ナレーション | マクロスフロンティア。 |
本島となるアイランドワンを中心に、居住艦、農業・リゾート艦、工業艦などからなる第5世代型巨大移民船団。 | |
バイオプラントを採用し、大気や水、全ての物質がこの船内で循環し、有機物のその一片までもが無駄なく利用され、 | |
最小限の補給で長距離の航行を成し得る閉鎖系として設計されている。それは言わば小さな地球であった。 |
オズマ | どういうことだこれは?俺に何の断りも無く。見ろ!おかげで停学だ! |
お前をあのお嬢様学校に入れるのに、俺がどんだけ苦労したと思ってるんだ! | |
ランカ | 頼んだ訳じゃないもん!私は歌手になりたいの! |
オズマ | 寝言も大概にしろ!お前みたいな引っ込み思案が歌手なんかできっこないっ!! |
ランカ | お兄ちゃんの…バカっ!バカバカバカバカバカ!! |
オズマ | うっ、待て、ランカ! |
ランカ | バカァ……! |
ランカが投げたもの一覧
トライアングラー(オープニング)
アルト | いいのかよ、ほいほい出てきて。有名人なんだろ、一応。 |
シェリル | あら、私と一緒じゃイヤ? |
アルト | あぁ迷惑だ。 |
シェリル | でも来週にはギャラクシーに戻らなきゃいけないから、チャンスは今日だけ。 |
絶対に見つけたいの。大事な物なのよ、あのイヤリング。 | |
アルト | !? |
学園生 | ホバーブレードなんて航宙科だけでいいのにね。 |
サトミ | でも私はうれしいな。 |
学園生 | でもロッカーに入れないし。 |
学園生 | うわぁ、ここでミシェル君が着替えたりしてるのねぇ。 |
サトミ | キモいよぉ。それにミシェル君の彼女ってゴージャス系のお姉さまばっかりじゃん。無理だって。 |
あ、こっちアルト君のロッカー。 | |
学園生 | 何よサトミ、姫狙いだったワケ? |
サトミ | ふふーん。実はね。 |
学園生 | それこそ無理じゃん。最近1年の子が告白したけど、取りつく島もなかったって話だし。 |
学園生 | あっ。 |
先生 | いつまでかかってるんだ? |
学園生 | …はい。 |
ランカ | アルト君…もう授業始まっちゃってるかなぁ。 |
あ、アルト君? | |
オズマ | ランカ!お前どこにいる!!停学中だってのにっ。 |
ランカ | はぁー。 |
アルト | はぁ~。ん? |
シェリル | 変なとこに携帯入れておかないでよね、スケベ! |
アルト | っく。俺のせいかよ。 |
シェリル | それより、もう一つの心当たりって本当なんでしょうね? |
アルト | お前に嘘ついて何の得がある! |
シェリル | 私と一緒にいられる。 |
アルト | …自意識過剰だ。 |
ルカ | アルト先輩? |
オズマ | ランカっ!あぁ? |
キャシー | オズマ・リー少佐。フロンティア政府臨時安全保障委員会よりお迎えにあがりました。 |
レオン | ですから、バジュラについて詳しく知る人間はこちらで押さえます。 |
メンバーの書類は後ほどお届けします。この件に関しては私にお任せください。ミスター・ビルラー。 |
オズマ | いいかミシェル、隊長命令だ。絶対にランカを探し出せよ。 |
携帯 | メッセージをお預かりしました。 |
キャシー | ランカさん、どうかしたの? |
オズマ | ちょっとな。 |
キャシー | 相変わらずね。私のこともそのくらい気にかけてくれていたら…あっ。 |
オズマ | 終わったことだろ。 |
キャシー | そうよね。昔の話よね。 |
アルト | 駄目だ。担当が非番らしい。 |
シェリル | 何よ任せろって言うから。貸しなさい。その遺失物だか遺品だかの担当には私が話す! |
