カオスジャッジメント - AtoZ - 過去ログD

――――これは、ある映画試写会を録音した音声記録である


『皆様、本日はお足もとが悪い仲”民という兵士”試写会にお集まり頂き心より感謝致します』

『この作品は、不本意ながら殆どが私の自費負担に終わるものかと危ぶまれていました。何しろ、私は多くの作品を手がけましたが、本作品に限って何故か会社は一切の出費を拒んだのです』

『いい友人達に、そしてお集まりいただいたファンの皆様に支えられました。お陰でこうして、この作品をお披露目するに至ったのです』

『思い返せばあれから5年、夢に見なかった日はありません。長らく眠りというものを忘れていました。妻の死から私は、何かに憑依されているかのようと隣人に心配されました。その通りです、何一つとして事件は終わっていないのです』

『ドキュメンタリーを手がけるのは初めてでした。お恥ずかしながら、私が手がけた映画は殆どがドンパチ賑やかな娯楽作品でしたから』

『恐らくこれが私の最後の作品となるでしょう。こうして、監督であるエイヴラハム・J・ダンカンとして皆様とお会いするのはこれが最後かもしれません』

『それでは、最後まで……余すとこなく記憶としてお持ち帰りくださいますように祈ります。”民という兵士”、上映です……』

『ガタンツ  ガタ ザッザッザッ  全員動くな!両手を頭の後ろに!』

『CP!? なんのつもりだ………ッ 法に抵触するようなことは何もッ……』

『ケイオス国際警察機構だ。エイヴラハム・J・ダンカン……あなたを国家反逆罪で逮捕します。お分かりでしょうが抵抗は無意味です』




―― 令和元年 ケイオス国際映画祭 ――


――――寄宿舎からそう遠くない繁華街。それなりに歴史のある建物に囲われた噴水のある大広場の中央にはスクリーンが貼られ、様々な映画の名シーンが上映されている。大勢の人々はそのスクリーンの前に佇み、俗にいう『祭り』を謳歌していた。手にするパンフレットに印字された文字列は『ケイオス国際映画祭』。


ビリー「 ばあさんや、なんかやたら人通りが多いけどなんか祭りでもやってるのかね 」

エゼキエル「 やだわあんた痴呆が進んだの?今日は5年に一度のケイオス国際映画祭よ。特に今年のは規模がでかいのよ、平成25年から令和元年までに上映された作品すべてから最も優れた作品を各部門ごとに、専門家の意見と集まったお客さんの票とで決めルノデス 」

マリオ「 弟よ、ピーチ姫の出資で俺が主演の映画が受賞作品の候補にすら入ってなかったんだが 」

ルイージ「 いやそら無理でしょアホかよ兄さん 」

柳生但馬守宗矩「 不動に剣心の主演男優りゅうたん「不動に剣心が受賞作品に入ってなくとも我が心は不動 」

オルガ「 オルガを止めるな大ヒット上映中だからよぉ…… 」

市長「 最優秀賞は『金の市長賞』です。ちなみに第一回の受賞作品は『紅の市長』でした。Blu-rayはまだまだ好評発売中です、宜しくお願いします 」

Dr.マリオ「 記念すべき『ケイオス国際映画祭』が開催される→多くの作品を鑑賞しようと世界中から人々が集まる→数多くの名作に人々は心を震わせる→身体は闘争を求める→スマブラの最新作が発売される。しかし… 」

世界が認めた大俳優ニ○リン「俺の作品以外受賞するな(『閃劇のニコリオン』のタイトルを誇張する) 」

はらぺこあおむし「 (映画館のアルバイトをしている) 」

ジョーカー「 (ジョーカー三世 ~燃えよファルシオン~が受賞されるかどうか不安で仕方ない顔) 」

猫「 黙れ小僧!貴様に『猫は黙らない』を超えられるか!! 」

ヒロ「俺が主役で凛ちゃんがメインヒロインの映画は受賞作品に入ってるからな!ちゃんと見ろよ! 」

デイジー「 デキタテノピッツァハイカガ?デキタテノピッツァハイカガ?ピザ屋の大群です!!!ご注文のマリナーラ!ペスカトーレ!!!クーポンクーポンクーポン!!エルボゥ(裏声)!ピッツァ(デスボ)!!!(フードコーナーでピッツァを振り回している) 」

門矢士「おいおい、どこにも『劇場版 仮面ライダーディケイド』のタイトルが見当たらないじゃないか。(記念すべき祭典にタキシード姿で通りすがる) 」

エイヴラハム「(盛り上がりが絶頂に達した会場。歓喜、悔恨の涙、思い思いの表情を浮かべる人だかりの中、ただ黙して最優秀賞を映し出すスクリーンを見上げる男が一人。黒衣にブーニーハッド、銀髪。無彩色が占める中、血のように赤い瞳と首に巻いたスカーフが目立っている)――――映画、フィルム……ああ、懐かしい……。そうか、あれからもう5年、丁度5年か……。今も尚、若き監督達は生まれ、切磋琢磨し、こうして人々の心を掴んで離さない……。映画は、フィルムはいい……何者にも感動は奪えない……(その光景に胸躍らせるように、既に満足げに口元を緩ませ、スクリーンを見上げた) 」

スパイダーマッ「 あえて東映版の映画化を果たした伝説の男!スパイダーマッ!! 」

ったわん「わったん…キルライフの映画…観る!!!……キルライフ…上映していない!!!!わったん、帰る…!!! 」

主演女優賞を逃したユカリさん「ゆかりさんも落ち目だなとかネットでは揶揄されてて頭きますよ!!これにはゆかりさんも激おこ!! 」

主演女優賞を飾ったアカネちゃん「やめないわこの仕事 」

主演男優賞を飾ったSu-Ga官房長官「令和は続きますが私の役目はこれで終わりです。後任の新元号おじさんが誰になるのか、私自身楽しみですね 」

赤犬「 ワシも出る『ONE PIECE STAMPEDE』が近々公開予定じゃけのぉ…!じゃが、火拳のエースはキャストに呼ばれていない敗北者じゃけぇ…!!! 」

ヒロ「なー!!!!ゆかりちゃんは落ち目じゃないよなー!? 」

エース「 ハァ……ハァ……敗北者……!? 」

キルケー「 ハァ…ハァ…敗北者……? 」

出演決定のサボ「やめろエース!(映画に)出るな!! 」

市長「 えぇぇーーー~~~~……皆さま、お静かに、お静かに願いますううううう……間も無くぅぅぅ……ええええ……最優秀映画賞『金の市長賞』受賞作品が発表されますうううウゥゥゥ 」

ウルージ「 おーおー好き勝手放映なさる。(説明しよう!彼の名はウルージ監督!歴代連続アカデミー賞を受賞した伝説の海賊王である!)( ド  ン  ッ  !  !  ! ) 」

