最新作「噂のモーガン夫妻」で浮気夫を好演 ヒュー・グラントさん
(世界的ロミオ俳優。演技なのか地なのか。)
自分も結婚はするべき、と思ってはいるよ
3年ぶり6度目の来日。「売れていないころから応援してくれいる、日本のファンには特別な思いがある」と、ヒューさん。
3月12日から公開の映画「噂のモーガン夫妻」のプロモーションのために、ラブコメディーで人気の、英国人俳優ヒュー・グラントさんが来日した。映画撮影時の裏話のほか、モテモテのプライベートについてもジョークを交えて語った。
「浮気したけど、妻が好き」という気持ちはよくわかる
Q. 最新作「噂のモーガン夫妻」の脚本はヒューさんのために書かれたそうですが、あなたが演じたキャラクター、ポール・モーガンは自身と似ている部分はありますか?
A. 共通する部分はたくさんあります。たとえば、この映画を通して、ポールは妻に一生懸命謝っていますよね。僕もそうした経験はたくさんありますから、彼の気持ちはとてもよくわかる。それに、彼は非常に成功している弁護士なのに、自分の仕事をあまり重視しておらず、とても軽く扱っています。そのあたりも共通していると思います。
Q. ポールは優しいけれど、ちょっとダメ男な部分もあります。そのひとつが、浮気がばれた後、おわびにやたらプレゼントを贈りつけることだと思いますが、ヒューさん自身のプレゼントにまつわるエピソードを教えてください。
A. 僕自身はあまりプレゼントを贈るタイプじゃない。プレゼント上手ではないんです。でも、ときどきプレゼントを贈るのがとても上手な人っていますよね。(共演の)サラ・ジェシカ・パーカーがまさにそうで、サンドラ・ブロックも上手だった。僕が思うに、女性とゲイ男性はプレゼント上手が多いような気がしますね(笑)。
Q. これまでもらったプレゼントで最もうれしかったものは?
A. いちばんうれしかったプレゼントは……。なんだろう。なにをもらってもうれしいんですよね。そうそう。イギリスの熱狂的な女性ファンのひとりに、まだ一度も会ったことがないのに僕と付きあっていると思い込んでいる人がいるんですが……。彼女はすごくお金持ちらしくて、とても高価なものをたくさん贈ってくれるんです。もし僕に品格があるなら、それらは返却すべきなんでしょう。でも、けっこう気に入っているんで、もらったままです(笑)。
Q. 「噂のモーガン夫妻」は夫婦のストーリーですが、ヒューさんご自身は独身ですよね。何歳までに結婚したいとか、結婚について考えていることはありますか?
A. たぶん、結婚すべきなんだろう、とは思っています。でも、大人になってからいろいろな女性と付きあってきて、その経験から結婚するということがどういうことか、だいたい想像がつくんですよね。絆(きずな)を深めたい、一緒になりたいという気持ちはあるんだけど、やはりその一方で自由でいたい、独立していたいという気持ちもあって、常に二つの思いが戦っている状態。これは女性も同じなんじゃないかな。
Q. ポールの「浮気したけど、妻が好き」という気持ちは、理解できますか?
A. すごくよくわかります。男性は浮気などの裏切り行為があったとしても、パートナーや奥さんを愛していないわけではないんです。ただ、それが女性にはなかなかわかってもらえないことが多いですよね。
Q. 逆に、女性の浮気は許せますか?
A. 絶対許せません。
Q. リベンジしますか?
A. イエス!
Q. 映画では都会派のヒューさんとサラ・ジェシカが田舎暮らしをするところも、見どころのひとつ。もし、田舎で電話やインターネットもできない生活をしなければならなくなったら、どうしますか?
A. 実際、この映画の撮影の最後の2週間は、ホテルもないような本当に小さな町での撮影だったんで、みんなでトレーラー暮らしをしたんです。おっしゃる通り、私とサラ・ジェシカはふだん都会暮らしの甘やかされた生活をしていますからね。これは大変なことになるんじゃないか、と思っていたけれど、実際やってみたらとても楽しかった。みんなと一緒に食事をしたり、学校の体育館でシャワーを浴びたり。古きよき時代を体験できましたよ。
Q. 特にクマに語りかけるシーンは大爆笑してしまいましたが、クマとの共演はいかがでした? いい演技をするために、なにか工夫はしましたか?
A. 前の晩に一緒に夕食に行きました(笑)。そして何度かリハーサルもした。彼もやっぱり演技に対する動機づけが欲しかったみたいなので、一緒に役作りについて話し合いましたよ(笑)。
Q. 最後に日本のファンにメッセージを
A. 日本のみなさん、ぜひこの映画を見てください。そして楽しんでいただきたいですね。
「噂のモーガン夫妻」
2010年3月12日(金)からTOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ
エンタテインメント
公式サイト:http://www.uwasa-no-fusai.jp
(2010年3月3日 読売新聞)