概要
- 初登場:1941/12「All Star Comics」#8
- クリエイター・アーティスト:ウィリアム・モールトン・マーストン、他
キャラクター
プロフィール
- 本名:ダイアナ 人間としての名:ダイアナ・プリンス
- 種族・人種:アマゾン族/亜神
- 故郷:パラダイス島・Themyscira(セミッシラ/セミスキュラ)
- ホームタウン:ニューヨーク
- 人間界での職業:(元)大使、(元)政府職員
- 現参加チーム:ジャスティスリーグ(JLA)
- 過去参加チーム:
オリジン
伝説のアマゾネス一族の姫君であり、ギリシャの神ヒッポリテの娘。
ヒッポリテがこねた粘土に神々が祝福することで誕生した。
このワンダーウーマンは、クライシスで粘土に戻ってしまう。
(後に、ゼウスとヒッポリテの間に生まれた娘がワンダーウーマンとなる。)
かつてセミッシラに不時着し、脅威から島を守って命を落としたアメリカ人女性パイロット、ダイアナ・トレバーの名にちなみ、ダイアナと命名される。
さらに母の痕跡を探しに来たスティーブ・トレバーが島に漂着する。彼をアメリカに帰す必要が出る。
成長したダイアナはパラダイスアイランドから外界への親善大使の役目を負い旅立つ。
(アテネが事前に、「男の世界」(島の外の世界のこと)への大使を決めるように指示。数々の試練で選別した結果、ダイアナが大使になった。)
その際、英雄である女性パイロットに敬意を表し星条旗を模したコスチュームを授かり、身に纏う。
ちなみに少女時代のワンダーウーマンも描かれており、これが初代ワンダーガールとなる(スーパーマンにおけるスーパーボーイのような関係)
さらに幼児時代を描いたワンダーウーマンはワンダートットと呼ばれる。
なお、ワンダーウーマン、ワンダーガール、ワンダートットという時間が全く異なるため、決して出会うことがない三人+ヒッポリタ女王の「ワンダー・ファミリー」が一堂に会した話がある。
- "Impossible Tales"と呼ばれるストーリーで、四人が「タイム・アンド・スペース・テレヴィシオール」という機械を通じて、一緒に冒険した。
- 最後は夢オチ。
- 後にアース-124.1というパラレルワールドになり、本来消滅するはずだったが残っている。
能力・技能
飛行能力、怪力、強靱な肉体、アマゾネスに伝わる格闘術(武器術等も含む)を身につけ、
銃弾をもはじくブレスレット、ダイアモンドも切り裂くブーメランティアラ、
捉られた者は嘘がつけなくなる真実の投げ縄を武器に戦う。
New52からはスーパーマン等を筆頭にした怪力系ヒーローとの差別化を図る為か剣を用いる様になる。
透明な飛行機とかも持ってるよ。飛べるのに。
- クライシス前はワンダーウーマンは、大ジャンプは出来るが飛ぶ事は出来なかった。透明飛行機はその名残である。
弱点
矢や銃弾など貫通するものに弱い。
「アフロディーテの法」という、男に手首を鎖で縛られるとパワーを失うというフェティッシュな弱点がある。
装備品
ティアラ
腕輪(「服従の腕輪」Bracelets of Submission)
- ヘパイトスによりイージスの盾から作られた腕輪。
- ゼウスの雷を呼び出す能力付き。
真実の投げ縄
- 捕らえた相手に真実を語らせる投げ縄。
- 応用で精神病の治療も可能。
- あくまでもワンダーウーマンが与えられた神の力(竈の神ヘスティアの「炎のシスターフッド」)を使った能力で、単純に投げ縄の力ではない。
- 敵に利用され自分が縛り上げられる事もあるが、無理に引きちぎることはできない。
剣と盾
- New52以降多用するになった装備。特に名前は示されていないが(デザインもコロコロ変わる)、
剣はスーパーマンの体すらも斬る事が出来る程に高性能で、盾も某A氏の盾の如くかなり丈夫。
鎧
- (そのままでも十分強いが)儀礼的な戦いの場では、鷲を模した鎧を着ることがある。
- もちろん魔法の品である。
透明飛行機
- 飛行能力を持たない設定だった頃に使用していた、透明な飛行機
- その正体は機械生命体で、後にアマゾン一族の居住施設へと作り変えられた
- 昔は白い線で飛行機の輪郭が描かれたが、最近は全く何もない空間にワンダーウーマンがつかまっているように描かれる。
