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ヘタレちゃダメだと言われても

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ヘタレちゃダメだと言われても  ◆KV/CyGfoz6




ヤムチャは砂浜でひとり、体育座りで物思いに耽っていた。



この島に来てから7時間足らずのうちに、いろいろなことがあった。

妖術使いのロボットに襲撃された。
ウサギのぬいぐるみに躓いた。
耳からビームを出すイヨとかいう名前のウサギに追いかけられた。
おまけにそのイヨは首が取れても生きていた。
かと思ったらこの殺し合いに関して説明した男がぞろぞろ出てきた。
その男たちが『キングハート』と呼んだ人物が、首が取れても生きていたイヨを一瞬で倒した。
そして、この手で、死んでいないだけのイヨに止めを刺した―――

本当にいろいろあった。
だが、紆余曲折を経ても、ヤムチャの考えは最初から変わっていない。


この島にいる者をすべて殺して優勝し、その後でドラゴンボールを集めて皆を復活させ、
遺族から礼金をせしめる。


それがヤムチャの決めた道。
目的を達成するためにはやらねばならないことがたくさんあると、ヤムチャはこれからのことを考える。


まず、今後の行動方針としては仲間を集めること。
今いるのは都市のそばの砂浜なので、明るくなった今なら人と接触すること自体は難しくないはずだ。
ただ、相手を見極める必要がある。
後々のことを考えると、自分の思い通りに動いてくれて、自分より弱いヤツでないと困る。
協力してくれるなら誰でもいいというわけにはいかない。

仲間を集めたら、次は邪魔者の排除だ。
さっき聞いた放送によると、すでに73人が死んでいるというのだから
“腕の立つ邪魔者”がかなりの数で存在していると予測される。
しかもその中には、あの孫悟空を殺したヤツか、孫悟空を殺したヤツを殺したヤツか、
孫悟空を殺したヤツを殺したヤツを殺したヤツか……
なんにしろ、孫悟空より強いヤツが最低でも1人はいるのだ。


考えれば考えるほど、優勝への道のりは遠い。だが、だからと言って諦めるわけにはいかない。
何故なら、絶対に死にたくないから。
ヤムチャは改めて優勝を決意する。


それから……


ヤムチャは、今の自分が何よりも先に解決せねばならないと思ってる問題に関して考えを巡らせる。
視線は自然と自分が手に持つウサギのぬいぐるみ――マイメロディ――へと向かった。

イヨッペビームとやらで焦げてボロボロになったぬいぐるみ。
さっき気づいたが、首には自分が嵌められているのと同じ首輪をしている。


そんなウサギのぬいぐるみを見ながら、ヤムチャは思う。








―――このぬいぐるみは生きているのか?







そもそもぬいぐるみ相手に生きているとか死んでいるとか考えること自体がアホらしい気はする。
しかし、このぬいぐるみが付けている首輪はバトルロワイアルの参加者である証。
少なくともこれが生き物であることは間違いないのだ。
問題は、今の時点で生きているのかどうか。
名前がわかればさっきの放送から生死を判断できたのだが、ヤムチャはこのぬいぐるみの名前を知らない。
人間なら脈や呼吸を確認すれば済む話なのだが、対象がぬいぐるみなのでそういうわけにもいかない。


だいたい、ぬいぐるみってどうやったら死ぬんだ?


ヤムチャの思考は迷走する。
ぬいぐるみの殺し方なんてヤムチャは知らない。
しかも、今手にしているぬいぐるみは、首が取れても生きていたイヨと同じ“ウサギ”なのだ。
首をちょん切って中綿を出してバラバラにちぎって燃やしても、死ぬという保証はない。
なんせ、“ウサギ”だから。


ヤムチャは考える。

考える。

考える。

考える。

考える。


だが、答えは出ない。
そしてヤムチャは悟る。

ウサギのぬいぐるみの生死の確認の仕方や殺し方なんて考えてわかることじゃない、と。



ヤムチャはそばに置いていたデイパックから望遠鏡を取り出して立ち上がった。
生きているか死んでいるかもよくわからないウサギのぬいぐるみをこれ以上持ち歩くのは気持ち悪い。
かと言って、あんまり変なことをして逆襲されるのも怖い。
だから……



―――捨てる!!



ヤムチャは助走をつけてウサギのぬいぐるみを海に向かって全力で、投げた。
そのぬいぐるみの行方を望遠鏡で追いかける。
海に沈んだのを確認したら、ここから走り去ろうとヤムチャは決めていた。
ウサギのぬいぐるみは弧を描いて沖へと飛んでいく。
もう少しで海面につく。ヤムチャがそう思った瞬間―――





ウサギのぬいぐるみの首輪が、


爆発、


した。





ヤムチャは、望遠鏡を覗き込んだその姿勢のまま、動かなかった。
動けなかった。
体も。思考も。
あまりにも予想外の出来事に、完全に停止した。


しばらくして……


ヤムチャはゆっくりと動き出す。
足元の自分のデイパックを拾い上げ、望遠鏡と、ウサギのぬいぐるみが持っていたデイパックを入れる。
そして1歩を踏み出す。優勝へ向けての1歩を。





―――なんで首輪、爆発したんだ!!!???





そんな疑問を抱いたまま、ヤムチャはとりあえず砂浜を後にしたのだった……





【マイメロディ@おねがいマイメロディシリーズ  死亡確認】



【C-1 砂浜/1日目朝】


【ヤムチャ@ドラゴンボールシリーズ】
【服装】盗賊の服
【状態】健康、精神的にかなり動揺
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式×3、不明支給品1~7、望遠鏡、紅茶セット、首輪(イヨ@アニマル横町の物)
【思考】
  1:優勝した後、ドラゴンボールで皆を復活させる
  2:なんであのぬいぐるみの首輪は爆発したんだ!?
  3:殺し合いに乗っていないふりをして仲間を集める
  4:ゼロという人物を探す(アンドロイドという単語は失念してます)
【備考】
  ピラフ編でピラフ城へ行く直前から参戦

※マイメロディの首輪が爆発した理由の真相に関しては、他の書き手さんにお任せします。



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ヘタレちゃうけどダメかな? ダメ ヤムチャ ヘタレになって何が悪い!
ヘタレちゃうけどダメかな? ダメ マイメロディ GAME OVER


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