のっぶ「 あれじゃな!間違いなく尾張で話題になった名作、『わしの名は』じゃなっ!知ってた! 」

門矢士「チッ…面白くもない。あとでこの祭典は俺が破壊してやる。(ボソッ)……ん?(華やかな光景が広がる中、そこに一人佇む男「エイヴラハム」に視線が定まる) 」

ステイサム「 残念ながら俺の作品はケイオスでは上映されなかったらしい。地球に立ち寄ることがあったらワイルドスピードを見ろ。俺との約束だ 」

結月ゆかり「 ですよねー!?さっすがヒロさん目がまだ正常ですね!大体なんで終始無表情なアカネチャンが最優秀賞なんですか!頭にきますよ! 」

黒ウォズ「 ――――――――祝いたまえ!どうやら、『劇場版 仮面ライダーウォズ』の時代が誕生する!(唐突に門矢士の前で両腕をバッと開くようにして) 」

エイヴラハム「 コツ… コツ… (会場の熱気が上昇し続ける中、いたって平常に、何ら感情の抑揚もなくゆったりとた足取りでスクリーン前のメインステージへ足を運ぶ。偶然その侵攻方向には士がおり……)――――おや。如何されたかな、そのような仏頂面で。一般のお客ではなさそうだ……もしや君も映画関係者だろうか(彼自身が俳優と言い張ってもおかしくない特徴のあるハスキーボイスで問いかける。作ったような、仮面のような笑顔を浮かべて) 」

主演アクション男優賞を受賞した明日のマック氏「ジャンプは苦手だが頑張った!!!!!まる!!!!!! 」

門矢士「お前…誰に向かって言ってんだ?(ジオウ・第14話のように黒ウォズを睥睨する)……あ、あぁ…そう遠くない未来に映画監督になる男だ。覚えておけ…(でまかせの虚言のため、自信なさげに指差す)……(こいつも映画関係者か何かか…?)(彼の進行の妨げになっているのを自覚し、そっとその道を譲るように退く) 」

エイヴラハム「そうかね。まあとても本気とは思えないが覚えておこう、作品を生み出す未来があればな。ああ一つ、"先輩"の戯論して聞き流してくれて構わないがこれだけは教えておこう……(去り際人差し指を立て、替へ向け『正気のない鉄仮面』でこう告げた)――――大衆の求めるのはいつだって娯楽だ。ただのショーだ……そこにあるのは常に悪意だ。覚えておくといい……(そう告げながら、ステージ中央へ歩を進める) 」

ヒロ「ゆかりちゃん可愛い!天使!かわいい! 」

黒ウォズ「 ん……コホンッ(睥睨され咳払いで誤魔化す)おや?きみは……誰かと思えば、か~どやくんじゃあないかぁ!ハッハッハ…聞いたよ。きみの名前が無かったんだって?残念だねぇ、いや実に残念でならない…(某シゲルのような口調で門矢士に) 」

ムスカ「 はい!皆様が静かになるまで三分間かかりました。それでは、今回お迎えいたしましたスペシャルゲストより金の市長賞受賞作品の発表となります。数々のアクション大作を乱した巨匠。5年前謎の失踪を遂げましたがこの日のために再び我々の元へ戻ってまいりました、『エイヴラハム・J・ダンカン』氏です!ステージへ上がりたまえ、三分間待ってやる! 」

門矢士「……(エイブラハムとすれ違う瞬間、世界が一瞬緩やかになる。その一瞬の中で、彼の言葉の真意を汲み取るかのように目を細め、そこで世界は元の速さを取り戻した)あれは…ヒロにゆかりか。あいつらもここに来ていたとはな。 く ど い (黒ウォズを軽く突き飛ばし、メインステージが一望できる場所へと歩み進める) 」

シルベスター・スタローン「 (神妙な表情で客席に座り、スクリーンを見ている) 」

黒ウォズ「 おっと…(門矢士に軽く突き飛ばされ、やれやれというジェスチャー)…どうやら、彼を怒らせてしまったようだ。(いつものトーンに戻る) 」

エイヴラハム「(高級感のある黒いコートを翻しステージ中央に躍り出る)―――――皆様、大変長らくご無沙汰しておりました。随分と、私を心配するお便り等が社に届いていやようで、ポストをパンクさせたことは申し訳なく思っております。弁償に関しては先ほど振り込みました、もし皆様の中に同じくポストがパンクした方がいらっしゃれば仰っていただきたい、修理代は私もちです。(熱気に包まれる会場の最中というのにステージ慣れ涼しい笑みを保ち、ジョークであると言いたげに片手を軽く上げた) 」

エイヴラハム「さて――――最優秀賞の発表の前に、残念ながら平成最後のs買う品としてお送りできなかった私の『最新作』の告知を、この場を借りてお伝えさせて頂きたい。タイトルは『Dark Night』。よくある、いや逆に珍しいぐらいか?よくバッドマンのリメイクはこのタイトルだったか。 ですがご安心いただきたい、この作品はノンフィクションだ。昨今、世間を賑わす『UT2』の一人、夜を舞い、悪を裁く義賊としても有名な『ダークナイト』その人を追ったものだ。 」

門矢士「あいつは…!(ちょうど数分前に擦れ違ったばかりの男が、大衆の視線を浴びているという事実に目を丸くする)あの男、本物の映画監督だったのか。(腕を組んで感心したように、彼のスピーチに耳を傾ける) 」

イベント関係者達「あれ?エイヴラハムさん…?ちょっと台本!台本と違わないですか?」「ちょっと枠足りなくなるんですけど!」「おい誰か止めてこいよ!」(会場の熱気、ざわめきでかき消されているが、ステージの裏側では既に予想だにしなかった告知にスタッフが困惑している様子が遠目に見える) 」

難波「……なんか……雲行き怪しくない?あれ?(しれっと客席に座り、心配げにスクリーンを見ている) 」

黒ウォズ「 ……うん?(スピーチを耳にいれる)……何やら少し、雲行きが怪しくなってきたようだね。(大衆の中) 」

エイヴラハム「私は―――――     キ    ィ    ィ ィン   (脚光を浴びる告知の最中、言葉を詰まらせマイクを介してノイズが会場全体に響き渡った。冷水を浴びたかのように会場全体は沈黙し静寂が訪れる)  エイヴラハムは……  違 ゥ  "私" は。妻の最後』を、真実をフィルムに映し出した…… だが、誰もがそれに目を、耳を傾けなかった……。なぜか?問うまでもあるまい…・    」

門矢士「ッ……?(演説する彼の様子に異変を感じた様に目を細める)……(あの男……いや――――) 」

エイヴラハム「   面  白  く  な  か  っ  た  か  ら  だ  。  (顔面を、さながら自傷で自らを裁くように爪痕を残すほどに指を食い込ませて覆い、その隙間から血走った、光の刺さない乾ききった正気のない瞳を覗かせる。声はノイズ交じりになり、何もかもが不安定に傾き始め……)妻は、我妻パメラは…… 殺されたのだ。見放されたのだ、辱められたのだ……何故か?紛争地帯に喘ぐ人々を救いに向かい、政府の怠慢によって見捨てられた不条理な現実。そんなものは面白くなかった、不愉快だった、ならば彼女を道化にした方がコメディとして数倍愉快だった。お前達があのフィクション作り上げたのだ――――― 」

エイヴラハム「   ゾ    ル    (顔面を引き裂いた傷からは、およそ人の保有する血液を遥かに超える量の『黒い血』が溢れ出、それは瞬く間に床に血だまりを生成していく。顔面が醜く歪むほどに、殺しきれない憎悪を滲ませ嗚咽交じりの絶叫を上げた)殺したのだ!!!!!お前達は!!!!現実を歪め、自らが生きる世界の現実を……不快な、不都合な真実を!!!!フィクションとして編集された愉快な喜劇として受け入れ、それを笑ったのだ!!!!!(その口元は耳元までパックリと引き裂かれていた。溢れる血は畝りを上げ徐々に『鎧』を形作りエイヴラハムを包み込んでいく) 」

