539 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/29(木) 19:26:04 ID:???
一方、双子山。
一方、双子山。
―――ヒュルゥゥゥゥン ・ ・ ・ ・ ・ バサっ!
「時田主任、JA-2切り離し完了したそうです。現在、パラシュート展開、降下中。
予定通り須雲川に着地後、セーフモードで起動予定だそうです」
「セーフモードだって?」
「なんでも新しくつけたそうですよ。昔のOSへのオマージュで、起動と安定最優先のモードらしいんですが」
「・・・・・・」
予定通り須雲川に着地後、セーフモードで起動予定だそうです」
「セーフモードだって?」
「なんでも新しくつけたそうですよ。昔のOSへのオマージュで、起動と安定最優先のモードらしいんですが」
「・・・・・・」
かつて自分も第一研究所でもまれていたが、果たしてその時の自分にここまでの発想力があったか。
わずかながら、自分の発想の弱さを反省する時田。JAのような大型ロボに必要とされるのは何も技術力だけではない。
わずかながら、自分の発想の弱さを反省する時田。JAのような大型ロボに必要とされるのは何も技術力だけではない。
―――ピピ
『時田主任、エヴァとパイロットが到着しました。NERV指揮車両前で作戦の最終確認を行います。至急お越しください』
スピーカーからNERVオペレータの声が聞こえてくる。いよいよエヴァ、JAがそろって作戦に臨むときがやってきたのだ。
「パイロットも一緒に作戦確認するんですよね?」
「だろうな」
「じゃ、いよいよエヴァのパイロットとも顔合わせ、ということでしょうか。どんな人なんでしょうね、一体」
「あぁ、何もかもが謎だったからな。エヴァンゲリオンは」
「だろうな」
「じゃ、いよいよエヴァのパイロットとも顔合わせ、ということでしょうか。どんな人なんでしょうね、一体」
「あぁ、何もかもが謎だったからな。エヴァンゲリオンは」
汎用人型決戦兵器、エヴァンゲリオン―――まだ時田は、諜報資料と、先のJA救出の際にしかその姿を見たことがない。
誰が、どのように操縦しているのか、そして、どのような原理で動いているのか。本当にATフィールドを展開できるのか。
同じ大型ロボットを作る技術者として、エヴァに対する科学的興味もつきない。
誰が、どのように操縦しているのか、そして、どのような原理で動いているのか。本当にATフィールドを展開できるのか。
同じ大型ロボットを作る技術者として、エヴァに対する科学的興味もつきない。
540 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/29(木) 19:31:41 ID:???
指揮車両前には、ホワイトボードが置いてあり、リツコとミサトが何かを話し合っている。
指揮車両前には、ホワイトボードが置いてあり、リツコとミサトが何かを話し合っている。
「葛城作戦部長、ただいま到着しました」
時田と加藤が軽く敬礼をする。
「いえ、貴方方は軍隊ではありませんから、敬礼は不要です。今までどおり、楽にしてかまいません」
「ご配慮ありがとうございます」
「それより、JA二号機がこちらに到着したようですね」
「えぇ、今起動に入っています。まもなくこちらに移動する予定です」
「そうですか。では、時間がないですので、ヤシマ作戦の最終確認を行いたいと思います」
「ご配慮ありがとうございます」
「それより、JA二号機がこちらに到着したようですね」
「えぇ、今起動に入っています。まもなくこちらに移動する予定です」
「そうですか。では、時間がないですので、ヤシマ作戦の最終確認を行いたいと思います」
時田や加藤のほか、戦自の責任者、NERVの技術課長たちが集まる。
「まず、NERV職員には不要ですが、パイロットの紹介をしたいと思います。シンジくん、レイ出てきなさい」
指揮車両の隣の車両から、やや華奢な影が二つ。まるで子供のような・・・
子供??
時田たちの目に飛び込んできたのは、ぴっちりとしたウエットスーツのようなものを着込んだ二人の少年少女であった。
そして。
そして。
「き、君は・・・あの時のっ・・・!?」
「あ、時田さん、お久しぶりです」
「あ、時田さん、お久しぶりです」
ぺコンと頭を下げるシンジ。思わぬ人物の登場に驚きを隠せない時田だが、間髪いれず、ミサトは説明を続ける。
「彼ら二人がエヴァを操縦します。狙撃担当は初号機専属パイロット、碇シンジ、おとり役担当は零号機専属パイロット、綾波レイです」
541 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/29(木) 19:33:07 ID:???
