眠ったはずのあなたは、いつの間にか知らない場所にいる。
そこはまったく見たことのない世界かもしれない。
あるいは、どこかで見たことがあるような世界かもしれない。
いずれにせよそこは、あなたにとって悪夢そのものとなるだろう。
生きて帰りたくば、己の心を持って抗う他なし。
〇世界観概要
PCたちは、これまで普通の生活を送ってきた、正真正銘ただの学生です。
しかし彼ら、彼女らは、ある時機から奇妙な現象に悩まされ始めます。
深夜0時に突然やってくる、強烈な睡魔。
そして、必ず見る悪夢。
不思議なことに、いつも悪夢から覚めると、時刻は0時のままです。
まるで、その間は時間が止まっていたみたいに。
奇妙な現象はまだ続きます。
PCたちは悪夢の中で、同じように悪夢を見ているという、同じ境遇のPCと出会うことになるのです。
最初は半信半疑だった者も、続くこの現象に、理解せざるをえなくなります。
自分たちは、同じ時間に同じ悪夢を見ているのだと。
やがて、その時はやって来ます。
徐々に現実感を増した悪夢は、やがて現実に取って代わるでしょう。
PCたちは、力を合わせて悪夢から抜け出さなければなりません。
〇世界観補足
悪夢発生の理由や細かな背景については特に定めません。必要であればSDが決めてもいいですし、自由に設定確定してもいいでしょう。
もちろん、特に決めなくてもゲームの進行には問題ありません
〇ゲームの目的
PCたちは協力して悪夢からの生還を目指すことになります。
その方法は様々です。
巨大な化物を打ち倒すことかもしれませんし、危険な迷宮を突破することかもしれません。あるいは、発生する悲劇を突き止めて阻止することかもしれません。
悪夢がどのような背景、構造を持つかによって、達成すべきM*も変化します。
いずれにせよ、悪夢から生きて戻るには、全員の協力が不可欠です。
〇悪夢とは
悪夢は時代背景を問わず、様々な形でPCたちの前に姿を現します。
それは中世の陰鬱な迷宮かもしれませんし、怪物に怯える寂れた村かもしれませんし、連続殺人事件が続く雪の山荘かもしれません。
〇歪の塔
その歪(いびつ)な概観のままに、「歪の塔」と呼ばれている建造物です。
完全にもう一つの現実となった悪夢に、それは現れました。
PCたちは、この塔を階層ごとに順番にクリアしていかなければなりません。
ひとつの階層にはいくつもの扉が存在し、それぞれがその階層ごとに定められたシナリオランクの悪夢に通じています。
悪夢をひとつでも突破しない限り、上の階層への螺旋階段は現れません。場合によっては、強大な悪夢の影響によって階段が封印されている場合もあるでしょう。
PCたちは到達可能な階層の扉を自由に開けて、塔を攻略していくことができます。
〇目覚め
ひとつの悪夢を突破すると、PCたちは現実で目を覚ますことができます。
ただし、根本の悪夢を打ち払わない限り、近いうちに再び悪夢は訪れるでしょう。
〇基本法則
悪夢の中は、基本的に現実の地球上と同じ物理法則が通用します。
ただし、それが捻じ曲げられることも多くあります。悪夢の中では、物が音もなく浮遊していることがあるかもしれませんし、たった今入ってきたドアが消えることがあるかもしれません。あるいは、骨だけの死者が動いて襲ってくるかもしれませんし、文字通り、悪夢のような姿の化物が蠢いているかもしれません。
もちろん、悪いことだけではありません。PCたちのペルソナは、物理法則によらず具現して、力になってくれることでしょう。
これらの法則を、ファンタジー法則と呼びます。
ファンタジー法則は、悪夢を構成する事物、およびペルソナに適用されます。
ファンタジー法則は、ほとんどの場合一時的、あるいは限定的な法則です。魔法の炎は(何にも燃え移らなければ)やがて消えますし、魔法で生み出された光は現実の光と変わりません。残念ながら、ゾンビのような元気に動く死体も作り物ではなく、現実的な死体が動いているものなのです。もちろん、倒しても光になって消えてくれたりはしません。
SDはファンタジー的な存在、現象を除く全てに対して、基本的に地球上と同じ法則を適用してください。
〇悪夢の中におけるペルソナの扱い
前述のとおり、悪夢の中は現実的な物理法則によって支配されています。
状況によっては、PCたちのペルソナが明らかに奇異に映る場合もあるかもしれません。
そのような場合でも、原則として、悪夢の中の登場人物たちは反応することはありません。明らかにPCたちの髪や肌の色が悪夢の世界観とマッチしていないのを、気に留められないのと同じことです。
最終更新:2009年11月23日 20:09