黒ウォズ「 これは……『劇場版 仮面ライダーウォズ』などと、ふざけてもいられないようだ。 サッ …ちょっと失礼。きみは支配人でいいのかな?まあ何でもいいや……ヒソヒソヒソ……ただちにお客さんの避難を。…ここは危険だ。(市長に近づき耳打ち) 」

ヒロ「…な、なんだ?ただ事ではないな…? 」

エイヴラハム→Dark Night 「――――告げよう、『最新作』のクラックアップは本日。主演は私ことUT2にして『秩序の箱庭 Dの刻印を持つ愚者』『Dark Night』……否、否否否否否否!!!!お前達の業、お前達が描き出した悪意のナイフである!!!!(かくして、フルフェイスのバイザーで、『偽り』によって顔をで覆い、黒を基調とし赤のラインが走った外殻に身を包む執行者UT2の一人Dark Nightが、祭典の中央に降り立った。額に『D』の文字を浮かび上がらせて)――――デ  ク レ  シェ  ン  ト  …… ッッ(狂ったブリキのように、ぎこちない動作で腕お広げると彼の目の前に鍵盤が浮かる) 」

市長「 (ウォズに対し首を小さく縦に振り頷く)――――えええええ……ケイオス国際映画祭は中止……中止となります……!会場の皆様は職員の指示にしたがって速やかにこの場から離れてくださいいいいいいい 」


きゃあああぁぁぁーッ!!! か、怪物だ…ッ…!!逃げろおおおぉッ!!! うわあああぁぁぁ!! ピッツァーーーッ!!! 逃げるだよおおおお!!!どけええぇッ!!!(祭典の会場は瞬く間に恐怖に包まれ、誰もかれもが叫びながら逃げ惑う)


ヒロ「…………危ない…!(エイヴラハム改めDark Nightを見て、すかさずゆかりの前に立つ) 」


ひ、避難する準備だぁ…! ザッザッザッザッ…どこへ行くんだぁ? お、お前と…ひ、避難する準備だ… 一人用のポッドでか?


黒ウォズ「 (慌てて避難する人達の姿を背に、身を構える)さて………どうしたものか。 」


BGM♪:Kamen Rider Decade OST - Parallel World



門矢士「…"だいたい分かった"。(人々が逃げ惑う最中、"悪意"にその身を包んだDark Nightの前へ悠然と歩みよる)…あんたは言ったよな?大衆が求めるものは「娯楽」… そこにあるのは常に"悪意"だと。確かにその通りだよ。どんな清らかな善人にも、僅かな"悪意"がその心に潜んでいる。ハッピーエンドの希望を喜ぶように、バッドエンドの絶望を憂うこともあるように…」

門矢士「それは…そこにいるのが自分ではない他人だからだ!自分さえよければ、他人がどうなろうと知ったことじゃない。「人の不幸は蜜の味」と言われる様に、な。それこそが人が抱える"悪意"だ。だが、娯楽がそれを肯定するなんてのは大間違いだ!」

門矢士「あんたは妻を殺された。世界がその掛け替えのない愛人を殺したと、アンタは言った。だからその悲しみを、怒りを、恨みを、復讐するかのように、真実を作品に落とし込んで世に広めようとした。だがそれで何が救われる!?それを観た人々が賛同し、アンタは心を満たされるかもしれない。だが、この世にいない「当の彼女」がそれで本当に救われると思っているのか?」

門矢士「…アンタはただ、自分の悲しみを誰かに慰めてほしかっただけだ!そこに彼女の意志などない!一人だけの「娯楽」に酔いしれているだけだ…!(Dark Nightに人差し指を突きつける) 」

Dark Night「――――――(士の突きつける一つの解に対し、ネジを抜かれたブリキの如く関節を軋ませ動きが停止する。動くのは、最早原型を残しているのか定かではない口だけ、鎧越しにくぐもった呻きに近い声を上げた)―――――救ィなど な ィ”…… オォ……怒りだ……我は怒りだ……怒りのみが我が脳髄を焼き焦がす、我が魂に残った唯一の熱なのだ……ッ!!怒りであればいい、我は最早エイヴラハムでさえなィ……真実亡き偽りのこの世を、愚かなりし偽装のフィルムを滅せんとする業火に過ぎん……そうあれと望まれたのだ……ッ 何者だ、何者だ……我が怒りを愚弄せし貴様は……ッ!!!!!!! 」

門矢士「 カ シ ャ ン ッ ! ! (変身ドライバー「ディケイドライバー」を装着) パカ…――ス…(左腰に携行されたライドブッカーの中からライダーカード「ディケイド」を一枚を抜き取る) 」

門矢士「 "通りすがりの仮面ライダー"だ…――― 覚えておけ!! 変身! ――― カ シ ャ ン ッ ! (カードをバックルに装填)\KAMEN RIDE/ ガ チ ャ ン ッ ! (その状態から更にハンドルを押す) 」


BGM♪:Decade | Kamen Rider Decade Henshin Theme



門矢士→仮面ライダーディケイド「 \DECADE !/  カ シ ャ カ シ ャ カ シ ャ カ シ ャ ――― シ ャ キ ィ ー ン ッ ! ! (世界を代表する祭典に、"世界の破壊者・ディケイド"が君臨する)悪意に満ちた日常から解放されるために、誰もが楽しいひと時を味うために娯楽はある!俺は世界の破壊者だ…――― 悲劇から逃げた先が悲劇だというのなら、俺がその"負の連鎖"を破壊してやる!!

ヒロ「……俺も戦うか…援護するぜ(士に) 」


――― Vs. 《秩序の箱庭》 "D" Dark Night ―――


黒ウォズ「 (門矢士の様子を窺い)……とりあえずここは、彼に任せておけば心配はなさそうだ。おや…きみ(ヒロ)も戦うのかい?ならば尚更安心というものだ。私は……避難漏れがないか、隅々まで回るとしよう。(その場を立ち去る) 」

シルベスター・スタローン「 (状況を素早く把握し、客の避難誘導を行う)彼らは任せろ 」

Dark Night「否……否否否否否否否否ッッ!!!!慟哭せよ、言葉など要らぬ、最早言葉など意味を成さぬ!慟哭せよ、慟哭せよ!!そして 死 ね!!!!それのみが我が意義!!我が救い!!悲劇とはなんたるかを、その熱を抱いて届かぬ救いを求めるがいいッッッ!!!!(嗚咽の混じった咆哮を空へ向かって叫ぶと、再び広げた半透明の鍵盤を殴りつけるように弾き、周囲に複数体の『首無しの白い軍服を羽織った男達』が現れ、一斉に銃を構え, ディケイドやヒロを含む民間人へ向け発砲させた) 」

仮面ライダーディケイド「ああ…行くぞ、ヒロ。 ス ラ リ ――― ダ ッ ! ! (ライドブッカー・ソードモードの刀身を手で滑らせ、現れた『首なしの亡霊』たちに立ち向かう)はっ!せやぁッ!!(剣を振い銃弾を弾き落としながら接近していく)せいッ!!(そして軍隊の中へと突撃し、次々と斬り倒していく) 」

