あらすじ4

最終更新:

匿名ユーザー

- view
管理者のみ編集可

あらすじ4


3ページ目へ



あらすじ61 黄泉の国へ続く門


二つ目のアンテナが完成した。
セルシウスの話によれば、次に設置するのは
獄門洞になるらしい。
獄門洞には、死者の魂が転生の時を待つという
黄泉の国へ続く門があり、太古にはそこでも
「穢れ流し」は行われ、人間の世界から
精霊の世界への接点は非常に近いという。

主人公は、ニアタとヴェイグを伴って、
次なるアンテナ設置の準備を始めた。

主人公達が、獄門洞の奥深くを目指す。
生暖かく、懐かしい匂いの風に誘われるように
進むと、突然光溢れる場所へと出た。
閉ざされた洞穴の中、地底湖に夕陽が見える。
だが、それこそが黄泉の国の明かりだった。
人間と、人間ならざるモノとの世界の境にある
その門が、地底湖の湖畔に立っている。
アンテナを置こうと門に近づくと、魔物が現れた。

速やかに魔物を一掃し、アンテナを設置すると
主人公とヴェイグは、早々に帰還を始める。
ここは、生きた人間が来る場所ではないと、
畏敬の思いがあったのだ。
ニアタだけが、自らの死を遠く思い、いつまでも
光る湖面を見つめていた。
そして、船へ戻ろうとしたその時、
声がニアタを呼んだ。

声は、ニアタが仕えたパスカのディセンダー、
パスカ・カノンノだった。

彼女は、パスカより受け継がれた「記憶」として
現れたのだ。
カノンノは、パスカの子孫たる世界の存在や、
グラニデが負を越える事を伝える。
何億年ぶりかの再会。
ほんの数分だったが、その言葉はニアタの抱える
辟易とした生の思いを、一気に埋めるものだった。
世界に刻まれるのは、負だけではない。
たくさんの喜びも刻まれている。
最後にカノンノは、そう言って、
別の世界での再会を願い、消えていった。

帰還し、医務室のカノンノを訪ねる。
目をつぶっていたが、眼球はアニスの姿を
探すように動いていた。
危険な状態だった。
パニールが、涙を溜めて心配そうに見つめる。
うっすらとカノンノがまぶたを開いた。
アニスの姿が見えたのだと言う。
パニールが、消え入りそうなカノンノの声を
聞きとる。
そして、皆に報告する為に部屋を出て行った。


あらすじ62 アニスの捜索


カノンノは、メスカル山脈にアニスの姿を
見たという。
ジェイドにも心当たりがあるらしい。
主人公とジェイドは支度を始め、
船はアニスがいるであろうメスカル山脈へと
航路を取った。

メスカル山脈に降り立つと、風に髪を暴れさせながら
ジェイドが一点を見つめた。
この山脈を越えた先に、アニスの故郷があるという。
アニスは、家を嫌っていると言っているが、
やはり親が恋しくなったのだろう。

まだ、アニスは幼い。
優秀な人形士とはいえ、一人でこの山脈を越えるのは
危険だった。

強い風が吹く。
世界樹の負が、行き場を求めて暴れているようにも
聞こえる。

アニスは、自分の故郷へ続く国境付近で
見つかった。
アニスは、お人よしで優しいが故に、
家族を犠牲にしてしまう親に対して、
愛憎入り混じった想いを抱いていた。
親を憎む事で、寂しさを押し殺してきたのだ。
本当は、親に会いたいが、会えば傷つけてしまう
だろうと葛藤し、この場に留まっていた。

アニスから負が顕現する。
負が囁く。
貧しくて苦しかった生活に巻き込まれていたのは、
愛されていないからだったと。
自分は必要の無い子どもだった。
絶望し、その場にうな垂れるアニスに向かって、
負が構える。

主人公は、アニスを励ましながら、
負にぶつかっていった。
ぬくもりに飢えていながら、傷つける。
主人公は、アニスの負をそんな風に
感じていた。

やがて、負が戦意を失い、本心を語り始めた。
本当は、両親を愛している事。
貧しい暮らしが辛かった事。
貧しさから目をそらす為に、親を憎む自分が
何より嫌いだった事。