- バイオニック・ジェミーとのクロスオーバーでは、ジェミーが、バイオニックで強化された耳を使って、音を頼りに透明飛行機に乗った。
- イベント限定品で、何も入ってないケースだけの「透明飛行機のフィギュア」が存在する
- 企画倒れになった「DC対トランスフォーマー(仮)」では、透明飛行機がトランスフォームする案が描かれている
エピソード
デニス・オニール
1968年、キャラクターのリニューアルとしてワンダーウーマンがスーパーパワーを無くし、コスチュームを変え空手で戦う展開となった(Wonder Woman #179)
- (象徴としての)コスチュームをなくし、イーチンという謎の盲目の東洋人と働くようになった。
- 空手が有名だが、マシンガンを抱えて戦う姿もあった。
が、反発からあっと言う間に元のワンダーウーマンに戻った(Wonder Woman #204 1973)
- デニス自身が語るところによると「スーパーパワーを持った有名なコミックキャラクターはワンダーウーマンぐらいしかいないのに、そのワンダーウーマンからパワーを奪うのか」と女性権利団体から非難を受けた事が原因だと言う。
- このリニューアルで、売り上げが相当落ち込んだことは確からしい。
- この時期、DCが全体にリランチを行っており、スーパーマン(クリプトナイトを食べても大丈夫など)、バットマン(全体にダークなトーンに変更、アースワンのバットウーマンなどが変更された)などあったが、ワンダーウーマンが一番大きく変わった。
クライシス・オブ・ザ・インフィナイト・ワールズ
- クライシスの終わりに、アース・ワンのワンダーウーマンがアンチ=モニターと戦うが、アンチ=モニターのデスビームを浴びる。
- しかし、アンチ=モニターは弱っていたので、ワンダーウーマンを殺すことはできず、ワンダーウーマンは時間を遡って、ワンダーガール、ワンダートットに戻って、遂にティミスキラの土に戻った。
- 従って、最初のワンダーウーマンは消え、クライシス後の新しい世界に、新しいワンダーウーマン(ゼウスとヒッポリタ女王の子ども)が生まれた。
- アース・ツーのワンダーウーマンはオリンポスに登り、トレバーと結婚。その後(外部からの知らせで地上に降りたものが)邪魔されず、幸せに暮らした。
ワンダーウーマンの殺人
インフィナイトクライシス直前期、ブルービートルを殺したマックスウェル・ロードに激怒し、その首を捻り折って殺害。
- マックスウェル・ロードがスーパーマンを洗脳し、バットマンやワンダーウーマンを強力な仇敵と思い込ませて、ロイス・レーン(の幻影)を襲うように見せたため、スーパーマンが暴走。
- ワンダー・ウーマンはスーパーマンを止めるため、マックスウェル・ロードを真実の投げ縄で縛り、止める方法を教えるように迫る。
- しかしマックスウェル・ロードは、スーパーマンを止める方法は自分を殺すことしかないと言う。ワンダーウーマンは苦渋の末、マックスウェル・ロードの首を捻って殺してしまう。(Wonder Woman #2 219)
以降、悪は殺してしまうべき、という考えを持つようになった。
この場面が何度も何度も、少なくとも10回以上は回想シーンで描かれたため、「首コキャ」と呼ばれ、ワンダーウーマンの持ちネタとしてすっかり定着してしまった。
- マックスウェル・ロードの殺人シーンは、OMACからブラザー・アイシステムを使って全世界に放送されてしまい、みんなが知るところとなった。
シークレット・エージェント
- マックスウェル・ロードの殺人から1年間、人目を忍び、人間のシークレット・エージェント:ダイアナ・プリンスとして活動。
- キルケの呪いにより、ダイアナ・プリンスの時は普通の人間のように傷つくようになった。
- 「ワンダーウーマン」をドナ・トロイが引き受けた。
登場作品一覧
日本語翻訳コミック
- DCスーパーヒーローズ
- キングダム・カム
- バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲイン
- JLA:バベルの塔
- JLA:逆転世界
- ジャスティス・リーグ:誕生 THE NEW 52!