シルベスター・スタローン「 伏せろッ!!(そう叫びながら懐から一瞬で二丁拳銃を抜き、椅子を遮蔽物にしながら白い軍服の男たちに素早く正確な銃撃で反撃する) 」

白い軍服の首なし男達「(亡霊のように佇むそれらは隊列を構え、銃口を一斉に民間人へ向ける。その姿はどこか政府軍を彷彿とさせる) BAMG!!!BAMG!!!BAMG!!!BAMG!!!BAMG!!!(弾丸のことごとくはディケイドの剣捌きに弾かれ、瞬く間に斬り伏せられていく) 」

白い軍服の首なし男達「   ゴガギィンッ   (正確な射撃で一発余すことなく急所を撃ち抜かれ倒れ伏し、砂となって消えてゆく) 」

ヒロ「………おう!!(白い軍服の男たちに土弾を放つ) 」

黒ウォズ「 ―――――――――ヨシ!(一方…各所、指差し確認をしてチェックしている) 」

現場猫「 ヨシ!(黒ウォズと一緒に確認作業を行う) 」

シルベスター・スタローン「 (逃げ遅れた観客を強引に伏せさせながら拳銃に弾倉を装填し)全く……目当てはボクシング映画の方だったんだが 」

仮面ライダーディケイド「(亡霊共を一掃した後、Dark Nightへと振り返り) ド ド ッ ド ム ッ ! ! ! (ライドブッカーをガンモードへ変形させ、Dark Nightに銃撃を放つ) 」

Dark Night「 コロ ス ゥ  コ  ロ   スゥゥ (消え行く亡霊達、砂と化したそれらは全てDark Nightの鎧へ吸い込まれて溶け吸収されている。その度に、上ずった狂気に満ちた声を上げ首を右へ左へ、ありえない角度へ曲げ)ゴキンッ!!!!……… 殺 す (首を正常な角度に戻すと、正気を取り戻したのか、それとも完全に狂気に適合したのか、ひどく落ち着いた冷淡な声出そう告げ)――――――  ぐ  る  ん  (上体を異様な角度に曲げ飛翔し銃弾を回避、頭部を逆さに中空を舞一瞬でディケイド・ヒロ・シルベスターの背後へ飛翔していた) 」

黒ウォズ「 ふぅ……大体、こんなものか。(やがて確認作業が終わり) ……あっちはもう始まっているようだね。しかも今回は、かなり派手に。(戦闘の物音を聞き)今はこうしていても始まらない………… ゆ か ね ば ! 」

仮面ライダーディケイド「何ッ…!?(人間離れした挙動に驚きを隠せず、それによって隙が生じる) 」


コ   ッ  ッ    (赤いラインを刻まれた黒球が、Dark Nightの飛翔した後に落下しディケイドやヒロ、シルベスターの足元へ転がった)  カパッ   キュィィィイ……!!!!(それが真っ二つに割れると中枢に高エネルギー体が圧縮されており、絶えず発光して今にも蓄積されたエネルギーを拡散させようとしていた)


ヒロなっ…!?(Dark Nightが背後に飛んでいたのを見て)………あ、あれは…!(土で生成したバットを構える)…間に合え!!!!!(遠くへ飛ばそうと高エネルギー体に向けてバットを振る) 」

仮面ライダーディケイド「――――!(マズい、これは――)―――離れろッ!!(光を帯び始めた黒球を前にヒロを蹴り飛ばし、自らも離れようとするが…) 」

ヒロ「…って何!?お、おい!あんたも離れねえと…!(振り抜こうとした瞬間に蹴り飛ばされ、黒球から遠ざかる) 」


――――――――――― トォォォエェイ!! (今も尚戦っている門矢士一行の後ろで)


シルベスター・スタローン「 吸収されるのか……ただの人間じゃあないのは分かっていたが……ッ!(背後に移動したDark Nightに素早く反応し、装填を終えたばかりの二丁拳銃で迎撃を試みる、が) ……発光体!?逃げろ!!(先ほど伏せさせたばかりの客を抱え、発光体から離れる様に走る) 」


ギュ     オ         ッ    (高エネルギー体が蓄積されたエネルギーを解き放つ。光の球体が直径2m程度に一気に膨張。ヒロを突き飛ばしたディケイド、距離を離したシルベスターの爪先まで迫ったかと思えば、それ以上は退席を広げず、『その範囲にあった質量ことごとくを飲み込んで』急激に縮小し、地に抉り取ったようなクレーターを残した。そこには酸素さえ残っていない)


ヒロ「……………こ、これは……!?(クレーターを見て)…お、俺あれ吹っ飛ばしてたら死んでたぜ… 」

仮面ライダーディケイド「(……!!)……間一髪、というところか。(足先すれすれに抉り取られた空間に息を呑む)…だったら、「これ」だ! カ シ ャ ン ッ ! (バックルにカード装填) 」

黒ウォズ→仮面ライダーウォズ「\ フューチャータイム! ツヨイ!! ジダイ!! ミライ!! カメンライダー ウォズ!! ウォォォォォズ!!!!! / …だいぶ待たせてしまったようだね。(ヒロ達の後ろで凛々しく立ち尽くしていた) 」

ヒロ「……何?いまの永川(トエエエイという叫び声を聞き) 」

Dark Night「  グォンッ (ビルの合間を潜るように蝙蝠が翼を広げたようなカラーリングとフォルムの曾孫ユニット『グライダー』が低空飛行し、Dark Nightの足元で停止する)  ギチ……ギチギチ……  貴様等は兵士のようだ……不快だ、不可解だ。最早己の熱では嘆くことはできまい……ならば――――(首を異様な角度に曲げたまま、先の『黒球』を掌の上で弾ませ、『民間人を避難させた方向』を見やり、口元を引き裂いて微笑んだ)――――ならば怒れ、我に、己の無力に……これは現実だ。誰も助けは来ないという現実だ!我にとって最高の”娯楽”だッッ!!!!!(高らかに宣言すると、Dark Nightを乗せたグライダーは住民達が逃げた方向へ進路を変え滑空し始めた.。例の黒球と共に 」

仮面ライダーディケイド→ディケイド(ファイズ)「 \KAMEN RIDE/ \ FAIZ(ファイズ) ! / \ COMPLETE(コンプリート) ! /ピコピコピコ――― キュピーンッ !(再びバックルを回すと全身が赤い光に包まれ、別ライダー「ファイズ」へと変身する) チャキッ… ! はッ!!(エナジーハンドルブレード「ファイズエッジ」を手に取り、Dark Nightへと斬りかかる)仮面ライダー「ウォズ」か…(参戦した彼を横目に応戦している) 」

仮面ライダーディケイド(ファイズ)「なッ――――!?(斬りかかろうとしたところ、宙へと跳ばれたことで回避され、その攻撃を虚空を斬り払う) 」

シルベスター・スタローン「 ……手榴弾の方がマシだな……(爪先、ともすれば足の裏まで削られかねなかった、"消えた空間"を前に) あの野郎…!奴を止めろ!!向こうは不味い!!(再び身を起こし、Dark Nightに向かって二丁拳銃を連射する) 」