アニスが、自分自身を許し、両親に甘えて
親の愛を素直に受け取ると誓う。
すると、負は安堵の表情を浮かべ、光となり、
アニスに溶けていった。


あらすじ63 カノンノの小さな灯り


再び船員は全員揃ったが、
カノンノの体調は相変わらずだった。
リフィルも休ませる他に手立ては無く、
マナを極限まで失った人体の変化に
ショックを隠せないようだった。

ニアタが、カノンノの元へ行きたいと言う。
リフィルの勧めもあって、主人公は
医務室へ行く事にした。

カノンノは、身体を起こし、一生懸命
筆を走らせていた。
物語を書いていたのだという。
今、本当にやりたい事をやってると、
幸せそうに笑うカノンノ。
だが、時折、明減するその姿は、
マナの枯渇している状態を知らしめた。
心配し、休むように促すニアタ。
だが、カノンノは大丈夫だと微笑んだ。

カノンノは、主人公の話を
書くのだという。
ディセンダーの新しい話を書き終わるまで消えない。
もっと色んな事を書きたいから、絶対に消えない。
カノンノは強い意志をもって、
主人公にそう伝えた。

主人公は、
カノンノの言葉を受け止め、信じる事を伝えてから
今は休むようにと促した。
カノンノは、ちょっぴり残念そうな顔をして、
それからいたずらっぽく笑って、また横になった。

「大丈夫だよね、私」
カノンノは最後にそう言って、まぶたを閉じた。


あらすじ64 穢れ流しの場へ走れ


三つ目のアンテナが完成した。
主人公が設置を引き受ける。
設置場所は、ガレット森林区「穢れ流しの場」。
ガレットの民とセルシウスが、負を世界樹へ
送り流していたという場所だ。
今回は、セルシウス、そしてカノンノが
同行するという。
今の容体ではとても無理だと、チャットも
止めたが、カノンノの覚悟の気迫に押されて
仕舞いには許可してしまったらしい。
パニールもニアタも、カノンノの揺るがない意を
汲んで、送り出すのだという。

時々カノンノの方を振り返りながら、
主人公は走った。

目は生き生きとし、どんな戦いでも
後の無い最後の戦いとして、
誠意を込めてぶつかっていく。
そんなカノンノに、ニアタはディセンダーと
同じ眼差しを見ていた。

一方、ゲーデもガレットの森の中を彷徨っていた。
姿の無い負の眷属を率い、誘われたように、
穢れ流しの場へ来てしまったのだ。
世界樹へ続く、その道を見つめるゲーデ。
戻りたくはない。
なのに、妙な回帰願望が頭をもたげる。

ゲーデから眷属が離れ、世界樹へ続く道を目指す。
それらは、負で居続ける事に苦痛を感じ、
還る場所を探していたのだ。
裏切られた思いでゲーデが激昂し、自らの身体に
眷属達を取り込む。
だが、負を取り込むたびにゲーデは激しい痛みを
感じていた。
強くなる程、痛みも、苦しみも増していく。

ゲーデはいつしか、自分の場所を探していた。


あらすじ65 痛み


主人公達が氷の滝へ辿りついた時、
ゲーデは、主人公を見ると、
虚勢を張り、悪態をつき始める。
この世界を負で埋め尽くし、全てを無に還す。
世界も、人間達も、世界樹も。
自分だけ消えてたまるものかと、ゲーデは吠えた。

ゲーデは、世界樹の中で作られ、
消える事を繰り返すだけの運命である。
負を生み出す人間が存在する以上、
それは永劫に続く事かもしれない。

だが、カノンノは、人は負を変えていく事が
出来るとゲーデに説いた。
負を受け止め、超えていったビクター、
クロエやファラ、そしてアニスのように
ゲーデも変われると教えたかったのだ。

