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クラウディア-2


昨日、クラウディアは俺の顔を見るなりぱあっと顔を明るくしてくれたんだ。
俺が話しかけると、寄り添うようにして、深紅の花弁をさらに高潮させ、
花の中にたたえた滴をうるうると滲ませて頷くんだ。
本当に何もかもが可憐だ。

庭に立っていると時間を忘れてしまう。
<彼女>が笑顔を浮かべてとりとめもない永遠の庭園のことを口にするのを
聞いていると、俺も自然に幸せな笑顔が浮かんできて
この上ない幸せな気持ちになる。

塔に戻る道すがらは、まるで五月に小鳥が<歓喜>の歌を交わしている中に
立っているような心地さえする。

玉座に腰を下ろして、黄昏を眺めながら思案していると
やがてああ言えばよかった、こう聞けばよかったと後悔に襲われる。
不安の海に投げ出されて、俺の心は壊れてしまいそうになる。

その不安を拭い去れるのは、次に庭に下りた時に
<彼女>が見せてくれる笑顔だけなんだ。