まさかパイロットが、この少年少女たちとは思っていなかった二人。一瞬混乱する。
まさかパイロットが、この少年少女たちとは思っていなかった二人。一瞬混乱する。
「ちょ、ちょっと待ってください。彼らが、この子たちがエヴァに乗るんですか??」
「そうです。彼らはNERVの正式な職員であり、専属パイロットです」
「しかし、こんな危ない役、おとり役には女の子を出すなんて、狂気の沙汰だ!一体、NERVは何を考えているんですか!」
「お言葉ですが、彼らはこのような作戦のために幾度となく訓練を行ってきました。また、彼らでなければエヴァは動きません」
「動かないってそんな・・・じゃぁ、子供じゃないと動かせない兵器だってーいうんですか、エヴァンゲリオンは!?」
「そうです。彼らはNERVの正式な職員であり、専属パイロットです」
「しかし、こんな危ない役、おとり役には女の子を出すなんて、狂気の沙汰だ!一体、NERVは何を考えているんですか!」
「お言葉ですが、彼らはこのような作戦のために幾度となく訓練を行ってきました。また、彼らでなければエヴァは動きません」
「動かないってそんな・・・じゃぁ、子供じゃないと動かせない兵器だってーいうんですか、エヴァンゲリオンは!?」
予想していたことではあるが、二人の反論はしつこい。
当初、ミサトはパイロットの詳細を明かさないつもりでいた。だが、リツコから、後でバレて反感をもたれる前に今回で納得させておくべきだ、
という助言があったので、日重工の二人に明かすことにしたのである。
今後も共同作戦があることは確かだろうし、そのほうが楽だろうとミサトは考えたのだ。
当初、ミサトはパイロットの詳細を明かさないつもりでいた。だが、リツコから、後でバレて反感をもたれる前に今回で納得させておくべきだ、
という助言があったので、日重工の二人に明かすことにしたのである。
今後も共同作戦があることは確かだろうし、そのほうが楽だろうとミサトは考えたのだ。
「それにつきましては、守秘事項のため、貴方方に申し上げる事は出来ません。
ですが、今回の作戦に関しては、いかなる事象があろうと、彼らがパイロットを務めます」
ですが、今回の作戦に関しては、いかなる事象があろうと、彼らがパイロットを務めます」
きっぱり言い切るミサト。彼女の目は本気だ。
それを見て仕方なしに黙る二人。腑には落ちないが、ここで言い合っていてもしょうがないと判断したからだ。
それを見て仕方なしに黙る二人。腑には落ちないが、ここで言い合っていてもしょうがないと判断したからだ。
542 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/29(木) 19:35:09 ID:???