だが、ゲーデは、自分はヒトとは違うと、
自らが変わる可能性を否定した。

ゲーデが、自らの中にあった負を
カノンノに浴びせる。
カノンノが幼い頃に抱いた負である怒り、寂しさ、
不安が沸き上がり、彼女の心を蝕もうとした。

カノンノの身体が明滅する。
生命維持に限界が訪れたのだ。
激しい痛みが、カノンノの身体を襲う。

しかし、カノンノは分かち合うようにして、
ゲーデの負を受け止める。

ゲーデが、ひどく動揺した。
虚勢が剥がされていく恐怖。
ゲーデは、声をうわずらせて、これ以上
心を見透かされまいと姿を消した。

主人公は、ゲーデの変化を感じていた。
初めて会った時の様に、やみくもに攻撃しなかった。
ゲーデは苦しみ、何かを求めている。

負に、身体を蝕まれるままにしているカノンノ。
皆が気づかうが、カノンノは覚悟を決めた目で
大丈夫だとかえす。
心配だったが、主人公は
カノンノの覚悟を信頼した。


あらすじ66 闇を超えて


穢れ流しの場に着き、速やかにアンテナを
組み立てた。
何より、カノンノ容体が心配だった。

カノンノは、自分の中の負を喚起させているのは、
ゲーデの孤独、渇き、焦燥なのだと理解した。
これがゲーデの抱える痛みなのだと思うと、
カノンノは居ても立ってもいられなくなった。

色々な負が一度に押し寄せて、
どうしていいかわからなかった。
だから、何かにぶつけるしかなかった。
だが、そのたびに悪循環を生んでしまい、
苦しさから逃れる事が出来なかった…。
そのゲーデの苦しみをカノンノは受け止め、
心を開いて負の感情を味わい尽くす。

すると、カノンノの体が光りだした。
天を仰ぎ、歓喜の表情を浮かべる。
カノンノが抱えた負が、マナに生まれ変わったのだ。

驚く主人公達。
だが、一番驚いたのはカノンノだった。

負も変わりたがっている。
そして、変わる事が出来る。
それは大きな気付きだった。

負は無には還らない。
世界樹は母たる存在として、負をも抱き、
新しい可能性とする為にマナへと
変えているのだろう。

負を絶対に拒まず、一身に受け、抱えながら
全てを受け入れようとする世界樹。

人間にどんな愚かな時があろうとも、
罰を与えたりせずに、全ての可能性を
見守ってくれる。
人間達が、負と向きあって越えていくのを、
信じてくれている。
カノンノは、世界樹の無償の愛に守られて
いる事を感じて、涙を流した。

マナが枯渇していたカノンノの身体が、
みるみるマナで満たされていく。

パニールやニアタ、今まで出会った全ての者達、
そして何より、主人公が
輝いていた事にカノンノは感謝せずには
いられなかった。


あらすじ67 精霊界への道を開け


帰還すると、たくさんの拍手に出迎えられた。
皆が、主人公を賞賛する。
不可能だと思われた事は、ほとんど
主人公の手で解説してきたのだ。

主人公は、少し戸惑った。
大した事はしていない。
ただ、やりたい事をやってきただけだった。
鳴り止まない拍手の中で、仲間の顔を
一人一人見る。

そして、主人公は気がついた。
記憶を持たなかった自分が、いつしか思い出を
手に入れていた事に。
そして、主人公は
共に思い出を紡いだ人達からの祝福を受け止め、
また一つ、自分の記憶に刻んだ。

これから、船は世界樹の元へ向かう。
アドリビトムによる、穢れ流しが始まるのだ。

ジェイドの号令と共に、皆甲板に集まった。
ハロルドが、精霊界と人間界とのチューニングを
あわせる。
そして、セルシウスをはじめとするグラニデ中の
精霊が、負を精霊界へと流し始めた。

世界樹上空に出来た精霊界の道へ、
次々に流れていく負。
一同がその様子を見守っている中、徐々に負の流れの
勢いが落ちてくる。
精霊界への道が、負で詰まり始めたのだ。

上空から声が響いた。
ゲーデだ。
精霊界へ続く道の途中で、ゲーデが流されまいと
踏みとどまっている。
負は道を完全に塞いで凝り固まり、異様な空間を
形成していった。
ゲーデが忌々しく、グラニデの全てのものに
怨恨の言葉を投げかける。
皆は、負を流す手段を断たれ落胆の表情を浮かべた。