- NEW52 ジャスティス・リーグ
- トリニティ バットマン/スーパーマン/ワンダーウーマン
- ワンダーウーマン:ベストバウト
- ワンダーウーマン:アースワン
- ワンダーウーマン アンソロジー
- ワンダーウーマン:ザ・ライズ (DC UNIVERSE REBIRTH)
- ワンダーウーマン:イヤーワン (DC UNIVERSE REBIRTH)
- 月刊スーパーマン 3号~
ほか
メディア展開
実写映画
演:ガル・ガドット
- バットマンvsスーパーマン: ジャスティスの誕生(2016年)
- ワンダーウーマン(2017年)
- ジャスティス・リーグ(2017年)
- ワンダーウーマン2(仮題)(2019年公開)
実写ドラマ
- ワンダーウーマン(1974年3月12日にABCから放送、1話のみでお蔵入り)
演:キャシー・リー・クロスビー(プロ・テニスプレーヤー)
- 空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン(19759年 ABC)
演:リンダ・カーター
- 紅い旋風!ワンダーウーマン(1977~1979年 CBS)
演:リンダ・カーター- キー局が変更
- 「空飛ぶ~」の続編で、1970年代の現代が舞台
- Wonder Woman(2011年制作・お蔵入り)
演:エイドリアンヌ・パリッキ
アニメ
- Super Friendsシリーズ(ハンナ・バーベラ、1977~1985年)一部ワンダーウーマン主演のパートあり
- ジャスティス・リーグ(2000~2006年 カートゥーン・ネットワーク)
- Wonder Woman(2009年 OVA)
小説
ゲーム
関連キャラクター
ヒーロー
スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンの組み合わせを、「トリニティー」(三位一体)と呼ぶ。
- スーパーマン
- スーパーマンとは、互いに理想主義者でありうまくやっていける関係。
- 一時、恋人だったが、スーパーマンが死んでしまう。
- バットマン
- バットマンとの関係は良くない。
- ワンダーウーマンが理想主義であるのに対し、バットマンは現実主義で、現実的な解決方法と折衷を求めるため。ダイアナからすると「野蛮」に見えることがある。
- 「カル(スーパーマン)は未来を、バットマンは過去を見ている。私(ワンダーウーマン)は今を生きて二人の間の橋となる」
- ヒッポリタ女王
- ドナ・トロイ
- カッサンドラ・サンズマーク
ヴィラン
- 初代チーター(プリシラ・リッチ)
- 二代目チーター(バーバラ・ミネルバ)
その他
- スティーブ・トレバー
- エッタ・キャンディー
- ゴールデンエイジ他で、ダイアナの大学の友人の女性。
- ぶっちゃけていうとデブキャラ。甘いもの大好き。それでもボディー・ポジティブだった。
- 近年は、黒人の女性(デブではない)として登場。軍関係の仕事に就いている。
- ヌビア
- 何度か名前が変わるが、黒人のワンダーウーマン。
- 初期の黒人女性ヒーロー(1973年初出)。
- 最初の誕生の時は、ヒッポリタ女王が捏ねた粘土のうち、薄い色の部分がダイアナに、濃い色の部分がヌビアに、それぞれなった、と説明されていた。
- アレスの下で育てられたため、好戦的とされることもある。
備考
誰がなんと言おうとDCのBIG3はスーパーマン、バットマン、そしてワンダーウーマンである!
しかし、意外なのはBIG3が3人だけで組んで活躍するストーリーが、"Trinity"までなかったことである。
これは、バットマンとの相性が悪いことも原因の一つだろう。
また、ワンダーウーマンは、「~ガール」などメインのヒーローに対しその恋人/夫婦/血縁などでない、初めての独立した女性ヒーローである。
2010年にドラマ化の企画が浮上したが、どの局からも断られて白紙になった。
しかし、NBCが放送を決断した事でドラマ化が始動した。
製作されたドラマのパイロット版はワンダーウーマンのコスチュームや脚本に批判があった。
結局、パイロット版のみでシリーズ化は見送りとなってしまった。
クリエイターのウィリアム・マーストンは心理学でも有名な人物である。
ワンダーウーマンはそんなマーストンの「男は強い女性に支配されたがっているのだ」と言う心理分析から生まれた。
なので実は登場当初からワンダーウーマンは女の子向けのキャラクターではなく、男(それも良い年をした)が対象だったのである。
マートンは、「精神的、肉体的な服従(Submission)こそ、安定した平和な社会に必要不可欠なもの」という信念を持っていたらしく、
これを表すため、ワンダーウーマンは縛られたり、牢に入れられたりなどをされていた。
なおこの信念は、ワンダーウーマンの台詞にも表れている。
注:日本語で言う「S&M」は、英語では「Submission & Dominance(服従と征服)」といったりするので、感覚的には性的な世界を意味している(というかむしろそっちの意味)。
ゴールデンエイジのワンダーウーマンの衣装について、「露出部分が多すぎる」というクレームがついたことがある。
これは肩と脚が露出していたためと考えられる。
ゴールデンエイジの衣装で、下半身に着けているのは「キュロット」といい、スカートに似た衣装だがズボンのように股下がある。
これ以降、「スカート」を戦闘時には着けていないので、ワンダーウーマンは「スカートを穿かない女性ヒーロー」である。
ただし、ミニスカートは穿いたことがあり、またスカート状の衣装(ギリシアの戦士の着るもの)などはある。
なおマートンは、1932年に架空の少女フローレンスと英雄となる少年シーザーの愛-と、S&Mの世界-を描いており、
死後、稀覯本として高値がついている。
最終更新:2019年10月19日 00:37