聖櫃探索編 第三話 「グリゴリー・アレグ」


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新知床岬から東に約5km、オホーツク海上に浮かぶ流氷の内部200m
の深さから特殊な磁場が観測された。キルリアン光検出装置による調査
の結果、これを『聖櫃』と特定。
聖櫃発掘計画が開始したのが半年前のことである。


その後キルリアン家は独自のルートから、ナチスもまた聖櫃を狙っている
という情報をキャッチ、今回十六聖天が派遣されたのはアポカリプス・
ナウへの備えであった。

「何もなければそれでいい、襲撃があっても奴らが捨て石になってくれ
れば我々に損害はない」

「ぬうううううぅぉぉぉぉー畜生オォォー!!!!!!」
同じく艦内、タコ部屋で唸りながらゴロゴロ転がる岩淵健吾の姿
があった。
「どうしました、健吾様」
「どわっ!クマ公!!」

のっそり入ってきたのはグリゴリー・アレグだ。

「じゃなかった、グリゴリー・・・さん?」
「いえいえ、私などクマ公で結構でございますよ」
そのままグリゴリーは健吾の隣に座りこみ

「今朝からなにやら気分が優れないようですが」
「・・・・わかる?ヒグマでも」
「わかりますとも、ヒグマでも」

健吾は昨日のアルスラーとリーナのやりとりを
話した。グリゴリーは深く頷き、

「アルスラー様が本家にいた頃のお二人は、
それはもう仲がおよろしかったのでございますよ」
「やっぱりそうなのかよおおおぉぉぉー!」

健吾は頭を抱えてまたゴロゴロ転がりだした。

「畜生オォー!リーナさんスゲー美人じゃん!!肌キレイだし
髪サラサラだし脚長いしスゲーいい匂いするし!!俺なんて髪
ボサボサだし寒稽古の後で全身ガサガサだし汗臭いし、俺完全
に女力で負けてるよな!!」

「・・・・我々の個体はオス・メスなので、そのオンナ
リョク、というものがイマイチよくわからないのでござい
ますが・・・健吾様もリーナ様に負けないくらい女性として
十分魅力的でございますよ」

「本当ッ!?」
「それに・・・アルスラー様にはリーナ様が重荷になってし
まうのでございますよ・・・」
「え・・・どういうことだってばよ?」

「あの、忌まわしいモスクワ大氷結でご両親を失った後、
ミハイル様はキルリアン家復興に全力を傾けることで、寂しさを
まぎらわせることができましたが、リーナ様はその後もしばらく
立ち直ることが出来なかったのでございます」

「はぁ」
「立ち直られてからはお兄様のサポートに撤してきましたが、
その、こう言ってはなんですが、お兄様あの性格でしょう?
リーナ様は大変なご苦労をなさったと思うのでございますよ」

「そうそう!イケすかないよなぁ、あのオッサン!!」

「心安らぐことのない日々を送るリーナ様を不憫に思い、
リーナ様を幼少の頃から知るアルスラー様が慰めにいらした
のですが、あの気丈なリーナ様が大泣きに泣かれましてねぇ
それから二人のおつき合いが始まったのでございますよ」
「・・・・・・・・・・・」

「ですが・・・・・弱い心は弱いまま、アルスラー様に
依存する関係がリーナ様のためにならないと考えられた
のですな先代様とも旧知のアルスラー様にとって、リーナ様
を娘のように思っているところもございましたし・・・・・・
組織の中には、アルスラー様がリーナ様を手痛く振ったと悪く
言う者もおりますが、あれはあれで、リーナ様のためを思って
したことなのでございますです」

「・・・・・・?」

この辺の話が、健吾には難しくてよくわからない。
「その点、健吾様をアルスラー様はとても気に入っていらっ
しゃるのですよ?何度かお会いした際、健吾様のお話をなさっ
ていました」

「えっ!?アルスラーが!?俺の話を!?」
健吾はアルスラーがそういう事を人に話すようなタイプ
とは全く思っていなかった。

「はい、『女ながら拳ひとつで世界を目指そうとは大した奴』
『迷いのない生き方には教えられるものがある』と」
女性を誉めるセリフとしてはいかがなものかと思うが、健吾
は途端にトマトのように顔を真っ赤になってしまった。

「嘘・・・・嘘・・・・マジで・・・・?」
「お互いに自立した関係がアルスラー様の理想なんでしょうな、
もちろんキルリアン家の事情が変わってしまった事も
アルスラー様が去ってしまわれた原因でもあるのでしょうが・・・」

「わかったよクマ公!!アルスラーはオレの事が好き!!」
「はぁ」
「女力だってリーナさんに負けてない!!」
「いや、よくわかりませんがそれはまた別の」
「そう思いこむ事にしたんだぜ!」
「はぁ」
「病は気からって言うしな!」
「あ、恋の病と掛けてるんですね」
「え?なにソレ」

「健吾!!手近なモンに掴まれ!!」
「ジジジ次郎サンッッ!!?」
「なんだよそのハトが豆鉄砲喰らったようなツラ」
「お・・・俺らの話聞いてた?」
「いいんだよそんなことは!!ミサイルが来るッ!!」
「えぇっ!?」
健吾はタコ部屋の窓から、数条の光を見た。
「今、木下が向かってる!!」

「馬鹿なッ!!!生身の人間になにができる!!」
ミハイルは仰天した。
                    続く
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