だが、ハロルドとリフィルはこの新たな困難に
楯付くように啖呵を切った。
まだ、あきらめるには早すぎる。
主人公も、そのつもりだった。

世界樹上空に形成された空間は、
ネガティブ・ネストと称された。
ゲーデが、精霊界への道を塞いでいるのであれば、
ゲーデ自体を除かなくてはならない。
これが学者達が出した答えだった。

だが、バンエルティア号に、遥か上空にある
ネガティブ・ネストまで達する航行性能は無かった。
新たな壁に思い悩むリフィル。

すると、ニアタが頼もしい声で
一つの提案をした。
ニアタは、バンエルティア号と同じ仕組みを持つ
船があった世界も行った事があり、
ネガティブ・ネストへ届くよう、
改良は可能だと言う。

また一つ、バンエルティア号の伝説を
証明出来ると驚喜するチャット。

ニアタの知恵を借り、船員達は早速
改造に取り組み始めた。


あらすじ68 あなたの輝き


改造作業の音が止み、突然足元にぐらつきを
感じた。
一度大きく船が揺れたが、すぐに安定を取り戻す。
ジェイドがやって来て、
船の改造が終了した事を告げた。
船は今、飛行テスト中で、高度50メートルで
滞空しているらしい。

いよいよ、ネガティブ・ネストへ向かう時が
来たのである。

機関室へ向かうと、カノンノがいた。
カノンノが尋ねる。
世界が平穏を取り戻せば、
いなくなってしまうのかと。
主人公は、何も答えられず下を向いた。
困らせてしまったと、謝るカノンノ。

カノンノは、主人公の輝きを、
色んな人に伝えたいと言う。
その為にディセンダーの話を書いているのだと。

みんなが、輝いて
みんながディセンダーに
なれるように。

それは、カノンノの願いだった。


あらすじ69 ゲーデのもとへ


再び負が流れるように、ネガティブ・ネストを
叩く。
それが、主人公の
恐らく最後の仕事となるはずだ。
船での生活も。
だが、チャットは主人公に
戻って来いと言う。
主人公が請け負うべき仕事は、
まだ山のようにあると、そでにすがるように
訴えた。

それから、取り乱してしまったのを
自制するように顔をそむけ、
アドリビトムのリーダーとして毅然と
主人公を送り出した。

船が高度を上げ、ネガティブ・ネストに届いた。
グラニデに刻まれていた負で構成されたその空間に、
主人公が足を踏み入れる。
付き合うと、ニアタが後を追ってきた。
ゲーデがいるであろう、その空間の奥をしばらく
見据えて、主人公は歩き出した。


あらすじ70 負の巣


怒り、妬み、悲しみ、不安、焦燥、後悔、
罪悪感、虚しさ…。
あらゆる負の嘆きが聞こえるようだった。
ただ、主人公はわかっていた。
それら負は越えて、変えていけるものだと。

奥には、朦朧とした様子でゲーデが立っていた。
自暴自棄になりながら、主人公の
進撃を待つ。

ゲーデの全てを拒むような攻撃。
だが、主人公は
ぶつかる所がなければ、自分にぶつければいいと
ゲーデを受け入れる為に戦った。

主人公が、輝いた。
心に届かせる為の、一撃。
耳をつんざくような悲鳴と共に、
ゲーデが弾き飛ばされた。

身を縮めて、怯えるゲーデ。
ひどく惨めで小さく、こんなにも弱く脆い表情を
持っていたのかと、憐れみを誘う姿だった。

そして、自ら抱える負に苦しみもがいた。
もはや、何を憎み、何を嘆き、何に恐怖しているのか
ゲーデはわからなくなっていた。
強烈な負による痛みと、暴走する心。

やがて、ゲーデから黒い光が発せられ、
その身体を丸く覆った。
ゲーデが心を閉じ、姿が変容し始める。

ニアタが言う。
ゲーデの変容したその姿は、「無関心」。
無関心は何ものも拒み、永遠の停滞を招く。
変化も無く、前進も滅びも無い。
負よりも厄介なものなのだ。
ニアタが主人公の告げる。