アルト | やめろって。明日には出社してくるから俺が調べる。 |
シェリル | 分かった。じゃあこれはカタに預かっておくわね。 |
アルト | あ、あぁ!?ちょっ。返せ! |
シェリル | じゃあ取ればぁ? |
アルト | くっ。卑怯だぞ。 |
シェリル | やっぱり手が出ないんだ。 |
アルト | ……。 |
シェリル | 返してあげてもいいけど、その代わり条件があるわ。 |
アルト | あぁ? |
ルカ | やっぱり、ミシェル先輩のところにも連絡来てたんですね。 |
ナナセ | ランカさん停学なんて。私が出場を進めたりしなければ。みんなで探しましょう! |
ルカ | は、はい!探しましょう! |
ミハエル | 悪いけど、俺パス。 |
ナナセ | ええ?心配じゃないんですか? |
ミハエル | やさしいね。ナナセは。 |
ちょっと用事があってさ。人手がいるなら、サボり姫でも使えばいいよ。 | |
ルカ | え?アルト先輩を?あっ! |
アルト | 違う。ランカじゃない! |
ルカ | じゃ誰です?あれ。 |
アルト | だ、誰でもいいだろ。 |
ルカ | あのぉ、ランカさん、学校を停学に。 |
アルト | あぁ!?停学?(ったく何やってんだあいつは) |
うん分かった。見つけたら……。 | |
アルト | 何だよ! |
シェリル | 彼女への言い訳? |
アルト | はあ? |
シェリル | ランカちゃん。付き合ってるんでしょぉ? |
アルト | 付き合って…違う! |
シェリル | へぇ~、違うんだ。 |
アルト | ああ、断じて違う! |
シェリル | でも彼女はいるんでしょ? |
アルト | …いない! |
シェリル | ふ~ん。じゃあ早く行きましょ。 |
ランカ | 『アルト君、助けて。私ミス・マクロスのことバレて停学になっちゃったの。 |
お兄ちゃんは石頭のガチンゴチンで絶対ダメだって言うし。でも、諦めたくないの。 | |
お願い、相談にのって。連絡待ってるから』 | |
アルト | ランカ……。 |
携帯 | 『呼び出し中の端末は、現在電源が切られているか…』 |
シェリル | 置いてくわよアルト。 |
アルト | ッち! |
学園生 | バイバーイ。 |
学園生 | また明日な。 |
ミハエル | 付き合ってらんないよ、あそこの兄弟喧嘩には。 |
学園生 | マジで? |
学園生 | あの子…。 |
学園生 | ミス・マクロスに出てた子? |
学園生 | 彼氏でもいるのかしら。 |
学園生 | セントマリアの子にしちゃ大胆よねぇ。 |
ミハエル | あ、ランカちゃん? |
ランカ | え?ミシェル君! |
アルト | !? |
シェリル | どうしたの?キョロキョロして。 |
アルト | …別に。 |
シェリル | んもう。 |
アルト | そういや、何で分かったんだ?イヤリング。 |
シェリル | グレイス。私のマネージャーの視覚に記録されてたの。 |
アルト | 視覚? |
シェリル | インプラントよ。 |
アルト | あれか。脳みそに機械を突っ込んだりしてる。でも違法だろ? |
シェリル | あら、ギャラクシーじゃ普通よ。 |
アルト | そういや、そっちは整形とかサイボーグも……じゃあお前も? |
シェリル | 私は違うわ。ぜーんぶ生まれたままよ。それもウリの一つだもの。 |
アルト | ……。 |
シェリル | うわあー。あ、あれって。 |
ランカ | 嫌ったらイヤ。お兄ちゃんが認めてくれるまで絶対帰らない! |
ミハエル | でも隊長…お、お兄さん。凄く心配して…。 |
ランカ | もう。 |
ミハエル | ってどこ行くの!? |
ランカ | どこだっていいでしょ! |
