「こっちから人間の焼ける臭いがしてきたが・・・おう? あれ、初峰崎じゃん。こんなとこでなにやってんだ?」
(・・・見られたぁ!? しかも・・・なんでこんなとこに久鬼くんが? ・・・とりあえず殺しとこ)

神速の抜き手が翠の心臓目掛けて一直線に伸びる!
「ごめんね、久鬼くん。貴方には何の恨みもないんだけど、見られた以上は仕方ないの。死んで下さい」
ずぶりと胸に吸い込まれた手は、そのまま心臓を掴み、抜き取る。そして心臓があったところに超高熱の
火種を残し、内側から焼き尽くす。
「貴方の事は嫌いじゃなかったけど・・・というかどっちかなら好きな部類だけど、本当に、ごめんね・・・!」

二つから三つに増えた元肉の塊に別れを告げて立ち去る摩璃華は、不意に足首をつかまれて倒れてしまう。

「いったぁ~・・・何?・・・って、げ、あ、ぎゃああああああああああああああああああああ!!!」

モロに見てしまった。自分の足首をわしづかみにする手と、そこから骨が生え、筋繊維と血管と神経節が
絡みつき、表皮で覆われ、体を為し、服が逆再生の如く纏われ、先ほど殺したはずの同級生が姿を為す光景を。
「仮にもアイドルがぎゃああとかデカい声で言うなや!」
「何なのよアンタ! 何なのよアンタ!」
「大事なことなので二回言いましたってか? 何っつってもオレだってよく分からん!」
「つか寄らないでよバケモノ! それ以上近づくなら再生できない位に燃やすわよ!」
「おうやってみろやぁ! ・・・つか心臓返せ。胸がからっぽなのは落ち着かんのだが」
「やっかましいわね! こんなもんこうしてやるわよ!」

摩璃華の手にあった翠の心臓は、青白い炎を受けて燃え尽きる。
「いやー綺麗に燃えるもんだなー俺の心臓。見事なもんだ。さすが俺」
「なんで感心してんのこの馬鹿!?」
「いや別に、よくよく考えるとがらんどうになってることを除けば、心臓なくても生きていけるなーと思ったら
 意外ときれーに燃えてるし、別になくたっていーかなーと」
「何それマジキモイんだけど!?」
「んなことよりはよ帰らんといかんのではないのか?」
「・・・とりあえず、ついて来て。せっかくだから家に招待するわ(私で駄目なら、お母さんに・・・)」
「ほう、コイツはどういう風の吹き回しだ? アイドルの自宅訪問とは。言っとくけどタンスとか漁るぞ?」
「漁ったら即叩き出すわよ。盗んだらマジ殺す。つか何で私が副業やってるって知ってるのよ?」
「普通顔見りゃ分かるだろうに・・・気付いてない周りのヤツラがむしろ理解できん」
「アンタってつくづく常識通じないのね・・・」
印象操作の符術を施したネックレスの効果で「咲間璃花に良く似た人」までしか認識されないはずなのだが

「ふむ・・・こうして地を見てると・・・初峰崎ってけっこうカワイイのな」
「はぁ!? 何がどうしてそうなったらそういう話の流れになるわけ?」
「いやまぁガッコじゃ何つーかネクラ系? 地味系? じゃん。正直今のオマエのほうが付き合いやすいぞ」
「そのほうが都合がいいのよ。アンタみたいな一般ピーポーには分からないだろうけど」
「ゲーノー人ってのも大変なのな・・・」
「そーゆーこと。で、ここがワタシの家。お母さん居るから変なことはしないでよ?」
「へーい。タンス漁ったらすぐ帰るから心配すんな」
「何なのこの変態・・・」
というわけで初峰崎家にお邪魔する翠であった。

「ただいまー」
「あら、遅かったのね。そちらの方はお友達?」
「うん、ちょっとそこで会ったの。同じクラスの久鬼くん」
「ちわーっす・・・ども、久鬼っす」
「あらあら、リカちゃんが男の子連れてくるなんて初めてねぇ♪ うふふ♪」
「別に何にもないわよ! まったく・・・とりあえず久鬼くん、二階には絶対来ないでね。来たら酷いよ?」
「あいよー・・・じゃ、おじゃましまーす」
摩璃華は二階の自室へ。翠はリビングに通される。

「っとおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
素敵なマダムの神速の手刀と、必要以上に磨き上げられた穴あき包丁が翠の胸部と眉間を狙う!
「・・・ウチの娘に何してくれたのか、説明願えるかしら?」
「顔似てるなーと思ったらやっぱりボスだよ! アイドルにホイホイ付いてった結果がこれだよ!」

「・・・で、ウチの娘に手出したりしてないでしょうね?」
なんとか手刀と包丁の双撃を必死で食い止めながら、ギリギリの攻防が繰り広げられる。
「むしろ出されたのはオレだぁ! 路地裏とはいえ天下の往来で人焼き殺すアイドルなんて初めて見たぞ!」
「そんなの淑女の嗜みよ? アイドルやるんなら人一人くらい殺せなくてどうするのよ」
「それぜってー間違ってるぞ! 俺が言うのも何だが!」
「そんなことはいいじゃないのよ。今の争点はアンタみたいな屑がウチの娘に何をしたか、ってことよ・・・!」

「だから、何も、してねぇ、っつーのよ・・・!」
夜のニュースがTVから流れる極普通の居間で、今壮絶な戦いが繰り広げられようとしてい
「どうかした? 何かドタバタしてたけど・・・?」
「別に、なんでもないわよリカちゃん(チッ、殺し損ねたか・・・)」
「そーそー、なんもねーぞ、初峰崎・・・(助かったわ・・・感謝するぜ・・・)」
「??? ・・・まぁいいけど」
レディ・ボスは一瞬の内に有閑マダムへ転身し台所へ、翠はリビングのソファーへ戻る。

「それでリカちゃん、この方とはどういう関係なの?」
「ただのクラスメイトだって! まったくもう、お母さんそういうの好きなんだからぁ・・・」
「あらそう? つまんないわねぇ・・・」
「いやはや、別にクラスが同じってだけで特にどうこうというわけでは(詰まらん言うなら、さっきガチで
 殺しにきたのはなんだったんだって話だ・・・)」
「あら、もういい時間じゃないのよ。久鬼くんって言ったかしら? これからお夕飯なんだけど、一緒に
 どうかしら?」
「ちょっとお母さん! そこまでしなくても・・・!」
「あー、そっすね。そちらさえ良ければご相伴に預かろうかと(今更オヤジにメシつくんのもたりーしな)」

というわけで、若干一名分だけ劇物入りの夜食会。
翠としては「ペロっ・・・これは青酸カリ!」をやりたくて仕方なかったが、それは自重せざるをえなかった。
さすがに自宅ならともかく他所様の家のリビングで流血沙汰は、掃除が面倒なので避けようという気配りだった。

「ふいー、ども、ごちそうさんでした。いやはや、隠し味が何とも刺激的で」
「あらそう? ご満足いただけたようで何よりですわ(チッ、毒殺も効かないとは。さすがアレの息子ね・・・)」

「それじゃ、そろそろこの辺でお暇させていただきますわ(つか早く出ねーとマジ死ぬから)」

というわけで表に出る。
「別に見送りなんていらねーのに」
「違うわよ・・・副業のことと、さっきのアレ、絶対に言わないでよ?」
「まかせとけって。話したところで俺の言うことなんか信じるやつは居ないだろうに」
「言って回られるだけでも面倒になることもあるのよ! とにかくいいわね!」
「あいよ、分かった分かった。でさ、ものは相談なんだが」
「何よ? 交換条件とか言い出すなら、脳みそ引きずり出して忘れるまですり潰すわよ」
「いや何だ。ふと考えたんだが・・・いい機会だしぶっちゃけようと思うが、オレと付き合わね?」
「はぁ!? ・・・呆れた。馬鹿もここに極まれり、って感じね。何がどうしたらアンタと」

「ま、そりゃそうだな。しゃーねーわ。じゃな、初峰崎」
「あのねぇ・・・彼女を苗字で呼ぶ彼氏なんて聞いたことないわよ? じゃね、翠くん、また明日」
「おう、んじゃ改めて、またな、摩璃華」

