真北の大冒険 > 第48話 平盛22年12月


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平盛19年9月某日、島田家、この日非番だった真北はCS放送でバトロイ観戦をしていた。
「さあ、今、場内がネズミコールに沸き返っております!赤コーナーより、前回チャンピオン、チュチュネズミ選手の入場です!」受像器から実況の声がする。
この日、第5000回目のD-BR杯が東京ビッグサイトで開かれていた。真北と戦ったあのチュチュネズミは相変わらずの人気と実力を誇っていた。
「青コーナー、播磨の帝王、怪傑播磨王!」
怪傑播磨王こと中原脩も出場していた。
「おお、中原や!」真北、中原の久々の晴れ舞台を見て興奮気味になる。
「黄コーナー、コンバット越後!」
続いて黄コーナーからコンバット越後選手の入場。最近活躍し始めたファイターらしい。
「そして緑コーナー、ドッチャー・アルフェンス!」
最後に緑コーナーから、赤毛のカツラを被って赤井いバトルコスチュームを着た青年が現れた。よく見たら誰かに似ている。
「どこかで見たような気がする」真北の脳内で思いついたのは、あの名古屋人のことだった。
出場する4者はそれぞれ態勢を整えると、試合開始の笛が鳴った。真北はドッチャーのことが気になって仕方がなかった。
「(ドッチャー・アルフェンス?ああ、あいつか)」
そう、ドッチャー・アルフェンスとは、星川弘のことである。2年前、成田純という少年の仲間がバトロイごっこをやっていた時に出て来た。しかし、あの頃はバトロイへの出場資格は18歳以上、しかしその当時星川弘は17歳なので、ジュニア大会に出場するにとどまっていた。
「(あのときはおそらく未来の仮想だったんだろな)」
するとコンバット越後は既に脱落、残り3名。
「がんばれ!中原!」
しかし、ドッチャーの一撃で中原は倒れた。
「ああ、やばい!」
起き上がれない播磨王にチュチュネズミはジャイアントスイングを仕掛ける。
「ああ、播磨王が飛ばされた!」
播磨王、場外へ飛ばされ無念の脱落。残りはチュチュネズミとドッチャーの一騎打ちに。
「ドッチャーがんばれ!」真北の期待はドッチャーに向けられる。
チュチュネズミとドッチャーは一進一退の攻防を繰り広げている。しかし、ドッチャーがやや劣勢になってきた。
「ドッチャーやばい!だいぶへたれてきたか!」
ドッチャーはふらいついている。そこをチュチュネズミが猛烈なパンチを繰り出した。
「出たぁーっ!最後は必殺チュチュパンチかーっ!!」
「ああ、もう終わりだ」真北は落胆。
ドッチャーは倒れ、審判が1,2,3,とカウントを入れ、チュチュネズミの優勝が決まった。
「やはりチュチュネズミは強いなぁ」

翌週の土曜日、島田家に中原と星川が訪れに来た。
「久しぶりだな」約8ヶ月ぶりに2人の顔を生で見る真北。
「おじゃまします」と、2人は家の中に入る。
真北は2人を部屋に導き、入る。すると部屋にはNゲージのジオラマが飾られてあった。このNゲージは真北が運転士に合格した際、船木平次郎からお祝いとしてもらったのである。
「ほほう、Nゲージやないか」
「船木のおっさんからもらったんだ」
「車両は何がある?パノラマカーは?」
「あるよ」
現在、真北の所有車両は0系、221系、223系、京阪600形、名鉄7000系である。
「おお、0系やないか」
0系、言わずと知れた新幹線の名車。221系、JR西日本の誇る近郊形電車。223系、これまたJR西日本の関西地区の看板列車「新快速」の車両。京阪600形、大津線の主。名鉄7000系、通称「パノラマカー」。
「これ以上そろえたら俺は間違いなく鉄ヲタだな」真北、自分の趣味の入れ込みようを見て思わず苦笑い。
「運転して良いかな」星川は訊く
「ええよ」
真北はコントローラーの電源を入れると、星川はコントローラーの前に座り、ノッチを入れる。ジオラマに置かれたパノラマカーこと名鉄7000系は加速し、快調に走っていく。
「いつかは俺も島田さんのような立派な運転士になるんかなぁ」と、星川は思いを馳せながら模型の電車は走る。しかし
ガタッ ポイント付近で脱線した。
「あかん、速度の出し過ぎや」と、真北はダメ出し。
「はぁ・・・」星川、これが実際の乗務なら大惨事になりかねないことを考え、複雑な気分になる、
「まあ落ち込むなや、模型はよく脱線するものさ」と、真北は星川の肩を叩く。
その後2時間程度、鉄道の話題が飛び交い、中原と星川は帰った。

そしてそれからは平和な日々が続き、早くも3年が過ぎ、平盛22年の師走を迎えた。
朝の大津駅、ラッシュ時で通勤客にあふれかえっていた。その中に黒いジャージの男が一人いた。彼は電車を降り、不気味な空気を漂わせて駅のコンコースへと向かう。その時だった。彼はポケットから突然ナイフを取り出した。
「何だあれは」
「刺すつもりだ、逃げろ!」
彼の周りにいた大衆は慌てふためく、その中で彼はナイフを振り回し、たちまち人を刺していく。コンコースは血に染まり、やがてその男は駅員に取り押さえられた。しかし、突然の悲劇に誰もが言葉を失った。

同じ頃、大津駅より隣の山科駅でも、刃物を持った黒いジャージの男が姿を現し、同じように大衆を刺していった。
そしてそのまた同じ頃、隣の京都駅でも、同じような悲劇は起きた。

京都、大津で相次いで起こった通り魔、果たしてその犯人の真相は、そしていつの間にか人々から忘れ去られていた世界政府の動向はいかに。

続く
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