ヒロ「……!こいつ、市民を!!!(滑空したDark Nightを土で生成したボードに飛び乗り、追いかける) 」

仮面ライダーウォズ「…と、その前に……これは一応お約束なんで。―――――――――――祝え!過去と未来を読み解き、正しき歴史を記す預言者…。その名も〝仮面ライダーウォズ〟!新たなる歴史の1ページである!(門矢士達が戦っている最中にも関わらず、戦場のど真ん中で) 」

仮面ライダーディケイド(ファイズ)→ディケイド(ファイズAF)「あいつ…ッ…!(Dark Nightの目論みに気付き、怒りに拳を震わせる)――――させるか! カ シ ャ ン ッ ! (カード装填)\FORM RIDE/ \FAIZ ACCEL(ファイズ アクセル) !/ ピコピコピコ―――ガチャンッ ! (胸部アーマー「フルメタルラング」が展開して肩部の定位置に収まり、身体全体が黒色に変色することで「アクセルフォーム」へと変形する) 」

Dark Night「 さァ…… 怒りか……嘆きか……?なんでもいい、見せろ、我に見せろ……!我がたしなめたその全てを見せろ!!共感だ、共感こそは平等だ、等しく嘆くがいい!!!!(絶えず自らを蝕む嗚咽を発しつつも、戦場を把握自体は可能なのかいち早くグライダーで迫るヒロに反応すし首を90度捻る)   カシャンッ   シュピィィィィ キュルキュルキュルキュルキュ ル  キ  ュ ル (羽の生えた球体、クディッチに酷似したそれを複数手の中に握り、上体をひねって振り向きぎわに投擲。羽は『手裏剣の刃』の役目を担って変形し、異様なカーブをして回転しながら追跡する面々へ襲いかかる) 」

仮面ライダーディケイド(ファイズAF)「タイムリミットは"10秒"だ。その間に止めてみせる! \START UP !/(腕に装着されたファイズアクセルのスイッチを押した直後、空間を超越するほどの超加速で建物や人々、そして無数の刃をも潜り抜けていく)――――(無音の高速世界の中、建物の壁から壁へと伝って移動し、飛翔するDark Nightへと迫り――――)――――せやァッ!!(彼の頭上からファイズエッジを勢いよく振り下ろし、地面へと叩き落とす) 」

ヒロ「……ちょっ…はえーな…!カーブ打ちは得意だ!!!(土で生成させたバットで球体をはじきかえす) 」

仮面ライダーウォズ「これは……厄介な相手のようだ。ならば……… 」

シルベスター・スタローン「(球体を撃ち落とし、かつDark Night本体にも銃撃を加えながら、走って距離を詰めに掛かる) 止まるな!!行け!! 」

仮面ライダーウォズ「――――――――カチャッ!!(ビヨンドライバーに、とあるひとつのウォッチを装填) 」

仮面ライダーウォズ→ウォズ(シノビ)「―――――――――― シノビ!! アクション!! トォォォエェイ!! フューチャータイム!! ダレジャ? オレジャ? ニンジャ!! フュゥゥゥゥゥチャリング シノビッ!! シノビッ!! 」

Dark Night「!! ぬゥ  ァ  ァ ァァぁァ―――ッ!!!(ファイズAFの渾身の一閃の飛来に、咄嗟に身を呈すように腕を交差させる。刃は腕を貫通こそしなかったが、顔面を覆うバイザーに切れ込みを入れ、彼をグライダーから直線状に叩き落とした)オォォ ォ ォ ……!!!おのれ、のれ!!我が魂に痛みなど……――――― ガッッ!!!!!(空中でバク転し体制を立て直そうとするが、シルベスターの正確な射撃によって怯み、加えてヒロが弾き返した手裏剣が型をかすめコントロールを失う)――――――ガシャアアアアァァ…… カランカラン・……(ステンドグラスをぶち破って教会の中へ落下した) 」

仮面ライダーディケイド(ファイズAF)→ディケイド(ファイズ)「\3…2…1…―――― TIME OUT !/(アクセルフォームの時間制限により、元の姿へと戻る)コツ…コツ…お前の悲劇に共感するものか。ス…(教会へと踏み込む中、ライドブッカーからカードを一枚抜き取る) 」

仮面ライダーディケイド(ファイズ)→ディケイド(キバ)「蝙蝠には蝙蝠だ! カ シ ャ ン ッ ! (カード装填) \KAMEN RIDE/ \ KIVA(キバ) ! / フヨフヨフヨ――― ガキィーンッ !(吸血鬼をイメージした夜のライダー「キバ」に変身し、再びDark Nightと対峙する) 」

仮面ライダーウォズ(シノビ)「…あぁっと!祝わねば…またしても、祝わねばなるまい!!(もはや条件反射)……だが、さすがの私も、そこまでの時間はない。―――――――シュボンッッッ(突然姿が消える) 」

シルベスター・スタローン「 落ちたか……(拳銃をホルスターに仕舞い、教会へと向かう) 」

ヒロ「……俺も追いかける…!(ボードに乗ったまま教会に突入、そして…)うらぁ!(教会に入った瞬間Dark Night目掛け、飛び降りたボードを滑空させながらぶつける) 」

仮面ライダーウォズ(シノビ)「―――――― P O N ! ! フンッ!(落下したDark Nightの傍に突如出現し、斬り込む) 」

Dark Night「 ズ シ ャ ア ァ ァ ァ ァ ァァァ………(ガラス片が陽光を乱反射してダイヤモンドダストが如く飛び交い、規則的に並ぶ椅子に挟まれた聖堂の中央通路を、外殻を削りながら火花を散らして倒れこみ滑走。聖母像の前に伏す)カラン……カラン……(窓枠の木片が足元に転がり、つかの間の沈黙がただ過ぎ去る中、呻きをあげながら最前列の椅子の背もたれを杖代わりに上体を起こす)…………。(バイザーは半分が砕け、口がパックリと裂けた事以外は人としての面影がある、屍人のように青白く染まったエイヴラハムとしての顔が晒された) 」

Dark Night「……。…………最早、言葉は通じぬ(協会へ駆けつけた面々に対し、ステンドグラスから差し込む陽光と、聖母像をバッグに対峙した)――――真実など無力な物だ。この世にある物は、ただ認識し得る限りの現実に過ぎない……愉快な現実こそが人々を強く結びつ得ている。故に……この世は偽りと孤独に満ちている………(異形染みた変形もない、魂の燃えかすが死体が言葉を発するような、空虚な存在が語りかけるように囁く)―――だが……それでも……我は怒りだ、我は慟哭だ、どのような現実が立ちはだかろうと……この怒りだけが我が真実に他ならんのだ。最早それしかない……。真実として体感しない貴様等には理解できまい 」

仮面ライダーディケイド(キバ)「夜を「朝だ」と言えば、それは朝になる。真実は簡単に塗り替えられるものだ。アンタの言うとおり…この世界はそうした偽りで塗り固められた、張りぼての世界かもしれない。だがそんな世界でも、アンタの意志はその胸に強く"生きている"。それこそが、彼女が自分の命を落としてでも救おうとしたものだ!