「作戦の確認を続けます。午後12時、つまり明朝午前0時ジャストに作戦スタートです。
0時0分10秒に陽電子砲に電力供給開始、起動させます。
同時刻、JAは南東より第3新東京市Cブロックに侵入、目標に距離1000まで接近。
その後、40秒間、先に指定したルートを、腕部の磁場発生装置より磁場を展開しつつ走行。
ここまでで、何かありますか?」
「作戦の確認を続けます。午後12時、つまり明朝午前0時ジャストに作戦スタートです。
0時0分10秒に陽電子砲に電力供給開始、起動させます。
同時刻、JAは南東より第3新東京市Cブロックに侵入、目標に距離1000まで接近。
その後、40秒間、先に指定したルートを、腕部の磁場発生装置より磁場を展開しつつ走行。
ここまでで、何かありますか?」
「いえ、特に問題はないと思います」
「0時0分50秒、B-15から西へ方向転換、同時にエヴァ零号機射出。二体併走でB-18まで走行。
B-19の回収ポイントで零号機は緊急回収します。その間、0時1分20秒、陽電子砲発射、目標を殲滅予定です」
「第一射が失敗した場合は・・・?」
「第一射が外れた場合、再装填まで20秒かかりますので、JAに、B-18から、これも先に指定したルートを
A-17まで走行させ、おとり役を続行してください。補足ですが、目標が反撃してきた場合には、予定通り、
JA二号機に防御盾による狙撃主防衛をさせます。計算上では目標の攻撃にも24秒までは持つ予定です」
B-19の回収ポイントで零号機は緊急回収します。その間、0時1分20秒、陽電子砲発射、目標を殲滅予定です」
「第一射が失敗した場合は・・・?」
「第一射が外れた場合、再装填まで20秒かかりますので、JAに、B-18から、これも先に指定したルートを
A-17まで走行させ、おとり役を続行してください。補足ですが、目標が反撃してきた場合には、予定通り、
JA二号機に防御盾による狙撃主防衛をさせます。計算上では目標の攻撃にも24秒までは持つ予定です」
「24秒、か・・・・・・」
たかがというべきか、されどというべきか。失敗したときのチャンスは24秒。
目標が果たしてどれだけ連射できるのか、あるいはどのぐらいの長時間の射撃が可能なのかといったことは、まだ不明だ。
近接戦闘に比べれば圧倒的に成功する可能性は高いとはいえ、未知数が多すぎる。
近接戦闘に比べれば圧倒的に成功する可能性は高いとはいえ、未知数が多すぎる。
だが、なんとしてでも成功させなければならない。
そうでなければ、子供達が危ない―――。
543 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/29(木) 19:36:55 ID:???
「主任、いいんですか!?あの女の子、まだ中学生ですよ!そんな子を戦場に出すなんて・・・!」
「主任、いいんですか!?あの女の子、まだ中学生ですよ!そんな子を戦場に出すなんて・・・!」
ミーティング直後、加藤は早速時田に食って掛かる。
「自分はもう一度NERVにエヴァ零号機の出撃を中止することを要請してきますよ。あれじゃ酷すぎる!」
加藤の憤りは最もだと思う。だが、熱くなるわけにはいかない―――それは使徒戦の間に時田が学んだ、一つのルールであった。
「加藤、待て」
「主任!」
「お前の気持ちは分かる。だが、俺達にはどうにもできない・・・。あれが、ベストな方法なんだ」
「ですが!」
「・・・何のためのJAだ?」
「え?」
「主任!」
「お前の気持ちは分かる。だが、俺達にはどうにもできない・・・。あれが、ベストな方法なんだ」
「ですが!」
「・・・何のためのJAだ?」
「え?」
唐突な問いに返答の言葉もない加藤。
544 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/06/29(木) 19:38:41 ID:???
「確かに危険はある。だが、今後使徒が攻め続けてくる以上、彼らがエヴァのパイロットである限り、
彼らが危険にさらされるのは間違いない・・・・・・。
だが、もし彼らを出さず、今回たとえ俺達だけで作戦を成功させたとしても、次回はそうとは限らないだろう」
「・・・」
「だからこそ、無人兵器のジェットアローンを設計したはずだ。誰も犠牲が出ないように、な」
「そう・・・でしたね」
「そうだ。守ることが、JAの本当の目的だ。だから、俺達は全力であの子たちの乗るエヴァを守らなければならない」
「確かに危険はある。だが、今後使徒が攻め続けてくる以上、彼らがエヴァのパイロットである限り、
彼らが危険にさらされるのは間違いない・・・・・・。
だが、もし彼らを出さず、今回たとえ俺達だけで作戦を成功させたとしても、次回はそうとは限らないだろう」
「・・・」
「だからこそ、無人兵器のジェットアローンを設計したはずだ。誰も犠牲が出ないように、な」
「そう・・・でしたね」
「そうだ。守ることが、JAの本当の目的だ。だから、俺達は全力であの子たちの乗るエヴァを守らなければならない」
まるで自分に言い聞かせるかのように語る時田。内心のNERVへの憤りを沈めるかのように、彼の言葉は、重く、強い。
「戦うことは、手段でしかない。だが、だからこそ負けられない。近接戦闘が望めない以上、俺達の今回の任務は、
最初から何も変わってないんだ。エヴァを護衛し、目標を殲滅。――それしかない。」
「・・・分かりました」
最初から何も変わってないんだ。エヴァを護衛し、目標を殲滅。――それしかない。」
「・・・分かりました」
ちょうど二人は簡易指揮車両の前までたどり着く。遠くには、片腕のJA二号機の姿とエヴァ初号機の姿がある。
「・・・・絶対に、エヴァ零号機が敵の攻撃にさらされるようなことがあってはならないんだ。いいな」
――ヤシマ作戦開始まで残り240分。
決戦の時は、近い。
決戦の時は、近い。
552 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/07/06(木) 10:21:21 ID:???