ミハエル | これだからお子様は…。でも見つけちゃった以上、放っておくワケにもいかないか。 |
待ってよ!ランカちゃーん! |
シェリル | うわぁーー。 |
海があって、森があって、町は綺麗でスラムもないし。結構いい所ね、フロンティアって。 | |
アルト | 普通の狭っ苦しいドーム型都市船だぜ。別に珍しくもない。 |
シェリル | でもここに来て驚いたの。こんなにいろんな匂いに満ちてるんだって。ギャラクシーは密閉式のケミカルプラントだから。 |
ツアーで他のバイオプラント船にいた時は、オフなんて微塵も取れなかったし。 | |
アルト | いいのかよ。そんな折角の休日、こんな風に使っちまって。 |
アルト | あ…。 |
シェリル | あなた、凄くムカつくけど、気に入ってるところが一つだけあるわ。私をシェリル扱いしないところ。さぁ行きましょ。 |
他の客 | あれシェリルじゃない? |
他の客 | ぜってー違うよ。 |
他の客 | ってアレ。 |
他の客 | うわっホントだ! |
他の客 | やっぱりシェリルだ! |
他の客 | ウソぉ、どこどこ?どこなの? |
他の客 | サイン!サイ~ン! |
他の客 | こっちだこっち! |
シェリル | さて。じゃあ次は? |
アルト | シェリル! |
シェリル | あ、アルト……。 |
アルト | 是非、連れて行きたい所がある。 |
シェリル | え? |
アイランド3 異星生物研究所 |
レオン | 今より19年前に、初めて存在が確認された異星生命体。 |
いえ、あの第117調査船団の生き残りである皆さんには説明は不要ですね。まずはこれをご覧ください。 | |
一同 | ……!? |
オズマ | っく。 |
シェリル | ヒーっ!? |
ゼントラン | ごめんなさいね~。ハハハハハハハ。 |
シェリル | ホントに大きいのね。ゼントラーディの人って。 |
アルト | 初めてなのか? |
シェリル | えぇ。ギャラクシーには一人もいないし、他の船でもマイクローンしか会ったことないから。 |
ねぇアルト。あれは何? | |
アルト | あぁ、あれは。 |
徳川喜一郎 | デカルチャ~だよ人生は~~♪ |
ミハエル | 待ってよ。ねえ、ランカちゃんってば。どこ行くの? |
分かったよ。僕の負け。とりあえず休戦しよう。あっ、お詫びにソフトクリーム奢るから。 | |
ランカ | えっ? |
シェリル | うわぁーーー。でっかー。 |
シェリル | ナニ?ナニ?ナニ?これ。楽しい~っ。 |
シェリル | おとぎの国ね、まるで……来たわ! |
クラン | ん?お前。 |
アルト | はぁ~… |
クラン | 何をしてる貴様! |
アルト | クラン…大尉。 |
クラン | ぉ… |
シェリル | 邪魔しないで!今いいフレーズが浮かんできたの! |
アルト | ……。 |
クラン | ……。 |
ランカ | うわぁーーー。 |
ミハエル | おいしいんだよ、ここの。 |
そういや、何で美星に? | |
ランカ | アルト君に相談しに。 |
ミハエル | あぁ?よりによってあいつに。 |
ランカ | だってアルト君はちゃーんと私の話聞いてくれるもん。お兄ちゃんやミシェル君と違って。 |
ミハエル | 厳しいなぁ。でもさ、これ食べたら帰ろうよ。隊長、本当に心配してるから。 |
ランカ | やだ。お兄ちゃんいつまでも私を子供扱いするし、私に内緒で戦闘機乗ってたりするし。だから私も勝手にするの! |
ミハエル | はぁ。甘えるのもいい加減にしようね。ランカちゃん。 |
ランカ | え? |
オズマ | 俺達が仕留めた死骸を、こんなところに隠して解剖していたとはな。 |
レオン | 死骸、と呼ぶのが相応しいかは議論が必要でしょうね。外殻はバルキリーと同種のエネルギー転換装甲。 |