仮面ライダーディケイド(キバ)「人の意志はどんな世界にも生きている!アンタはその意志を、その存在を、感情に身を任せ否定しているだけだ。この偽りの世界の様に、な…。 」

Dark Night「黙れ……黙れ……………………(しきりに、否定、慟哭、それを繰り返すだけの機械であれと、それだけが救いであると主張するようにうわ言が如く否定をk理返す)貴様の言う否定こそが我が意思だ!!何者にも否定できまい!!奪うことも、癒すことも出来ん!!救いさえも不要!!それは我が魂への、尊厳への愚弄に他ならんのだッ!!!!(徐々に、彼に『人』としての怒りが、慟哭が蘇る。だが皮肉にも、それに呼応するように怪物としての彼もまた比例して炎を灯し……) 」


ゾ     ッ      (彼の切なる叫びに呼応するようにして聖母像に亀裂が走り、床は瞬く間に黒く染まる。聖堂全体が彼の心象風景に干渉した暗黒空間へ変貌しようとしていた)


Dark Night「  ォ オ  ォ  オ   オ  ッッ(外殻が砕け落ち、同時に『再生成』を果たす。黒い薔薇が影から這い出て彼を包み、『別の何かを再構築しようとしていた』) 」


―――― 『ドライヴ・オーバーリミッド』 『 偽 装 』 ――――


ギ    ュ    オ    ッ     (宣言された『二つ』の力の行使。それらが混ざり合うと、エイヴラハムの姿は完全に影に、否、黒い球体と化した霧に飲み込まれる)


BGM♪:【PSO2】 マガツ(禍津)戦 戦闘曲 フルバージョン【BGM】



ヒロ「………たとえ真実が意味をなさないだろうが……偽りだろうが、生きないといけないんだよ!理不尽に大切な人を失ったとしても…それは変わらないんだよ! 」

仮面ライダーディケイド(キバ)「だったら直接その"魂"に叩きこませてやる! 行けるか、ヒロ。(彼と肩を並べ、影に染まる黒き物体に武器を突きつける) 」

シルベスター・スタローン「 (教会の入り口から悲し気にDark Night…エイブラハムの成れの果てを見つめ)……本当に残念だ、あんたを尊敬していた……頼んだぞ、お二人さん 」

黒ウォズ「 さて……この本によれば、普通より少し逸脱した少年ヒロは………まあ、なんやかんやあり、かの仮面ライダーディケイドこと〝『門矢士』〟と共闘する事となった。(いつの間にかカメラの前で〝全壊〟のあらすじを語る黒ウォズがあった) 」

エイヴラハム→異端者「(黒球がなんの脈絡もなく溶解し、異形が姿を晒す)  ゾ   ル   ッ   ……(そこに存在するのは最早”人型”という原型以外に人らしさがかなぐり捨てられた”成れの果て”。四肢、胴体の節々が曲線を描いて抉れ、頭部は目や鼻といったパーツのない、ただ慟哭が為にある口のみ。黒い針金が無数に絡み合って形成されたような風体のそれは、”彼自身の血を滴らせ”佇む。相対す面々を前に沈黙を守り動こうとする気配がない) 」

ヒロ「たりめーだろ!!!(ディケイドにそう言いながら刀を黒き物体に突きつける)……なぜ動かない?罠かもしれんが……んなこと考えてる暇はねぇ!(黒き物体めがけて日本刀を投げる) 」

仮面ライダーディケイド(キバ)「…ついに本性を露わにしやがったか。(仮面の中、神妙な顔つきで"異端を顕現する存在"を見つめ、静かに対峙する)……――――― はぁッ!(先行するは、沈黙の破壊者ディケイド。教会に並ぶ幾つもの椅子を抜けるように駆け出し、異端者に殴りかかった) 」

異端者「 グ チ ィ  ン  (ディケイドの拳は一発で異端者の頭部を殴り抜く。なにが起きるわけでもなく、肉を引きちぎり、骨をへし折るような生々しい音が児玉した。首は後頭部が背と接触するまでに完膚なきまでにへし折られ頭部に該当する部位が垂れ下がり、それを追うようにして背が仰け反るが)  キヒ!!!!!  (ナイフで切れ込みを入れるようにして頭部が裂け、そこから覗く赤い歯が笑みを浮かべた)

異端者「HAHAHAHAHAHHAAAAHAAAAAAhhhhh―――――!!!!!!(刹那、嗚咽と奇声を煮詰めて混ぜたような高笑いを上げ、反り返った上体をバネのようにして起こし、ディケイドの振るったそれの『倍速』に匹敵する拳を鈍器の如く彼の頭部めがけ振り下ろそうとした)  ザグンッッツ(タイミングよくヒロの投擲した刀が腕に刺さり軌道がずれディケイドの肩を掠める。だがその余波は床を抉りながら壁まで走り、その先にある聖母子像を完膚なきまでに粉砕した) 」

仮面ライダーディケイド(キバ)「――――っ!?(奇奇怪怪な異端の存在に一瞬動揺し、その隙を突かれるかの如く強烈な反撃が右肩に直撃――――否、幸いにも、ヒロの妨害によりそれは掠り程度で済むと思われたが…)…ッ…!!?(ドシャアアァァーーーンッ ! ! ! !)(その凄まじい余波により、教会の椅子を貫きながら壁に激突する)…くそッ…まともに喰らったら…と思うと、命拾いをしたもんだ。(全身の埃を払いながら起き上がる) 」

ヒロ「……危なかった……やっぱりな、こういう大人しく攻撃を待ってるやつは大抵こうやってカウンターパンチを待ってんだ。……なんとか、命はあるようだな(ディケイドに) 」

異端者「―――――KUKu キヒッ HahahahHAHAhaha hAHAH AHAHhahahhhAHhaha HA Ha(床に打ち下ろした拳には陶器のように亀裂が走り、細かな破片を落とし確実に崩壊へ向かっている。ディケイドの一撃もダメージとして残り、半分千切れた首を揺らして壊れたレコードのようにノイズがかった奇声を繰り返し……) 」

異端者「―――― HAhaha hAHAH AHAHhahahhhAHhaha HA Ha!!!!!!(やがて針金の束のような体の結合が薄くなり、隙間から紅蓮の炎が溢れ出した。肉体は溶解し、ただれ落ちた部位が床へ落ちると瞬く間に灼熱の業火が広がる。『生きる可能性』を捨て、目前にある全てを焼き尽くさんとばかりに)HAH AhahAHH AHHAHhAHAhahahHAHAHHH AH aH HAHhA HAAHhahAH!!!!!!(やがて炎は髑髏を形作り彼自身の背後で同調するように高笑いを発した。一歩一歩、全身に獄炎を纏てディケイド達へ歩み寄ってくる) 」

仮面ライダーディケイド(キバ)→(キバ・バッシャーフォーム)「ああ… 俺が陽動を仕掛ける。その間に切り込め!(ヒロにそう指示するとカードを一枚装填する)\FORM RIDE/ \ KIVA BASSHAA(キバ バッシャー) ! / グルルッ ! (身体が緑色に変化し、「魔海銃バッシャーマグナム」を手にする) ダンダンダンッ ! ! (椅子の陰から魔弾を放ちながら、さらに前段の椅子へと身を翻し少しずつ移動しつつ遠距離攻撃で牽制していく) 」

