Sheryl Nome ~シェリル・ノーム~@Wiki

♯10 『レジェンド・オブ・ゼロ』

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だれでも歓迎! 編集
シン役 ここは反統合勢力の島か。
ミランダ 私は風の導き手。ざわつく風が聖なる廻りを遮って、だから私には分かった。
ミランダ 血塗られた戦人が目覚めると、風が濁る。マヤンの風が濁る。カドゥンが草の裏にすくうようになる。
ミランダ 目が覚めたのなら、早く島から立ち去れ。
シン役 くだらない。俺と一緒にもう一人いたはずだ!
ミランダ …これは。
シン役 触るな。もう一人はどこだ。どこにいる!
ランカ あんた一人だったよ。
シン役 何!?
ランカ 流れ着いたのは一人だけ。
ミランダ マオ。
ランカ あははは。それっ!

トライアングラー(オープニング)

徹子 ではこの鳥の人はシン・工藤氏の伝記を元に映画化した訳ですね。
ミランダ はい。シェリルさんのイメージソングもとても素敵で、クランクインが待ち遠しいです。
徹子 魅力的なサラを期待しています。本年度ミス・マクロスのミランダ・メリンさんでした。

ナナセ なんか悔しいですね。こっちは手渡しのプロモーションしかできないのに。
ランカ でもね、エルモさんが言ってたの。歌ってそもそも人から人へ、口伝えに広められるものなんだって。なんか素敵じゃない?
ナナセ そうですよね。きっといますよ。あのディスクを見て、ランカさんのこと好きになってくれる人が。
ランカ うん。
社長 ランカちゃん!はぁはぁ。ニュースですよ。ビックニュースです!

アルト 映画?
ランカ そうなの。監督さんがね、私のディスクを見て気に入ってくれたんだって。
アルト へぇー、良かったじゃないか。
ランカ でも私、今までお芝居なんてしたことないし、ホントにうまくできるか心配で心配で。
アルト まぁ~無理だろうな。
ランカ あ~やっぱり意地悪だよぉアルト君。こういう時はウソでもできるって言おうよ。
アルト 思わざれば花なり、思えば花ならざりき。
ランカ
アルト 頭で演じようとすれば、必ずどこかに嘘が残る。考えずただひたすらに感じて、その役に成りきれってことさ。
ランカ すごいよアルト君。お芝居のことも分かるんだぁ。
アルト ま…まぁな。どっちにしろ、セリフも無い端役なんだろ。
ランカ それはそうだけどぉ。
シェリル ちょっとアルト!いつまで電話してんのよ!!
シェリル 出番よ!
アルト 分かってる。すぐ行く。
アルト 悪い。軍から広報の仕事がまわってきたんだ。じゃあな。
ランカ う、うん。
アルト っく。何だって親父の言葉なんて……。
シェリル アルト、早く!!
スタッフ 本番行きまーす。
スタッフ はいほんばーん。

ランカ 今のシェリルさん……だよね。
ランカ はぁ。一緒にいるんだ。

レオン で、LAIの技術者の意見は?
レオンの部下 反応速度から見ても、無人機では有り得ないとのことでした。ただ…。
レオン ただ?
レオンの部下 EXギアシステムを使っても、あの出力と運動性には生身の人間は耐えられないだろうとも。
レオン 面白いね。

ランカ うわぁ~すごーい!島がまるごとセットになってる。
ミハエル ようこそマヤン島へ。
ランカ え?あ、どうして。
ボビー SMSが撮影に協力してるのよ。ほら、バルキリー出てくるでしょ、たくさん。
ランカ うわぁうれしい。じゃあもしかしてアルト君も?
ミハエル あいつは別の仕事。いろいろまずいらしくてね。
ボビー さぁさぁランカちゃん、メイクの続きしましょ。おっ?
ミハエル おぉ、主演女優さまのお着きだ。

助監督 ですから、監督がどうしてもこの曲じゃイメージに合わないと。
音楽P でも、もう5回もリテイク出してるんですよ。これ以上は……。
助監督 サラが歌う風の歌は、この作品の要です。
そちらがねじ込んだシェリルの歌を主題歌にするんですから、風の歌に関しては妥協しませんよ!