『敵シールド、第17装甲板を突破!本部到達まで、あと3時間55分!』
『ハブ変圧システム、問題なし』『四国及び九州エリアの通電完了』『各冷却システムは試運転に入ってください』
『敵シールド、第17装甲板を突破!本部到達まで、あと3時間55分!』
『ハブ変圧システム、問題なし』『四国及び九州エリアの通電完了』『各冷却システムは試運転に入ってください』
双子山にアナウンスが響き渡る。いよいよ作戦に向けての最終段階に突入しようとしていた。
『戦自研開発、エヴァ専用改造用電子砲FX-1、配置完了』『ジェットアローン二号機、予定位置で待機』
「シンジくん、作戦はさっき言った通り。本作戦では、あなたは狙撃主、今回の作戦成功の鍵を握るわ」
「で、でも、ミサトさん、こんなのやったことないですよ・・・」
「大丈夫、インダクションモードでMAGIが誘導するわ」
「けど・・・」
「で、でも、ミサトさん、こんなのやったことないですよ・・・」
「大丈夫、インダクションモードでMAGIが誘導するわ」
「けど・・・」
ミサトの話に不安を隠しきれないシンジ。エヴァによる実戦は今回が初であり、そのうえ想定していた近接戦闘ではなく、
訓練も皆無な狙撃による殲滅作戦なのだ。無理もない。
訓練も皆無な狙撃による殲滅作戦なのだ。無理もない。
「いい、シンジくん。陽電子は、地球の自転、磁場、重力の影響を受けて直進しないわ。そのためにも精度の高いオペレーションが必要なのよ」
「そう、リツコの言うとおり、初の実戦だからこそ、シンクロ率の高い初号機が砲主を担当する必要があるのよ」
「分かりました。でも・・・綾波は、その、本当におとりなんですか?」
「えぇ。作戦を成功するためにはやむをえないわ」
「けど・・・」
「そう、リツコの言うとおり、初の実戦だからこそ、シンクロ率の高い初号機が砲主を担当する必要があるのよ」
「分かりました。でも・・・綾波は、その、本当におとりなんですか?」
「えぇ。作戦を成功するためにはやむをえないわ」
「けど・・・」
自分とて安全ではないが、それでもおとり役に比べれば断然リスクはない。だが、おとり役はその逆だ。
自分が同じ年の女子を差し置いて、安全な役を担当する事に、シンジもいささか抵抗がある。
自分が同じ年の女子を差し置いて、安全な役を担当する事に、シンジもいささか抵抗がある。
「シンジくんの言いたい事は分かるわ。大丈夫、零号機が担当するのは、距離としては僅かだし、JAも併走して敵の攻撃を防御するわ。
それにエヴァにはATフィールドがあるもの」
「・・・分かりました」
それにエヴァにはATフィールドがあるもの」
「・・・分かりました」
使徒の加粒子砲は、今の零号機のATフィールドごときでは防ぎきれるものではないことを、シンジもミサトも理解している。
だが、あくまで今回の作戦は、確実かつ精密に目標のコア一点を狙撃すること。
そのためにおとりが必要なことを、そしてそのおとりを確実におとり役としてたらしめるために、零号機が必要なこと。
シンジの心の中では分かっていても割り切れないものが残った。
だが、あくまで今回の作戦は、確実かつ精密に目標のコア一点を狙撃すること。
そのためにおとりが必要なことを、そしてそのおとりを確実におとり役としてたらしめるために、零号機が必要なこと。
シンジの心の中では分かっていても割り切れないものが残った。
553 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/07/06(木) 10:23:05 ID:???