ヒロ「…………な、なんだ!?あいつぁ!(灼熱の業火を見て)こいつ…死にに行くつもりか……わかった!(ディケイドの様子を見て日本刀を構え、その時を待つ) 」

異端者「―――――ジュオッ ジュ ンッ (体表を覆う高熱がパッシャーマグナムの水分を一瞬で蒸発させ水蒸気さえも消し飛ぶ。だが存在を認知させるに至ったのか首をありえない角度に曲げディケイドを一瞥し)HAhhaaAHAHAHAHAHHAHHahahahahAHh(人が歩く速度のそれと変わりないが、それを上回る速度で広がる炎を纏い確実にディケイドを追い込もうとする。完全に注意をそらしておりヒロには気付いていない) 」

仮面ライダーディケイドキバ・バッシャーフォーム)「ちッ…ならこれだ!! ザッパアアァァアアン…ッ… ! ! ! (バッシャーの力を最大限発揮し、「疑似水中空間アクアフィールド」を展開。水のない空間から津波を引き寄せ、水をも蒸発させるほどの獄炎を纏う異端者へと放つ…――――ように見えた) 」

仮面ライダーディケイドキバ・バッシャーフォーム)「( ニ ヤ リ )――――"今だッ"!!!(異端者の背後で身構えていたヒロに叫ぶ。彼が土で生み出した日本刀は、バッシャーの津波により大量の水分を含んでおり、異端者の灼熱の身体にも届くほど強化されていた) 」

ヒロ「………今か(土煙と同化し、異端者の方まで姿を潜めながら移動する)…でやぁ!!!(異端者の前に現れ、日本刀で斬りつける) ………!?(どうなってやがる…!?心なしか…いつもより力が強く………)(バッシャーが起こした津波による強化に気づいていない)…まさか、お前!(バッシャーの方を見て) 」 」

異端者「  ザ  ン ッ  ッ   (ヒロの穿った一閃は首元から胸にかけて深い切れ込みを入れ、胴体はパックリと割れ狂気を孕んだ笑いがピタリと止まる。それに合わせるように炎は黒く爛れた焼け跡を残し消滅する……)  グリンツ  (―――かと思われた。今度は目に該当する部位がなかった顔に二つの日が灯り、それが顔のような模様を描くと首を180度捻りヒロを一瞥する。黒い腕を『日本刀』へ変形させ、炎を纏った半円の軌跡を描き彼の胴体めがけ凪を振るおうとする) 」

仮面ライダーディケイド(キバ・バッシャーフォーム)→(キバ・ガルルフォーム)「さあな…?(ヒロに対し肩をすくめながらしらを切る)油断するなよ、まだ終わっちゃいない!\FORM RIDE/ \ KIVA GARURU(キバ ガルル) ! / アオーンッ ! (更にカードを装填すると身体が青色に変化し、手にした「魔獣剣ガルルセイバー」を構え特攻する) ザキィンッ、ガキィンッ、ザギャアァンッ ! ! ! (縦横無尽に異端者へと剣を振り抜き、斬撃を叩き込ませる) 」

ヒロ「………………なっ…!(自身に振るわれた刀に気づき、土刀でなぎ払おうとする) 」

異端者「(脇腹に一、背に二、三という斬撃を一瞬の内に浴びそれぞれ殆ど肉体が千切れる程の『致命傷』であるにも関わらず傷口から灼熱を噴き出させることで溶接し維持。軌道がずれるも斬撃を振り抜ききり)――――haha……ギャハ八ハhaHYHAHAHAHAHHAHA!!!!(痛みさえも、何もかもが、憎むべき全てが『悦』とでも言いたげに笑いを吐き散らかすと、火が形を成した目から溶解した鉄が爛れ落ちる)  ギュ  ンッツ!!! (炎眼軌跡を描き上体を半回転させ再び受けた攻撃の『倍の力』『倍の速度』の炎を纏った拳をディケイドへ向け振るう) 」

仮面ライダーディケイド(キバ・ガルルフォーム) → (キバ・ドッガフォーム)「そう来ることは…ぐッ……―――― お見通しだ!!\FORM RIDE/ \ KIVA DOGGA(キバ ドッガ) ! / ガォンッ ! (反撃を受ける直前、即座にカード装填すると身体が紫色に変化する)  ガ  ォ  ン  ッ  !  !  ! (ドッガの強靭な身体で反撃を正面から受け止める) カウンターからの…―――― カウンターだッ!!!うおぁらぁッ!!! ド グ ゥ オ ォ ン ッ ! ! ! (背後から手繰り寄せた「魔鉄槌ドッガハンマー」を振り上げ、凄まじく強力な一撃を異端者の腹部に炸裂させる) 」

仮面ライダーキバ「(異端者を頭上へ殴り飛ばした後、元の姿に戻り、カードを装填)\FINAL ATTACK RIDE/ \KI KI KI KIVA(キ キ キ キバ) !!/ \WAKE UP !!/ ダ ン ッ ――――(右脚の拘束具「ヘルズゲート」を開放して上空へと跳び上がる。発動すると、室内であるにもかかわらず背景は三日月が浮かぶ夜となる)―――― はああああぁぁぁーーーッ!!!(上空へと殴り飛ばされた異端者に、強力なライダーキック“ダークネスムーンブレイク”を叩き込み、床に強く叩きつけた) 」

異端者「 ┣¨ゥッ   (渾身のライダーキックを腹部に喰らい、衝撃は貫通して背まで砕け、床には蜘蛛の巣状に亀裂が広がる)カッ カカツ アァァアアアァaaaAAAAAHHHHHHH!!!!!!!(辛うじて内から溢れる炎と肉体の破片で胴体が両断されないよう維持し)  ォ オ  ン  ッッ!!!  (自らを踏み砕いた足にしがみつき、密着したまま余った腕を、今まで受けた攻撃の運動エネルギー全てを乗算した速度、痛みを火力へ変換させた炎を乗せクロスカウンターを狙ってディケイドの顔面へ拳を穿つ。 その時、ゼロ距離にいたディケイドには炎の放出、反撃を繰り返すたびにより肉体が細く蝋燭のように溶けている事が伺えた 」

ヒロ「…………………なかなかやるねぇ、ディケイド…(斬撃の跡が残った腹部を押さえながら)俺も負けてらんねぇな!(土弾を異端者に向けて放つ) 」

仮面ライダーディケイド「がぁッ―――――(こいつ…すでに限界が…――――)ぐはぁ…ッ…!!!(怨嗟の焔を煮え滾らせる拳が迫る最中、彼の肉体がもはや原形を留めていられないことに気づき、我に返ったころにはパイプオルガンの方へと殴り飛ばされる)ぐ…ぅ……ッ…(強烈なダメージにより強制的にキバの変身を解除される)…これだけ攻撃を叩き込んでも、まだ奴の怨恨は鎮まらない……だが、そのための『鍵穴』は見つけた…!!(瓦礫を振り払い、力なくゆっくりと立ち上がる)…ヒロ、前に俺がお前に言った言葉を覚えているか。 」


確かにそいつは"独り"だ。家族を失い、愛人を失い…その喪失の中でもがき苦しんできた。


だがこの男は、誰にもその悲壮の顔を見せることなく、孤独に耐えながら皆を愛し、そして励ましてきた…誰より強い男だ!