単体でフォールド可能であり、ミサイル様の物体を個体内で全時生産し続ける。 | |
さらに驚くべきことに、それを制御するには脳と呼ばれる部分があまりにも少ない。いや、ほぼ存在しないと言っていい。 | |
オズマ | 何!? |
レオン | つまり、自ら思考する必要が無いほど下等な生物か、若しくは何者かによって操られているものと推定されます。 |
研究者 | 生物兵器…。 |
レオン | そう考えるのが妥当でしょう。 |
オズマ | ……。 |
ミハエル | 隊長がどんな思いで戦ってるか知ろうともしないでよく言うよね。それに隊長を説得できないからアルトを頼る? |
その程度の覚悟で歌手になろうなんてお笑いだよね?大体さ、ランカちゃん。人前で歌うことなんて出来るワケ? | |
ランカ | 出来るよ!ミス・マクロスの時だってちゃんとみんなの前で…。 |
ミハエル | あの時はね。でも例えば今ここで歌える?誰も君を見ようと、見るために来てないこの場所で。 |
さっき入り口で歌ってた人がいたよね。 | |
ランカちゃんも完全スルーしてたけど、ああいう時でも歌い続ける覚悟って君にあるの? |
クラン | ふぅ、変な奴…。 |
アルト | 呆れるよな。どうしてあんなに。 |
いや、何で人は歌ったり、飛ぼうとしたり、果ては宇宙にまで出てこようとしてるのかってね。 | |
クラン | 馬鹿かお前は。そんなもの。 |
シェリル | そうせずにはいられなかったからに決まってるじゃない。 |
クラン | その通りだ。 |
アルト | そうか。飛ばずにはいられない、か。 |
ミハエル | (歌える?誰も君を見ようとしない、この場所で) |
ランカ | あ!? |
社長 | え?えぇっ!? |
アルト | この声…。 |
シェリル | あら? |
アルト | ランカ。 |
シェリル | へぇ~。もう出てきたんだ。 |
アルト | え? |
シェリル | さっきも言ったでしょ。出てくる子は勝手に出てくるものよ。 |
アルト | へぇー。 |
シェリル | 勝手にね。 |
社長 | ……デ・カルチャー! |
ミハエル | 参ったね、これは。 |
アルト | 歌わずにはいられない、か。 |
レオン | ご覧いただいたように、バジュラはあまりに異質で危険です。ですから…。 |
オズマ | キャシー!おいっ!! |
レオン | ……なぜ。 |
ミハエル | 凄かった。正直驚いたよ。 |
ランカ | はぁー。アルト君のおかげなの。 |
ミハエル | あぁ?あ、噂をすれば。 |
ランカ | あっ、シェリル…さん? |
シェリル | ありがとう。楽しかったわ。 |
アルト | …意外だな、礼を言われるなんて。 |
シェリル | うるさいわね。滅多にないんだから、ありがたがりなさい。 |
さーて、ランカちゃんも何とかなりそうだし、これで心置きなくギャラクシーに戻れるわ。 | |
アルト | あ、そういや、来週には。 |
シェリル | えぇ。さよならライブのチケット送るわね。 |
アルト | しょうがないなぁ。イヤリング、必ず探して持ってってやるよ。 |
シェリル | ……。待ってるわ、アルト。 |
ランカ | あぁ…。 |
ミハエル | ヒュー。 |
ランカ | …うそ。 |
社長 | 君。 |
ウィラン大尉 | こ…こちら……マクロスギャラクシー所属ウィラン大尉。 |
ギャラクシー船団がバジュラの大群に襲われた。至急救援を請う。 |
ダイアモンド クレバス(エンディング)
予告 | ギャラクシー船団が襲撃された。その知らせはアルト達に戻りえぬ道を歩ませていく。 |
次回「バイバイ・シェリル」別れの歌、銀河に響け。 |