ということがあったわけだが。そして話は初詣に戻る。
「あー、そうそう摩璃華、CDにサイン入れてくれてありがとな。普段嫌がるって聞いてたが」
「そりゃどうも。翠くんの頼みなら別だしね。でも今更ウチらのCDにサインなんて必要なの?」
「ウチのちびっこどもにはクリスマスプレゼントとして効果抜群でな。おまいさんのファンなんだそうで」
「あれ? 翠くんお父様と二人暮らしじゃなかったっけ?」
「オマエが仕事の都合でほっとんど学校来なくなってからいろいろあってな。ちびっこ合計3匹ほど拾って
 ウチで面倒みることになったのよ」
「ふぅん・・・」
「つか、今ゲーノー界的には掻き入れ時ってやつなんじゃないのか? 仕事は大丈夫か?」
「仕事より彼氏との初詣を優先するのは、女の常識よ? それにウチらは清く正しく美しくをコンセプトに
 売ってるから、不健康なこの時間に生出演の仕事なんてこないのよ。特に未成年チームにはね」
「清く正しく美しく、ねぇ・・・どのへ」
「んが、なんて言ったら後で酷いわよ」
「へいへい、ソイツは悪うござんした。とりあえず行くとするかね、あの無駄に多い人ごみの中に」
「・・・何人かさっくりとぶっ殺して道開けたら、早そうよね?」
「三が日から物騒なヤツだなオマエは・・・大いに賛成したいところだが、派手にやると面倒なんだよなぁ」
「だよねー。それに今をときめくトップアイドルが大量殺人とかありえないよねー」
「ねー・・・ってお前が言うな」
「何よ! 私だってね、普段は頑張って自制してるのよ! 正直な話、自宅突き止めてつけて来たキモヲタと
 ウザイナンパ野郎と、この前翠くんとデートしてるときに偶然見かけたマスゴミ野郎しか殺してないわ!」
「それでも大概だと思うが・・・」
「そんなこと言ったら、そういう翠くんだってヤのつく自由業とか、カルト集団とか、森東くんとつるんで
 いろいろと派手に暴れてきたってお母さんから聞いてるわよ」
「まぁ、ありゃ趣味と実益を兼ねたバイトであってだな」
「そんなことで言い合っても仕方ないし、とりあえず今は一般ピーポーに紛れるべく、あの群れに吶喊しましょ」

「癪だがしゃあねぇな。うし、行くか」
「そうね、さっさと済ませて戻らないとね。あまり付き合えなくて悪いけど、この後も詰まってるのよ」

というわけで物騒な二人が回った某所の初詣の大混雑の中、幾人かの変死死体が出てきたという・・・
首謀者達によると「だってヒールで足踏むんだもん。ありえなくない?」「人ごみに紛れてお尻触ってくるとか
マジありえないんだけど。翠くんならともかく」「人様のサイフかっぱごうたぁいい度胸じゃねぇか!」
「テメェ人の女のケツさわっといて生きて帰れると思うなよ、このエロオヤジが!」とのこと。
人ごみの中では足の置き場と手の置き場には気をつけようというお話でした。

「よっしゃ大吉ぃ! これで今年もゲーノー界で生き残れるわ!」
「さすが俺、大吉よりレアな大凶を引く辺り空気読めてるな」
ちなみに摩璃華は10枚目、翠は一発である。
「つか10枚引きゃ出るだろ普通・・・ありがたみねぇ大吉だなぁ」
「ふ~んだ! そんなの気にしないもんね!」

「ふと思ったんだが、オレ告ったのすんげぇ突発的だと思ったんだが、何がどうしてその気になったんで?」
「さぁてね。そんなの忘れちゃった。多分バカ過ぎて突き抜けてる辺りじゃない? ま、結婚式までには
 思い出しておくことにするわ」
破天荒にも程がある型外れの振る舞いと、常識にも理屈にも囚われない自由奔放なところが好きだとは
決して言わないし悟らせないのが、乙女心の為せる業なのである。
弱みを見せたら女は負け、常に強気で全力勝負、ここぞの涙は最終兵器。
母から教わった奥義中の奥義である

「あ、そだ。どっかのコンサート、チケット4枚融通できね? ちびっこども連れて行きたいんだが」
「そういうアイドルの使い方は嫌われるわよ? ・・・ま、いいわ。この前は来てくれなかったし、
 今度来なかったら絶交の上絶対に殺してやるから、覚悟なさいね!」
そんなこんなの帰り道。月明りに祭囃子、ついでに目に付いたという理由で身元不明になった肉塊が彩る帰り道。

星と月と血の臭いに祝福されて、二人はそれぞれの場所へと帰るのであった。


とある外道の初詣 終幕
ツールボックス

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