午後11時。
午後11時。
『目標、第20装甲板を突破!』
「青葉くん、お願い」『はい!』
指示車両からNERV本部へ指示を出す。いつもは影の薄い彼だが、仕事は確実にこなす人物だ。
『これより国内の全電力ラインの通電を切り替えます。3,2,1…切り替え開始!』
彼の掛け声とともに消えていく第3新東京市の明かり。
いや、其処に限らず、日本中の明かりが、まるで湖に小石を投げ入れたかのように、波紋のごとく消えていく。
いや、其処に限らず、日本中の明かりが、まるで湖に小石を投げ入れたかのように、波紋のごとく消えていく。
『東海地方、完了』『関東、中部地方完了!』『四国、中国、九州までのラインに予想より1%のロスが発生、誤差修正内』
『東北、北海道まで通電完了、異常なし』『全エリア接続確認、通電よし!今のところ問題ありません』
『東北、北海道まで通電完了、異常なし』『全エリア接続確認、通電よし!今のところ問題ありません』
ほっと胸をなでおろす一同。
「続いて、JA、JA2の起動お願いします」
『了解しました』
『了解しました』
時田にも命が下る。彼も早速第二研究所主管制室へと連絡をとる。
「JA2、セーフモードで起動開始!JAは通常モードで起動、その後作戦開始位置まで移動せよ!」
双子山狙撃地点近くで、体育すわりをしていたJA2が、ゆっくりとうなりをあげ始める。
まだ片腕がなく未完成部分が多いとはいえ、新型N2リアクターの動作は完璧だ。
まだ片腕がなく未完成部分が多いとはいえ、新型N2リアクターの動作は完璧だ。
554 :199-200 ◆/Pif9px8OM :2006/07/06(木) 10:24:29 ID:???
『JA、起動完了、作戦定位置にて到達、以後待機します』
『JA2、起動完了、出力72%、熱量150で安定』
「・・・分かった。作戦開始時刻まで待機してくれ」
『JA、起動完了、作戦定位置にて到達、以後待機します』
『JA2、起動完了、出力72%、熱量150で安定』
「・・・分かった。作戦開始時刻まで待機してくれ」
僅かに時田の顔が引きつる。それもそうだ。JA2のセーフモードでの熱量が150という数字。
JAの通常モードでの熱量を100としているのだから、単純に考えて、セーフモードですら1.5倍の出力を保持している事になる。
確か自分がJA2を設計した段階では、通常モードで150のはずだった。どうやら第一研究所での改良が思いのほか有効だったらしい。
JAの通常モードでの熱量を100としているのだから、単純に考えて、セーフモードですら1.5倍の出力を保持している事になる。
確か自分がJA2を設計した段階では、通常モードで150のはずだった。どうやら第一研究所での改良が思いのほか有効だったらしい。
「これなら・・・おそらくJA2の通常モードは、JA1の高機動モードに匹敵する出力になるな」
思わず独りつぶやいてしまい、ばつの悪さに苦笑いをする時田。
幸いにも加藤は車両内モニタに映し出されるJA2の資料を読んでいるようで、時田の独り言は聞こえなかったようだ。
手に持つコーヒーを飲もうとすると、加藤から声がかかる。
幸いにも加藤は車両内モニタに映し出されるJA2の資料を読んでいるようで、時田の独り言は聞こえなかったようだ。
手に持つコーヒーを飲もうとすると、加藤から声がかかる。
「主任、まもなく作戦開始時刻ですよ」
「分かってる」
「見てくださいよ」
「分かってる」
「見てくださいよ」
モニタの一つには、陽電子砲の置かれている現場が映っている。
腹ばいになり、陽電子砲を構えるエヴァ初号機。そしてその右隣で、防御盾を片手でもち、片膝立ての状態で構えているJA2。
腹ばいになり、陽電子砲を構えるエヴァ初号機。そしてその右隣で、防御盾を片手でもち、片膝立ての状態で構えているJA2。
「ものすごい絵になりますよね」
「・・・分かってる」
「・・・分かってる」
まもなく、時刻は作戦開始時刻を迎えようとしていた。