○当DICのコンセプト
このDICは、以下の点を重視して作られています。
- 自由に設定を組み込みやすいこと
- SDが裁定しやすいこと
- 物語が自然と生まれやすいこと
- ゲーム開始のための準備時間が少なく済むこと
○冒険者について
冒険者とは、ファンタジー世界を自由に冒険する者たちのことです。スーパーマンではありませんし、英雄でも勇者でも伝説の戦士でもありません。この世界に生きる、ただの人間の一人です。
その立場も、冒険の動機も様々です。お金のため、名誉のため、あるいは何かしらの使命を持った者もいるかもしれません。
そんな彼ら、彼女らの運命は、互いに関わりあうことによって複雑に変化していきます。
そして、幾多の運命を重ねるにつれ、彼ら、彼女らの中から英雄や勇者が生まれるでのす。
○運命について
各PCは、それぞれ運命値というステータスを持っています。運命的な事件が起こるたびに、この数値は減っていくのです。
数値が0になった時が、そのPCの冒険者としての終わりです。それは劇的な死かもしれませんし、目的を果たした結果かもしれません。たとえ半ばで倒れても、その運命をまた、誰かが引き継ぐことでしょう。
結果としてこのDICでは、PLは複数のPCを順に扱っていくことになります。
○設定について
A-DIC冒険群像劇の世界設定は、「ファンタジー世界である」というあいまいな設定をベースとして、SDやPLの設定確定によって、いくらでも増やしていくことができます。この時の基本ルールは、「矛盾がないこと」と「参加者が納得すること」。そして何より、「ゲームを楽しくするためのものであること」です。
○デーモン
このDICにおいては、SDは自由に特徴を組み合わせて敵モンスターを作成することができます。
時には、自然界の常識からすればあまりに異質なモンスターを登場させたいこともあるでしょう。このとき、複雑な背景設定を作成しなくても済むようにするための設定が、デーモンです。
デーモンは、異世界より這い出してきた異形の存在であり、人々の噂や恐怖をもとに、様々な形を取ります。動物にも植物にも巨人にもなりえます。あるいは、デーモンの影響を受けて動植物が変化したということでも構いません。どんなとんでもないモンスターであっても、「デーモンだから」「デーモンのせいだから」のひと言で済ませることができるのです。
もちろん、この設定を使うかどうかは自由です。
○エーテル
エーテルとは、このファンタジー世界に存在する「魔術の素」です。
この設定もまた、魔術がなぜ存在するのか? という問いに対して「エーテルがあるから」とだけ答えれば済むようにするためのものです。もちろん、エーテルでなくて、マナでも精霊でも構いません。
○基本法則について
この世界では、デーモンの存在やエーテルによる魔術を除き、一般的な物理法則を基本法則として適用しています。その場で意見が分かれたり、SDが迷ったりした場合は、より一般的な物理法則として妥当な方を適用してください。
○SDによる差異
Aの魔法陣はもともとSDによる違いが出るゲームです。このDICでは、自由に設定確定ができる余地が大きい分、さらにSDによる違いが顕著に現れるでしょう。
基本的にこういったカラーの違いは、歓迎すべきものです。他者の楽しみを奪わない範囲で、積極的に出すべきものでしょう。
○矛盾する設定について
設定確定のルールとして、「矛盾がないこと」というものが存在します。ですが、注意しても認識のずれや相談不足によって、意図せずに矛盾が生まれてしまうことはあります。また、それまでのセッションで確定された、すべての設定を記憶しておき、矛盾をチェックするというのも不可能な話でしょう。
参加者は、この矛盾するかどうかというチェックを、それほど厳密に考える必要はありません(もちろん、矛盾しないに越したことはないですが)。
意図せずに生まれてしまった、矛盾した設定については、それをローカルな設定として考えてください。大切なことは、その場の全員が一緒に楽しめるかどうか、ということです。
○計算上の、小数点以下の扱い
特に表記がない限りにおいて、四捨五入するものとします。
最終更新:2010年06月10日 23:36