人は生まれてから死ぬまで一生孤独なんてことはあり得ない。生きていれば、必ず誰かと繋がる。俺たちは、そうやって一期一会の出会いから繋がった「朋」だ。


お前にはたくさんの繋がりから生まれた「朋」がいるってことを覚えておけ!!


仮面ライダーディケイド「奴(エイヴラハム)は大切な人との繋がりを絶たれ、その孤独に打ちひしがれている…まるでかつてのお前自身のようにな。だが今のお前は違う。その繋がりを絶たれても、尚…!目には見えない繋がりを、その絆を胸に…孤独と向き合い、そして生き続けることを選んだ!(ヒロのもとへと歩み寄っていく) 」

仮面ライダーディケイド「孤独の闇に囚われた奴の道を照らせるのは、希望の光のお前だけだ…!お前が奴を救いたいと思うのなら… 俺は、そのための懸け橋となってやる!!(ライドブッカーよりカードを一枚抜き取り、ヒロと共に異端者と真正面から対峙する) 」

ヒロ「覚えてるさ、俺の目を覚まさせたあの言葉…今度は、俺がそいつの目を覚まさせる番ってわけだ(ディケイドの言葉に乗るように)……そのカードがその架け橋ってやつかい? 」

仮面ライダーディケイド「ああ、そういうことだ。…お前は全てを救い出す『鍵』となる。だが鍵を差し込むには誰かの力が必要なんだ。…もうわかっているだろ?―――― いくぞ! \FINAL FORM RIDE/ \HI HI HI HIRO(ヒ ヒ ヒ ヒロ) !!!/ (カード装填直後にヒロの背に触れる。すると、ヒロの体に大量の土が収束し、やがて彼を核に大きな刀が形作られていく) ガ ッ ――――(土の巨刀と変身したヒロを両手に握りしめ、大きく振りかぶる) 」

仮面ライダーディケイド「これが…俺とお前の力だ!!ヒロ!!!(カード装填) \FINAL ATTACK RIDE/ \HI HI HI HIRO(ヒ ヒ ヒ ヒロ) !!!/(黄金色のエネルギーを纏う土刀は砂金の如き輝きを帯び始める) 」

異端者「カハッ  ハ……ハハハハァハ……  ハ…… (腹部の殆どが爛れ落ち、骨格と足のみで肉体を維持、残りは自らを包む炎のみ。しかし尚も、一人でも多くを呪い殺さんとばかりの怨嗟を持ってして立ち上がり顔を上げる。叫ばねば、力ある限りこの忿怒を叫ばねばと。だが顔をあげれば、ステンドグラスを介して差し込む黄昏の陽光を背に、大剣を振り上げる世界の破壊者と希望が景生を落とし)――――― 」


―――――――リン ゴーン…… リン ゴーン…………・・・・・・・・ ・  ・   ・   (終焉を告げる鐘の音が何処からか響き渡った気がした)


ヒロ&仮面ライダーディケイド『――― は あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ぁ ぁ ぁ ぁぁ ぁ ッ ! ! ! ! !(黄金の太刀と成ったヒロを、ディケイドが勢いよく異端者へと振り下ろした)』


グ ォ ン ッ ―――――――――― ズ シ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! ! ! (救世主と破壊者が織りなす黄金の『鍵』が、怨嗟の亡霊が奥底に閉じ込めていた『鍵穴』へと届く――――) 」




























―――――――――――――――……














エイヴラハム「―――――(ふと瞬きをすると、彼は果てなく後輩した大地の続く荒野に佇んでいた。くたびれたスーツ、レンズの割れたカメラだけが虚しく西風に揺られている。瞬きをする前とは、それがいつのことだったのかは思い出せない)」 」

エイヴラハム「――――――(腐敗臭が辺りに漂う。死体、死体、見渡す限りの死。スクリーンを介して世界は酷く色褪せてしまう。感情さえも不出来な自己破壊の装置で有るかのように感ぜられるほどに。右も左もわからず、進む先も思い出せないので、彼はそこに立ち尽くした) 」

エイヴラハム「――――――(彼女が救おうとしたのはこんな世界だ。端的に結論を言えば不可能な話だ。これは救われなかった世界、本来等しく救われない人類を救うとすれば、そこには歪みが生じこのような世界が発生する。彼女がやろうとしたのはその歪みを直すことであり、繁栄の代償を否定するに等しかった。だからだろうか、それが何者もにも救われず、排斥されない側にある人間達が酷く下卑た笑いを浮かべている現実があまりにも滑稽で腹の底から笑いがこみ上げてきた。それでも声が出ないのは酷く疲れていたからだ) 」

エイヴラハム「――――――鳥の血に悲しめど魚の血に悲しめず……か(声を与えたかった。救わぬ者全てに、それを救おうとした者に、真実を訴える声を。ただそれだけだったのに……)…………。 」

少年「 クイクイ(何処から現れたのか、彼の膝の丈ほどもない少年が彼のスラッグを指で弱々しく引く。酷く痩せこけ、立っているのもやっととった具合に衰弱していた) 」

エイヴラハム「(自分以外ここには誰も生きていない。そう考えていたのか、くぼんだ目を丸くして少年に一瞥をやる。体力があったなら悲鳴をあげたかもしれない)」 」

少年「――――――(言葉が通じないのか、それとも母国語さえ知らないのか黙したまま一輪の花を差し出す。それを強引に手渡し、彼の手に収まるのを見届けると)―――――。(パメラ、否。彼が知る限りの人の善意という面影を残した笑顔を向け、砂埃を巻き上げた風にさらわれ姿を消した) 」

エイヴラハム「――――(手に残った一輪の花を見つめる。チューリップだ。一輪では目立たないが、確かにそこにある一輪に違いなく、確かにそれは、この荒野に刹那の命を宿していた) 」


―――――何を写しているのか、アルセム国へ取材旅行へ出かけていた私は問われた


咄嗟に『君を見ている』と応える。妻は『目で追うのはやめたの?』と問いを重ねた


今ようやく、意味を理解した。私はレンズを介して見える世界を残したかったのではない


ああ、そうだったな……元より真実など存在しない。ただ、この手の中にある熱こそが……―――








―――――――――――――確かにそこに有る、『想い』に過ぎなかった












異端者「――――――(崩れる。炭が人の形をしてるのか、人がそのまま炭になったのか定かではないが。黒の塊は熱を失い、ただ塵は塵として崩れ消えゆく) 」


――――――――――-……  (某教会。そこには既に異端者の影も形もなく、同時にエイヴラハムという怨嗟の姿もない。ただ、一人の男が自らを燃やし尽くした焼け跡だけが砂塵となって暖かな陽光に溶けて消えるだけだった)


門矢士「 カ シ ャ ン ッ … カ シ ャ カ シ ャ カ シ ャ ――――(バックルを逆転させ、変身を解除する)…「エイヴラハム・J・ダンカン」。あんたの意志は確かにそこにあった。その胸中にあった『想い』…この胸に刻み込んで、覚えておく。 カ シ ャ ッ …(砕け散ったステンドガラスから零れる陽光によって照らされたその静かな教会を、首からぶら下げた二眼レフのトイカメラに納める。そして、それ以上は何も語らず、ヒロたちと共にその場を後にした) 」



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最終更新:2019年07月30日 11:54