黄金の瞳の少女 ⑥


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「っ!」
1人ナナエルを探し果て無き森を彷徨っていたギデオンはついにその手がかりを見つけた
「誰かが次元を超えて入ってきやがったな」
森の中、突如発生した次元振動の波を感じその手がかりの元に瞬時に移動する
「お前は・・・ワンダーワールド!」
そこに在ったのは赤いエプロンドレスをボロボロにして肩で息をするワンダーワールドの姿であった
「あら・・・ハァハァ・・・見つかっちゃった・・・みたい・・・ハァ」
(どーゆう事だ?こいつがこれ程やられているなんて)
クリブラをものの10分足らずで倒した程の
正直自分も完全には勝てる自信が無い相手のボロボロの姿にギデオンは驚きを隠せなかった
「・・・フゥ、何か御用かしら?サングラスのオジさん」
ワンダーワールドは息を整え珍しく虚勢を張るようにわざとらしく余裕を見せる
相手は疲れている。今なら勝てる見込みはかなり高いはず―
そんな思いが頭を過ぎる中もう一方で
例え敵と言えど手負いの女の子を倒す事は正しい事なのか?そんな思いが彼の拳を引き止めていた
「ナナエルはどこだ」
「へぇ、私に仕掛けてこないのね」
「質問に答えな、お嬢ちゃん」
自分の選択が最善ではないと知りつつもつい格好を付けてしまう
そんなギデオンの胸中を見透かしてかワンダーワールドはフッと笑って穏やかな笑顔になる
「案外紳士なのね」
遠くで大きな爆音が響きやがて静かになった
どうやらカイザーが先程の槍使い―恐らくロンギヌス・カトウとの決着をつけたのだろう
再び静寂に包まれた森の中で
ワンダーワールドはスカートを翻し傷ついた衣装を新品のように替えた
「彼女なら今頃イナバがこっちに連れて来てくれているわ」
どこから出したのかワンダーワールドはテーブルに腰掛紅茶を飲みながら答えた
「本当か?どこにだ」
ギデオンもちゃっかりテーブルの向かいに腰掛けて紅茶をすすっている
「さぁ?あの子はとても静かだから誰も気付けないわ
 でもとても気の回る子だからきっと安全な所に返してくれているんじゃないかしら」
先程の爆発音の後、森は静寂に包まれたままだった
小鳥のさえずりや昼下がりの柔らかい陽が差し込む木立の中
それは逆に不気味な静けさとなって2人のお茶会に緊張の糸を張り巡らせていた
「随分とアバウトなんだな。安全な場所ったら俺の所以外にどこがあるってのよ」
「プッ」
ワンダーワールドが思わず噴出す
その笑顔はいつもの不気味な微笑みではなく、まさにアリスのいつもの笑みを瓜二つだった
「笑うたーどーゆう意味だよ」
「クスクス・・・あなた面白いわ」
こうして笑っているとただの女の子の様にしか見えないのに
ギデオンがそんな事を思っていると
「いいわ。一つだけ、どんな質問にも答えてあげる」
「なに?」
突然だ
気紛れか遊びかワンダーワールドが突如言ってきた思いがけない言葉にギデオンは面食らってしまう
「よ~く考えて質問してね。たった一回きりだから」
たった一度、本当に何にでも答えるのか?ギデオンは思考を巡らせた
ワンダーワールドの能力の秘密?十大聖天のトップの正体?彼らの真の目的?
聞きたい事は山ほどあった。大切な事はいくつもあった。だがギデオンが訊いた事は唯一つのシンプルな答えだった
「お前は何故ナナエルを狙う。今後も狙うのか?」
それは敵の喉笛に噛み付くような重大情報でもなければ戦いを有利にするための事でもなかったのだ
ギデオンは敢えてナナエルの安全のための事だけを聞いたのだった
「・・・なるほどね。あの娘の気持ち、解った気がするわ」
ワンダーワールドは少し驚いたような表情の後、また笑顔に戻って語り始めた
「もうあの娘に用はないわ。私の目的は彼女じゃなかったのだから」
「どう言う事だ。お前はナナエルのゴールデンアイを狙っていたんじゃないのか?」
「彼女じゃなかった。だからもうあの娘は安心よ」
すると今度は突然ワンダーワールドは詰まらなそうなそうな表情に変わり
まるで無知な子供に意地悪で嫌な事を教えるかのように話し出した
「それに、黄金の魔眼がただの強力なファイヤースターター能力だとでも思っていたの?
 そんなもの、わざわざ私が欲しがる訳無いじゃない」
「なに?」
「本当のゴールデンアイは本物が持っていると言う事なのでしょうね
 もっとも、あなたがそんな様子じゃ今回も無駄足だったようだけれど」
「どう言う事だ!お前は何を知っている!」
「十六聖天も一枚岩じゃなかったって事かしらね
 それにしても、やっぱり男の子はダメね・・・そんなに闘いが好きなのかしら」
そう言うとワンダーワールドは急に無関心になったように踵を返し空間に溶けてゆくのだった
「待て!まだ質問は終ってないぞ!また逃げるのか!」
消えてゆくワンダーワールドにギデオンの言葉は届かず、辺りは再び静寂に包まれるのだった
「ワンダーワールドーーー!!」
広い森の中ただギデオンの叫びだけがこだました

黄金の瞳の少女 ⑥ 終り
次回
「可憐な少女のピンチに駆けつける。それが真の騎士ってものさ!と言いたいのだろう?我が主よ」
「本気で台詞もってかれた!?」
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