ミランダ あらぁ、あなたミス・マクロスの。ふ~ん、出るの。役は?
ランカ マヤンの娘Aです。
ミランダ まぁ素敵。私の映画を台無しにしないよう、せいぜいがんばってちょうだい。

シェリル 聞き捨てならないわね。妥協で私の歌が使われるの?
音楽P ……ミス・シェリル。
ランカ えぇ?アルト君?
音楽P だ、妥協だなんて、滅相もない。
シェリル 冗談よ。この映画のために書き下ろした曲じゃないんだから、はまらないのは当然よねぇ。
シェリル 監督さん。なんだったらそのサラの曲、私が書きますけれど?
監督 ……。
助監督 少し考えさせてください、とのことです。
シェリル 必要ならいつでも言ってください。いい作品を作りましょ。
ミランダ シェリルさん!
シェリル あら。
ミランダ あ、あの私、主演の…あ。
シェリル ちゃんと登って来てるのね。
ランカ はい。
シェリル ほらアルト。あんたも何か言ってあげなさいよ。
アルト ……よぉ。
ランカ どうして?
アルト 命令さ。例のこいつのドキュメンタリーもSMSが全面協力とかで。
助監督 失礼ですけど、あなた、早乙女アルトさんでは?
アルト あ、あぁ。
助監督 あのう、映画に出てくださいませんか?
アルト ええ!?
助監督 見ましたよ、あなたの舞台。桜姫東文章の桜姫。
アルト ……。
ランカ 桜姫?

ミーナ あ~ん、美人!
モニカ 本当にこれアルト君なの?
ラム 3年前の公演です。桜姫東文章。
キャシー 歌舞伎の演目の中でも、屈指の濡れ場がある作品で、彼が演じた桜姫は、いまだ多くのファンを持つそうよ。
ミーナ もったいなぁい。それがどうして戦闘機パイロットに?
キャシー さぁ。いろいろあるみたいよ。彼にも。

社長 お願いします。あなたが出てくれれば、ランカちゃんの出番を増やしてくれるそうなんです。
立ってるだけでいいそうですから。どうか~。
アルト 勘弁してくれ。俺はもう芝居はやめたんだ。しかも女装なんて……。
ミハエル 逃げんのか?
アルト ち、違う!
ミハエル ランカちゃんのためだぜ。それに、その方がお前も楽になるんじゃないのか?いろいろと。
アルト 分かったような口を利くな!
ミハエル はぁー。

ランカ 驚いたぁ。アルト君が歌舞伎のおうちの跡取りだったなんて。
シェリル そう?私は知ってたけど。触れられたくないみたいだから、突っ込むのをやめてたけど。有名人よ、嵐蔵・早乙女は。
ランカ ルカ君も?
ルカ 一応、先輩家を継ぐのが嫌で、お父さんと大喧嘩してパイロットになったらしいって。
ランカ そうなんだ。
ルカ ランカさん?
ランカ えぇっと。ちょっとね。
ルカ あぁ…。

助監督 どうした?
スタッフ シーン47で問題が……。主役の彼、水中撮影は契約に入ってないからやらないって。
助監督 なに!?で、監督は?
スタッフ あぁさっき釣竿持ってウロウロしてましたけど。
助監督 マオ役のユウちゃんも遅れてるし、この撮影呪われてるのかぁ。
スタッフ カドゥンの呪いっすかね?
助監督 馬鹿言ってないで監督探してこい!
スタッフ あ、はい。
アルト おい、あんた。
助監督 はいはい、今度は何!…あ!?

スタッフ 急いでください。もう撮影が……。
運転手 あぁ?
スタッフ うわぁああ!

ランカ うわぁーー。綺麗ー。
監督 おぉ!

レオン 約束どおり、監視はつけてませんよ。
グレイス これが問題のバルキリーとバジュラに関して、我々が知るデータだ。
レオン 引き換えに、こちらは何を。
レオン なるほど。頂いた情報が真実という保証がない限り、何も約束はできませんが。
グレイス フ。この船はエデン原産の生物、ヒュドラを移入していたな。
レオン それがどうか?
グレイス いずれ分かる。バジュラの本当の恐ろしさをな。

ランカ え?




助監督 アクション!!

