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ギリシャにて-2


確かビュザンティオン≪東と西の交わりたる帝都≫に流れ着いた話はしたんだったな。
俺とベアトリーチェを除いた乗客は、
彼女によって暗い海の中に繋ぎとめられてしまったのかもしれない。
そんな事を考えていたから、ハギア・ソフィア大聖堂に向かう足は速かった。

巡礼の騎士だと告げると、パリカリス≪悪魔祓いの祈祷者≫は俺を快く迎え入れてくれた。
〝西方カトリックと東方正教は一つになるだろう〟
素晴らしい言葉だが、彼の声は暗澹としていた。
〝ただし、一夜にして三日月がわれらを焼き払ってしまうのだろうが.........〟

その頃、ビュザンティオンを首都とする東の帝国は落日の時を迎えていた。
港はヴェネート、ジェノアの船舶で賑わい、商業も活発で、
一見しただけでは零落はみて取れなかったが、
それはあまり意味のないことだと思った。
何せ、帝国の領土はすでに首都の周辺に限られていたんだからな。

オスマーン≪緋き三日月の王朝≫のマホメット帝が
ルメル・ヒサーリに集めた17万の兵を一挙に差し向け、
帝国がそれを7000足らずの兵で迎え撃ったのは、
俺が去ってから半月後のことだった。