この世に「無」などない。
ゲーデがどんなに立ち止まろうと、
その心を突き動かしてやれと。

ゲーデに自分自身を思い出させ、
自分自身を受け入れさせる事。
それが主人公の戦いだった。

主人公が、ゲーデの名を叫び、
突き進んだ。

どう、ゲーデにぶつかったかは覚えていない。
その瞬間瞬間しか見なかった。
過ぎた事、先の事はどうでも良かった。
そして、お互いが最も近づき、触れたのを
感じた時だった。
気がつくと、主人公は
ゲーデと組み合ったままになっていた。
もう、抵抗するような力は感じなかった。
赤ん坊が親を求めてすがる時の様に、
ゲーデはその手を握り返してきた。

負が流れ始める。
精霊界へ、再び負が流れ始めたのだ。

ついにはゲーデの身体も拡散し、
精霊界へと流れていった。

その流れの先を見つめる主人公。
そして、自分もゆっくりと
精霊界への道を歩いていった。


あらすじ71 一緒に輝こう


主人公を残し、船が離脱する。
皆が、甲板から消失していくネガティブ・ネストを
見つめていた。
だが、誰一人悲壮な顔はしなかった。
主人公は必ず戻る。
当たり前のように、皆はそう信じていた。

やがて、世界に蔓延していた負も流れきり、
精霊界への道は閉じていった。

主人公は一人、精霊界への道…、
世界中の内部へと落ちていった。
暗く、静かで、胎内の様な暖かな世界だった。
目を閉じ、自分が帰るべき世界へ落ちていく。
その落ちていく先に、弱々しく鈍い光を感じた。
ゲーデの光だ。
光は、かすかに息をするように明滅している。
小さくとも、生きたいという意思、
そして愛おしさを感じた。
主人公が、光に手を伸ばす。

一緒に輝こう。
一緒に手をつないで行こう。

そっと両手にすくい、光を自分の胸に抱きこんだ。

すると、ゲーデの光はあらゆる方向へ射し出し、
光彩を放ち始める。
無限とも思われるその空間は、光で満たされていった。

バンエルティア号、甲板。
皆が空を見上げていると、空から光の粒子が
降り注いできた。
不思議な光景に、皆が目を見張る。
世界中がマナを生み出し、潤沢に世界へ
溢れさせている。
ゲーデがマナとなり、新しい可能性となって
生まれ変わったのだ。

世界が瞬く間にマナで満たされていく。

新しく生きようとする大地と、降り注ぐマナを
皆はいつまでも見つめていた。
そして、アドリビトムのメンバーのほとんども、
故郷を立て直す為に船を降りていった。

一ヶ月後。

両親の墓参りをする為に旅に出ていたカノンノが、
船へ戻って来た。
再会を喜び、抱き合うカノンノとパニール。

この一月の間に、パニールがあのジャニスと
結婚したのだという。
その為か、パニールの顔には活気が溢れ
以前よりも若返ったようだった。
マナに代わる新しいエネルギーも
もうすぐジャニスの手により完成するという。

ふと、気付いたようにカノンノが
主人公の帰りを尋ねる。
しかし、やはり戻ってきてはいなかった。
カノンノが一冊の本を取り出し、パニールに手渡す。
それは、ディセンダーの新しい物語。
主人公の活躍を描いた物語だった。
書き終わって持ち込んだら、出版してもらえる事に
なったという。

パニールは大層驚き、カノンノの夢が現実に
なった事をひどく喜んだ。
ページをめくり、主人公が
この船に舞い降りた時を思い出す。

主人公に会いたい。
カノンノは、いつかまた会えるのを強く願って
物憂げに海を見つめた。

絶対にまた会える。
その日を信じて、
カノンノはパニールと船内へ歩き出した。

主人公が、
すぐ後ろに帰ってきた事も知らずに…。


記事メニュー
目安箱バナー