ルカ これが最新のVF-25。
子供たち うわぁ。
子供たち すげぇ。
子供たち かっこいい。
ルカ 撮影後、CGでVF-0に加工されちゃうんだけどね。
アルト おいルカ。ランカは見なかったか?
ルカ ランカさんなら岬の方に。
アルト 分かった。
シェリル でぇ?結局女装するの?
アルト 断った。
シェリル なぁ~んだ、残念。せっかく伝説のお山(女形)が見られるかと思ったのに。
ボビー ンフフ。
アルト その代わり、水中撮影のスタントを引き受けてきた。シンの代役だ。
ルカ それって、シーン47のことですか?
アルト あぁ、そんなことを言ってたなぁ。
ルカ 大胆ですねぇ。
シェリル 何が?
ルカ キスシーンがあるんです。マオと。
アルト …ええ!?
ルカ あ、先輩まさか知らずに……。
アルト ……知ってたさ。
シェリル へぇ~。じゃあ、するんだ。キス。
アルト ……。なんてことないだろ。キスぐらい。

助監督 えぇ!?本気ですか?
監督 うん。
スタッフ 大変です。ユウちゃんの乗った車が。

ランカ はぁはぁはぁはぁ。あぁ!
ランカ やだ……誰か。あ、いやぁぁぁぁーーーー!!
アルト !?ランカ。
ランカ !!
ランカ アルト君……。
アルト &ランカ うわぁぁぁーーーー!!

ランカ イヤ…。死んじゃう。お兄ちゃん。イヤぁ。
アルト 誰だ!
ブレラ ブレラ・スターン。
アルト ブレラ……。

ランカ ん……。
アルト 目が覚めたか?
ランカ 私……あ!いきなりヒュドラに。どうして?
アルト 覚えていないのか?
ランカ あっ……もしかして。
アルト あ、いや、俺は……。
ランカ ありがとう。いつも、助けてくれるんだね、アルト君。
アルト ……。

アルト 涙を拭けよ。みんなが見てるぞ。
ランカ うん。
ルカ あぁ!来ましたよ。
アルト &ランカ
社長 ランカちゃん。ニュースですよ。ウルトラスーパービックニュースです!

ランカ 私がマオ!?
社長 しかも、ランカちゃんが歌っていた歌を、メインテーマとして使いたいって。
ランカ えぇ!?
アルト 良かったじゃないか。これで……。
アルト 待て。お前がマオ役ってことは、俺とお前が……。
ランカ え?
アルト キス……することに……。
ランカ キスって……エェーーーー!?

グレイス 疑われるような行動は禁じていたはずだ。お前は過去を取り戻したいのだろう?なら二度と勝手な行動はするな。

助監督 気をつけろよ!
ボビー どうしてすぐ引き受けないの?アルトちゃんとキスするの、イヤ?
ランカ ……。

シェリル まだ決心ついてないみたいね。
アルト 仕方ないだろ。事が事だし。
シェリル そう言うアルトはどうなのよ。
アルト え?

ランカ 怖いんです。私にできるのかなって。キスのことも、お芝居のことも。私、マオのことよく分からなくって。
ランカ お姉さんが、サラが好きになった男の人のことを好きになって、それで自分から…キスまでしちゃって。
ボビー まだ本気で恋をしたことがないのね。ランカちゃんは。

アルト 俺ならやれるさ。
シェリル そうよね。大したことないものね。キスなんて。
アルト あぁ。でも、あいつにはきっと……。
アルト シェリル、お前……。
シェリル フフ。本気にした?フフフフ。やだぁもう。何をマジになってるのよ。
自分で言ってたじゃない。キスなんて大したことないって。
アルト ってシェリル、てめぇ!!
シェリル アハハハハハ。

ランカ ……。
ボビー ランカちゃん?

ランカ 監督、やらせてください。私にマオを!

ランカ あぁ!っぱぁ。
アルト 本当に、いいのか?
ランカ 今なら分かる気がするの。マオの気持ちが。
助監督 ではシーン47、カット11。アクション!

アルト んん!?
ランカ シン。お姉ちゃんのこと好きなの?私を見て。私だって、あなたのことを……。

オズマ 因縁か。お前がドクターマオの役をやることになるなんてな。

シン役 聞こえるよサラ。君や、そしてマヤンの人々の歌が。
ランカ やっぱりシンは、鳥の人ね。

アイモ~鳥の人(エンディング)

司会 それでは出演者の方々にご挨拶いただきましょう。まずは主演のミス・ミランダメリン。
司会 そしてマオ役を射止め、フレッシュな歌声で我々を魅了してくれた、ミス・ランカリー。
シェリル 答えてあげなさい。
ランカ え?
シェリル みんなあなたを呼んでいるのよ。
ランカ え?
監督 昨日までの君は何者でもなかったが、伝説は今ここから始まる。
アルト (おめでとう、ランカ)

予告 スターダムへ登り始めるランカ。だがその道は、アルトたちとの距離を広げていき……。
次回「ミッシング・バースデー」戸惑いの歌、銀河に響け。

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